【読】ようやく読了、赤坂憲雄 『震災考』
晴れてきもちのいい日。
きのうは北風が吹き荒れていたが、今日はおだやかだ。
午前中、家人はレースのカーテンを洗濯。
その間、私は厚手のカーテンをコインランドリーへ持って行って洗濯。
■
読書記録をみると、読みはじめたのが4月はじめ。
ときどき開いては読み続け、ときに中断していた分厚い本を、今日ようやく読みおえた。
赤坂憲雄 『震災考 2011.3-2014.2』
藤原書店 2014/2/28発行 381ページ 2,800円(税別)
― 本書の帯より ―
<草の根の力で 未来を 創造する。
復興構想会議委員、「ふくしま会議」代表理事、福島県立博物館館長、遠野文化研究センター長等を担いつつ、変転する状況の中で「自治と自立」の道を模索してきた三年間の足跡。>
― Amazonより ―
「東日本大震災の被災地となった地域は、時間が早回しされたかのように、三〇年後に訪れるはずであった超高齢化社会をいま・ここに手繰り寄せてしまった。復旧はありえない。右肩上がりの時代には自明に信じることができた旧に復するシナリオは、すっかり色褪せ、リアリティを喪失している。それだけが、眼を背けることを許されない現在の事実である。東北に、とりわけ福島に踏みとどまって生きるということは、まったく新しい暮らしや生業のかたちを前向きに創造してみせることなしには、不可能なのである。二〇一一年の三陸や福島は、一九九五年の神戸からははるかに隔絶した、いわば次元を異にする時代のなかへと漂流を強いられている。どれだけ時間がかかっても、東北はしたたかに・しなやかに、みずからの未来を草の根の力で創造してゆくしかない。その覚悟だけは、いま・ここで固めるしかない。」
(本書「はじめに」より)
出版社(藤原書店)の本書紹介ページ
http://www.fujiwara-shoten.co.jp/shop/index.php?main_page=product_info&products_id=1362&zenid=a51c2bf7a2040f5c11f75cd751850d8a
2011年3月23日、読売新聞に執筆した「東北の民族知、今こそ復権」という文章から、2014年2月2日、「コミュニティパワー国際会議2014 in 福島 基調演説」まで、足かけ三年間に赤坂さんが考え、訴えてきたことが、ぎっしり詰まっている。
一篇一篇を、かみしめる思いで読んできた。
赤坂憲雄さんのすごいところは、ご自分の足で被災地を歩き、深く考え続けられているだけでなく、さまざまな集まり/運動に、エネルギッシュにかかわり続けていらっしゃることだ。
頭がさがる。
一般社団法人 ふくしま会議
http://www.fukushima-kaigi.jp/
ふくしまの声 | 読むふくしま会議
http://fukushimanokoe.jp/
会津自然エネルギー機構
http://ainef.jp/
■
赤坂さんには、今年9月13日、「小平図書館友の会」の主催で、小平市立中央図書館において講演していただいた。
9月13日 講演会のお知らせ 「遠野物語から会津物語へ」 (赤坂憲雄さん): 小平図書館友の会ブログ
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/kltomonokai/2015/09/913-648b.html
そのときに、はじめてお会いしたのだが、たいへん穏やかなお人柄を感じるとともに、一本筋の通った考え方(思想と呼ぶべきか)に感銘を受けたものだ。
【写真】 2015/9/13 小平図書館友の会主催講演会
「遠野物語から会津物語へ」 (小平市立中央図書館 視聴覚室)
講演会の模様は、小平図書館友の会発行の「会報35号」をネット公開しているので、ご覧いただきたい。
小平図書館友の会 会報35号発行 (2015/11/15): 小平図書館友の会ブログ
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/kltomonokai/2015/11/35-20151115-7dd.html
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