カテゴリー「関野吉晴」の27件の記事

2016年12月31日 (土)

【雑】2016年総集編 映画・芝居・イベント

大晦日、ラジオを聴きながら、のんびりブログを書いている。

家人は、台所で年越し料理の調理中。

例年、あまり映画や芝居には行かないのだが、今年は、わりと多かったような気がする。

手帳やら、ブログを見返しながら、この一年を振り返ってみたい。

■1月

えどはくカルチャー 2016/1/28 江戸東京博物館

【読】神社と古事記: やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-cd03.html

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■2月

えどはくカルチャー 2016/2/24 江戸東京博物館

【遊】えどはくカルチャーへ: やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-7ca7.html

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三回連続の、えどはくカルチャーだったが、三月は用事ができて欠席してしまったのが残念だった。

■3月
映画 「エヴェレスト 神々の山嶺」
 2016/3/19

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夢枕獏の小説 『神々の山嶺』 を映画化したものだったが、コンピュータ処理したヒマラヤ現地(エヴェレスト)の映像が不自然で、作り物っぽい感じが強かった。
カトマンズの街のロケ映像は、リアリティがあってよかったのだが・・・。

小説の映画化は、なかなか難しいものだ。

■4月

中野サンプラザ TBSラジオ 「大沢悠里のゆうゆうワイド」 終了記念イベント
2016/4/1

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多彩なゲストを迎えて、生演奏が楽しめるイベントだった。

■7月

座・高円寺2 ニラカナエナジー旗揚げ公演
 「月の道標(みちしるべ) ― ユタとの約束 ―」 2016/7/23

ニラカナエナジー旗揚げ公演『月の道標-ユタとの約束-』|箆柄暦|ぴらつかこよみ
http://piratsuka.com/top/detail?id=379735#visited

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沖縄戦のガマが舞台の、重く、胸に染み入る芝居だった。
M.A.P.の宇夫方路さんを知った。

■8月
狛江 M.A.P. 「喜多見と狛江の小さな映画祭」 2016/8/28

前から観たいと思っていた 「ゆきゆきて神軍」(原一男監督) と、もう一本の映画を観ることができた。

【参考サイト】
ゆきゆきて、神軍 : 作品情報 - 映画.com
http://eiga.com/movie/39908/

強烈な個性をもつ、奥崎謙三という元・日本陸軍兵士のドキュメントに圧倒された。
トーク・ゲストの鈴木邦男さんの話が、おもしろかった。

 

■9月

池袋 シアターグリーン BASE THEATER 2016/9/18
 斧頭会 公演 「愛よりも青い海」

シアターグリーン BASE THEATER | 第28回参加劇団 | 池袋演劇祭 IKEBUKURO PLAY FESTIVAL
http://www.ikebukuroengekisai.jp/gekidan/base.html#g02

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西川郷子さんが出演するので、観にいった芝居。
芝居そのものも面白かったが、西川さんの演技がまた、とぼけた味があってよかった。

この日は、芝居がはねた後、星ノ飛ブ夜のミニ・ライブがあった。
関根真理さんが出演できず、西川さんとギターの小沢あきさんの二人だったが、楽しめた。

立川 子ども未来センター 芝生広場 2016/9/25
 風煉ダンス 公演 「スカラベ」

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西川郷子さんのバンド「星ノ飛ブ夜」のパーカッショニスト 関根真理さんが参加する野外芝居。
風煉ダンスの公演は、前にも観たことがあり、楽しみにしていた。
この日は、めずらしく家人も同行。
二人で楽しんできた。

風煉ダンス
http://furen-dance.info/

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http://furendance.wixsite.com/scarab2016

■12月

ポレポレ東中野 映画 「カレーライスを一から作る」
 (前田亜紀監督)
 2016/12/13

映画「カレーライスを一から作る」
http://www.ichikaracurry.com/

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敬愛する関野吉晴さんと武蔵野美術大学の学生たちのドキュメンタリー。
食材(米、野菜、香辛料、鳥肉)を、一から育てあげてカレーライスを作るまでの、学生たちの奮闘、葛藤が描かれていて、感動した。

上映後に監督の前田亜紀さんのトークイベントがあり、パンフレットにサインをいただき、お話できた。

狛江 M.A.P. 「高橋美香出版記念イベント」 2016/12/23

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http://mapafter5.blog.fc2.com/

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高橋美香さんという、若く元気で魅力的な写真家が出版した本の記念イベント。
この本を会場で購入し、サインしていただいた。

地元の図書館にもリクエストして、入れてもらった。
前著とあわせて、多くの人に読んでもらいたい、いい本だ。

― Amazonより ―
<絶望とわずかな希望のはざまで―。前著『パレスチナ・そこにある日常』から6年、分離壁・入植地の増大、不当な逮捕・拘束はさらにエスカレートしている。“自分にできることなどなにもないのではないか”と挫けそうになりながらもかの地の人びとに魅せられ通いつづけるカメラマンと、彼女を大きな愛で受け入れる「家族たち」との交流をとおして、「パレスチナ問題」の現実を描く。>

この方との出会いは、今年最後の収穫と言える。

高橋美香さんのFacebook
https://www.facebook.com/mika.takahashi.9693

高橋美香さんのTwitter
https://twitter.com/mikairvmest

前著は、こちら。

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2016年1月24日 (日)

【読】たけしのグレートジャーニー

この週末、東京では心配していた雪も積もらず、今日は快晴。
夜、外を見ると少しちらついていたようだが、道路にうっすら積もっていた雪も、朝起きると跡形もなく融けていた。

図書館から借りていた本を、昨夜、ようやく読了。

都築響一 『独居老人スタイル』
 筑摩書房 2013/12/10発行 351ページ 2,700円(税別)

