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2016年4月 6日 (水)

【読】村上春樹を読んでみる

ひさしぶりに朝から晴れ。
桜が満開だ。

来月8日の読書会に備えて、村上春樹の初期作品を読んでいる。

エッセイや小説以外の仕事に注目してきた作家だが、小説はほとんど読んでこなかった。
どうも、私の肌にあわない気がしていた。

ところが、デビュー二作目の 「1973年のピンボール」 を読み、なかなか面白いじゃないかと感心した。

     

「風の歌を聴け」 は、ちょっと面白みを感じなかった。
人によっては高く評価しているようだが、私の趣味では、もう少しストーリー性がほしい。

ところが、二作目の 「1973年のピンボール」 (一作目の続編のような内容だが)を読み始めると、止まらなくなってしまって、一気に読みおえてしまった。
昨夜のことだ。

もう一冊、この全集(作品集)の第三巻(短編集)を借りている。
「中国行きのスロウ・ボート」 が収録されていて、この小説のタイトルがずっと気になっていたのだ。

徹底改稿した初期短篇小説13篇を収録。
「中国行きのスロウ・ボート」「貧乏な叔母さんの話」「ニューヨーク炭鉱の悲劇」「午後の最後の芝生」「蛍」「納屋を焼く」ほか単行本未収録作品を含む。

― Amazon ―

作品集の二巻目には、「羊をめぐる冒険」 が収録されている。
ずっと前に読んだことのある長編で、たいそう面白かったのだが、これも、もう一度読んでみようと思う。

それにしても、この人気作家の著作は膨大な量で、年代を追いながら読んでいくのは大仕事だ。
まあ、ぼちぼち読んでいこうかと。


村上春樹といえば、音楽(ジャズ、ポビューラー、ロック、クラシックと幅広い)に造詣が深く、小説のなかにもさまざまな音楽を登場させている。
私が思うに、とくにジャズについては、この人の推す演奏にハズレはない。

私は、こんな本も持っている。
こんどの読書会に持っていって、他の人に紹介してみたい誘惑にかられる。

和田誠さんの絵とともに、眺めているだけでも楽しい本だ。
『ポートレイト・イン・ジャズ』は、単行本二冊をあわせた文庫版がいい。

   

 

このブログに何度も書いたことだが、村上春樹選曲のオムニバス・ジャズ・アルバム(CD・2枚)も、いいのだ。

上の本(ポートレイト・イン・ジャズ)とあわせて聴くと、村上春樹の好みがよくわかるというもの。

 

余談だが、村上春樹はジョン・コルトレーンが好きではないらしい。
かつて経営していたジャズ喫茶にも、コルトレーンのレコードは(あまり)置いていなかったと、どこかに書いていたように思う。

手元にないので確認できないが 『夜のくもざる』 だったかもしれない。

そのきもちは、なんとなくわかる。
彼は、ああいうジャズが好きじゃないだろうな、と。
(私はといえば、コルトレーンもきらいではないが)

【蛇足のリンク】

■村上春樹 ジャズ喫茶のマスター的生活とは!
http://www.tokyo-kurenaidan.com/haruki-jazzbar.htm
(東京紅團) http://www.tokyo-kurenaidan.com/

<「…ジョン・コルトレーンのレコードもあまり置いていません。そのかわりスタン・ゲッツのレコードなら沢山あります。キース・ジャレットのレコードはありませんが、クロード・ウィリアムソンのレコードは揃っています。…」>

■ふたつの『ノスフェラトゥ』 あるいは村上春樹との映画談義 - 高崎俊夫の映画アット・ランダム
http://www.seiryupub.co.jp/cinema/2010/09/post-8.html
(清流出版) http://www.seiryupub.co.jp/

<前回、ジャズと映画の話題に触れた際に、ふっと、村上春樹のことを思い出していた。日本でもっとも優れた真のジャズ批評家は誰か? 私は村上春樹ではないかと思っている。和田誠との共著『ポートレイト・イン・ジャズ』(新潮文庫)を読めば、それは一目瞭然である。>

■村上春樹で聴くジャズ
http://www.ne.jp/asahi/katzlin/delight/music/jazz/murakami/murakami.htm
(KATZLIN'S DELIGHT --山歩き・ワイン・ジャズ--)
 http://www.ne.jp/asahi/katzlin/delight/

<村上春樹の小説には数多くの楽曲やミュージシャンが登場します。登場するばかりかかなり重要なファクターであったりもします。したがって、それらを知っているかどうかで、小説の印象はずいぶん違ってくるはずです。
このコーナーではそんな村上作品に登場するジャズを紹介したいと思います。もちろん、小説中にはさまざまなジャンルの音楽が登場しますが、中でもジャズは大きな位置を占めていると言っていいと思います。>

このように、村上春樹については、ネット上でも至るところで言及されている。

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コメント

ずいぶん前のことなのですが、寺町通りの古本屋さんの店先に「ご自由にお持ちください」と本が積んであり、その中の一冊が『中国行きのスロウボート』でした。詩心が刺激される良い文章でしたよ。

投稿: みやこ | 2016年4月 6日 (水) 13時45分

みやこさん
おひさしぶりです。お元気ですか?
ちょうど今、「中国行きのスロウ・ボート」がはいっている短編集を読んでいるところ。いいですね、村上春樹。これまで読まずぎらいだったように思います。近く(東村山市)の図書館に作品集が揃っているので、順を追って読んでみようかな。
4年前まで住んでいた小平市からの通勤で利用していた国分寺駅南口に、春樹さんが経営していたジャズ喫茶(ピーター・キャット)の跡があり、近くに面白い古本屋もありました。
ジャズ喫茶や古本屋が、村上春樹の世界によく似合うような気がします。

投稿: やまおじさん | 2016年4月 6日 (水) 15時38分

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