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2024年5月27日 (月)

【読】日航123便墜落の謎

きっかけは、ある地域FMの番組で聞いた話だった。

「あの、日航123便墜落の真相は……こうだったらしい……」

パーソナリティをつとめる、私がよく知るTさんの話に出てきたのが「森永卓郎」の名前だった。
ネットで調べてみて、青山透子という人がたくさんの著作を出していることを知った。
今年4月のことだ。

以下、私が利用している「読書メータ」というサイトに残した、私の感想を転載しておく。
(読んだ順番ではなく、私の関心に沿った順序で)
「読書メータ」は、ひとつの投稿が255文字までという制限があるため、言いたいこと(感想)を書ききることが難しいのだが。

■5/2~5/27読了
森永卓郎 『書いてはいけない 日本経済墜落の真相』
三五館シンシャ (2024/3/20) 203ページ ※2024/5/2購入

<第3章『日航123便はなぜ墜落したのか」を読みたくて購入(図書館では予約待ちの行列だったので)。経済アナリストの森永氏の本題である「日本経済墜落の真相」については、正直、理解するのが難しかった。日航機の墜落原因については、青山透子氏と、この本で紹介されている小田周二氏の『永遠に許されざる者』の説に依るところが多い。「撃墜説」が、とんでもない「謀略説」とは思わない。日航が隠し続ける飛行記録(ボイスレコーダー、フライトレコーダー)の生データを公開すれば「撃墜説」の真偽が明白になるのに、と、あらためて思う。>

※図書館から借りようとしたら、たいへんな予約待ち行列だったので、自腹を切って購入。
経済アナリストの専門分野の本だったので、「日本経済墜落の原因」と著者が言う、経済分析部分は私にはよく理解できなかった。第3部が「日航123便はなぜ墜落したのか」という、私が興味を持ったテーマ。
この本を購入する前、(この本でも取り上げられている)青山透子さんの本を知り、図書館で探して読み始めた。
全部で5冊。他にも著作があるが、私にしては、よく続けて読んだと思う。

■4/19~4/23読了
青山透子
『日航123便墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る』
河出書房新社 (2017/7/20) 205ページ 【図書館本】

<単行本で読んだ。衝撃の内容。日航機123便の悲惨な事故は、いまでもはっきり記憶している。たしかに、遺体の惨状は航空燃料が燃えたことでは説明がつかないと、今になって思う。多くの目撃証言や事故現場の様相、墜落場所が確定できなかった(公表までに不自然に時間がかかった)謎、等々。綿密な状況証拠から、自衛隊と米軍がからんだ事故という仮説を実証しようとしている。この著者の他の本も読んでみたい。なかでも、昨年文庫化された『日航123便墜落 遺物は真相を語る』。これほどの重大事故の真相が真面目に追及されないのが不思議。 >

※このときは地元図書館の単行本を読んだが、のちに、隣接市の図書館に文庫版のあることを知り、借りてみた。
解説を森永卓郎氏が書いている。文庫は2020年6月20日初版。私は、この文庫版と次の『遺物は真相を語る』の二冊の文庫を、のちに購入した。

■4/23~4/30
青山透子
『日航123便墜落 遺物は真相を語る』
河出文庫 (2023/8/10) 227ページ 【図書館本】

<前著『墜落の新事実』に続いて読んだ。ほとんど報道されることもなく、私も全く疑っていなかった「事故原因」が、真相を隠すための方策だったことは、この本に記された証言、証拠から疑いないと思う。隠され続ける闇。事故ではなく事件の真相が明らかになることを願う。裁判の行方を追いたい。>

※この本で、著者の青山氏は、事故現場の遺留物(金属)の成分を調べて、飛行機燃料ケロシンからは検出されないはずの成分を見つける。火炎放射器に使われる、ガソリンとタールを混合したゲル状の燃料に含まれる成分だ。
事故直後、現場に捜索にかけつけた消防団員の証言として、「ガソリンとタールのような強い臭いがした」というものがある。青山氏の推論は、ちょっと信じがたいものだが、あてずっぽうではなく、すべてに”裏”をとっている(目撃者証言や専門家の意見も聞いてのうえでの推論)なので、信頼性が高いと思う。

■5/9~5/11読了
青山透子
『日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす』
河出書房新社 (2020/7/20) 229ページ 【図書館本】

