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2024年9月の4件の記事

2024年9月23日 (月)

【読】ガルシア・マルケス『百年の孤独』文庫版が出た

話題になっている文庫。
二か月ほど前のこと、新刊書店のレジ前に平積みされているのを見て、すぐに購入した。

十数年前になるだろうか、当時住んでいた小平の図書館で単行本を借りて、がんばって読んだことを思い出す。

図書館の貸し出し窓口で、図書館員から
「全部読んだんですか? 私は読めないまま、家にまだあります」
と言われたことも、忘れられない。(詳細は下記リンク先のブログ記事に)

自分のブログ記事を見返してみたところ、2005年11月のことだった。
今から19年前、まだ、会社に勤めていた頃だ。

2005.11.25
【読】百年の孤独: やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2005/11/post_aa66.html

2005.11.26
【読】地区図書館で: やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2005/11/post_6c84.html


ガブリエル・ガルシア=マルケス 『百年の孤独』
鼓直(訳) 新潮文庫(2024/6/26) 672ページ

https://amzn.to/3TGQlQK

Photo_20240923124401

この文庫、買ったままで、まだ読めないでいるが、池澤夏樹さん監修の「読み解き支援キット」というA3版のペーパーが挟まれている。
「読み解き」が必要なほど、たしかに読むのが難しい本だった。
長く複雑な物語なので、いつか気合を入れて向き合ってみよう。


こんど出た文庫版は、ずいぶんと話題になっているらしい。
今日も、ネットでこんな記事をみつけた。

「著者はボケ倒してるのにツッコミなし」
直木賞作家・小川哲が『百年の孤独』を語る | 対談・鼎談 | Book Bang -ブックバン-

https://www.bookbang.jp/review/article/783768

https://www.bookbang.jp/review/article/783768/2

 

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2024年9月21日 (土)

【読】赤坂憲雄『奴隷と家畜 物語を食べる』を読む

図書館から借りて、ようやく読み終えた。
赤坂さんらしい難解な部分も多いが、なかなか刺激的で、読み応えのある本だった。

赤坂憲雄 『奴隷と家畜 物語を食べる』
青土社 2023/5/10 369ページ
https://amzn.to/4dkJeUN

この本を知ったのは、内澤旬子さんのブログ記事を読んでいて、下記の投稿をみつけてのことだった。

内澤旬子 空礫絵日記
https://kemonomici.exblog.jp/

2023/7/1投稿記事
「取り上げていただきました : 内澤旬子 空礫絵日記」

https://kemonomici.exblog.jp/33019650/

内澤さんは、赤坂さんが『飼い喰い 三匹の豚と私』を取りあげてくれたことに触れ、次のように感謝を述べている。
いかにも内澤さんらしい文章だ。

<予想をはるか彼方にぶっ飛ばして長尺で取り上げていてくださいました。しかも非常に的確に私の意図を掴み読んでいてくださっていて、こんなに嬉しいことはないと言うくらいの文章でした。/文中、三匹の豚を飼って食べた私のことを「この人」と書いているのも不穏な、ドン引きしていらっしゃる感じがよく出ていて痛快でした。ちょっと笑ってしまいました。>

内澤旬子 『飼い喰い 三匹の豚と私 角川文庫
https://amzn.to/47AF6Pq

内澤さんのこの本、面白かったな。

■赤坂さんのこの本では、桐野夏生さんの『燕は戻ってこない』も取りあげられていて、桐野夏生ファンの私には嬉しかった。

桐野夏生 『燕は戻ってこない 』 集英社文庫 2024/3/19
https://amzn.to/3znYEKj

私は単行本で読んでいたが、文庫化されたようなので、買い求めて再読したいと思う。
単行本はブックオフで買ったのだったが、読了後、手放してしまった。
面白い小説だったが、再読するとは思ってもいなかった。

