【読】池澤夏樹さんの新刊『また会う日まで』
池澤夏樹さんの新刊が出た。
700ページを超える大作で、値も張る(税込3600円)。
このところ本代が嵩んでいるので、本屋では眺めるだけ。
地元の図書館にリクエストしたところ、それほど待たずに借りられた。
池澤夏樹 『また会う日まで』
朝日新聞出版 (2023/3/7) 728ページ
Amazonより
海軍軍人、天文学者、クリスチャンとして、明治から戦後までを生きた秋吉利雄。
この三つの資質はどのように混じり合い、競い合ったのか。著者の祖母の兄である大伯父を主人公にした伝記と日本の近代史を融合した超弩級の歴史小説。
『静かな大地』『ワカタケル』につづく史伝小説で、円熟した作家の新たな代表作が誕生した。朝日新聞大好評連載小説の書籍化。
(目次から)
終わりの思い 海軍兵学校へ 練習艦隊 第七戒 海から陸へ、星界へ 三つの光、一つの闇 チヨよ、チヨよ ローソップ島 ベターハーフ 潜水艦とスカーレット・オハラ 緒戦とその先 戦争の日常 立教高等女学校 笠岡へ 終戦/敗戦 希望と失意 主よ、みもとに コーダ
かつて『静かな大地』を読んで、深く感銘を受けた。
たしか、単行本で二度、その後、文庫版で再読した。
池澤さんの先祖を題材にして、「開拓」時代の北海道が舞台の小説。
このブログでも、「静かな大地」というカテゴリーを作って、あれこれ書いたほど、入れ込んだ作品だ。
静かな大地: やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/cat20103693/index.html
※池澤さんの『静かな大地』というタイトルは、花崎皋平(はなざき・こうへい)『静かな大地 松浦武四郎とアイヌ民族』に倣っている(花崎氏の許諾をえているはず)。私のブログ記事でも、花崎氏の本や松浦武四郎について、たくさん触れている。
【読】長い物語: やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2005/10/post_570d.html
この新作『また会う日まで』も、池澤さんの祖母の兄(大伯父)・秋山利雄が描かれているようだ。
まだ、はじめの70ページほどを読み始めたばかりなので、秋吉利雄という人の生涯を追うのは、これから。
池澤さんの文章が好きなので(『静かな大地』は、かなり凝った文体だったが)、この小説は楽しめそうだ。
ネタバレになりそうだが、新聞の書評を紹介しておこう。
今週の本棚:湯川豊・評 『また会う日まで』=池澤夏樹・著 | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20230318/ddm/015/070/008000c
池澤夏樹が3作目の歴史小説「また会う日まで」で描いた大伯父の3つの顔 現在と重なる日本の戦中史:東京新聞 TOKYO Web
https://www.tokyo-np.co.jp/article/242514
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