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2024年9月10日 (火)

【読】日航123便墜落の謎(続)

5月25日に書いた「【読】日航123便墜落の謎」
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2024/05/post-5b1d8a.html
の続編。

あの後も、日航123便墜落事故を扱った本を探しては読んでいる。
以下、「読書メーター」というサイトに投稿した内容を採録しておく。

JAL123便墜落事故真相解明: 御巣鷹山ファイルJAL123便墜落事故真相解明: 御巣鷹山ファイル感想
JAL123便墜落事故をネットで調べていて知った。墜落原因を自衛隊の無人標的機衝突による垂直尾翼破壊とし、さらに証拠隠滅のため自衛隊のミサイルによる”とどめ”とする、いちばん過激な説を展開。当時の新聞・週刊誌記事の引用などによって自説の裏付けをしているのだが、かなり強引な(見てきたような)記述が続く。なによりも文章と本の構成が稚拙――「である」の乱発にうんざり。それでも「あったかもしれない」説のひとつとして気にはなる。私自身は、無人標的機の衝突→垂直尾翼の破壊があったと思う(圧力隔壁説はウソだと思う)。
読了日:08月23日 著者:池田 昌昭

JAL123便は自衛隊が撃墜した: 御巣鷹山ファイル2JAL123便は自衛隊が撃墜した: 御巣鷹山ファイル2感想
ざっと流し読み。前作『御巣鷹山ファイル JAL123便墜落「事故」真相解明』(文芸社1998年1月)の続編。前作と比べて特に目新しさはなく、くどくどしい文章に嫌気がさして、著者の独白めいた部分は読み飛ばした。書名が示すように、著者はJAL123便の最後は自衛隊機によるミサイル射撃(右エンジンに命中)によって、いわば”とどめ”を刺された形で墜落したという(仮説だが、あたかも真相のように断定)。せっかく当時の新聞記事を引用しているのだから、もっと綿密な検討経緯がわかる記述にすればいいのに。構成がめちゃくちゃ。
読了日:08月24日 著者:池田 昌昭

JAL123便空白の14時間: 御巣鷹山ファイル3JAL123便空白の14時間: 御巣鷹山ファイル3感想
シリーズ3冊目。これも、ざっと流し読み。帯に「…ボイスレコーダーを無人標的機の接触から墜落までを独自の仮説で大胆に再現!」とあるが、著者の大胆な仮説――自力でなんとか不時着しようとしていたところを自衛隊機から発射されたミサイルによって”撃墜”された――の裏付けが希薄。「第Ⅱ部 仮説・ボイスレコーダー」も著者の妄想でしかなく、読み飛ばし。挿入されている図表の説明もなく、どこまで裏付けに基いているのかも不明。この著者の本を知るきっかけになったネット記事にも「眉唾」との評があったが、同感。参考資料として読んだ。
読了日:08月25日 著者:池田 昌昭

日航123便墜落事件 隠された遺体日航123便墜落事件 隠された遺体感想
青山透子さん(ペンネーム)の最新刊。第二章「看護婦が見た隠された遺体」で新事実が明らかにされる。JAL123便の機長の遺体が8月12日の事故後の翌々日14日(検死の初日)に発見され、遺体安置所に運ばれて検死を受けていたこと。機長の制服もない丸裸だったこと。乗客が付ける酸素マスクが付けられていたこと。一般乗客とは別の出入口から安置所に搬入・搬出されたこと。これらが当時、検死にあたっていた看護婦の証言から明らかにしている。事故機機長の遺体が闇に葬られたということで、いよいよ墜落原因隠蔽工作が疑われる。
読了日:08月30日 著者:青山 透子


今月(2024年9月)に入ってからも、下記の2冊を読んだ。
これも「読書メータ」に投稿した感想文。
255文字までという制約があるため、思いを言い尽くせていないのだが。
「読書メーター」の月別の「まとめ」は、翌月(10月)にならないと作れないため、上記の体裁と異なる。
書影のサムネイルもない。

『JAL123便墜落事故 自衛隊&米軍陰謀説の真相』 杉江 弘
 宝島社 (2017/12/22) 223ページ

著者は元日航パイロットでボーイング747の操縦経験者。書名にあるように、自衛隊や米軍の関与を否定し、後部圧力隔壁破壊による(急減圧とは呼べないものの)ゆるやかな減圧を事故原因と主張。青山透子氏らの説を「陰謀論」「妄想」と一蹴する。自身でボイスレコーダーの音声も聞いたことがあり、不自然さを感じなかったというが、本当か? (改竄されていないと言い切れるのか)。また、事故調報告書別冊に書かれているはずの「異常外力着力点」については、まったく触れていない。著者が考えた海上着水のシミュレーションは迫力があったが…。

朝日新聞社会部編 『日航ジャンボ機墜落―朝日新聞の24時』
 朝日文庫 (1990/8/20) 331ページ

日航123便墜落事故発生当時の朝日新聞社記者たちの苦労話。さまざまな情報が錯綜するなかで、墜落現場の特定が遅れ、捜索が遅れ、記者たちも右往左往した様子がよくわかる。記者たちの所属・氏名が次々と出てきて、頭が痛くなった。墜落現場推定情報については、8月12日の午後8時過ぎ、通報者氏名不詳の「北相木村ぶどう峠付近」という怪情報(文庫版P.40)と「自衛隊が最後まで長野側を主張」(P.208)と記載されていて気になる。巻頭の無線交信記録が役に立った。1985年11月に単行本、この文庫版は1990年8月に刊行。


ネットでも、興味ぶかいサイト記事をみつけた。
よく調べあげたと感心するし、綿密な考察がおおいに参考になるので、紹介したい。

JAL123便事件:その1 JA8119 離陸から異常発生まで
http://www.diskdig.com/asl/2/musika_2.htm

JAL123便事件:その2 「そのとき」何が起きたのか?
http://www.diskdig.com/asl/3/musika_3.htm

JAL123便事件:その3 事故調説の完全崩壊と最初の「へんだ!」
http://www.diskdig.com/asl/4/musika_4.htm

JAL123便事件:その4 事故調報告書によるCVR全記録
http://www.diskdig.com/asl/5/musika_5.htm

もうひとつ、黒田匠という方の一連の記事。

ブログ記事一覧|日本航空123便墜落事故 検証の記録 黒田 匠
https://ameblo.jp/b18c3773/entry-12800837169.html


私自身、この墜落事故が果たして「事件」だったのかどうか、いまだに確証を持てないが、隠蔽され続けている”何か”があると感じている。
いまだ公開されていないボイスレコーダーの生音源(文字起こしされたものや、流出した音源の一部はあるが)の、第三者による専門的な解析と、フライトレコーダーとの照合・分析が行われないものだろうか。
このまま闇に葬られてしまうことに危惧をおぼえる。

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