赤坂さんの「読み」は、さすがで、触発されることが多い。

■さて、この『家畜と奴隷 物語を食べる』という本。
雑誌『ユリイカ』に連載していたものだという。

ネット検索してみたら、次のような記事があった。
まだ連載が続いているようだ。

2024年4月号:怪物はささやき、物語の使徒になった
2022年1月号:奴隷化、いじめの政治学へ
2022年9月号:二本足の豚たちが動物農場をゆく
2021年2月号:胃の腑と詩と官能のあいだ

赤坂さんは、本書のあとがきで、次のように書いている。

< まるで、いきなり荒海に乗りだした漂流記のような連載となりました。ほぼ手直し程度に留めて、そのままの形での刊行となります。とにかく、海図やら羅針盤のたぐいはなにひとつもたずに、流されてゆくことを選んだのです。(中略)そもそも、全体の構想といったものはかけらもなく、『性食考』以後に生まれた雑念をめぐって、あくまでそれを随想(エッセイ)風につずってみたいと考えていただけです。(後略)/すくなくとも、連載に取りかかる以前に、『奴隷と家畜』などというタイトルはどこにもなかったのです。>

『性食考』(2017/7/26 岩波書店)という挑発的なタイトルの本も、読んでみたいと思う。

https://amzn.to/4e9V9pH

■本書では、さまざまな書籍(たとえば、大江健三郎の初期小説、宮澤賢治の童話、『家畜人ヤプー』という奇書、『ロビンソン・クルーソー』、G.オーウェル『動物農場』など多数)ばかりでなく、映像作品、コミックなど、多岐にわたって取りあげ、民俗学者・赤坂さんならではの考察を展開している。
読んでいて、どこに連れて行かれるかわからない戸惑いを感じながらも、赤坂さんらしい思索に引きずり込まれた。
なるほど、こういう読み方があったか、と。

第三章の”いじめ”に関する論考(中井久夫「いじめの政治学」他を取りあげて)には、ハッとさせられた。
子どもたちの”いじめ”の世界の”からくり”に触れた気がする。

■最後に、e-honサイトから、本書の紹介を転載しておく。
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034466258&Action_id=121&Sza_id=C0

”スリリングな旅”とは、言い得て妙。

要旨
生きるために、捕って、殺して、わたしたちは食べる。食べるために、作物を栽培し、家畜を飼育し、人を奴隷にする。“食べるひと”ははてしない謎を抱いている。誰ものぞこうとしなかった意識の森深くへと、異端の民俗学者が下りてゆく。物語を食べ散らかすような、不遜にしてスリリングな旅。
目次
第1章
胃の腑と詩と官能のあいだ/憑依と観想から擬人法へ/ほか
第2章
奴隷農場は愛とともに昏れて/猿の惑星からの伝言/ほか
第3章
自己家畜化と道徳の発生/奴隷化、いじめの政治学へ/ほか
第4章
フォアグラ的な肥満のはてに/臓器提供者のいまわの恋/ほか
第5章
二本足の豚たちが動物農場をゆく/豚は知性的な生き物である/ほか
終章
奴婢訓の裂け目に

■さらに、ネット検索で、こんな記事(note ブログ)もみつけた。

赤坂憲雄『奴隷と家畜 物語を食べる』/寺田寅彦「詩と官能」/椹木野依「音を食って物がなくなる」|KAZE
https://note.com/novalisnova/n/n52bfd60caaf2


【追記】 2024/9/22
メモ:本書で取り上げられている膨大な書籍
(できるだけ拾いあげておく)
※この本には、残念なことに索引がないため、自分用のメモとして。

<第一章>
寺田寅彦 『寺田寅彦随筆集 第三巻』 岩波文庫  「夏目漱石先生の追憶」
高山辰雄 『存在追憶 限りなき時の中に』 角川書店
保阪康夫・小澤俊郎 『宮沢賢治 友への手紙』 筑摩書房
山本聡美 『九相図をよむ』 角川選書
スーザン・ソンダク 『他者の苦痛へのまなざし』 みすず書房