16人の元気な「独居老人」たちへのインタビュー集。
高橋源一郎さんの『ぼくらの民主主義なんだぜ』という論壇時評集(朝日新書)のなかで紹介されているのを読んで、読んでみようという気になったのだ。

名の知れた人もいれば、無名の人もいる。
共通しているのは、皆さん何かしら好きなことに打ち込んで一人暮らしを楽しんでいること。
年齢もまちまち。
連れ合いを亡くした人、離婚して一人になった人、生涯独身を通した人など、その境遇もいろいろだ。

秋山祐徳太子 (アーティスト)
首くくり栲象(たくぞう) (アクショニスト)
鈴木惇子 (スナック・ママ)
美濃瓢吾 (画家)
水原和美 (輸入用品雑貨店経営)
田村修司 (本宮映画劇場館主)
戸谷誠 (画家)
ダダカン (アーティスト/ハプナー)
荻野ユキ子 (早稲田松竹映画劇場お掃除担当)
新太郎 (流し)
礒村遜彦(やすひこ) (舶来居酒屋いそむら・主人)
川崎ゆきお (漫画家)
プッチャリン (道化師)
坂東三奈鶴 (日本舞踊家)
三代目長谷川栄八郎 (津軽三味線奏者/民謡歌手)
川上四郎 (日曜画家)

名の通った人といえば、秋山祐徳太子、川崎ゆきお(「ガロ」に漫画を掲載していた)、プッチャリン(浅草の路上で会えるらしい)、ぐらいだろうか。

“首くくり栲象”というぶっそうな芸名の人は、国立の自宅(陋屋と呼んでいいだろう)で「首くくり」のパフォーマンスをしているという。
知らなかった。

“プッチャリン”(本名:中島理一郎)という人は、さまざまな職業を転々とし、尾瀬の長蔵小屋で働いていたこともあるという。
今は、タクシー運転手をしながら大道芸(道化師)をしている。
なんとも魅力的な人だ。

この16人の生き方をみて、うらやましいとは思わないが、こういう生き方もあるのだなあ、と感心した。

この本で知ったサイトを、参考まで。

川崎ゆきおサイト
http://kawasakiyukio.com/

電脳くろにか (ルポライター 山村基毅さんのサイト)
 三代目長谷川栄八郎さんの聞き書きが掲載されている――本書P.330)
http://homepage3.nifty.com/motokiyama/


さて、話かわって、ブログの記事タイトルにしてみた「たけしのグレートジャーニー」のこと。

何かで知り、地元の図書館にリクエストしてみたところ、なんと都立図書館に収蔵しているものを借りてくれた。ありがたいことだ。

ビートたけし 『たけしのグレートジャーニー』
 新潮社 2014/5/15発行 238ページ 1,400円(税別)

「新潮45」に連載されたビートたけしの「達人対談」に、加筆・修正を加えてまとめた本。

対談相手は11人、魅力的な顔ぶれだ。
括弧内は、本書から。

関野吉晴 (探検の達人)
西江雅之 (文化人類学の達人)
荻巣樹徳(おぎす・みきのり) (植物探検の達人)
山極寿一 (ゴリラの達人)
松浦健二 (シロアリの達人)
塚本勝巳 (ウナギの達人)
長沼毅 (辺境生物学の達人)
佐藤克文 (海洋動物の達人)
窪寺恒巳 (ダイオウイカの達人)
鎌田浩毅 (地球の達人)
村山斉 (宇宙の達人)

楽しみな対談集だ。

<結局、欲望が人間を変えてしまう。食料や資源が有限だということは四十年以上も前にローマクラブが声明を出しているのに、経済が絶対に右肩上がりでなければいけないと思うのは、やはり欲望のせいですよね。欲望が膨れ上がることによって、一部の人たちだけが富を独占しようとしているのが現代の社会です。> (関野吉晴) 本書対談 P.24より

<言語を考えるときに重要なのは、「この世は連続体」ということなんです。僕はいつも「この世はのっぺらぼうで、あるのは起伏と明暗だけだ」と言っています。そののっぺらぼうな世界を、人間自らの都合で切り取って見せているだけ。単語がまさにそうです。山を見ていて、誰だって「山の頂上」「山の中腹」「山の下のほう」とか言えます。じゃあ、具体的に山のどの部分から頂上になるのか、どの砂粒の隣りから中腹になるのか、そんなことが言える人は一人もいない。人体にしたって、首がわかる、肩がわかると言いますが、じゃあ、どこからが首ですか、肩ですか、正確に線を引けと言われても引けない。全てはつながっているものを、言葉で必要な部分を切り取っているだけなんです。> (西江雅之)  本書対談 P.39より

― Amazonより ―
内容紹介
アフリカから南米へ。
今から約4万年前、人類は「ここではないどこか」を求め、"グレートジャーニー"に旅立った。
だったら、ひねくれ者のおいらはあえて、それを逆向きに辿ってみたい――。
かつて冒険家を志した、すべての人たちへ!
シロアリからダイオウイカまで、 地下2000メートルから宇宙まで、知の冒険家11人とビートたけしが縦横無尽に語りつくす、奇想天外・興奮必至の白熱対話の旅!!

★南極の氷の下には二千万年前の生物がいる?
★ニホンウナギはマリアナ海溝生まれ?
★シロアリの女王は数百匹に分身する?
★ゴリラと歌舞伎役者の共通点とは?
★ニューギニアでは母乳の代わりに○○を飲む!?

