【読】今年も総集編(2019年・読書編 -2-)
「読書編 -1-」に書ききれなかった、今年読んで印象に残った本の続き。
ノーマ・フィールド
たしか、『戦争をよむ 70冊の小説案内』(中川成美/岩波新書)で知った、ノーマ・フィールドという女性。
うまく紹介できないので、ウィキペディアから転載する。
<ノーマ・フィールド(Norma M. Field, 1947年 - )は、アメリカ合衆国の日本研究者、シカゴ大学名誉教授。
第二次世界大戦後の東京で、アメリカ人の父と日本人の母の子として生まれる。1974年、インディアナ大学で東アジア言語文学の修士号を取得。1980年に来日し研究。1983年、プリンストン大学で同博士号取得。シカゴ大学に奉職し、東アジア学科教授をへて名誉教授。
夏目漱石の『それから』の英訳(And Then)に続き、『源氏物語』論である『憧憬の輝き』(Splendour of Longing)で注目された。
1988年の再来日の折に昭和天皇の死去に至る日々を体験。ルポルタージュ『天皇の逝く国で』を著し、この著書の日本語訳によって日本でも一般に知られるようになった。>
学者ではあるが、その著作からは、誠実な人柄が伝わって来て、好感が持てる。
ノーマ・フィールド/大島かおり訳 『天皇の逝く国で [増補版]』 みすず書房
ノーマ・フィールド/岩崎稔/成田龍一 『ノーマ・フィールドは語る 戦後・文学・希望』 岩波ブックレット781
ノーマ・フィールド 『いま、<平和>を本気で語るとは 命・自由・歴史』 岩波ブックレット990
ノーマ・フィールド/大島かおり訳 『祖母のくに』 みすず書房
ノーマ・フィールド/大島かおり訳 『へんな子じゃないもん』 みすず書房
上にあげた岩波新書で紹介されていたのが『天皇の逝く国で』。
天皇裕仁(昭和天皇)が死去(崩御)したときの日本の状況(自粛ムード)と、天皇制に静かに異議を唱えた三人への取材、それに自らの体験を織り交ぜて論述している。
アマゾンより。
<「自粛」「常識」という社会の抑圧に、抵抗できるか。/登場人物は体制順応という常識に抗った三人の日本人。/沖縄国体で日の丸を焼いた知花昌一、殉職自衛官の夫の靖国神社合祀に反対した中谷康子、天皇の戦争責任を明言して狙撃された長崎市長の本島等。/あれから20年余、増補版のために書かれた新たなあとがきを付す。>
『祖母のくに』『へんな子じゃないもん』の二作は、幼少期、日本で育った著者のおもいでが、温かく綴られていて、よかった。
この三冊は、すっかり気に入ったので、図書館に返却した後で、古本をネットで購入したほど。
なお、ノーマ・フィールドについては、このブログにも8月に書いている。
お読みいただけると、うれしい。
【読】ノーマ・フィールド - やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2019/08/post-c2c768.html
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