« 2016年9月 | トップページ | 2016年11月 »

2016年10月の2件の記事

2016年10月16日 (日)

【読】手元に置きたい本

日中の最高気温が20度前後の毎日。
あっというまに涼しくなり、薄手のフリースを羽織っている。

お祭りやイベントの多い季節なのに、すっかり出不精になってしまった。


このところ沖縄にまつわる本を、図書館から借りて読み続けている。
図書館はありがたい。

宮里千里 『シマ豆腐紀行―遥かなる<おきなわ豆腐>ロード』
 ボーダーインク 2007/8/30発行 247ページ

読んでいるうちに、沖縄のあの固い豆腐が食べたくなった。

沖縄ことば(ウチナーグチ)を駆使した語り口も好ましい。
最近知った著者の宮里千里さんだが、すっかり好きになった。
私よりも一歳年長の、ほぼ同世代。

ページ数のわりには、読むのに時間がかかった。
というのも、小さな文字の脚注が多く、情報量が豊富なのだ。
この脚注だけでなく、本文中のさまざまな沖縄情報が役に立ちそう。

そんなわけで、読み終えてからネットで発注してしまった。
沖縄本島や石垣島を中心とした八重山諸島に、これから先も行くことがあるだろう。
旅の友になりそうな本だ。


池澤夏樹さんの小説を、ひさしぶりに読みたくなった。
これも、図書館から借りてきた。

池澤夏樹 『カデナ』
 新潮社 2009/10/30発行 434ページ

そうか、文庫化されているのか。
古本屋ではみかけないな。


もう一冊、図書館にリクエストしておいた本が届いた。
これも池澤夏樹さんの編集。

『日本語のために 池澤夏樹=個人編集 日本文学全集 30
 河出書房新社 2016/8/30発行 524ページ 2,600円(税別)

これは、いい本だ。
池澤さんらしい仕事。

― Amazonより ―

日本文学の定義は日本語で書かれていることである。言語と文学の関係を明らかにするための実例と日本語論を幅広く集め、豊饒の由来を明らかにする。(池澤夏樹)

日本全土の地理的な広がりを背景に生まれた、日本語・漢語・アイヌ語・琉球語といった多種多様な「日本語」のサンプルと論を、古代から現代まで、時代を超えて収録。古代に生まれた祝詞から、仏教やキリスト教の言葉、琉歌、いろはうた、辞書の言葉、また「ハムレット」や「マタイによる福音書」の翻訳比較、日本国憲法などを手がかりに、「日本語」そのものの成り立ちと性質を明らかにする。祝詞「六月晦大祓」(池澤夏樹・訳)、「ハムレット 第三幕第一場」(岡田利規・訳)、「終戦の詔書」(高橋源一郎・訳)は新訳で収録。かつてない視点による画期的アンソロジー。

解説=池澤夏樹
月報=鷲田清一・柴田元幸
帯作品=大原大次郎/ホンマタカシ

【目次】
1 古代の文体
祝詞/池澤夏樹 訳
古典基礎語辞典 大野晋 編著

2 漢詩と漢文
菅原道真/中村真一郎 訳
絶海中津 寺田透
一休宗純 富士正晴
良寛 唐木順三
日本外史 頼山陽/頼成一・頼惟勤 訳
夏目漱石 吉川幸次郎

3 仏教の文体
般若心経/伊藤比呂美 訳
白骨/伊藤比呂美 訳
諸悪莫作 増谷文雄

4 キリスト教の文体
どちりいな・きりしたん/宮脇白夜 訳
聖書
馬太伝福音書 ベッテルハイム訳/マタイ伝福音書 文語訳/マタイによる福音書 口語訳/マタイによる福音書 新共同訳/マテオによる福音書 フェデリコ・バルバロ訳/ケセン語訳 マタイによる福音書 山浦玄嗣 訳