宮澤賢治 『宮沢賢治全集 7』 ちくま文庫 「フランドン農学校の豚」
『グリム童話集』 「ヘンゼルとグレーテル」
宮澤賢治 『宮沢賢治全集 5』 ちくま文庫 「蜘蛛となめくじと狸」
雑賀恵子 『エコ・ロゴス』 人文書院
宮崎学 『死を食べる』 <アニマルアイズ・動物の眼で環境を見る 2> 偕成社
正田陽一 『家畜という名の動物たち』 中央公論新社
ブライアン・フェイガン 『人類と家畜の世界史』 河出書房新社
 https://amzn.to/3N0IJEF
藤子・F・不二雄 『箱舟はいっぱい 異色短編集3』
 『ミノラウロスの皿 異色短編集1』 小学館文庫
大江健三郎 『死者の奢り・飼育』 新潮文庫 「飼育」「人間の羊」
三島由紀夫 『三島由紀夫文学論集Ⅱ』 講談社文芸文庫 「裸体と衣裳」
『シートン動物記1』 講談社 「ぎざ耳 あるわた尾ウサギの物語」
村上克尚 『動物の声、他者の声』 新曜社

<第二章>
安部公房 『内なる辺境』 中央公論社
小説 『マンディンゴ』 河出書房新社 1968年邦訳初版
 新装版1975年
『猿の惑星』 創元SF文庫 1968年
スウィフト 『ガリヴァー旅行記』
『賭ケグルイ』 ガンガンコミックスJOKER
小林多喜二 『蟹工船』
沼正三 『家畜人ヤプー』
芥川龍之介 『上海遊記 江南遊記 』 講談社文芸文庫
金子光晴 『どくろ盃』 中公文庫 「上海灘」
イザベラ・バード 『日本奥地紀行』
沼正三 『集成「ある夢想家の手帖から」』 太田出版

<第三章>
小原秀雄 『自己家畜化論』 群羊社 1984年
小原秀雄・羽仁進 『ペット化する現代人』 NHKブックス 1995年
リチャード・ランガム 『善と悪のパラドックス』 NTT出版 2020年
エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ 『自発的隷従論』 ちくま学芸文庫
中井久夫 『中井久夫集6 いじめの政治学』 みすず書房 「いじめの政治学」
 https://amzn.to/47wKF1r
中井久夫 『いじめのある世界に生きる君たちへ』 中央公論新社
 https://amzn.to/3TEfgUK
山下正男 『動物と西欧思想』 中公新書 1974年
 https://amzn.to/3XS77P5
大塚久雄 「ロビンソン・クルーソウの人間類型」「『経済人』のユートピア的具象化としてのロビンソン物語」
デフォー 『ロビンソン・クルーソー』 中公文庫(増田康雄 訳)
カレル・チャペック 『ロボット』(戯曲) 『山椒魚戦争』
渡辺京二 『逝きし世の面影』
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<第四章>
ノーマン・コルパス 『フォアグラの歴史』 原書房
メルヴィル 『白鯨』
『グリム童話集』 岩波文庫 「ヘンゼルとグレーテル」
『今昔物語』 巻第二十六 (猿神退治譚)
イーサン・ガットマン 『臓器収奪 消える人々』 ワニ・プラス
カズオ・イシグロ 『わたしを離さないで』 ハヤカワepi文庫 2005年
『約束のネバーランド』 集英社
戸田慧 『英米文学者と読む「約束のネバーランド」』 集英社新書
柳田国男 『遠野物語』 (第六話 神隠し譚)
桐野夏生 『燕は戻ってこない』 集英社
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大野和基 『代理出産 生殖ビジネスと命の尊厳』 集英社新書