◆目次◆
mission1 人類の旅を逆向きに辿れ 探検の達人・関野吉晴
mission2 失われつつある「ことば」を救い出せ 文化人類学の達人・西江雅之
mission3 幻の植物を求めてアジア奥地に潜入せよ 植物探検の達人・荻巣樹徳
mission4 ゴリラから人間関係を学べ ゴリラの達人・山極寿一
mission5 巨大ハーレム シロアリ王国に忍び込め シロアリの達人・松浦健二
mission6 ウナギの産卵場を特定せよ ウナギの達人・塚本勝巳
mission7 辺境に生きる極限生物を見つけろ 辺境生物学の達人・長沼毅
mission8 超小型カメラで動物の動きを追跡せよ 海洋生物の達人・佐藤克文
mission9 深海に潜む巨大イカの生態を探れ ダイオウイカの達人・窪寺恒己
mission10 富士山の大噴火を予測せよ 地球の達人・鎌田浩毅
mission11 宇宙の謎を解く鍵を手に入れろ 宇宙の達人・村山斉

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2014年3月14日 (金)

【読】「タマサイ 魂彩」 読了

このところ本を読む時間がなかなかとれなくて、読みおえるのに一週間かかってしまった。
250ページほどの中編なので、一気に読むと、もっと味わい深かっただろう。

面白かったな。

星川淳 『タマサイ 魂彩』
 南方新社 2013/11/11発行 261ページ 1,800円(税別)

前にも書いたが、新聞で関野吉晴さんの書評を読み、この本を知った。

 東京新聞:タマサイ 魂彩 星川 淳 著:Chunichi/Tokyo Bookweb(TOKYO Web)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2014011202000179.html

 → 2014年3月8日(土) 【読】たまには小説でも
   http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-b4ee.html

表紙写真が星野道夫さんの撮影、というのも嬉しい。
著者は星野さんとも交流があったそうだ。

五百年前と現代の話を交互につなげる凝った作品構成だが、つくりものめいた感じがない。
ぐいぐい読ませてくれる。

物語の舞台は、種子島、環太平洋(黒潮流域)、北米大陸、ハワイ、等々と地球規模。
アイヌの姉妹も重要な役割で登場する。

関野吉晴さんの 「グレートジャーニー」 にも繋がる、スケールの大きなストーリーだ。

この著者の前作 『ベーリンジアの記憶』 (幻冬舎文庫)にも魅かれる。
絶版で電子版がでているらしいが、図書館にあったので予約した。

星川淳 『ベーリンジアの記憶』
 幻冬舎文庫 1997年
 電子版(Kindle版) 2013年

 

その前に、予約しておいてようやく届いた、人気の本を読んでしまわなくては。
次の予約者がはいっているらしい。

古市憲寿 (ふるいち・のりとし) 『誰も戦争を教えてくれなかった』
 講談社 2013/8/6発行 326ページ 1,800円(税別)

しかし、まあ、こんなに借りて読めるのかなあ。

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2014年3月 8日 (土)

【読】たまには小説でも

東京新聞の書評欄(2014/1/12)で、関野吉晴さんが紹介していたことを知った。

東京新聞:タマサイ 魂彩 星川 淳 著:Chunichi/Tokyo Bookweb(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2014011202000179.html

ひさしぶりに小説を読みたくなり、図書館にリクエストした。
数日前、図書館に届いたので受けとってきた。

きのうから読みはじめた。
なかなか面白い。

カバー写真に見おぼえがあると思ったら、星野道夫氏の写真だった。

星川 淳 『タマサイ 魂彩』
 南方新社 2013/11/11発行 261ページ 1,800円(税別)

今日は朝からよく晴れている。
でも、北風がつめたい。

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2013年12月30日 (月)

【読】2013年総集編(読書)

ここ何年ものあいだ、年間100冊ぐらいの本を読みたいと思いながら、なかなか達成できない。
今年は56冊だった。
例年と比べても、すこし少なめ。
平均すると一週間に一冊ぐらいのペースだが、立て続けに読んだ時期もあれば、まったく読めなかったときもある。
本を読むには「勢い」も必要なんだな。

今年、印象に残った本をいくつか。

アメリカの歴史学者 ジョン.W.ダワー(John W Dower)の本を何冊か読んだ。
日本の近現代史を考え直すきっかけになった。

ジョン・ダワー 『増補版 敗北を抱きしめて(上)』
 三浦陽一・高杉忠明 訳 岩波書店 2004年1月発行 本文355ページ
ジョン・ダワー 『増補版 敗北を抱きしめて(下)』
 三浦陽一・高杉忠明・田代泰子 訳 岩波書店 2004年1月発行 本文397ページ

 

ジョン・W・ダワー 『昭和 ― 戦争と平和の日本』
 明田川融(あけたがわ・とおる)監訳 みすず書房 2010年2月発行 291ページ

ジョン・W・ダワー 『忘却のしかた、記憶のしかた ― 日本・アメリカ・戦争』
 外岡秀俊 訳 岩波書店 2013年8月発行 343ページ

これらは図書館から借りて読んだが、下の文庫本は購入したものの、まだ読んでいない。

ジョン・ダワー 『容赦なき戦争 ― 太平洋戦争における人種差別』
 猿谷要 監修/斎藤元一 訳 平凡社ライブラリー 2001年12月発行 544ページ

先の戦争に関する次の本も、目を見開かされる内容だった。
オランダのジャーナリスト イアン・ブルマ(Ian Buruma)が書いたもの。
外国人の目から日本という国、日本人がどのように見えるのか、示唆に富んでいて興味ぶかかった。

