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2016年2月12日 (金)

【読】複雑な中東情勢

前から気になっていた本を読んだ。

常岡浩介 『イスラム国とは何か』 聞き手 高世仁
 旬報社 2015/2/25発行 210ページ 1,400円(税別)

― Amazonより ―
謎の存在、イスラム国。その情報はきわめて少ない。/ジャーナリストが斬首処刑されたことに見られるように外国人取材者には生命の危険もある。/そのイスラム国で三度の潜入取材を敢行したジャーナリスト・常岡浩介が実像を語る。
内容
混迷を深める中東、失敗を重ねる米国…三度の潜入取材に成功、世界でただ一人のジャーナリストが語る衝撃の日本人人質事件の背景とは…“脅威”の実像に迫る!

著者について
常岡浩介(つねおか・こうすけ)
1969年長崎県島原市生まれ。早稲田大学卒業。
1994年からNBC長崎放送報道部記者に。1998年よりフリーランスとなる。
アフガニスタン、エチオピア、チェチェン、イラクなどの戦場で取材を続け、通信社や新聞、雑誌などに寄稿。/08年に『ロシア語られない戦争チェチェンゲリラ従軍記』(アスキー新書)で平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞受賞。
高世仁(たかせ・ひとし)
ジャーナリスト。1953年山形県生まれ。
通信社特派員としてバンコク、マニラに駐在し、反政府運動、環境問題など幅広いテーマを取材。/97年、元北朝鮮工作員による横田めぐみさんらしい女性の目撃証言をスクープ。
現在、番組制作会社「ジン・ネット」代表。常岡氏の取材をテレビ番組にプロデュースしてきた。/『娘をかえせ息子をかえせ 北朝鮮拉致事件の真相』(99年)、『DVDブック チェルノブイリの今 フクシマへの教訓』(2011年)を旬報社から刊行した。

イスラム世界や中東の情勢は難しく、なかなか理解できないでいたが、この本(インタビュー形式)を読んで、すっきりした気がする。

著者(常岡さん)は、イスラム教徒で、シリア、イラクに足を運んで取材してきた人。

この本で、シリア、イラクの現状を知るにつけ、米国の「イスラム国」への対応の失敗(ますます泥沼化している)と、米国に追随するわが国の危うさを感じた。

<イラク戦争の際は、「イラク特措法」をつくって自衛隊を派兵しましたが、表向きは「人道復興支援」で給水や医療支援をやりました。しかし、安部内閣が、集団的自衛権を認めたいま、自衛隊を派遣して、より軍事的な役割を果たすという話も出てくるかと思います。
 (中略) 兵站、後方支援とか、あるいは戦費を寄付するとか、軍事作戦のバックアップは充分考えられます。しかし、そうなると日本もイスラム国から敵視されるでしょう。>
 (P.192)

意外だったのは、日本という国が、中東、イスラム圏では好意的に思われてきたということ。

イスラム教徒が戦ってきた敵である米国やロシアと、(日露戦争、アジア・太平洋戦争で)戦った国が日本だということがある。
また、広島・長崎で米国に原爆を落とされ、ひどい目にあったのに、そこから立ち直ったのはえらい、という評価を受けているらしい。

つまり、「イスラム国」も含め、イスラム圏の人びとから恨みを買ってこなかったのが日本だという。
それが、米国に追随して彼らを敵にまわしてしまおうとしていることを、著者は危惧している。

そのとおりだと思う。

わが国では、「イスラム国」憎しのムードが漂っているのだが、シリアのアサド政権の非道を非難しようとはしない。
メディア報道にも問題が多い。

世界情勢を把握することは、なかなか難しいが、よく見聞きし、判断していきたい。
そう思った。
読んでよかった本だ。

良くも悪くも“グローバル化”しているこの時代に生きているのだから、世界情勢とも無縁ではいられないのだなあ。

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