<第五章>
ジョージ・オーウェル 『動物農場』
 https://amzn.to/3MVehfm
 https://amzn.to/3zvxGjP
ライアル・ワトソン 『思考する豚』 木楽舎
 https://amzn.to/4enZW6S
栗原康 『はたらかないで たらふく食べたい』 タバブックス
 https://amzn.to/4efcnlU
 https://amzn.to/4eA9k7B
網野善彦 『無縁・苦界・楽』
ジョン・シェスカ 『三びきのコブタのほんとうの話』 岩波書店
『三びきのこぶた(イギリスの昔話)』 福音館書店
ブルーノ・ベッテルハイム 『昔話の魔力』 評論社
『3びきのこぶた』 講談社
飯沢匠 『ブーフーウー』 理論社
デイヴィッド・ウィズナー 『3びきのぶたたち』 BL出版
ユージン・トリビザス 『3びきのかわいいオオカミ』 冨山房
内澤旬子 『飼い喰い 三匹の豚とわたし』 角川文庫
 https://amzn.to/3TE7fPU
中村生雄 『祭祀と供犠』 法蔵館文庫

<終章>
寺山修司 『奴婢訓』
中野好夫 『スウィフト考』 岩波新書

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2024年9月10日 (火)

【読】日航123便墜落の謎(続)

5月25日に書いた「【読】日航123便墜落の謎」
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2024/05/post-5b1d8a.html
の続編。

あの後も、日航123便墜落事故を扱った本を探しては読んでいる。
以下、「読書メーター」というサイトに投稿した内容を採録しておく。

JAL123便墜落事故真相解明: 御巣鷹山ファイルJAL123便墜落事故真相解明: 御巣鷹山ファイル感想
JAL123便墜落事故をネットで調べていて知った。墜落原因を自衛隊の無人標的機衝突による垂直尾翼破壊とし、さらに証拠隠滅のため自衛隊のミサイルによる”とどめ”とする、いちばん過激な説を展開。当時の新聞・週刊誌記事の引用などによって自説の裏付けをしているのだが、かなり強引な(見てきたような)記述が続く。なによりも文章と本の構成が稚拙――「である」の乱発にうんざり。それでも「あったかもしれない」説のひとつとして気にはなる。私自身は、無人標的機の衝突→垂直尾翼の破壊があったと思う(圧力隔壁説はウソだと思う)。
読了日:08月23日 著者:池田 昌昭

JAL123便は自衛隊が撃墜した: 御巣鷹山ファイル2JAL123便は自衛隊が撃墜した: 御巣鷹山ファイル2感想
ざっと流し読み。前作『御巣鷹山ファイル JAL123便墜落「事故」真相解明』(文芸社1998年1月)の続編。前作と比べて特に目新しさはなく、くどくどしい文章に嫌気がさして、著者の独白めいた部分は読み飛ばした。書名が示すように、著者はJAL123便の最後は自衛隊機によるミサイル射撃(右エンジンに命中)によって、いわば”とどめ”を刺された形で墜落したという(仮説だが、あたかも真相のように断定)。せっかく当時の新聞記事を引用しているのだから、もっと綿密な検討経緯がわかる記述にすればいいのに。構成がめちゃくちゃ。
読了日:08月24日 著者:池田 昌昭

JAL123便空白の14時間: 御巣鷹山ファイル3JAL123便空白の14時間: 御巣鷹山ファイル3感想
シリーズ3冊目。これも、ざっと流し読み。帯に「…ボイスレコーダーを無人標的機の接触から墜落までを独自の仮説で大胆に再現!」とあるが、著者の大胆な仮説――自力でなんとか不時着しようとしていたところを自衛隊機から発射されたミサイルによって”撃墜”された――の裏付けが希薄。「第Ⅱ部 仮説・ボイスレコーダー」も著者の妄想でしかなく、読み飛ばし。挿入されている図表の説明もなく、どこまで裏付けに基いているのかも不明。この著者の本を知るきっかけになったネット記事にも「眉唾」との評があったが、同感。参考資料として読んだ。
読了日:08月25日 著者:池田 昌昭