イアン・ブルマ 『戦争の記憶 日本人とドイツ人』
 石井信平 訳 TBSブリタニカ 1994年12月発行 396ページ

硬い本ばかり続いたが、少し柔らかい本を。

南伸坊 『装丁』 フレーベル館 2001年3月発行 231ページ

ずいぶん前に古本屋で見かけて買ってあったものを、ようやく通して読んだ。
といっても図版が多く、南伸坊の洒脱な文章とともに楽しんだ。

「こちとら装丁だい」という啖呵が気に入った。
装幀家と気取らずに、園丁などのノリで「装丁」というのだ。

書評家 岡崎武志さんの本も何冊か読んだが、次の本が面白かった。

岡崎武志 『ご家庭にあった本 ― 古本で見る昭和の生活』
 筑摩書房 2012年3月発行 269ページ

私の好きな関野吉晴さんの対談集も、よかった。
図書館から借りて読んだのだが、気に入ったので購入。

関野吉晴 他 『人類滅亡を避ける道 ― 関野吉晴対論集』
 東海教育研究所 2013年4月発行 277ページ

今年うれしかったのは、船戸与一さんの超長編小説 『満州国演義』 の8巻目が上梓されたことだ。
(まだ読んでいない)
2007年4月に一巻目が発売されてから、かれこれ6年。
7巻目が出たのが昨年6月。
船戸さんは闘病中と聞く。
執念で完結させてもらいたい、と切に願う。

船戸与一 『満州国演義 8 南冥の雫』
 新潮社 2013年12月発売

これらを読んだときの感想は、ブログの 【読】読書日誌 というカテゴリで読めます。
興味をもたれた方は、どうぞ。
件数が多いので、探すのがたいへんかもしれませんが……。

カテゴリー「【読】読書日誌」の957件の記事
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/cat5432967/index.html

【追記】 上記以外に今年読み終えた本
(これ以外に途中で読むのをやめたり、一部分だけ読んだ本もある)

◆開沼博 『「フクシマ」論』 青土社 2011年
◆上橋菜穂子 『隣のアボリジニ ― 小さな町に暮らす先住民』 ちくまプリマーブックス137 2000年
◆佐藤栄佐久 『福島原発の真実』 平凡社新書594 2011年
◆小出裕章 『原発はいらない』 幻冬舎ルネッサンス新書044 2011年
◆有馬哲夫 『原発・正力・CIA― 機密文書で読む昭和裏面史』 新潮新書249 2008年
◆内田樹/小田嶋隆/平川克美/町山智浩 『9条どうでしょう』 ちくま文庫 2012年
◆松本健一 『畏るべき昭和天皇』 毎日新聞社 2007年 315ページ (再読)
◆船戸与一 『満州国演義 7 雷の波濤』 新潮社 2012年 477ページ
◆陶山幾朗/編集・構成 『内村剛介ロングインタビュー 生き急ぎ、感じせく ― 私の二十世紀』 恵雅堂出版 2008年
◆松原久子/田中敏(訳) 『驕れる白人と闘うための日本近代史』 文藝春秋 2005年 237ページ
◆橋爪大三郎・大澤真幸・宮台真司 『おどろきの中国』 講談社現代新書2182 2013年 381ページ
◆高橋哲哉 『靖国問題』 ちくま新書532 2005年 238ページ
◆孫崎享 『日米同盟の正体― 迷走する安全保障』 講談社現代新書1985 2009年 277ページ
◆井上寿一 『吉田茂と昭和史』 講談社現代新書1999 2009年 292ページ
◆ロナルド・ドーア 『日本の転機 ― 米中の狭間でどう生き残るか』 ちくま新書984 2012年 244ページ
◆羽根田治・飯田肇・金田正樹・山本正嘉 『トムラウシ遭難はなぜ起きたのか』 ヤマケイ文庫 2012年 365ページ
◆岡本太郎 『沖縄文化論 ― 忘れられた日本』 中公文庫 1996年 261ページ
◆赤坂憲雄 『岡本太郎の見た日本』 岩波書店 2007年 375ページ
◆赤瀬川原平 『「墓活」論』 PHP研究所 2012年 255ページ
◆椎名誠 『ぼくがいま、死について思うこと』 新潮社 2013年 190ページ
◆デボラ・ブラム/鈴木恵 訳 『幽霊を捕まえようとした科学者たち』("GOHST HUNTERS") 文藝春秋 2007年 430ページ+原註29ページ
◆勢古浩爾 『定年後のリアル』 草思社文庫 2013年 (再読)
◆エリック・ホッファー 『エリック・ホッファー自伝 ― 構想された真実』 作品社 2002年 189ページ
◆河北新報社 『河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙』 文藝春秋 2011年 269ページ
◆アルフレッド・ランシング 『エンデュアランス号漂流』 山本光伸 訳 新潮社 1998年 372ページ
◆ジョン・ガイガー/伊豆原 弓 訳 『奇跡の生還へ導く人 ― 極限状況の「サードマン現象」』 新潮社 2010年 255ページ
◆ジェニファー・アームストロング/灰島かをり 訳 『そして、奇跡は起こった! ― シャクルトン隊、全員帰還』 評論社 2000/9 253ページ
◆ケリー・テイラー=ルイス/奥田祐士 訳 『シャクルトンに消された男たち ― 南極横断隊の悲劇』 文藝春秋 2007年 357ページ
◆岡崎武志 『蔵書の苦しみ』 光文社新書652 2013年 251ページ
◆岡崎武志 『読書の腕前』 光文社新書294 2007年 294ページ
◆岡崎武志 『昭和三十年代の匂い』 ちくま文庫 2013年 357ページ
◆北方謙三 『林蔵の貌』(上) 集英社文庫 1996年 404ページ
◆北方謙三 『林蔵の貌』(下) 集英社文庫 1996年 382ページ
◆小谷野敦 『間宮林蔵<隠密説>の虚実』 教育出版(江戸東京ライブラリー 1) 1998年 185ページ
◆髙橋大輔 『間宮林蔵・探検家一代 ― 海峡発見と北方民族』 中公新書ラクレ 2008年 268ページ
◆白井聡 『永続敗戦論 ― 戦後日本の核心』 大田出版(atプラス叢書 04) 2013年 221ページ
◆吉成真由美 インタビュー・編 『知の逆転』 NHK出版新書395 2012年 301ページ ジャレッド・ダイアモンド/ノーム・チョムスキー/オリバー・サックス/マービン・ミンスキー/トム・レイトン/ジェームズ・ワトソン
◆佐江衆一 『北海道人 ― 松浦武四郎』 新人物往来社 1999年 329ページ
◆池澤夏樹 『文明の渚』 岩波ブックレット864 2013年 63ページ
◆松岡正剛 『17歳のための 世界と日本の見方 ― セイゴオ先生の人間文化講義』 春秋社 2006年 363ページ
◆井上真琴 『図書館に訊け!』 ちくま新書486 2004年 253ページ
◆朝日新聞社 『検証 東電テレビ会議』 朝日新聞出版社 2012年 325ページ
◆松岡正剛 『多読術』 ちくまプリマー新書106 2009年 205ページ
◆安冨 歩 『原発危機と「東大話法」 ― 傍観者の論理・欺瞞の言語』 明石書店 2012年 270ページ
◆福島民報社編集局 『福島と原発 ―誘致から大震災への五十年』 早稲田大学出版社 2013年 451ページ
◆細野豪志×鳥越俊太郎 『証言 細野豪志 「原発危機500日」の真実に鳥越俊太郎が迫る』 講談社 2012年 285ページ
◆中日新聞社会部編 『日米同盟と原発 ― 隠された核の戦後史』 東京新聞 2013年 293ページ
◆あさのあつこ/池澤夏樹 他 『特別授業 3.11 君たちはどう生きるか』 河出書房新社 2012年 245ページ