5 琉球語
おもろさうし 外間守善 校注
琉歌 島袋盛敏

6 アイヌ語
アイヌ神謡集 知里幸惠 著訳
あいぬ物語 山辺安之助
萱野茂のアイヌ語辞典

7 音韻と表記
いろはうた 小松英雄
馬渕和夫『五十音図の話』について 松岡正剛
私の國語教室 福田恆存
新村出の痛憤 高島俊男
わたしの表記法について 丸谷才一

8 現代語の語彙と文体
辞書の言葉
ハムレット
坪内逍遥 訳/木下順二 訳/福田恆存 訳/小田島雄志 訳/松岡和子 訳/岡田利規 訳

9 政治の言葉
大日本帝国憲法
終戦の詔書/高橋源一郎 訳
日本国憲法 前文/池澤夏樹 訳
言葉のお守り的使用法について 鶴見俊輔
文章論的憲法論 丸谷才一

10 日本語の性格
意味とひびき――日本語の表現力について 永川玲二
文法なんか嫌いー役に立つか 大野晋
私の日本語雑記 中井久夫


図書館が発注・購入してから、私が最初の読者のようだが、さっそく次の予約者が待っているそうだ。
はじめから終わりまで読み通すような本でもないし、手元に置いて、気が向いたときに広げたいので、これまたネットで注文してしまった。

本が増えるなあ。

| | コメント (0)

2016年10月 6日 (木)

【読】近ごろ読んだ本

もう10月になってしまった。

先月、ブログを書いたのは一回きり。
近ごろは、もっぱらFacebookに近況を投稿するばかりで、ブログには無沙汰している。
写真もスマホで済ますことが多い。

今年は台風の襲来が異常に多い。

今週も台風18号が日本海を北上。
昨夜は強風が吹き荒れたが、今朝は台風一過の秋晴れ。
気温が30度近くまであがった。

あまり書くこともないので、最近読んだ本のことなど。

池澤夏樹 『沖縄への短い帰還』
 ボーダーインク 2016/5/25発行 334ページ

発売直後に入手していたこの本を、ようやく読んだ。

<旅する人生のなかに“沖縄”という季節があった。池澤夏樹、沖縄の日々。沖縄をめぐるエッセイ、書評、インタビュー、講演、掌編小説を厳選。単行本初収録、多数。 >
 ― Amazonより ―

10年ほど沖縄に住んでいた池澤夏樹さんの沖縄をめぐる文集。

沖縄について、いろいろ教えられた。
なかでも、宮里千里(みやざと・せんり)さんのことを知ることができたのは収穫だった。

さっそく、図書館から何冊か借りてきて読んでいる。

20160928

味のある文章を書く人で、好感がもてる。
私よりも一歳年長の同世代ということにも、親しみを感じる。

宮里千里 『島軸紀行―シマサバはいて――異風南島唄共同体』
 ボーダーインク 1993/12/15発行 234ページ

”ウチナーグチ”(沖縄言葉)が効果的に使われていて、読ませる文章だった。
おおいに勉強になった。

”シマサバ” というのは、沖縄や先島(宮古、八重山)の人たちが愛用するゴム草履。
”シマゾーリ” などと称して、石垣島で売られているのを見た。

宮里千里 『ウーマク!――オキナワ的わんばく時代』
 小学館 2000/7/20発行 223ページ

この本が、たいへん面白かった。

昭和30年代のワンパク小僧(ウーマク)だった著者の、沖縄島での少年時代が綴られている。

沖縄の激動時代だった。
北海道の田舎で育った私とは体験の幅がちがうが、同じ時代を生きた著者の話は興味深い。

― e-honサイト より ―
[要旨]
ウーマク=沖縄の言葉で、「わんぱく少年」「やんちゃ坊主」の意。駆ける、笑う、覗く、探検する、忍び込む…1950~60年代、「アメリカ世」の沖縄を遊び回った子どもたち。なつかしくて熱い、あの南島の雰囲気満載エッセイ。
[目次]
1 ウーマク!オキナワ的わんぱく時代
 少年、戦果挙ぎやー
 力道山とエンゲル係数
 僕らのB円両替日
 琉球政府創立記念日 ほか
2 沖縄のゆかいちがい
 暴力団なんか怖くないぞー
 沖縄的看板考
 沖縄での食堂における正しい食事法
 ウチナー的結婚 ほか