日航123便墜落事件 隠された遺体日航123便墜落事件 隠された遺体感想
青山透子さん(ペンネーム)の最新刊。第二章「看護婦が見た隠された遺体」で新事実が明らかにされる。JAL123便の機長の遺体が8月12日の事故後の翌々日14日(検死の初日)に発見され、遺体安置所に運ばれて検死を受けていたこと。機長の制服もない丸裸だったこと。乗客が付ける酸素マスクが付けられていたこと。一般乗客とは別の出入口から安置所に搬入・搬出されたこと。これらが当時、検死にあたっていた看護婦の証言から明らかにしている。事故機機長の遺体が闇に葬られたということで、いよいよ墜落原因隠蔽工作が疑われる。
読了日:08月30日 著者:青山 透子


今月(2024年9月)に入ってからも、下記の2冊を読んだ。
これも「読書メータ」に投稿した感想文。
255文字までという制約があるため、思いを言い尽くせていないのだが。
「読書メーター」の月別の「まとめ」は、翌月(10月)にならないと作れないため、上記の体裁と異なる。
書影のサムネイルもない。

『JAL123便墜落事故 自衛隊&米軍陰謀説の真相』 杉江 弘
 宝島社 (2017/12/22) 223ページ

著者は元日航パイロットでボーイング747の操縦経験者。書名にあるように、自衛隊や米軍の関与を否定し、後部圧力隔壁破壊による(急減圧とは呼べないものの)ゆるやかな減圧を事故原因と主張。青山透子氏らの説を「陰謀論」「妄想」と一蹴する。自身でボイスレコーダーの音声も聞いたことがあり、不自然さを感じなかったというが、本当か? (改竄されていないと言い切れるのか)。また、事故調報告書別冊に書かれているはずの「異常外力着力点」については、まったく触れていない。著者が考えた海上着水のシミュレーションは迫力があったが…。

朝日新聞社会部編 『日航ジャンボ機墜落―朝日新聞の24時』
 朝日文庫 (1990/8/20) 331ページ

日航123便墜落事故発生当時の朝日新聞社記者たちの苦労話。さまざまな情報が錯綜するなかで、墜落現場の特定が遅れ、捜索が遅れ、記者たちも右往左往した様子がよくわかる。記者たちの所属・氏名が次々と出てきて、頭が痛くなった。墜落現場推定情報については、8月12日の午後8時過ぎ、通報者氏名不詳の「北相木村ぶどう峠付近」という怪情報(文庫版P.40)と「自衛隊が最後まで長野側を主張」(P.208)と記載されていて気になる。巻頭の無線交信記録が役に立った。1985年11月に単行本、この文庫版は1990年8月に刊行。


ネットでも、興味ぶかいサイト記事をみつけた。
よく調べあげたと感心するし、綿密な考察がおおいに参考になるので、紹介したい。

JAL123便事件:その1 JA8119 離陸から異常発生まで
http://www.diskdig.com/asl/2/musika_2.htm

JAL123便事件:その2 「そのとき」何が起きたのか?
http://www.diskdig.com/asl/3/musika_3.htm

JAL123便事件:その3 事故調説の完全崩壊と最初の「へんだ!」
http://www.diskdig.com/asl/4/musika_4.htm

JAL123便事件:その4 事故調報告書によるCVR全記録
http://www.diskdig.com/asl/5/musika_5.htm

もうひとつ、黒田匠という方の一連の記事。

ブログ記事一覧|日本航空123便墜落事故 検証の記録 黒田 匠
https://ameblo.jp/b18c3773/entry-12800837169.html


私自身、この墜落事故が果たして「事件」だったのかどうか、いまだに確証を持てないが、隠蔽され続けている”何か”があると感じている。
いまだ公開されていないボイスレコーダーの生音源(文字起こしされたものや、流出した音源の一部はあるが)の、第三者による専門的な解析と、フライトレコーダーとの照合・分析が行われないものだろうか。
このまま闇に葬られてしまうことに危惧をおぼえる。