      

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2013年11月16日 (土)

【読】関野吉晴さんの対談集

図書館にリクエストしておいた本が、ようやく届いた。
わざわざ購入して入れてくれたようで、うれしい。

『人類滅亡を避ける道――関野吉晴対論集』
 東海教育研究所/東海大学出版会 2013/4/8発行
 277ページ 1,800円(税別)

― Amazonより ―
 科学技術の発達と、それに逆襲するかのような大災害や原発事故。止まらない経済のグローバル化と環境破壊。この先いったい人類はどこへ行くのか。この地球上で生き残れるのか。未来への希望の光を見いだすために、関野吉晴が九人の「賢者」と語り合う―。
著者略歴 関野吉晴
 探検家、医師、武蔵野美術大学教授(文化人類学)。1949年東京都生まれ。一橋大学法学部、横浜市立大学医学部卒業。一橋大在学中に探検部を創設し、アマゾン全流を下ったのを皮切りに、約20年間南米各地に遺跡や先住民を訪ねる旅を続ける。その間に医師となり病院勤務も続けるが、1993年からは人類がアフリカから南米南端にまで広がった道のりを逆ルートでたどる「グレードジャーニー」をスタートさせ、2002年にタンザニアのラエトリにゴールした。2004年から「グレートジャーニー 日本列島にやってきた人々」を始め、2011年6月にインドネシアからの「海のグレートジャーニー」を終えて沖縄・石垣島に到達した。1999年、植村直己冒険賞受賞。

対談相手に、私の好きな人が何人かはいっていて、うれしい。
船戸与一、池澤夏樹、服部文祥の三人のページを、まっさきに読んだ。
関野さんと対談相手9人の、それぞれの個性がでていて、面白い。

・山折哲雄 (宗教学者) 1931年生まれ
 それぞれの風土が育ててきた基層の文化に立ち返れ!
・池内 了 (宇宙物理学者) 1944年生まれ
 よりよい未来にじっくりじっくり近づいていこう
・船戸与一 (作家) 1944年生まれ
 「闇なき世界」に未来などあるのか?
・藤原新也 (写真家・作家) 1944年生まれ
 世の「毒」を食らった若者にこそ可能性はある
・池澤夏樹 (作家) 1945年生まれ
 草食男子の静かな暮らしが「人類生き残り」の戦略となる?
・山極寿一 (人類学・霊長類学者、京都大学理学部長・大学院理学研究科長) 1952年生まれ
 ゴリラ社会の“負けない論理”に学ぼう
・井田 茂 (日本惑星科学会前会長、東京工業大学地球惑星科学科教授) 1960年生まれ
 宇宙を見て地球を知れば、人類の未来への新しい発想も……
・島田雅彦 (作家・文芸家協会理事・法政大学国際文化学部教授) 1961年生まれ
 人も社会も「成熟」したら、創造的な「没落」を目指そう
・服部文祥 (サバイバル登山家) 1969年生まれ
 地球の自然を食い荒らす有害獣(にんげん)は駆除しなくていのか?