<青山透子さんの「日航123便墜落」事件(筆者は、今や、事件と断定する)に関する本を、立て続けに読んでいる。事故調・日航・政府(当時の中曽根政権)が主張する(根拠が薄弱な)「圧力隔壁説」は、どう見ても整合性のないことがわかる。ただ、著者が想像する「機長共犯?説」(自衛隊出身の機長が自衛隊と打ち合わせのうえでミサイル試射に協力した)は、さすがに”トンデモ説”、”陰謀説”のきらいがあると思う。もう2冊、この著者の本が手元にあるので、読んでみたい。それにしても、これほど”闇”に葬られようとしている事件の不思議。>

※事故調査委員会(事故調)の報告書で結論付けられ、一般的に支持されている(あるいは信じ込まされている)事故原因は、墜落事故の7年前に起こした”しりもち事故”の後、後部圧力隔壁の修理の際の、ボーイング社の修理ミス。
その後の(接合部の)金属疲労によって、飛行中に圧力隔壁が破損。そこから噴き出した機内の高圧の空気が、垂直尾翼を破壊したことだという。
青山氏は、専門家の意見を収集、垂直尾翼を破壊するほどの噴出があったとは思えない、と言う。尾翼の構造は、それほど貧弱なものではなく、尾翼を破壊するほどの噴出(減圧)があったなら、機内の乗客や物が、機外に飛び出るほどの勢いだったはず。また、機内の乗客の鼓膜に異常が生じるほどの、気圧の急激な変化がなければ、おかしいと。
このあたりの推論は、科学的で説得力があると思う。

■5/13~5/16読了
青山透子
『日航123便 墜落の波紋 そして法廷へ』
河出書房新社 (2019/7/20) 205ページ 【図書館本】

<日航123便墜落事故を追う、この著者の4冊目に出版された本。「青山透子」がペンネームであり、本名は非公開ということを、この本で知った。もう一冊の『日航123便墜落事件 JAL裁判』(2022年)も、図書館から借りて手元にあるので読んでみようと思う。森永卓郎『書いてはいけない』(2024年3月)や、青山透子『日航123便 墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る』(河出文庫、2020年6月、解説:森永卓郎)など、40年近く前の日航機事故が注目を浴びているのだろうか。私は、ある地域FMの番組を聞いて知ったのだが。>

■5/17~5/24読了
青山透子
『日航123便墜落事件 JAL裁判』
河出書房新社 (2022/11/20)373ページ 【図書館本】

<日航123便墜落事故(著者は事件と言い切る)に関する、私が読んだ何冊目かの本。2021年6月から22年10月(判決)までの墜落事故被害者による日航を相手どった裁判(ボイスレコーダー、フライトレコーダーの開示請求訴訟)の詳細が書かれていて読むのはしんどかった。現行法に基づく開示請求には無理(限界)があるようだが、今後の控訴審の行方を追っていきたい。JALが所持しているボイスレコーダー、フライトレコーダーの内容を隠す(開示しない)理由は何もない。後ろめたいところがないのなら、開示して事故原因を明らかにすべき。>

※遺族を原告とする、日航を相手どった裁判の詳細な記録。地裁によって原告の訴えが認められない判決が出ている。
その後、知ったのだが、高裁でも敗訴。最高裁まで行っているようだ。

ここまでが、青山透子氏の著作。
これらを読む合間に、他の筆者による本も読んでみた。
いずれの著者も、基本的には「圧力隔壁説」には疑いを挟んでいない。
そこが、私には不思議なのだが、青山氏らの主張は、「とんでも説」「陰謀説」と、厳しい批判を浴びているのも事実。

ただ、日航が公開を拒絶し続けている「ボイスレコーダー」「フライトレコーダー」の生データは、なぜそこまで隠さなければいけないのか。生データに、何か、公開してはまずい内容があるのではないのか? という疑惑は、至極当然だ。

■5/4~5/5読了
藤田日出男 『隠された証言 日航123便墜落事故』
新潮文庫 (2006/8/1) 341ページ 【図書館本】

<日航123便墜落事故の真相を探る本を、また一冊読んだ。著者は事故当時、日航パイロットで航空事故調査も担当していたところから、事故直後に現場の御巣鷹山スケノ沢(生存者が発見された場所)に駆けつけている。事故現場の凄惨な様子の描写がすごい。事故原因については、青山透子氏などが唱える「ミサイル誤射説」を珍説・風説として一蹴するが、事故調査会の結論「圧力隔壁破壊」説には真っ向から異を唱え、その根拠をていねいに説明している。事故調の内部告発者から調査資料の提供を受けている。それが「隠された証言」というわけだ。>

