【読】気になる本(東京新聞書評から)
東京新聞をずっと購読(愛読)している。
他紙も同じだが、毎週日曜日に書評が見開き2ページで掲載されていて、これを楽しみにしている。
今日の東京新聞書評ページから。
気になる本は手帳に書きとめてきたが、覚え書きとしてここに書いておこう。
『世界史を変えた薬』
佐藤健太郎(サイエンスライター) 著
講談社現代新書 192ページ 2015/10/16発行 799円(税込)
― Amazonより ―
内容紹介
医薬品というものは、どうにも不思議な代物だ。老若男女を問わず、誰もが薬のお世話になっているにもかかわらず、薬について詳しいことはほとんど何も知られていないに等しい。 口から飲み込んだ小さな錠剤が、どのようにして患部に届いて痛みや炎症を鎮めるのか、簡単にでも説明できる人は相当に少ないだろう。
近年は、医薬品の過剰投与や副作用などネガティブな側面ばかりが強調されがちだが、人類は医薬品の発明によってその寿命を飛躍的に伸ばしていた。「死の病」と恐れてきた感染症は、抗生物質の発明により、ありふれた病気になった。あまり意識されないが、いくつかの医薬品は間違いなく、世界史を変え、人類の運命を変えてきた。
医薬の科学はなおも発展の途上にあり、今後さらに大きく社会を変えてゆく可能性を秘めている――というより、確実に変えてゆくことだろう。とすれば、医薬と人類の関わりを、歴史の流れに沿って眺めておくのは、意義のある試みであるに違いない。
(ひと言) 面白そうだ。
『戦争の谺 ――軍国・皇国・神国のゆくえ』
川村 湊 著 白水社 321ページ 2015/8/20発行 3,024円(税込)
― Amazonより ―
内容紹介
復興という幻影
本書は気鋭の文芸評論家が「戦後年間」を振り返り、その時期を少し別な視角、視点から眺めながら、歴史のもう一つの断面を多くの具体的事象から探ろうとする一冊である。
戦後の歴史とは、一口に言えば「平和」か「復興」か、「慰霊」か「繁栄」かの選択だったともいえよう。
例えば長崎にはなぜ広島のような原爆ドームが残されなかったのか。また広島の復興計画はどのように変遷したのか。沖縄の慶良間諸島で住民に集団自決を命じた日本軍兵士がなぜ七割も生き残ったのか。
原爆ドーム以外に、日本が「二度の被爆国」であった証拠となるようなものはほとんど残っていない状況とは何を意味するのか。
何が変わって、何が変わらなかったか。「戦後空間」が何を隠蔽し、どんな共同幻想のなかで形成されてきたのか……。
他にも戦時中の「鬼畜米英」や「八紘一宇」といったキャッチコピーの意味、戦時下の植民地教育などを、戦後思想に通底するものとして論じながら、著者は戦後日本の復興や復帰の言説がいかにいかがわしいものであったかを明らかにしていく。
福島原発事故処理の流れが、あのときと不思議と似ていることに読者は気づかされるだろう。
(ひと言) 著者の川村湊さんを私は信頼しているので、興味のある一冊だ。
価格がやけに高いように思うが。
『「戦後」の墓碑銘』
白井 聡 著 金曜日 296ページ 2015/10/6発行 1,512円(税込)
― Amazonより ―
内容紹介
目次〈抜粋〉
第1章 「戦後」の墓碑銘
第2章 「永続敗戦レジーム」のなかの安倍政権
第3章 「戦後」に挑んだ者たち
第4章 生存の論理としての抵抗
出版社からのコメント
「戦後」の断末魔=安倍政権を歴史の屑籠に叩き込め!
「永続敗戦レジーム」という構造を歴史的、社会的、精神的に暴露し、生起しつつある新たな民主主義革命のヴィジョンを示す必読のテキスト。
(ひと言) この著者の評価は、私のなかでまだ定まっていないが……。
いちおう読んでみたい一冊。
図書館に入れてもらおうか。……と書いて、図書館のサイトを調べてみたら、もう入っていた。ありがたいな。
■
今週は、他にも興味ぶかい本が多い。
とりあえず、今日の新聞はスクラップしておこう。
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