【読】2021年4月に読んだ本(読書メーター)
4月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1327
ナイス数:55はしっこに、馬といる ウマと話そうⅡの感想
池澤夏樹さんの『終わりと始まり2.0』で紹介されているのを読んで、この本を知った。著者は2009年、馬と暮らすために与那国島に移住した女性。カディという名前の与那国馬とのつきあいから生まれた3冊の本のうちの1冊。与那国島の風が感じられるような、爽やかな本。他の2冊は『馬語手帖 ウマと話そう』2012年、『くらやみに、馬といる』2019年(いずれもカディブックスから)。”カディ”は与那国のことばで”風”を意味する。著者によるイラストもかわいい。
読了日:04月04日 著者:河田 桟
くらやみに、馬といるの感想
与那国島に移住して、与那国馬の”カディ”とともに島での生活を続ける河田桟という女性の3冊目の著作。はがきサイズのかわいらしい本。自身が立ち上げた”カディブックス”という地方出版社から、他の2冊とともに出版されている。Amazonには登録されていないが、地元の図書館に収蔵されていた。前作2冊とあわせて読んだ。馬との自然の中での交流が、おだやかな筆致で綴られている。いい本だ。与那国島へ与那国馬を見に行きたくなった。
読了日:04月07日 著者:河田 桟
へろへろ 雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々の感想
読む人を惹きつける温かい文章。温かな読後感にひたっている。まさに手作りというしかない特別養護老人ホームの開所までの道のりが、おもしろおかしく描かれている。おもしろおかしいのだが、現実は想像を絶するものだったのだろう。老いとともにボケていくのは人としてあたりまえのこと。その老人を企業が経営する施設に囲い込んでいく昨今の流れは、やっぱりおかしい。そんな思いで作られていく「宅老所よりあい」に谷川俊太郎さんが魅かれる気持ちがよくわかる。「介護を地域に返す」この言葉の重みをかみしめている。明日は我が身。
読了日:04月13日 著者:鹿子 裕文
鄙(ひな)への想いの感想
月刊『清流』2011年5月号~2013年11月号に連載されたもの。連載最初の稿を書いた2011年2月のすぐ後、3.11を経験。大震災の体験を踏まえての論考となったという。第三章が白眉。従来の学問の枠から大きく踏み出した「江戸学」に込める筆者の想いが伝わってくる。この本で、さまざまな興味深い書物を知った。私の手元の積読になっている渡辺京二『逝きし世の面影』も読まなくては。
読了日:04月18日 著者:田中 優子
NHK 100分 de 名著 吉本隆明『共同幻想論』 2020年 7月 [雑誌] (NHKテキスト)の感想
若い頃、手にして、たぶん途中でギブアップしたと記憶する(でも、まだ文庫版を手放さずにいる)『共同幻想論』を、もういちど読んでみようという気にさせられた。『古事記』や『遠野物語』も敬遠せずに読むようになったこの年齢になって、ようやく、先入観なしに吉本隆明の著作に触れてみようという気になってきたか。
読了日:04月20日 著者:
黄泉の犬の感想
田中優子『鄙への想い 日本の原風景、そのなりたちと行く末』(清流出版)を読んでこの本を知った。オウム真理教の松本智津夫(麻原彰晃)と、その生まれ故郷である八代、不知火海の水銀中毒(水俣病)との関係に触れられていた。本書の冒頭では藤原新也が松本智津夫の生家を訪ね、その実兄を追い、ついに会うことができて、この仮説を裏付ける証言を得るところから始まる。ただ、その後の展開はインドを放浪した若い頃の話が続き、これは?と戸惑ったものの最後まで読んで事情がわかった。初出の週間プレイボーイ連載当時の事情だ。重い読後感。
読了日:04月23日 著者:藤原 新也
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