エピローグ(あとがき)のかなりの分量をさいて、船戸与一さんのことが書かれている。

船戸さんとの対談が4時間半にも及んだこと。
船戸さんの超長編小説『満州国演義』が、全9巻の予定であること(7巻まで刊行されている)。
「たちの悪い悪性腫瘍」と戦っている船戸さんに、対談の話を持ちかけるのに勇気が必要だったこと。
対談の三週間前、毎年、出版社の編集者やジャーナリスト、作家らが船戸さんを囲んで開く忘年会があり、その場で対談をお願いしたこと。
……等々。船戸さんの近況もわかった。
『満州国演義』は、ぜひとも完結してもらいたい。

船戸さんは、早稲田大学探検部のOB。
西木正明さんらとともに、凍ったベーリング海峡を渡るための先遣隊員として、アラスカ西部で越冬したことがある。
関野さんも、大学探検部出身だ。
関野さんが船戸作品のファン、というのは意外だった。
そういえば、前にも二人は対談していたっけなあ。

関野さんは、対談の名手だなあ。

 

池澤夏樹さんの言葉が印象に残った。

<……いずれにしても、これから決定的な変化を経験するのは若者です。人口問題や食糧問題できっとつらい思いをするんだと思います。そこで、ホモサピエンスの真価が問われるんですね。どこまであさましくなるのか、互いに手を差し伸べるのか。3・11はいい実験だったと思いますよ。つらいことがあって、そこからどう立ち直るか。昔から日本は大変住みやすいところだったけど、自然災害が多かった。どうしても来るからしようがない。そのたびに失って、泣いて、またやり直したんです。そういう意味では強い。でも政治は異民族が来なかったぶんだけ、とくに外交が下手で、大きな戦争に負けても自分たちが起こしたことだとは思わないで一種の自然災害のように一億総懺悔とかいって、さあ再建しようで、おしまい。ドイツみたいなしつこさがない。国民性はよくも悪くもそんなものですね。でもまあ、いろいろ考えることは誰でもできますから、生きていきましょうよ(笑)。> (本書 P.157)

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2010年12月21日 (火)

【読】2010年 こんな本を読んだ

西暦2010年も残すところ10日ばかりとなった。
今年もまた 「こんな本を読んだ」 の総集編を書いてみよう。

毎年、年間100冊は読みたいと思い続けて幾星霜。
今年は今のところ88冊目。
なかなか100冊は読めないなあ。

あいかわらず、乱読と言えば言えるし、傾向が偏っているとも言える。

■人類のルーツをめぐって

Lucy_no_hiza年始から、なぜかこんな本を集中して読んでいた。
『ルーシーの膝』 が面白かった。

・ニコラス・ウェイド 『5万年前』 イースト・プレス(2007年)
・馬場悠男 『ホモ・サピエンスはどこから来たか』 KAWADE夢新書(2000年)
・イヴ・コパン/馬場悠男・奈良貴史訳 『ルーシーの膝』 紀伊國屋書店(2002年)
・崎谷満 『DNAでたどる日本人10万年の旅』 昭和堂(2008年)

「われわれは、何処から来たのか? 何であるか、そして何処へ行くのか?」 (ゴーギャン)
ヒトという生き物は、なんと面白いものか。


Goodall_reason_for_home_23月。
星野道夫 『アフリカ旅日記 ゴンベの森へ』 メディアファクトリー(1999年) を再読したことがきっかけで、星野さんと親交のあったジェーン・グドールの本に出会い、感動した。

・ジェーン・グドール 『森の旅人』 角川書店(2000年)
・三井誠 『人類進化の700万年』 講談社現代新書(2005年)
・ブライアン・サイクス 『イヴの七人の娘たち』 ソニー・マガジンズ(2001年)

このテーマへの興味は尽きない。
これからも、いろいろ知りたいと思う。


■船戸与一ワールド

Funado_ugetsu_1今年読んだ船戸与一さんの小説は、6作(8冊)。
意外と少なかったが、読み落としていた近作を読むことができてよかった。

最新作 『新・雨月』 と、二年前の 『藪枯らし純次』 が読みごたえあり。
今は、初期の船戸小説を読みかえしたい気分だ。
『満州国演義』 の続編は、はたして出版されるのだろうか。
気になるところだ。

『降臨の群れ』 集英社(2004年) 年をまたいで読んだ
『新・雨月 戊申戦役朧夜話』 上/下 徳間書店(2010年)
『緋色の時代』 上/下 小学館(2002年)
『藪枯らし純次』 徳間書店(2008年)
『金門島流離譚』 毎日新聞社(2004年)
『夜来香海峡』 講談社(2009年)


■「あの戦争」 をめぐって

このテーマは、たぶん、これから先もずっと私につきまとうだろう。
フィクション、ノンフィクションをまじえて、今年もたくさん読み、思うところが多かった。
浅田次郎の小説に出会えたことも、今年の収穫。

Asada_manchurian_report ・加藤陽子 『戦争の近現代史』 講談社現代新書(2002年)
・三國一朗 『戦中用語集』 岩波新書(1985年)
・西牟田靖 『僕の見た「大日本帝国」』 情報センター出版局(2005年)
・岸本葉子 『禁じられた島へ 国後・色丹の旅』 凱風社(1992年)
・西牟田靖 『写真で読む 僕の見た「大日本帝国』 情報センター出版局(2006年)
・西牟田靖 『誰も国境を知らない』 情報センター出版局(2008年)
・安島太佳由/吉田裕 『歩いてみた太平洋戦争の島々』 岩波ジュニア新書(2010年)
・安島太佳由 『日本の戦跡を見る』 岩波ジュニア新書(2003年)
・早川タダノリ 『神国日本のトンデモ決戦生活』 合同出版(2010年)
・畑谷史代 『シベリア抑留とは何だったのか―詩人・石原吉郎のみちのり―』 岩波ジュニア新書(2009年)
・澤地久枝 『昭和・遠い日 近いひと』 文春文庫(2000年)
・多田茂治 『石原吉郎「昭和」の旅』 作品社(2000年)
・水島吉隆 『写真で読む昭和史 太平洋戦争』 日本経済新聞社 日経プレミアムシリーズ(2010年)
・松本健一 『畏るべき昭和天皇』 毎日新聞社(2007年)
・松本健一 『日本のナショナリズム』 ちくま新書(2010年)
・武田知弘 『教科書には載っていない! 戦前の日本』 彩国社(2009年)
・浅田次郎 『終わらざる夏』 上/下 集英社(2010年)
・浅田次郎 『マンチュリアン・レポート』 講談社(2010年)
・浅田次郎 『中原の虹』 全四巻 講談社(2006年/2007年)