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2024年9月 1日 (日)

【読】2024年8月に読んだ本(読書メーター)

8月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2632
ナイス数:126

あのころ、天皇は神だったあのころ、天皇は神だった感想
タイトルに惹かれ、図書館から借りて読んだ。先の大戦、アメリカに住んでいた日系人の排斥、強制収容を体験した家族の様子が小説の形で描かれている。翻訳で読んでも伝わってくる詩的で端正な文章が魅力的。章ごとの人称の変化も巧み。作者の自身の祖父母と母、母の弟(作者の叔父)の苦難が淡々と描かれている。いい作品だ。『屋根裏の仏さま』という続編も、機会があれば読んでみたい。訳者あとがきで紹介されている「日系アメリカ人の歴史ポータルDensho」も読んでみたい。→http://nikkeijin.densho.org
読了日:08月02日 著者:ジュリー・オオツカ

エベレストには登らないエベレストには登らない感想
大好きな書き手なので、タイトルに惹かれて購入、読んでみた。2019年末に刊行されていたこの本は、見落としていた。雑誌「BE-PAL」に連載された短いエッセイを集めたものなので読みやすい。2017年に雑誌掲載された文章が最後。ちょうど『極夜行』が刊行される直前なので、犬橇を始める前の時期だ。本書の最後のエッセイに、犬橇への転換を思いたった事情が書かれている。現在も「BE-PAL」連載が続いているようなので、その後の文章を集めた単行本の刊行が待たれる。
読了日:08月07日 著者:角幡 唯介

探検家、36歳の憂鬱探検家、36歳の憂鬱感想
積読本、ようやく読了。十数年前の文章を集めたエッセイ集。ところどころ理屈っぽいところもあるが、面白かった。なかでも「震災――存在しなかった記憶」では、東日本大震災のとき北極圏にいたために震災を体験できなかったことの”欠落感”が綴られていて、興味深い。帰国後、被災地を訪れたときの体験談(大槌町で出会った被災者との邂逅)がいい。その他、雪崩体験、富士登山ブームの考察、熱気球冒険家の神田道夫さんの話なども、よかった。角幡さんの『探検家、40歳の事情』『探検家の憂鬱』『探検家の事情』などのエッセイ集も読みたい。
読了日:08月10日 著者:角幡 唯介

探検家の事情 (文春文庫 か 67-2)探検家の事情 (文春文庫 か 67-2)感想
『探検家、40歳の事情』(文藝春秋/2016年)の文庫版。単行本を増補・改訂、改題。単行本と文庫本の両方を図書館から借りてみて、はじめて同じ本だと知った(書名が微妙に違っていたので、ひょっとして別の本かと誤解)。前作『探検家、36歳の憂鬱』(これも『探検家の憂鬱』と改題、増補・改訂して文庫に)の続編。36歳当時の『憂鬱』よりも面白かった。4年のあいだに著者の境遇、体験が大きく変化している。巻末に追加されている宮坂学ヤフー会長との対談も興味深い。角幡さん、探検記やドキュメントもいいが、エッセイも読ませる。
読了日:08月13日 著者:角幡 唯介

探検家の憂鬱 (文春文庫 か 67-1)探検家の憂鬱 (文春文庫 か 67-1)感想
つい最近、親本の単行本『探検家、36歳の憂鬱』を読んだばかりだったので、この文庫は増補部分だけ読んだ。「極地探検家の下半身事情」は、扱っているテーマを照れることなく考察していて好感が持てる。単行本にもあったブログ記事の抜粋の、文庫追加分も面白い。ネット公開されているらしい角幡さんのブログも読んでみたい。巻末「文庫版あとがきに代えて」という副題の「イスラム国事件に対して思うこと」は、この衝撃的な事件に対する、冒険家・角幡さんならではの感じ方、受け止め方が前面に出ていて、共感した。
読了日:08月13日 著者:角幡 唯介

