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2016年1月24日 (日)

【読】たけしのグレートジャーニー

この週末、東京では心配していた雪も積もらず、今日は快晴。
夜、外を見ると少しちらついていたようだが、道路にうっすら積もっていた雪も、朝起きると跡形もなく融けていた。

図書館から借りていた本を、昨夜、ようやく読了。

都築響一 『独居老人スタイル』
 筑摩書房 2013/12/10発行 351ページ 2,700円(税別)

https://amzn.to/3BrBtzb

16人の元気な「独居老人」たちへのインタビュー集。
高橋源一郎さんの『ぼくらの民主主義なんだぜ』という論壇時評集(朝日新書)のなかで紹介されているのを読んで、読んでみようという気になったのだ。

名の知れた人もいれば、無名の人もいる。
共通しているのは、皆さん何かしら好きなことに打ち込んで一人暮らしを楽しんでいること。
年齢もまちまち。
連れ合いを亡くした人、離婚して一人になった人、生涯独身を通した人など、その境遇もいろいろだ。

秋山祐徳太子 (アーティスト)
首くくり栲象(たくぞう) (アクショニスト)
鈴木惇子 (スナック・ママ)
美濃瓢吾 (画家)
水原和美 (輸入用品雑貨店経営)
田村修司 (本宮映画劇場館主)
戸谷誠 (画家)
ダダカン (アーティスト/ハプナー)
荻野ユキ子 (早稲田松竹映画劇場お掃除担当)
新太郎 (流し)
礒村遜彦(やすひこ) (舶来居酒屋いそむら・主人)
川崎ゆきお (漫画家)
プッチャリン (道化師)
坂東三奈鶴 (日本舞踊家)
三代目長谷川栄八郎 (津軽三味線奏者/民謡歌手)
川上四郎 (日曜画家)

名の通った人といえば、秋山祐徳太子、川崎ゆきお(「ガロ」に漫画を掲載していた)、プッチャリン(浅草の路上で会えるらしい)、ぐらいだろうか。

“首くくり栲象”というぶっそうな芸名の人は、国立の自宅(陋屋と呼んでいいだろう)で「首くくり」のパフォーマンスをしているという。
知らなかった。

“プッチャリン”(本名:中島理一郎)という人は、さまざまな職業を転々とし、尾瀬の長蔵小屋で働いていたこともあるという。
今は、タクシー運転手をしながら大道芸(道化師)をしている。
なんとも魅力的な人だ。

この16人の生き方をみて、うらやましいとは思わないが、こういう生き方もあるのだなあ、と感心した。

この本で知ったサイトを、参考まで。

川崎ゆきおサイト
http://kawasakiyukio.com/

電脳くろにか (ルポライター 山村基毅さんのサイト)
 三代目長谷川栄八郎さんの聞き書きが掲載されている――本書P.330)
http://homepage3.nifty.com/motokiyama/


さて、話かわって、ブログの記事タイトルにしてみた「たけしのグレートジャーニー」のこと。

何かで知り、地元の図書館にリクエストしてみたところ、なんと都立図書館に収蔵しているものを借りてくれた。ありがたいことだ。

ビートたけし 『たけしのグレートジャーニー』
 新潮社 2014/5/15発行 238ページ 1,400円(税別)

https://amzn.to/4eN014i

「新潮45」に連載されたビートたけしの「達人対談」に、加筆・修正を加えてまとめた本。

対談相手は11人、魅力的な顔ぶれだ。
括弧内は、本書から。

関野吉晴 (探検の達人)
西江雅之 (文化人類学の達人)
荻巣樹徳(おぎす・みきのり) (植物探検の達人)
山極寿一 (ゴリラの達人)
松浦健二 (シロアリの達人)
塚本勝巳 (ウナギの達人)
長沼毅 (辺境生物学の達人)
佐藤克文 (海洋動物の達人)
窪寺恒巳 (ダイオウイカの達人)
鎌田浩毅 (地球の達人)
村山斉 (宇宙の達人)

楽しみな対談集だ。

<結局、欲望が人間を変えてしまう。食料や資源が有限だということは四十年以上も前にローマクラブが声明を出しているのに、経済が絶対に右肩上がりでなければいけないと思うのは、やはり欲望のせいですよね。欲望が膨れ上がることによって、一部の人たちだけが富を独占しようとしているのが現代の社会です。> (関野吉晴) 本書対談 P.24より

<言語を考えるときに重要なのは、「この世は連続体」ということなんです。僕はいつも「この世はのっぺらぼうで、あるのは起伏と明暗だけだ」と言っています。そののっぺらぼうな世界を、人間自らの都合で切り取って見せているだけ。単語がまさにそうです。山を見ていて、誰だって「山の頂上」「山の中腹」「山の下のほう」とか言えます。じゃあ、具体的に山のどの部分から頂上になるのか、どの砂粒の隣りから中腹になるのか、そんなことが言える人は一人もいない。人体にしたって、首がわかる、肩がわかると言いますが、じゃあ、どこからが首ですか、肩ですか、正確に線を引けと言われても引けない。全てはつながっているものを、言葉で必要な部分を切り取っているだけなんです。> (西江雅之)  本書対談 P.39より

― Amazonより ―
内容紹介
アフリカから南米へ。
今から約4万年前、人類は「ここではないどこか」を求め、"グレートジャーニー"に旅立った。
だったら、ひねくれ者のおいらはあえて、それを逆向きに辿ってみたい――。
かつて冒険家を志した、すべての人たちへ!
シロアリからダイオウイカまで、 地下2000メートルから宇宙まで、知の冒険家11人とビートたけしが縦横無尽に語りつくす、奇想天外・興奮必至の白熱対話の旅!!

★南極の氷の下には二千万年前の生物がいる?
★ニホンウナギはマリアナ海溝生まれ?
★シロアリの女王は数百匹に分身する?
★ゴリラと歌舞伎役者の共通点とは?
★ニューギニアでは母乳の代わりに○○を飲む!?

◆目次◆
mission1 人類の旅を逆向きに辿れ 探検の達人・関野吉晴
mission2 失われつつある「ことば」を救い出せ 文化人類学の達人・西江雅之
mission3 幻の植物を求めてアジア奥地に潜入せよ 植物探検の達人・荻巣樹徳
mission4 ゴリラから人間関係を学べ ゴリラの達人・山極寿一
mission5 巨大ハーレム シロアリ王国に忍び込め シロアリの達人・松浦健二
mission6 ウナギの産卵場を特定せよ ウナギの達人・塚本勝巳
mission7 辺境に生きる極限生物を見つけろ 辺境生物学の達人・長沼毅
mission8 超小型カメラで動物の動きを追跡せよ 海洋生物の達人・佐藤克文
mission9 深海に潜む巨大イカの生態を探れ ダイオウイカの達人・窪寺恒己
mission10 富士山の大噴火を予測せよ 地球の達人・鎌田浩毅
mission11 宇宙の謎を解く鍵を手に入れろ 宇宙の達人・村山斉

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