【読】晴れた日、図書館へ
今日も晴れ。
風があって、外に出ると肌寒さを感じる冬の日。
年末からずっと読み続けていた、分厚い本を読了。
貸出期限が明日までだったので、歩いて返却にいってきた。
ちょっとした散歩だ。
石牟礼道子 『苦海浄土』
河出書房新社 (池澤夏樹個人編集 世界文学全集 Ⅲ-04)
2011/1/20発行 771ページ
池澤夏樹さんが、この長編を世界文学全集の一冊として選んだわけが理解できた。
途中であきらめずに読み通してよかった。
巻末に、石牟礼道子さんによる 「生死(しょうじ)の奥から――世界文学全集版あとがきにかえて」 という短文と、池澤夏樹さんの解説が15ページにわたって掲載されている。
図書館が本に貼りつけた全集の月報も、池澤さんによって書かれている(4ページ)。
本文の長編小説(三部作、750ページ超)にノックアウトされた気分で、この解説を読むと、なにやらほっとする。
水俣病について、何ひとつ知らなかった自分が恥ずかしくなるが、この労作によって得たものは大きい。
余談だが、石牟礼道子さんは、私の母と同年齢の昭和2年生まれであることを知った。
■
図書館には、リクエストしておいた本が届いていた。
次の予約者がはいっているため、期限までには返却しなければ、と、さっそく読みはじめた。
礫川(こいしかわ)全次さんという、わりと最近知った人の著作。
私に ”合っている” 人なので、これまでに何冊か読んでいる。
過去記事
【読】礫川全次: やまおじさんの流されゆく日々 2014/10/22
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-091b.html
礫川全次 『独学の冒険 ―浪費する情報から知の発見へ』
批評社 2015/10/31発行 219ページ
― e-honサイトより ―
商品の内容[要旨]
こんにち、私たちのまわりには、情報があふれています。そこから価値ある情報を選び出し、新たな「知」を発見し、構成してゆくことは至難の技です。しかし、これからは、自立した独学者が、知を極めた先人たちの経験を踏まえ、アカデミズムの域を超えて、未知の世界に踏み出すことが期待されています。独学の具体的手法を明示しながら、老いも若きも互いに学び合う「独学の冒険」へお誘いする一冊です。
[目次]
Q&A 独学者の悩みに答える
第1章 独学者とその原点―柳田國男という「独学者」
第2章 独学者とそのあり方―家永三郎に見る「独学者」精神
第3章 独学者とその手法―千葉徳爾の「自学」とその手法
第4章 独学者が世に出るまで―佐藤忠男の「独学」論に学ぶ
第5章 八人の独学者に学ぶ―清水文弥・南方熊楠・中山太郎・佐々木喜善・橋本義夫・谷川健一・吉本隆明・杉本つとむ
第6章 独学者にすすめる百冊の本
■
もう一冊、図書館から借りっぱなしになっている本。
これも、期限延長して読んでしまいたい。
藤野裕子 『都市と暴動の民衆史 東京・1905-1923年』
有志舎 2015/10/30発行 313ページ
― e-honサイトより ―
商品の内容[要旨]
1905年9月5日、日比谷公園に発した暴力の波は東京の街頭を激しく駆けめぐった。この日比谷焼打事件から米騒動にいたるまでの間、大都市では民衆暴動が次々と発生し、やがて関東大震災での朝鮮人虐殺という悲劇を迎える。日本社会が民主化・大衆化の方向に大きく転換するなかで、なぜ数々の暴力が湧きあがったのか。「男らしさ」というジェンダー規範にも注目しながら、20世紀初頭の日本社会の大転換を民衆史の視点から読み解き、民衆による暴力行使の文化とそれをめぐって変容する日本社会秩序との相互関係を明らかにする。
[目次]
序章 都市暴動から何が見えるか
第1章 日比谷焼打事件の発生と展開
第2章 近代都市暴動の全体像
第3章 屋外集会の変転―日比谷焼打事件後から一九二〇年代普選運動まで
第4章 労働における親分子分関係と都市暴動
第5章 男性労働者の対抗文化―遊蕩的生活実践をめぐって
第6章 都市暴動と学歴社会―苦学生・高学歴者・不良学生グループ
第7章 米騒動とその後の社会
第8章 朝鮮人虐殺の論理
終章 都市暴動とそのゆくえ
著者紹介藤野 裕子 (フジノ ユウコ)
1976年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。現在、東京女子大学現代教養学部准教授。
ネット(Facebook)で知人が紹介していたことで知った本。
■
読書サークルの課題本もまだ読んでいないし、しばらく集中して読まなくては。
これが課題本。
高橋源一郎×SEALDs 『民主主義ってなんだ?』
河出書房新社 2015/9/30発行 197ページ 1,200円(税別)
【小平図書館友の会 読書サークルの案内】
読書サークル・小平 2016年1月開催案内: 小平図書館友の会ブログ
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/kltomonokai/2015/12/20161-dd17.html
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