【読】角幡唯介さんと北極圏探検
所属している「小平図書館友の会」の会員向け交流紙に寄稿する、「おすすめの本」の紹介。
下に転載しておこう。
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角幡唯介 『極夜行』
文藝春秋 2018/2/10 333ページ
『裸の大地 第一部 狩りと漂泊』
集英社 2023/3/25 284ページ
『裸の大地 第二部 犬橇事始』
集英社 2023/7/10 357ページ
角幡 唯介(かくはた ゆうすけ)
1976年生まれ。ノンフィクション作家・探検家。早稲田大学探検部OB。
余談から――。角幡さんの実家は北海道芦別市でスーパーマーケットを営んでいたという(今は廃業)。私の母の実家があった美瑛町(芦別市から遠くない)に「カクハタ」という店があったことを、母が遺した日記で知り、親しみを感じた。
ここにあげた三冊は、角幡さんの北極圏(グリーンランド)探検(冒険?)の記録。本人は「漂泊」と表現している。野生動物を狩りながらの、行き当たりばったり的な旅だ。もちろん、当初の計画・目標はある。
犬を一匹だけ連れて橇を引いての徒歩旅から、やがて現地のイヌイットに倣って犬橇を使う狩猟の旅へ。その軌跡を追うのが面白い。GPSに頼らない、人力の、命がけといってもいい旅は身震いするほどの緊迫感にあふれている。
『極夜行』は「極夜」(一日中、太陽が出ない日、白夜の正反対)の中の過酷な旅。
『犬橇事始』では、はじめて犬橇に挑戦するも、エスキモー犬の調教の難しさが、これでもか、これでもかと執拗に綴られる。
「裸の大地」は三部作になるという。いつ出るかわからないが三作目が楽しみだ。
ウェブサイト
惑星巡礼 角幡唯介 | 集英社学芸部
https://gakugei.shueisha.co.jp/yomimono/wakuseijunrei/list.html
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単行本を図書館から借りて読んだが、たぶん、文庫化されたら買ってしまうだろうな。
(『極夜行』は、すでに文庫化されているが)
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