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2016年1月25日 (月)

【読】繋がりで読んでいる本

今日も晴れて冷える。
日本全国、南の沖縄や奄美まで、寒波でたいへんなことになっているようだ。


午後、小平図書館友の会「チャリティ古本市」(今年も三月末開催)の、保管本の点検に。
昨年の残本の一部と、その後に寄付していただいた本を保管していただいている会員宅へ行った。
いい本が集まっている。

古本市スタッフが総勢7人で行ってみたが、きれいに整頓されていたので助かった。

いよいよ、年に一度の古本市が近づいてきたなあ、という感じだ。


このところ、読書がすすんでいる。
読んでいる本に紹介されている別の本を買ったり、図書館から借りてきたり。
連鎖的な読書が続く。

都築響一さんの 『独居老人スタイル』 (筑摩書房/2013年)が面白かった。
この本で知ったのが、ヘンリー・ダーガー(Henry Joseph Darger, 1892-1973)というアメリカの人物だ。

Wikipediaには、次のように紹介されている。
<ヘンリー・ダーガー(Henry Darger, 1892年4月12日 - 1973年4月13日)は『非現実の王国で』の作者である。
 誰に見せることもなく半世紀以上もの間、たった一人で作品を書き続けたが、死の直前にそれが「発見」され、アウトサイダー・アートの代表的な作家として評価されるようになった。
 彼の姓は「ダージャー」と日本語表記される場合もあるが、実際のところ「Darger」の正しい発音すら判明していない。ダーガーは孤独の中に生きており(生涯、童貞だったとされる)、職場である病院と教会のミサに通う他は自宅アパートに引き籠っていた。会話を交わしたことのある数少ない隣人も、それぞれ異なる発音で彼を呼んでいる有様である。
 彼の作品(物語・自伝・絵画)に関しては、ジェシカ・ユー(英語版)監督の映画「非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎」で一部を確認することができる。映画は、生前のダーガーを知る人物へのインタビューと本人の自伝を組み合わせつつ進むが、本人の姓の正しい発音や、何故作品を書き始めたのかなど、不明な点も多く残されている。>

こんな人がいたことが驚きだ。

隣接市(東村山市)の市立図書館に、この人の遺作を紹介した本があったので借りてみた。
なんとも不思議な物語と絵を遺した人だ。

『ヘンリー・ダーガー 非現実を生きる』 小出由紀子 編著
 平凡社 2013/12/20発行 151ページ 1,900円(税別)

― Amazonより ―
<子供を奴隷にする悪の大人と戦う、少女戦士ヴィヴィアン・ガールズの絵物語『非現実の王国で』。作者ヘンリー・ダーガーは1982年シカゴ生まれ。16歳で天涯孤独になり、低賃金の肉体労働で日々の糧を得ながら、60年以上にわたり誰にも知られることなく、1万5000ページを超える原稿と300枚もの挿絵を創り続けた。本書は、これまでの日本版書籍に掲載されていなかった絵を多数含む計53点の挿絵を収録し、小説『非現実の王国で』や自伝『我が人生の歴史』、日記など、ダーガーが遺したテキストをもとに、驚異の絵物語と、それを生み出した孤独な人生が交錯するさまに迫る。さらに、やくしまるえつこ氏、坂口恭平氏、丹生谷貴志氏が、詩、エッセイ、評論を寄稿。私たち見る者の心を揺さぶるダーガーの多面的な魅力/謎をひきだす一冊。>

ダーガーの遺作は、下記のように、本になって出版されている。

ダーガーが遺した長大な絵物語―― 『非現実の王国として知られる地における、ヴィヴィアン・ガールズの物語、子供奴隷の反乱に起因するグランデコ-アンジェリニアン戦争の嵐の物語』 ――15,000ページを超えるタイプ原稿と巨大な挿絵をまとめたもの。

『ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で』 
 ジョン・M. マグレガー (John M. MacGregor)/小出由紀子 訳
 作品者 2000年5月発行

 ― Amazonより ―
<身寄りのない老人が遺した「非現実の王国で」と題された奇妙な絵物語。93年「パラレル・ヴィジョン」展で世界に衝撃を与えたダーガーの、天真爛漫と残酷邪悪が並置する物語の抄録と挿絵、マグレガーによる作品分析を収録。>


