« 【楽】2023.11.5「星ノ飛ブ夜」ライブ(祖師ヶ谷大蔵「カフェムリウイ」) | トップページ | 【読】「パレスチナ 戦火の中の子どもたち」(古居みずえ) »

2023年11月12日 (日)

【演】ガザの戦争と沖縄戦(2本の映画)

ごく最近観た2本の映画のこと。
どちらも、劇場ではなく、ホールでの自主上映会。

『ぼくたちは見た ガザ・サムニ家の子どもたち』
 2011年 古居みずえ監督 (86分)

http://whatwesaw.jp/

1400人という多くの犠牲を出した、2008年から09年にかけてのイスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区への攻撃。
本作の監督であるジャーナリスト・古居みずえは、攻撃直後に現地に入り、300人以上の子どもたちが犠牲になっていたことに大きなショックを受け取材を始める。
ガザ南部の農業地帯ゼイトゥーンに住むサムニ家の子どもたちは、一族が一度に29人も殺されるという、過酷な事件を経験していた。 (公式サイトより)

Photo_20231112101301 

今年10月、ハマースによるイスラエル攻撃に端を発した戦闘(戦争といっていい)。※注
イスラエル軍によるガザへの「報復攻撃」が続いている。
報復というよりも、これまで繰り返してきたガザ地区への攻撃を強化して、ガザを支配下に置こうとしているように思えてならない。
このタイミングで、12年前に発表されたこの映画を観る機会があって、よかった。

14、5年前、イスラエル軍の攻撃でたくさんの肉親を目の前で失った、ガザの「サムニ家」の子どもたちに密着取材。
子どもたちの口から、悲惨な体験が語られる。
いま、ガザで起きていることは、これよりもっとひどいものだと思うと、胸が痛い。

この映画のことは、小松由佳さんと古居みずえさんとのトークイベントをオンラインで視聴して(10月19日)知った。

https://yukakomatsu.jp/

大塚の「シネマハウス大塚」という、ちいさな上映施設(ふだんはレンタルスペースとして使われているという)で、3日間上映されることを知り、最終日の11月8日(水)に観ることができた。

シネマハウス大塚
https://www.facebook.com/cinemahouseotsuka

上映後、古居監督と、主催者で館長の後藤和夫さんとのトークがあった。

20231108-172930_20231112102101

『丸木位里 丸木俊 沖縄戦の図 全14部』
 2023年 河邑厚徳監督 (88分)

https://sakima.jp/movie/

Photo_20231112104201 2_20231112104201

河邑監督の『鉛筆と銃 長倉洋海の眸』(写真家 長倉洋海さんを描いた映画)を、9月23日、東京都写真美術館で観たばかり。

映画「鉛筆と銃 長倉洋海の眸」公式サイト
http://www.pan-dora.co.jp/enpitsutojyuu/

Photo_20231112104701

その映画の上映会で、今回の作品のちらしも配布されていて、観たいと思っていた。
「ねりま沖縄映画祭」11月11日(土)の上映会(江古田の武蔵大学キャンパス)で観ることができた。

2023_20231112105401

「原爆の図」は、2015年2月に沖縄本島の佐喜眞美術館を訪ねて、実物を見たことがある。
14作全部ではなかったかもしれず、いちばん大きな絵(4m×8m)に衝撃を受けた。
もうひとつ、忘れられないのは、たまたま見学に来ていた中学生か高校生の団体の女生徒が、絵の前で泣きじゃくっていたこと。

11月11日の上映後、司会の永田浩三さん(武蔵大学教授)と、河邑厚徳監督のトークショーがあった。

20231111-174720_20231112105801

河邑監督のことばで、胸に響いたことがある。
「明治以降、日本の歴史は戦争の連続だったが、自分たちの土地が地上戦の舞台になったことがない。唯一、沖縄を除いて。」
「ガザの細長い地形は、沖縄島と似ている。どこにも逃げるところがない。」

私たち「本土」に生まれ育った人間には(私は北海道生まれだが、沖縄から見れば「本土」の一部だろう)、どこか、戦争の記憶・捉え方がちがっているのではないか。
空襲・空爆で被害を受けたことだけが強く刻まれていて、日本の軍隊が国外へ出張って地上戦を繰り広げたことや、沖縄の地上戦の惨状に対しては、決定的に鈍感なところがないか。
頭ではわかっているつもりでも、肌感覚としての実感が貧弱なのではないか。

頭でわかることと、映像や音楽によっのて揺り動かされる感情の部分とは、ちがう。
そこが映画や音楽(この映画でも三線にのせた島唄が効果的に使われていた)ならではの「ちから」ではないか。
そういう意味のことも、監督が話されていた。

【自分のためのメモ】
チビチリガマとシムクガマ。
読谷村の集団自決があった「チビチリガマ」、対照的に集団自決することなく非難した人たちが助かった「シムクガマ」。
このふたつが、「沖縄戦の図」に描かれている。
「シムクガマ」には、ハワイからの帰国者がいて、「米兵は手向かいしない限り殺さないのでガマを出るように」と、避難していた島民を説得したため、「玉砕」を避けられたという。
この話、私は勉強不足で知らなかった。
河邑監督の映画と、上映後のトークで、このことを知った。
憶えておきたい。

Wikipedia チビチリガマ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%93%E3%83%81%E3%83%AA%E3%82%AC%E3%83%9E

Wikipedia シムクガマ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A0%E3%82%AF%E3%82%AC%E3%83%9E

読谷村史 第五巻 資料編4 『戦時記録』 上巻 下巻
https://yomitan-sonsi.jp/sonsi/index.htm

【2023.11.14補足】
※注 について。

「ハマースによるイスラエル攻撃に端を発した戦闘」と書いたが、これは正確ではない。
イスラエル軍によるガザ包囲(実際に分離壁で包囲されている)は、ずっと以前から続いており、イスラエルによるガザ(パレスチナ)への締め付けは、今に始まったことではない。
過去の戦争・紛争も、ある日突然始まったわけではないことは、歴史をみればわかる。
このあたりの報道が、どうにもおかしい。

11月14日、ラジオ番組に、写真家の高橋美香さんが出演して、パレスチナの現状を的確・冷静に(静かな怒りをこめて)話していらっしゃる。
YouTubeでも聴ける。

『パレスチナのちいさないとなみ』
【ゲスト:高橋美香】2023年11月14日(火)
大竹まこと 小島慶子 高橋美香【大竹メインディッシュ】
https://youtu.be/SljgBusVf0w?si=RFbpGuUg68-MKCKF

 

|

« 【楽】2023.11.5「星ノ飛ブ夜」ライブ(祖師ヶ谷大蔵「カフェムリウイ」) | トップページ | 【読】「パレスチナ 戦火の中の子どもたち」(古居みずえ) »

【演】演劇・映画・演芸日誌」カテゴリの記事

あの戦争」カテゴリの記事

高橋美香」カテゴリの記事

小松由佳」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 【楽】2023.11.5「星ノ飛ブ夜」ライブ(祖師ヶ谷大蔵「カフェムリウイ」) | トップページ | 【読】「パレスチナ 戦火の中の子どもたち」(古居みずえ) »