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2021年8月26日 (木)

【読】五木寛之『親鸞』三部作と全挿画集

約2週間かけて、ついに読了。

五木寛之『親鸞』三部作(講談社文庫6冊)。
並行して読んだ画集、山口晃『親鸞全挿画集』(695ページ)。

新聞連載当時、購読紙(東京新聞)で毎日、読んでいた。
数年ぶりの再読だったが、挿絵とあわせて読むことで、当時のワクワク感を再び体験できた。

新聞連載データ(『親鸞全挿画集』より)

【第一部】2008/9/1~200/8/31 354回連載 北海道新聞他26紙
【第二部】2011/1/1~2011/12/11 336回連載 北海道新聞他43紙
【第三部】2013/7/1~2014/7/6 361回連載 北海道新聞他36紙

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以下、「読書メーター」に投稿した感想文。

【第一部(上巻)】8/14~8/17
新聞連載当時に毎日読んでいた。その挿絵を集めた山口晃さんの『親鸞全挿画集』を眺めているうちに、読み直してみたいと思うようになった。文庫版全6冊の1巻目。人間親鸞の生々しい幼少期から青春期。新聞連載当時のワクワク感がよみがえる。さすが、物語り(ストーリーテラー)の名手である。

【第一部(下巻)】8/17~8/19
『親鸞』三部作の第一部(青春篇)完結。師の法然が讃岐に流され、みずから親鸞と名乗ることにした善信は藤井善信という流人として越後へ。河原での安楽坊遵西の処刑シーンが圧巻。新聞連載時の挿絵(山口晃画伯)を収めた『親鸞全挿画集』と並行して読みすすんでいる。続いて第二部「激動篇」へ。

【第二部(上巻)】8/19~8/21
かつて新聞連載された『親鸞』三部作の第二部(上巻)。三部作中盤のクライマックスともいえる雨乞いの祈祷の場面が圧巻。全巻を通してドラマチックな物語の運びに感動しながら読みすすめている。神がかりとなったサトという娘と、親鸞の妻女・恵心の妹・鹿野の娘・小野の行く末は?

【第二部(下巻)】8/21~8/23
越後から関東へ、そして再び京へ。ドラマチックな展開が続く。いよいよ完結編へと進む。山口晃『親鸞全挿画集』(新聞連載時の挿画をすべて集め、さらに山口画伯のコメント付き)の挿絵を見ながら小説を読みすすめている。『親鸞全挿画集』の感想は、読了後に。 余談だが講談社文庫の初版(2013年6月刊行)には、あきらかな誤植が2か所あった。改版で訂正されているのだろうか。

【第三部(上巻)】8/24~8/25
三部作の第三部上巻。謎の女性”竜夫人(りゅうぶにん)”が唐突に登場。やがて、親鸞とゆかりの深いあの女性だと知れる。親鸞をとりまくさまざまな人物が、皆、生き生きしている。なかでも唯円(歎異抄の作者とされている)が魅力的。いかにも新聞連載小説らしく、次々と予想しない展開が続き、引き込まれる。いよいよ最終巻にはいる。

【第三部(下巻)】8/26~8/26
三部作の最終巻。いっきに読了。五木さんが「あとがき」に書いているが、事実をもとにしたフィクション、「稗史(はいし)小説」(中国で民間に語りつがれる噂や風聞を、身分の低い役人が集めて献上したもの)と捉えて読むべきだろう。文庫版解説(末國善己)に「大胆不敵なフィクションの部分は多々あるが、親鸞思想の根本はいささかも踏み外さずに捉えている」と宗門からも高く評価されている、とあるが、なるほどと思う。親鸞をとりまく多彩な登場人物が皆、魅力的。ちなみに、新聞連載当時の挿絵を集めた山口晃『親鸞全挿画集』と同時に読んだ。

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