« 2021年6月 | トップページ | 2021年8月 »

2021年7月の1件の記事

2021年7月 1日 (木)

【読】2021年6月に読んだ本(読書メーター)

6月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2903
ナイス数:131

マスクは踊るマスクは踊る感想
書名にひかれて読んだ図書館本。2019年3月から2020年11月にかけて「オール讀物」「週刊文春」に連載された文章・マンガから抜粋した内容。たしかに「コロナ禍」の時期にひっかかっているが、もっと面白いと思ったのは、オリンピック(東京五輪)や安倍政権(当時)への辛辣な批判。もちろんショージさんのことだから、正面切っての堅苦しい批判ではなく、皮肉まじりのウィットにとんだもの。こういう軽い読み物を楽しむのも「コロナ頭」になりがちなこの時期、一服の清涼剤的な効力があるものだ。けっこうスルドイ考察もあって、さすが。
読了日:06月10日 著者:東海林 さだお


「暮し」のファシズム ――戦争は「新しい生活様式」の顔をしてやってきた (筑摩選書)「暮し」のファシズム ――戦争は「新しい生活様式」の顔をしてやってきた (筑摩選書)感想
苦労して読了。部分的に興味深いエピソードはあったけれど<現在私たちが享受する「当たり前の日常」の起源を問い、政治の生活への介入があからさまになった「withコロナ」の暮らしを見つめ直す>(本書カヴァー裏のコピー)という著者の狙いが伝わってこなかった。戦時下と現在とのアナロジーがピンとこない。たしかにコロナ禍での同調圧力に共通するものはありそうだが。花森安治や太宰治、小池知事の発言の分析は面白い。別の方が感想に書いていたが、これだけ調べあげたのだから、巻末に参考図書・出典一覧があってもよかったのではないか。
読了日:06月11日 著者:大塚 英志


われらの世紀 真藤順丈作品集われらの世紀 真藤順丈作品集感想
直木賞受賞作『宝島』に"やられた"作家の短編集。雑誌やアンソロジーに掲載・収録された10作。なかでも”お笑い”の世界の奇人を描いた3作「笑いの世紀」「ダンデライオン&タイガーリリー」「終末芸人」に引き込まれた。アイヌを登場させた「レディ・フォックス」は「宝島」を彷彿とさせるが、もっとふくらませて長編にしてもいいように思う。「われらの世紀」という書名どおり、すでに遠い過去になりつつある20世紀の世界を予想外の視点から切り取っていて興味が尽きない。あまり見かけないワード(単語)の選択も新鮮。文章がうまいな。
読了日:06月13日 著者:真藤 順丈


土偶を読む――130年間解かれなかった縄文神話の謎土偶を読む――130年間解かれなかった縄文神話の謎感想
縄文土偶の謎をたんねんに解読した人類学者の新刊。これまでの根拠の薄い通説(教科書などでなんとなく流布してきた)を根底からくつがえす丁寧な研究だ。いわゆる思いつきの”とんでも説”とは全く違って説得力がある。簡単にまとめると、縄文土偶は縄文人たちが生きるために必要とした彼らの食物=果実などの植物・貝類のフィギュアであり、植物などに宿る精霊を祭るための呪具だったのだという。縄文人がいっそう身近に感じられるようになった。発表するにあたって考古学界からの抵抗・妨害もあったという。日本の学問の偏狭さにも言及している。
読了日:06月22日 著者:竹倉 史人


旅がくれたもの旅がくれたもの感想
美しいカラー写真満載。著者が旅先で手に入れたさまざまなグッズ(工芸品、絵画、布・服・絨毯、焼き物・食器、アフリカの仮面や布・小物、世界中の小物など)が、それを手に入れた旅のエピソードとともに紹介されている。写真を見ているだけでも楽しくなる。大量生産される土産物にはない、手作りの温かみが伝わってくる”もの”たち。そこには世界各国に暮らす人々の美意識があらわれていて、あらためて世界は広いと思う。『ゴーゴ・インド』で一世を風靡した著者ならではのコレクションに圧倒される(著者はコレクターではないが)。
読了日:06月23日 著者:蔵前 仁一


デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場 (集英社学芸単行本)デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場 (集英社学芸単行本)感想
評判の本ということで読んでみた。栗城史多(くりき・ふみかず)という"登山家"のことは全く知らなかった。登山家と呼んでいいのか疑問。SNSにどっぷり漬かった”パフォーマー”と呼ぶべきか。栗城氏と関わっていた著者が描く人物像、無謀と思えるエベレスト登頂の試み、失敗、遭難死。読んでいると、あんがい憎めない人物だったように思える。私が知っている登山家・冒険家たちと比べると、邪道としか思えないが、いっとき、ネットでもてはやされ、一部の人たちの共感を得たのかもしれない。たんねんに取材を重ねた著者には敬意を表したい。
読了日:06月25日 著者:河野啓


ウイルスとは何か 〔コロナを機に新しい社会を切り拓く〕ウイルスとは何か 〔コロナを機に新しい社会を切り拓く〕感想
つい先日、所属する団体で中村桂子さんのオンライン講演会を開催。そのつながりで購入して読んでみた。村上陽一郎(科学史家)・中村桂子(生命誌研究者)・西垣通(情報学者)の三人と、藤原書店の藤原良雄の司会による鼎談。得るところが多い。さすが藤原書店、いい本を出している。新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)の蔓延の兆しが日本でもあらわれ始めた2020年夏(出版は2020年11月)、ワクチンがこれほどまで普及するとは思えなかった頃のもの。それを差し引いても、三人の顕学の発言から学ぶものは多い。
読了日:06月27日 著者:中村 桂子,村上 陽一郎,西垣 通


日没日没感想
話題作ということで読んでみた。桐野さんの書くものが好きだし。主人公がどうなるかと目が離せなくなって、最後までいっきに読んでしまった。物語の結末、最後の数ページの展開には、ハラハラドキドキ。ハッピーエンドのわけはないと思いながらも、まさに鳥肌のたつ結末。登場人物や舞台設定がリアリティにあふれ、こういうこと(内容はネタバレになるので書かない)が起きてもおかしくない時代に向かっている気がしてぞっとする。作者の力量に舌を巻く。さすがだ。
読了日:06月28日 著者:桐野 夏生


OUT 上 (講談社文庫 き 32-3)OUT 上 (講談社文庫 き 32-3)感想
引き込まれるように上巻読了。”神の目”からの三人称小説だが、奇妙なバラバラ事件に関わる人間たちの内面に立ち入った描写に引きつけられる。文章のテンポがよく、さすが。事件の顛末、事件に関わった人間たちの運命やいかに。下巻への興味がいや増す。
読了日:06月29日 著者:桐野 夏生

 


OUT 下 (講談社文庫 き 32-4)OUT 下 (講談社文庫 き 32-4)感想
先の見えないストーリー展開にわくわくしながら下巻にとりかかり、作者の仕掛けに感心しながら読んでいたが…結末にはちょっと違和感あり。
読了日:06月30日 著者:桐野 夏生

読書メーター

| | コメント (0)

« 2021年6月 | トップページ | 2021年8月 »