■勢古浩爾ワールド

Seko_miyuki 勢古浩爾さんの本は、これで、あらかた読み尽くした。
ちょっとマンネリ化してきたように感じるが、あと何冊か読んでいない本をどうしようか。
手に入りにくい初期の著作(中島みゆき論)を入手して読めたのが、よかった。
『定年後のリアル』 は身につまされた。

『負けない』 ちくまプリマー新書(2009年)
『自分に酔う人、酔わない人』 PHP新書(2007年)
『日本を滅ぼす「自分バカ」』 PHP新書(2009年)
『中島みゆき・あらかじめ喪われた愛』 宝島社(1994年)
『定年後のリアル』 草思社(2010年)
『ビジネス書大バカ事典』 三五館(2010年)


■関野吉晴と長倉洋海

すっかりファンになってしまったこの二人の本。
長倉洋海さんの本は、まだ読んでいないものが手もとに何冊かある。
『グレートジャーニー』 シリーズも、ぶ厚い本がまだ二冊。
長倉さんの写真集(下の画像)は、高価なので(4800円)、図書館から借りた。

Nagakura_chi_o_kakeru・長倉洋海 『地を駆ける』 平凡社(2009/10/8初版)
・関野吉晴 『グレートジャーニー 人類5万キロの旅13 チベットの聖なる山へ』
 
小峰書店(2003年)
・関野吉晴 『インカの末裔と暮らす アンデス・ケロ村物語』 文英堂(2003年)
・関野吉晴 『新グレートジャーニー 日本人の来た道1 北方ルート シベリアの旅』 小峰書店(2006年)
・関野吉晴 『新グレートジャーニー 日本人の来た道2 北方ルート サハリンの旅』 小峰書店(2006年)
・関野吉晴 『グレートジャーニー 人類5万キロの旅』 全5巻 角川文庫(2010年)


■山野井泰史さんとの出会い

今年いちばんのヒットは、これかもしれない。
山好きの私なのに、去年までほとんど知らない人だったのだから。
山野井さんの本(下の画像)は、はじめ図書館から借りて読み、その後、じぶんで買って再読した。

Yamanoi_iwatoyuki_1・山野井泰史 『垂直の記憶 岩と雪の7章』 山と渓谷社(2004年)
・沢木耕太郎 『凍』 新潮社(2005年)
・丸山直樹 『ソロ 単独登攀者 山野井泰史』 山と渓谷社(1998年)

東京新聞(夕刊)連載の、山野井さんのエッセイ風読み物 「この道」 もよかった。
新聞連載といえば、池澤夏樹さんの連載小説 『氷山の南』 を読み通すことができたのも、私にしては珍しいことだった。




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2010年8月 8日 (日)

【読】グレートジャーニー 縦糸と横糸

関野吉晴さん 『グレートジャーニー 5』 のあとがきに、興味ぶかいことが書いてあった。

Sekino_great_journey_k05_4関野吉晴 『グレートジャーニー 5』 (角川文庫) あとがきより。
わかりやすく、言いたいことがストレートに伝わってくるいい文章なので、引用してみる。

<この旅では、一枚の布を織る気持ちで歩き、駆け、漕いでいた。 布を織るには縦糸と横糸が必要だ。 縦糸は南米からアフリカまで、自分の腕力と脚力だけで一本の線で結ぶこと、そして横糸は寄り道だ。 気に入った村とか、素敵な人、雄大な自然に出会ったらしばらく立ち止まる。 寄り道にかなりの時間をかけた。 寄り道には様々な気づきがあるからだ。 縦糸には達成感がある。 それでは、でき上がった布は何か。 それは社会、世界を見る目の変化、それに揺さぶられて変わった自分自身だろう。 そして難問 「我々は何処から来たのか 我々は何者か 我々は何処へ行くのか」 への自分なりの答えだろう。 難問はやはり簡単には解けない。 一生の宿題になるだろう。>

関野さんと周辺の人々が企画し、なしとげた壮大な旅。
その記録が私たち読者を強くとらえるのは、このような 「寄り道」 による旅の厚みと深みによるものだろう。

五冊の文庫本を読みおえて、地球の大きさといったものを実感した。
この地球には、こんなに様々な人々が暮らしているのか、という感慨――。

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【読】読了 関野吉晴 「グレートジャーニー」 角川文庫全5冊

ようやく、読了。
文庫本5冊を読みおえるのに、ずいぶん日数がかかった。

Sekino_great_journey_k04Sekino_great_journey_k05関野吉晴
 『グレートジャーニー 人類5万キロの旅』
 1~5

 角川文庫
 2010/1/25~5/25
 1~4巻 629円、5巻 667円(税別)


1 嵐の大地パタゴニアからチチカカ湖へ
2 灼熱の赤道直下から白夜のアラスカへ
3 ベーリング海峡横断、ツンドラを犬ゾリで駆ける
4 厳寒のツンドラ、モンゴル運命の少女との出会い
5 聖なるチベットから、人類発祥の地アフリカへ

「グレートジャーニー」 と名づけられた関野さんの旅。
キーワードというか、モチーフとなった言葉がある。

 我々は何処から来たのか
 我々は何者か
 我々は何処へ行くのか


第5巻 船戸与一氏の解説によると――

<このアドベンチャーの情熱を支えた根源について付記しておきたい。 はじまりはゴーギャンの一幅の絵画だ。 それにはこう銘打たれている。 「我々は何処から来たのか 我々は何者か 我々は何処へ行くのか」。 このフレーズが関野吉晴のこころを捉えて離れない。 イギリスで発表された人類発祥発達史に関する学説は彼にとってこの質問に答えるためのひとつだったろう。>

