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2016年1月15日 (金)

【読】杉本つとむ『語源海』を入手

できるだけ利用しないようにしているアマゾン。
理由は、「家族の手前」ということで……。

しかし、今日届いたこの分厚い辞書は、得がたい買い物だった。
信じられないほどの低価格。
ほとんど未使用状態と思われる、定価7,500円(税別)の本が、なんと数百円(定価の5%)。
アマゾンならでは、だろう。

杉本つとむ 『語源海』
 東京書籍 2005/3/31発行 851ページ 7,500円(税別) 

― 『語源海』 カバーより ―

杉本つとむ
1927年(昭和2年)横浜生まれ。
早稲田大学名誉教授。
オーストラリア国立大学ANU招聘教授をはじめ、モスクワ大学招聘教授、オランダ・ライデン国立大学研究員、北京日本学研究センター講師など、海外でも日本語学の指導と教鞭をとる。
◎主要著作
『近代日本語の成立』 1960年
(中略)
『杉本つとむ著作全集』 1998年
『江戸の阿蘭陀流医師』 2002年
など、著作は150冊を超える。

― Amazonより ―

【主な特色】
1,現代人が読みやすいヨコ組み仕様。
2,ローマ字表記による語源の解明。
3,類書にはない豊富な用例と詳細な解説。
4,漢字用法のさまざまな異なりを明記。
5,中国語,英語,オランダ語,ポルトガル語などを併記。
6,一字一字の意味から分析。
7,見出し語約1700。関連語も随時補説し,総解説語数6000。
8,古代,江戸時代の原本をカラー口絵で紹介。
9,「語源こぼれ話」を80ページ収録。
10,歴史的かなづかい,ひらがな,ローマ字,など理解を深める資料編の数々。
11,充実した語源資料年表,索引。

著者からのコメント
 20世紀は戦乱と破壊の時代だった。しかし21世紀は修復の時代としなければならない。日本語にあっても同様である。今こそ,日本語本来の姿を見つめ直さねばならない。そのために,わたくしは語源の探求を第一にあげたい。
ことばは人間生活にとって,もっとも基本的な道具の一つであり,あらゆる学問の基礎となる。どのことばも個性をもち,それぞれ相応の役割をもって誕生した。そこには光と影,陽と陰,さらに吐息や表現をこえた言霊も存在する。その一生も,語形や中身に変化があり,ときには他の単語と結びついて新しい語をつくる。一見して完全変身したことばであっても,細かく分析し,観察するならばその本体を見出すことができる。さらに日本人の物の考え方,日本文化の特質についても不断の怠らぬ研究と考察が必要である。
 真の国語愛は語源の探求による,と思う。それぞれの単語の本源をつきとめ,さらにその履歴を知ったとき,まちがいなく客観的に,そして静かに心の底から日本語への認識と愛が湧きあがってくると思う。
 浅学菲才,多くの誤りをおかしていることをおそれる。ここに先輩諸賢の御研究に導かれつつ,あえて私見を公開することにした。日本語に関心と興味をもつ方々の率直な御示教を是非うけたまわりたいと思う。 (杉本つとむ)

内容(「BOOK」データベースより)
 日本語研究に半世紀を捧げた著者が、そのすべての英知を集大成し、もっとも詳細な解説をほどこした、決定版・詳説語源大辞典。一語一語、どの項目を読んでも、楽しみつつ日本語への興味がわきおこる。引く辞書から読む辞書へ、読者に「一語一会」の興奮を提供する。


杉本つとむという人と、この辞書を知ったのは、最近読んだ本からだった。

礫川全次 『独学の冒険 浪費する情報から知の発見へ』
 批評社 2015/3/31発行 219ページ 1,700円(税別)

礫川全次(こいしかわ・ぜんじ)さんが、この杉本つとむさんの若い頃のエピソードを紹介している。

敗戦直後の1945年秋、19歳の頃、川崎市内の国民学校初等科訓導だった杉本さん。

ある日、5年生の女の子から質問を受けた。
――なぜ今日を「けふ」、昨日を「きのふ」と書くんですか?
(当時はまだ、旧かな遣いだったはず)
この質問に答えられなかった杉本さんは、帰宅後すぐに、じぶんが所蔵していた
『倭訓栞』――わくんのしおり、谷川士清(たにかわ・ことすが)という江戸時代の日本語研究家があらわした、93巻からなる日本で最初の近代的な国語辞典――を調べて、回答を得たという。

紹介していた礫川さんも、これを読んだ私も、スゴイと思ったのは、若い「訓導」がこのような本を持っていたということだ。
戦後まもない、物資の乏しい時期だ。

礫川さんは、この人の「独学者」としての姿勢を書いており、私も尊敬できる人と思った。

※このエピソードは 『語源海』 の巻頭「著者のことば」にも書かれている。
出典はこれだったのかもしれない。

いい本に出会ったと思う。

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