【読】山口晃さんの楽しい本
市の図書館から、きのう借りてきた本。
やっぱり、図書館はありがたい。
ただ、借りてしまうと安心して、なかなか読まないのだが。
そういうときは、いったん返却してまた借りる。
「図書館は 近くのわが書庫 わが書斎」 (川柳もどき)なんちゃって。
山口晃 『ヘンな日本美術史』
祥伝社 2012/11/10発行 252ページ 1,800円(税別)
― e-honサイトより ―
[文学賞情報]
2013年 第12回 小林秀雄賞受賞
[要旨]
自分が描いたということにこだわらなかった「鳥獣戯画」の作者たち。人も文字もデザイン化された白描画の快楽。「伝源頼朝像」を見た時のがっかり感の理由。終生「こけつまろびつ」の破綻ぶりで疾走した雪舟のすごさ。グーグルマップに負けない「洛中洛外図」の空間性。「彦根屏風」など、デッサンなんかクソくらえと云わんばかりのヘンな絵の数々。そして月岡芳年や川村清雄ら、西洋的写実を知ってしまった時代の日本人絵師たちの苦悩と試行錯誤…。絵描きの視点だからこそ見えてきた、まったく新しい日本美術史。
[目次]
第1章 日本の古い絵―絵と絵師の幸せな関係
鳥獣戯画
白描画 ほか
第2章 こけつまろびつの画聖誕生―雪舟の冒険
こけつまろびつ描いた雪舟
なぜ雪舟は邪道を選んだのか―「破墨山水図」 ほか
第3章 絵の空間に入り込む―「洛中洛外図」
単なる地図ではない、不思議な絵
とっつきやすさの「舟木本」 ほか
第4章 日本のヘンな絵―デッサンなんかクソくらえ
松姫物語絵巻
彦根屏風 ほか
第5章 やがてかなしき明治画壇―美術史なんかクソくらえ
「日本美術」の誕生
「一人オールジャパン」の巨人―河鍋暁斎 ほか
[出版社商品紹介]
漫画的、平面的と言われる日本の絵が、実は頑張って「奥行」を表現してきたことにも触れながら、日本人の絵とは何か、を問い直す。
山口晃 『山口晃 大画面作品集』
青幻舎 2012/12/3発行 本文209ページ 3,800円(税別)
― e-honサイトより ―
[要旨]
図版最大横幅約九〇センチ、随想・自作解題書き下ろし。作品集第二弾。
[出版社商品紹介]
8年ぶり、待望作。圧倒的超技巧と細部描写を堪能できる超大画面作品集。山口晃の複層的思考を完全網羅。
著者紹介
山口 晃 (ヤマグチ アキラ)
1969年東京都生まれ、群馬県桐生市に育つ。1994年東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。1996年東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻(油画)修士課程修了。
この大型画集、3,800円(税抜)は安いと思う。
山口画伯の精緻で不思議な絵が満載で、楽しめる。
手元に置いておきたくなるような(つまり、購買欲がでてくる)、“困った”本だ。
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