<他書で関野吉晴は記している。 「大昔の人々が感じた暑さ、寒さ、風、匂い、埃、雨、雪に触れ、身体で感じながらゆっくり進みたい」 そして、「アマゾンとかオリノコで石器時代と同じような生活をしている人たちと何年かも付き合っているが、彼らも自分たちが何処から来たのかという疑問は常に持っている。 それには神話、民話、伝説という形で答えを出している民族が多い」 という感触を得る。 南米体験とゴーギャンの絵画。 この結びつきが足かけ十年の歳月をかけた旅路へと向かわせたのである。>

(角川文庫 『グレートジャーニー 5』 巻末解説 船戸与一)

孫引きで申しわけないが、船戸さんのこの解説は的確だ。

現代において「冒険」と呼べる行為は可能なのか、と私などは思うのだが、なんと名づけてもかまわない。
関野さんのこのプロジェクトは、前人未到のものだ。


第4巻、モンゴルの草原に生きる少女「プージェ」との出会い、第5巻、ネパールの少年「ギャルゼン」との出会い。
このふたつが、私にはとても感動的なエピソードだった。

この先もずっと、関野さんの著作を追っていくだろう。


関野吉晴 せきのよしはる
1949年東京都生まれ。 一橋大学法学部、横浜市立大学医学部卒業。 93年から、あしかけ10年をかけ 「グレートジャーニー」 を踏破した。 2004年から 「新グレートジャーニー 日本列島にやって来た人々」 をスタート。 99年、植村直已冒険賞受賞。 現在、武蔵野美術大学教授(文化人類学)。
(角川文庫 『グレートジャーニー 5』 著者略歴)


ゴーギャンの絵が帯に使われている、毎日新聞社発行の関野さんの本。

Sekino_great_journey_all_1_2Sekino_great_journey_all_2関野吉晴
 『グレートジャーニー全記録』
 全2巻
 毎日新聞社 2006年
   各3800円(税別)

I 移動編 我々は何処から来たのか
II 寄道編 我々は何処に行くのか

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2010年7月27日 (火)

【読】関野さんと星野さん

関野吉晴さんが、故 星野道夫さんと交友のあったことを知った。
そうだったのか、と嬉しくなった。

Sekino_great_journey_k03関野吉晴 『グレートジャーニー 3』 (角川文庫) P.281-
  「あとがき」 より 引用

※以下、引用部分は<>でくくった。

<1996年8月中旬、南東アラスカをカヤックで移動している時、ケチカンという村で悲しいニュースが届いていた。写真家の星野道夫がカムチャッカで亡くなったという。それも彼が最も愛し、畏れていたクマに襲われたというショッキングな知らせだった。……>

<信じられない気持ち、あまりの驚きと悲しみに全身の力が抜けていく感じだった。その年の1月、東京で食事をし、アラスカに着いたら1-2ヵ月間一緒に、彼の最も好きなブルックス山脈を歩こうと約束していた。そしてカナダから南東アラスカに入る直前に、彼の住むフェアバンクスに電話をした。ちょうど私も行くことになる、ロシアの最南端チュコトから帰ってきたばかりで、そこの自然と人々の素晴らしさを興奮気味に話した。これから私と出会う前にカムチャッカに行ってくるという。……>

星野さんの最後の旅、カムチャッカ行きは、じつは当初、NATIONAL GEOGRAPHICの仕事の予定だった。
星野さんは、そのことを嬉しそうに関野さんに語っていた。
それが、(どういう事情かわからないが)日本の民放テレビ局のレポーターの仕事になった。 ―― ということも、この「あとがき」で知った。

<……その時、NATIONAL GEOGRAPHICの仕事だったら、命を失わずに済んだような気がする。テレビ取材はスタッフが多く、彼だけキャビンから出て、テントに寝て悲劇に遭ったのだ。>

星野さんがあの事故にあわなければ、関野さんとコンビで、いい仕事をしていたかもしれない。 というのも――

<私たちには多くの共通点があった。二人とも大学時代は探検部で活動し、彼が初めてアラスカに行った時、私は初めてアマゾンに行った。それぞれがそこの自然と人々の虜(とりこ)となり、その後彼はアラスカに、私は南米に、他の地域には見向きもせず、とりつかれた様に通うことになる。彼はエスキモーに似ているといわれ、私はアマゾンの先住民に似ているといわれた。国際先住民年の時にはいくつか二人の対談の申し込みがあった。美術館で「残された楽園」という写真展を共催したこともあった。>

星野さんの突然の死は、いま思っても残念でしかたがない。

関野さんの「あとがき」は、次のように締めくくられている。

<結局、彼と一緒にブルックス山脈に行くという計画はなくなった。その時、星野道夫がブルックス山脈に行くときに同行していたブッシュパイロット、ダン・ロスの夫人に紹介してもらったのが、この巻に出てくる、ユーコン川源流地帯に住むハイモ一家だ。
 星野道夫もハイモ一家と親交があったが、彼の著作には出てこない。野生動物を罠でとることを生業(なりわい)にしているからだろうか。聞いてみたかった。しかし「ここの野生動物、魚、ベリー、野草を食べることは、ここの大地を食べることなんだよ」と言う、ハイモさんの自然観は星野道夫のそれと共通点が多いように思う。ハイモさんと暮らしてみて、なぜ星野道夫がブルックス山脈に惚れたのかが分かったからだ。そこにはアメリカ合衆国の一部とは思えない野生が残っていた。>

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