JAL123便墜落事故真相解明: 御巣鷹山ファイルJAL123便墜落事故真相解明: 御巣鷹山ファイル感想
JAL123便墜落事故をネットで調べていて知った。墜落原因を自衛隊の無人標的機衝突による垂直尾翼破壊とし、さらに証拠隠滅のため自衛隊のミサイルによる”とどめ”とする、いちばん過激な説を展開。当時の新聞・週刊誌記事の引用などによって自説の裏付けをしているのだが、かなり強引な(見てきたような)記述が続く。なによりも文章と本の構成が稚拙――「である」の乱発にうんざり。それでも「あったかもしれない」説のひとつとして気にはなる。私自身は、無人標的機の衝突→垂直尾翼の破壊があったと思う(圧力隔壁説はウソだと思う)。
読了日:08月23日 著者:池田 昌昭

JAL123便は自衛隊が撃墜した: 御巣鷹山ファイル2JAL123便は自衛隊が撃墜した: 御巣鷹山ファイル2感想
ざっと流し読み。前作『御巣鷹山ファイル JAL123便墜落「事故」真相解明』(文芸社1998年1月)の続編。前作と比べて特に目新しさはなく、くどくどしい文章に嫌気がさして、著者の独白めいた部分は読み飛ばした。書名が示すように、著者はJAL123便の最後は自衛隊機によるミサイル射撃(右エンジンに命中)によって、いわば”とどめ”を刺された形で墜落したという(仮説だが、あたかも真相のように断定)。せっかく当時の新聞記事を引用しているのだから、もっと綿密な検討経緯がわかる記述にすればいいのに。構成がめちゃくちゃ。
読了日:08月24日 著者:池田 昌昭

JAL123便空白の14時間: 御巣鷹山ファイル3JAL123便空白の14時間: 御巣鷹山ファイル3感想
シリーズ3冊目。これも、ざっと流し読み。帯に「…ボイスレコーダーを無人標的機の接触から墜落までを独自の仮説で大胆に再現!」とあるが、著者の大胆な仮説――自力でなんとか不時着しようとしていたところを自衛隊機から発射されたミサイルによって”撃墜”された――の裏付けが希薄。「第Ⅱ部 仮説・ボイスレコーダー」も著者の妄想でしかなく、読み飛ばし。挿入されている図表の説明もなく、どこまで裏付けに基いているのかも不明。この著者の本を知るきっかけになったネット記事にも「眉唾」との評があったが、同感。参考資料として読んだ。
読了日:08月25日 著者:池田 昌昭

探検家の日々本本 (幻冬舎文庫)探検家の日々本本 (幻冬舎文庫)感想
長いこと積読本だった単行本で読み始め、途中から文庫版(あらたに購入した)に乗り換えて読了。角幡さん、そうとうな読書家だ。巻末の書名索引を見て、その幅広い読書に驚いた。書評的な文章も参考になるが、読み込んだ本をテーマに書かれた長めのエッセイも読み応えがある。2015年2月発行(単行本)。ちょうど「極夜行」を計画していた頃の、探検への思いが詰め込まれている。
読了日:08月26日 著者:角幡 唯介

日航123便墜落事件 隠された遺体日航123便墜落事件 隠された遺体感想
青山透子さん(ペンネーム)の最新刊。第二章「看護婦が見た隠された遺体」で新事実が明らかにされる。JAL123便の機長の遺体が8月12日の事故後の翌々日14日(検死の初日)に発見され、遺体安置所に運ばれて検死を受けていたこと。機長の制服もない丸裸だったこと。乗客が付ける酸素マスクが付けられていたこと。一般乗客とは別の出入口から安置所に搬入・搬出されたこと。これらが当時、検死にあたっていた看護婦の証言から明らかにしている。事故機機長の遺体が闇に葬られたということで、いよいよ墜落原因隠蔽工作が疑われる。
読了日:08月30日 著者:青山 透子

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