【読】村上春樹、ひとやすみ
今日も初夏の陽気。
曇り空で湿度も高かったが、さわやかな風がここちよい。
街路樹のヤマボウシが咲きはじめた。
■
先月はじめから読み続けていた、村上春樹の初期(1979~89年)の作品集。
全8冊を読みおえた。
最後に読んだのは 『ダンス・ダンス・ダンス』 という、『羊をめぐる冒険』 の実質的な続編。
エンディングがいまひとつだったが、面白かった。
村上春樹 『村上春樹全作品 1979~1989 (7)』 「ダンス・ダンス・ダンス」
講談社 1991/5/20発行 591ページ
ここまで読んだ作品、なかでも長篇は性描写が多く、またか、という感じだったが、そのあたりが好き嫌いのわかれるところかもしれない。
■
箸やすめといったところで、毛色のちがう新書を読んでいる。
磯田道史 『天災から日本史を読みなおす』
中公新書 2295 2014/11/25発行 221ページ 760円(税別)
ひところ話題になった 『武士の家計簿』(新潮新書)の著者。
本書で第63回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞している。
わかりやすく、興味ぶかい内容。
著者の母親が二歳のときに体験した「昭和南海地震」(1946年)の大津波の話や、同じ場所での森繁久彌の地震・津波体験が、胸に迫る。
― Amazonより ―
豊臣政権を揺るがした二度の大地震、一七〇七年の宝永地震が招いた富士山噴火、佐賀藩を「軍事大国」に変えた台風、森繁久彌が遭遇した大津波――。
史料に残された「災い」の記録をひもとくと、「もう一つの日本史」が見えてくる。
富士山の火山灰はどれほど降るのか、土砂崩れを知らせる「臭い」、そして津波から助かるための鉄則とは。
東日本大震災後に津波常襲地に移住した著者が伝える、災害から命を守る先人の知恵。
【目次】
まえがき――イタリアの歴史哲学者を襲った大地震
第1章 秀吉と二つの地震
1 天正地震と戦国武将
2 伏見地震が終わらせた秀吉の天下
第2章 宝永地震が招いた津波と富士山噴火
1 一七〇七年の富士山噴火に学ぶ
2 「岡本元朝日記」が伝える実態
3 高知種崎で被災した武士の証言
4 全国を襲った宝永津波
5 南海トラフはいつ動くのか
第3章 土砂崩れ・高潮と日本人
1 土砂崩れから逃れるために
2 高潮から逃れる江戸の知恵
第4章 災害が変えた幕末史
1 「軍事大国」佐賀藩を生んだシーボルト台風
2 文政京都地震の教訓
3 忍者で防災
第5章 津波から生きのびる知恵
1 母が生きのびた徳島の津波
2 地震の前兆をとらえよ
第6章 東日本大震災の教訓
1 南三陸町を歩いてわかったこと
2 大船渡小に学ぶ
3 村を救った、ある村長の記録
あとがき――古人の経験・叡智を生かそう
■
すぐ近くの図書館へ行き、予約していおいた本を受けとってきた。
原発事故がらみの本。
小倉志郎 『元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ』
彩流社 2014/7/1発行 206ページ 1,700円(税別)
図書館の日本文学の書架に、「村上春樹全作品 1990-2000」があるのをみつけた。
自宅から500メートルほどのところにある図書館なので、これはありがたい。
村上春樹を読むのをしばらく休もう思っていたのだけれど、つい、一冊目を借りてきてしまった。
村上春樹 『村上春樹全作品 1990-2000 (1) 短篇集(1)』
講談社 2002/11/20発行 307ページ
このシリーズは、著者自身による「解題」が付いているのが、ありがたい。
「TVピープル」他、44篇収録。
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