■5/5~5/9読了
角田四郎 『疑惑 JAL123便墜落事故』
早稲田出版 (1993/12/28) 432ページ 【図書館本】

<1985年の日航123便事故から8年後に出版された本。著者は、私が先に読んだ『隠された証言』(新潮社)の著者でもある藤田日出男氏ら日航のパイロットからも話を聞いている。この本では、後部圧力隔壁破損による急減圧が事故の原因とする「事故調」報告を否定。ミサイル標的機説をあげている。さらに、破損・迷走していたジャンボ機がミサイルによって撃たれたのでは、という大胆な仮説まで。事故調や日航がボイスレコーダーの生の音声の公開を拒絶し続ける裏には、やはり、何かありそうだ。もう世間は忘れ去ろうとしているが、大事なことだ。>

■5/11~5/13読了
藤田日出男 『あの航空機事故はこうして起きた』
新潮選書 (2005/9/20) 207ページ 【図書館本】

<少し前に読んだ同じ著者(日航の元パイロット、2008年死去)の『隠された証言 日航123便墜落事故』新潮文庫に続いて2冊目。日航123便墜落事故の他、世界中で起きた7つの航空機事故について、専門家らしく詳しく、わかりやすく解説している。日航123便事故については、事故調の「後部圧力隔壁説」を真っ向から否定(もっともだ)。この本を読むと航空機事故の多さに驚くが、著者は「ミスはつきもの、その原因を探って再発を防ぐ努力がたいせつ」と力説する。日本の事故調査報告の酷さがわかり、もっと海外に学ばなければと痛感した。>

■5/24~5/26読了
堀越豊裕 『日航機123便墜落 最後の証言』
平凡社新書885 (2018/7/13) 326ページ 【図書館本】

<著者は共同通信社の米国特派員。米国駐在という地の利を生かして、日航123便墜落の米国関係者多数と、日本国内の関係者を取材した内容。著者は、あくまでも「圧力隔壁原因説」を支持するが、「撃墜説」をとる青山透子氏へもインタビューしていて、ほう、と思った。海底に眠っている事故機の残骸引き上げが不徹底だったことも指摘している。ただ、青山氏の「垂直尾翼を破壊するほど大きな減圧がなかった」との指摘には触れていない。なんとなく事故調や米国関係者が出している事故原因(修理ミス→圧力隔壁破損)を肯定している印象を受けた。>

最後に。
森永卓郎氏の『書いてはいけない』で紹介されていた、小田周二さん(123便の墜落で、ふたりのお子さんと親族を亡くしている)が書いた本が隣接市の図書館にあったので、借りてきて、これから読むところだ。

小田周二 『524人の命乞い 日航123便乗客乗員怪死の謎』
文芸社 (2017/8/12) 250ページ

青山透子氏と同様の主張を続けている方だ。
森永卓郎氏の本で引用されている
『永遠に許されざる者 日航123便ミサイル撃墜事件及び乗客殺戮隠蔽事件の全貌解明報告』
(文芸社、2021年)
も、隣接市の図書館にあったのだが、貸出中なので、後日、借りてみようと思う。

【追記】
事故調の報告書に、後日、「別冊」として追加された図表の中に「異常外力の着陸点」が記された図がある。
ネットで公開されているのを、私も見た。
青山透子氏の著作や、森永卓郎氏の『書いてはいけない』にも掲載されている図(下記リンク)だ。

https://www.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/download/62-2-JA8119-huroku.pdf

事故機の垂直尾翼の、ちょうど海底に沈んでしまって回収できていない破壊部分に、外部から何か強い力が加わった形跡を事故調も認めていて、青山氏らの「自衛隊の(おそらく)ミサイル標的機が尾翼に衝突したのでは?」という説を裏付ける。
海底から、ついに引き上げられなかった(引き上げなかった)事故機残骸の調査も必要だった。
引き上げなかったのは、金がかかり過ぎるというのが理由だが、諸外国に比べても、日本の事故調査の不徹底さ(不透明さ)がうかがえる。
このことは、私が読んだ上掲の(青山氏以外の)著者の何人かも指摘している。

(2024/5/27 記)

 

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