宮里千里 『沖縄 時間がゆったり流れる島』
 光文社新書 097 2003/5/20発行 241ページ

この新書は古本屋で買って持っていたはずなのに、どうしても見つからない。
読まずに処分してしまったのか。
今回、図書館本ではじめて読んだ。
沖縄風土記、あるいは歳時記といった内容で、これまた勉強になることばかり。

<沖縄特有の現象がある。死亡広告欄に目を通す朝の日課、聖なる儀式としての結婚披露宴、お墓の新築祝い、先祖と子孫が食を通じて一体感を得る祭り、等々。そして、出生率、平均寿命(女性)、失業率、離婚率、などの全国トップの数字。今、様々な表情を見せる沖縄へ、移住者が増え続けているのは何故か。独自の歴史と他者を受け入れる文化土壌を築いてきた沖縄の魅力を綴る。>
 ― Amazonより ―

沖縄の新聞に大々的に掲載される死亡広告欄の話が面白い。
北海道の地方紙(北海道新聞)でも、まるまる一面を使った死亡告知欄があるが、沖縄のそれは、そんなもんじゃない。
私も、沖縄旅行の際に目にしたことがある。

上の三冊はいずれも絶版。
もちろんAmazonなどで手にはいるが、残念なことだ。

さて、もう一冊。
これはまだ読んでいないが図書館から借りている。

宮里千里 『シマ豆腐紀行――遥かなる<おきなわ豆腐>ロード』
 ボーダーインク 2007/8/30発行 247ページ

沖縄のシマ豆腐も、おいしかったな。
楽しみな一冊だ。

― e-honサイト より ―
目次
 第一章 南米とぅるるん豆腐紀行
 第二章 100%沖縄豆腐びけーん
 第三章 大豆腐圏としてのアジア・日本編
 第四章 わたしはトーファーになりたい
前書きなど
 しま豆腐に気持ちが惹き付けられて以来、考え続けていることがある。あまりにも豆腐は日常過ぎるのか、沖縄のあふれるくらいに数ある食材のうちでも意外や意外と注目はされていなかったように思える。ウチナー豆腐を語るということは即ち、優れて沖縄そのものを語ることになるのではと考えている。
 豆腐に関することで一年間の新聞連載を行った。紙面1ページのおよそ半分を占める破格の扱いをしていただいた。それにしても豆腐だけの話題で一年間は無謀とも思えたが、しかし、日ごろからの豆腐に対する思いは強かったし、それに、豆腐に関して南米をはじめ、ハワイ、中国や韓国、それにインドネシアなどの取材はすでにこなしていた。そういうこともあって、どうにか一年間は続くだろうと考えていた。加えて国内の幾つかのポイント、さらには沖縄内を回ったりもしていたから、「完食」は可能だろうと。
 新聞では48回の連載だったが、加えて、新たな項目や「取材メモ」などを加えた。それにウチナーグチを多用しているので「注」を加えた。ボリュームの関係で「注」の字がシニ小さくなっているがご容赦を。でも、「注」を書き始めると止まらなくなってしまう。違う展開というか、新たな記述になることを知った。

そういえば、こんな面白い事典(文庫版)がある。
ひさしぶりにパラパラ拾い読みしている。

『オキナワなんでも事典』 池澤夏樹 編
 新潮文庫 2003年6月発行

― Amazonより ―
<『沖縄いろいろ事典』から11年。CD‐ROM、WEBと成長してきた事典がついに文庫になった。垂見健吾のあたたかい写真、池沢夏樹をはじめ102名もの執筆者によるエッセイ。それらはなによりも雄弁に沖縄を語る。祭り、芸能、音楽、伝統、祈り、食、アメリカ…どこから読んでも面白く、行ったことがなくても楽しく、食べたことがなくてもおいしい。沖縄を知り尽くす旅にひとしい一冊。>

| | コメント (0)

« 2016年9月 | トップページ | 2016年11月 »