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2016年4月 7日 (木)

【読】村上春樹の短編集を読んでいる

三日前から、村上春樹の作品集を読んでいる。

「村上春樹全作品 1979~1989」 と銘打った8巻もの。
そのうちの二冊を、図書館から借りてきている(1巻目と3巻目)。

『村上春樹全作品全8巻セット』|講談社BOOK倶楽部
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784069313028

発売日 : 1993年04月02日
定価 : 本体25,400円(税別)

1 「風の歌を聴け・1973年のピンボ-ル」
2 「羊をめぐる冒険」
3 「短篇集 (1)」
4 「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」
5 「短篇集(2)」
6 「ノルウェイの森」
7 「ダンス・ダンス・ダンス」
8 「短篇集(3)」

デビューから10年間の作品を集めたもので、作者自身の「自作を語る」という冊子が付いている。
この「解題」が、なかなか面白い。


続編の7巻セットも出ている。
こちらは、1990年から2000年までの作品を収録。

『村上90全作品全7巻セット』|講談社BOOK倶楽部
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784069313745

発売日 : 2003年12月18日
定価 : 本体21,300円(税別)
各巻、著者による書下ろし「解題」入り

1 「短篇集 1」
 日本未発表の短篇『青が消える』を含んで『TVピープル』『夜のクモザル』『使いみちのない風景』『ふわふわ』を加筆訂正して収録。
2 「国境の南、太陽の西/ スプートニクの恋人」
 海外で人気の高い『国境の南、太陽の西』と大ベストセラー『スプートニクの恋人』の長篇2作。
3 「短篇集 2」
 『レキシントンの幽霊』、阪神大震災から触発された著者初の連作小説集『神の子どもたちはみな踊る』。話題の短篇収録。
4 「ねじまき鳥クロニクル1」
 村上ワールドの名作、読売文学賞受賞作の長篇『ねじまき鳥クロニクル』の第1部「泥棒かささぎ編」と第2部「予言する鳥編」。
5 「ねじまき鳥クロニクル2」
 『ねじまき鳥クロニクル』第3部「鳥刺し男編」、壮大なる物語の完結編。
6 「アンダーグラウンド」
 普通の人々は、この日、どのように行動し、事件とかかわってしまったか。地下鉄サリン事件被害者のインタビュー形式で描く、著者初のノンフィクション問題作。
7 「約束された場所で/村上春樹、河合隼雄に会いに行く」
 オウム信者たちのインタビューを集めた『約束された場所で』、河合隼雄氏と村上氏の対談『村上春樹、河合隼雄に会いに行く』。

もちろん、2001年以降も、たくさんの話題作が出版されているので、これまでの作品群をすべて読み通すのは至難の業かもしれない。

せめて、初期の中・長篇三部作に続く、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」、「ノルウェイの森」、「ダンス・ダンス・ダンス」と、「ねじまき鳥クロニクル」、それに 「アンダーグラウンド」ぐらいまでは、読んでみたいものだと思っている。


きのうからは、『村上春樹全作品 1979~1989 (3) 短篇集(1)』 を読んでいる。

「中国行きのスロウ・ボート」など13篇収録。
「貧乏な叔母さんの話」、「ニューヨーク炭鉱の悲劇」、「カンガルー通信」、「午後の最後の芝生」、「土の中の彼女の小さな犬」、「シドニーのグリン・ストリート」、「蛍」、「納屋を焼く」、「めくらやなぎと眠る女」、「踊る小人」、「三つのドイツ幻想」、「雨の日の女#241・#242」

ひとつひとつが短いので、読みやすい。

私はあまり詳しくないが、洒落たアメリカ文学の短編小説に似た雰囲気があって、好きになれそうだ。


来月はじめに、小平図書館友の会という団体の読書会があり、その日の課題本、加藤典洋著 『村上春樹は、むずかしい』(岩波新書) も、並行して読んでいる。

加藤氏が言うように、たしかに、村上春樹は奥深い(むずかしい)と思う。

愛読者・支持者が多いわりには、まともに理解されていない、という指摘には頷けるものがある。

<私は80年代の前半以来、村上を肯定的に評価してきて、そのため私自身、だいぶ「若造り」の批評家ともいわれてきた。しかし私の主要な文学的関心は戦後、近代にまで及ぶし、近現代の精神史、政治と経済にも関わっている。 (中略) その私が村上を肯定する意味は、当然、若い彼の愛読者たちが村上を賞賛する意味とは違っている。村上は日本の純文学の高度な達成の先端に位置する硬質な小説家の系譜に連なっている。違うのは、彼が同時に大衆的な人気をも、海外での評価、人気をもかちえているという、文学的に無視できないが最重要ではないただ一点だけである。そのことに惑わされるべきではない。村上は野球帽を捨てないからといって何も、「文学ぎらい」ではないのだ。>

<一言でいえば、村上春樹は、そんなに親しみやすくも、わかりやすくもない。見くびってはならぬ。/「村上春樹は、むずかしい」のである。>

 ― 加藤典洋 『村上春樹は、むずかしい』 「はじめに」より ―

はあ、そうですか、という感じ。

【参考サイト】
村上春樹さんの全作品一覧【村上春樹研究所】
http://www.haruki-m.com/works/zensakuhin.html

(トップページ) 村上春樹研究所
http://www.haruki-m.com/

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