もう一冊、図書館から借りてきた都築さんの本も面白い。
読み通すことはできそうにないが、知らなかった本を知るためには、おおいに参考になった。

都築響一 『だれも買わない本はだれかが買わなきゃならないんだ』
 晶文社 2008/2/28発行 286ページ 1,900円(税別)

本のガイドとして役立つ内容。

― Amazonより ―
<東京では出会えない個性派書店を求めて、人口2200人の山村から奄美大島、はてはタイ・バンコクにまで足をのばす。台湾の知られざるビジュアル・ブックの美しさに息を呑み、「今やらなければ間に合わない」と語る出版社主のことばに深くうなづく。「スキャナーのように」表面を完璧に写しとる写真家・篠山紀信や、「希有なジャーナリスト」でもあったデザイナー・堀内誠一ら、その時々に出会った人たちの仕事に心打たれる。気になる本と本屋を追いかけた、15年間170冊の書志貫徹。 >

この本で知った本を、東村山の図書館から借りてきて、読んでいる。
(東村山市立図書館は、他市の図書館にないような心憎い本を収蔵している)

安島太佳由(やすじま・たかよし) 『日本戦跡を歩く』
 窓社 2002/7/24発行 201ページ 1,600円(税別)

― Amazonより ―
<北海道から沖縄まで、全国34都道府県に散在する戦跡群を網羅し、その現況写真と取材エピソードを満載した、戦跡を歩くためのアクセス案内地図付ガイドブック。今日の日本のもうひとつの風景が見えてくる。>

安島太佳由のホームページ
http://www.f6.dion.ne.jp/~yasujima/

― 著者プロフィール (上記サイトより) ―

安島太佳由 ヤスジマ タカヨシ
1959年、福岡県生まれ
1981年、大阪芸術大学 写真学科卒
大日本印刷株式会社写真部、広告制作会社などを経て、
1993年、安島写真事務所を設立。
フリーランスとして活動開始
1995年「日本の戦争」をテーマに戦跡取材を開始
2010年『若い世代に語り継ぐ戦争の記憶』プロジェクトを開始
平成6年度文化庁芸術インターンシップ研修員
現在、東京都練馬区に在住

こういう(私にとっての)良書が、すでに新本で手に入らないのがさびしい。

手に入らなくなったといえば、こんな本をAmazonで購入した。
古本屋では、なかなか見つからなかったので。

千葉徳爾 『切腹の話 日本人はなぜハラを切るか』
 講談社現代新書 287 2072/8/28発行 350円(税別)

この本は、今月はじめに読んだ礫川全次さんの 『独学の冒険 消費する情報から知の発見へ』 (批評社/2015年) で知った。

― 本書カバーより ―
<古代日本では穀物の豊穣を祈願し、生命の源泉である内臓を神に捧げる農耕儀礼が行われた。また、ハラには魂が宿ると信じられ、そのハラを切り開くことは、偽りのない赤心を示すことであった。本書は、日本にしかない切腹の起源と歴史を、古文書の探索、他民族との比較、武士道とのつながり、エロスとの関係などさまざまな角度から究明した。貞淑の明かしをたてるための女性の切腹など、見過ごされがちであった具体例をもとりあげながら、切腹を生んだ日本的条件を追及した本書は、「日本人とは何か」を考える上でも画期的な著作である。>

― コトバンク ~ デジタル版 日本人名大辞典+Plus より ―
<千葉徳爾 ちば-とくじ
1916-2001 昭和-平成時代の地理学者,民俗学者。
大正5年5月22日生まれ。愛知大,筑波大,明大の教授を歴任。人と野生動物の交渉史を総合的に研究,「狩猟伝承研究」5巻にまとめた。平成13年11月6日死去。85歳。千葉県出身。東京高師卒。著作はほかに「近世の山間村落」「はげ山の研究」「地名の民俗誌」など。>


どんどん読書の幅が広がっていくのはいいが、読みたい本が増えるいっぽうだ。
無理せず、こつこつと読みすすめていこう。

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