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2022年3月 1日 (火)

【読】2022年2月に読んだ本(読書メーター)

2月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1609
ナイス数:94

ワクチンの噂――どう広まり、なぜいつまでも消えないのかワクチンの噂――どう広まり、なぜいつまでも消えないのか感想
難しい本だった。巻末解説(磯野真穂:文化人類学・医療人類学)が著者 の言いたかったことをうまくまとめてくれている。また、著者の日本におけるHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン=子宮頸がんワクチンの「積極的勧奨中止」に関する記述に、不確かな内容があることを指摘もしている。人類がウィルスと付き合っていくためには、人類が作り出したワクチンというものとも、うまく付き合っていかなければいけないのだな、というのが読み終えて思ったこと。たしかに「ワクチンは打たれる側にとってはわけのわからない液体」(解説)ではある。
読了日:02月01日 著者:ハイジ・J・ラーソン


古本マニア採集帖古本マニア採集帖感想
「一箱古本市」を始めたことで知られる著者のインタビュー集。世間には本好きの人がこんなにいるんだと、驚く。古本の魅力は、新刊書店や図書館にもない、忘れ去られた作家の本や、昔の雑誌などを発見できることなんだと、あらためて思う。本や雑誌だけでなく、図書館が写された「図書館絵葉書」なんてものを蒐集している人とか、保育社の「カラーブックス」全909冊を集めてしまった人とか、すごいなあと。この本に登場する何人かは、ブログを書いていたりFacebookやTwitterを利用していると知り、ネットで見てみようと思う。
読了日:02月03日 著者:南陀楼 綾繁


世界史のなかの昭和史 (平凡社ライブラリー0905)世界史のなかの昭和史 (平凡社ライブラリー0905)感想
読み通すのに時間がかかったが、じつに面白い本だった。著者の『昭和史』(単行本2冊)を読もうとして、あまりのボリュームに挫折、手放していたのだが、この本は世界史(ヒトラーとスターリンに焦点をあてている)のなかでの昭和史という記述がわかりやすくて、いい。「歴史探偵」を自称する著者らしい”新藤史観”ともいえる歴史観は、とても理解しやすい。巻末の青木理氏との対談(2018年)も、つい最近の世情が話題になっていて、得るところが多かった。『B面昭和史』『昭和史』『昭和史戦後篇』も買ってあり、がんばって読んでみたい。
読了日:02月09日 著者:半藤 一利


捨てない生きかた(マガジンハウス新書)捨てない生きかた(マガジンハウス新書)感想
書名に惹かれて図書館から借り、いっきに読了。五木さんは、あえて「捨てない」ことの意味を説く。五木流文明論。身の回りのモノが捨て難く、あふれかえるモノたちをなんとかしなければ、という、強迫観念に悩まされている我が身にとっては、救われる話。「モノは記憶を呼び覚ます”依代(よりしろ)”」というのが五木さんの考え。”モノ”への執着を捨てて身軽にならなくては、と考えるのも”捨てることへの執着”だと言われると、なるほどと思う。歴史的建造物や街並み、古くからの地名、あるいは方言などもホイホイと捨てていく風潮はさびしい。
読了日:02月19日 著者:五木寛之


伝え守る アイヌ三世代の物語 (少年写真新聞社写真絵本)伝え守る アイヌ三世代の物語 (少年写真新聞社写真絵本)感想
写真家・宇井真紀子(眞紀子)さんの写真絵本。地元図書館にリクエストして収蔵してもらった。宇井さんの講演会・スライドトークには何度か足を運んで、よく存じあげているので、楽しみにしていた本だ。アイヌの家族三世代を10年がかりで追い、あたたかい写真を撮られた、いかにも宇井さんらしいていねいな仕事。今を生きるアイヌの人たち、なかでもアイヌの伝統を伝えていこうとしている少年少女の姿が、生き生きと描かれている。好著。
読了日:02月19日 著者:宇井眞紀子


世界のニュースを日本人は何も知らない (ワニブックスPLUS新書)世界のニュースを日本人は何も知らない (ワニブックスPLUS新書)感想
「日本人は何も知らない」シリーズ第1作。3作目まで出ていて、ずいぶん売れている(読まれている)らしい。SNSで著者を知り読んでみた(2019年発行)。多くの日本人が知らない(と著者が言う)世界の意外なニュースや事実が紹介されていて面白い。池上彰の著作を思い起させる。意思決定を左右するのは「感情(emotion)」/効率化を追求するあまり無駄を排除することの問題点(図書館や書店に並んでいる本から知らなかったことが発見できるという例えがいい)/人生の幸福を決めるのは自己決定権/等々の指摘には、なるほどと思う。
読了日:02月22日 著者:谷本 真由美


だから、写真で生きていく 辺境の地 移住者のまなざしだから、写真で生きていく 辺境の地 移住者のまなざし感想
41歳で公務員を退職し、大阪から北海道の美瑛に移住した写真家の新刊。図書館にリクエストして入れてもらった。美瑛は私の母親の実家があった土地で、今も親戚がいて、身近な土地。著者とは面識はないが、SNSを通してその活動に注目している。美瑛といえば前田真三さんが”発見”した丘のある風景の美しさで有名だが、著者の中西さんは、前田真三のような風景写真から脱して、独自の写真世界を目指している。美瑛移住までの経緯、北海道での写真家生活、移住者としてのまなざし、自らが目指す写真(日本画からの影響)等々。美しい写真も満載。
読了日:02月26日 著者:中西敏貴

読書メーター
 

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