カテゴリー「椎名誠」の18件の記事

2024年8月 1日 (木)

【読】2024年7月に読んだ本(読書メーター)

2024年7月は、2冊しか読めなかった。

椎名誠さんの文庫は、6月末から読み始めたものの、中断が長くなり、ようやく月末に読了。
7月はじめの北海道旅行にも持って行ったのだが…。

 7月の読書メーター
読んだ本の数:2
読んだページ数:505
ナイス数:61

北海道犬旅サバイバル北海道犬旅サバイバル感想
5か月前に読んだばかりだが、わけあって再読。図書館本で読み始め、途中で自腹購入。あらためて面白かったのは、旅の終盤、楽古山荘から襟裳岬までの往復の途中、想定外のカンパ(ファンからの食糧カンパと、謎のおじさんからの少なからぬ現金カンパ)に動揺しながら、それまでの無銭サバイバル旅とのギャップに悩む姿だった。お金の使い道に迷う自分を面白がっているようなところに好感が持てる。服部流サバイバルの集大成ともいえる旅の記録は、貴重だ。旅程の地図が役立つ。惜しむらくはナツとのカラー写真が(カヴァー写真以外に)欲しかった。
読了日:07月20日 著者:服部文祥

すばらしい暗闇世界 (新潮文庫 し 25-43)すばらしい暗闇世界 (新潮文庫 し 25-43)感想
シーナさんらしい軽妙なエッセイ集。ナショナルジオグラフィック(通称ナショジオ)の特集をたくさん引いているのも興味深い。「生肉族の誇り」と題された文章で「エスキモー」がけっして蔑称ではないことを知った。エスキモー:生肉を食う人びと――生肉を食らう奴ら、という差別意識に満ちた呼称と思われていた――この呼称の何が悪い、というくだり。彼ら自身、自らをエスキモーと呼ぶ。生肉が本当に好きだし、そのことに誇りさえ持っている、とシーナさんは言う。森林限界を超える地域で植物からのビタミン摂取ができない彼らの知恵なのだった。
読了日:07月31日 著者:椎名 誠

読書メーター

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2013年8月19日 (月)

【読】The third man factor (サードマン現象)

「サードマン現象」――これは、人間が困難な状況に置かれ、時に命の危険にさらされたときに起きる現象で、その場にいるはずのない “誰か” に助けられる体験を指す。

第三の人(サードマン)という言葉は、T・S・エリオットの英語詩「荒地」で使われたのが、はじまりらしい。
私は原詩を知らないが、今読んでいる本からの孫引き。

 いつもきみのそばを歩いている第三の人は誰だ?
 数えてみると、きみとぼくしかいない
 けれど白い道の先を見ると
 いつもきみのそばを歩くもう一人がいる


  『奇跡の生還へ導く人 ― 極限状況の「サードマン現象」』 伊豆原弓訳・新潮社刊より

昨夜から、この本を読みはじめた。
面白い。

ジョン・ガイガー 著/伊豆原 弓 訳
 『奇跡の生還へ導く人 ― 極限状況の「サードマン現象」』

  新潮社 2010/9/15発行 255ページ 1,800円(税別)
 THE THIRD MAN FACTOR by John Geiger, 2009



Home - The Third Man Factor (英文サイト)
http://thirdmanfactor.igloocommunities.com/

この本は、椎名誠さんの 『ぼくがいま、死について思うこと』 (新潮社、2013年4月刊)で教えてもらった。
海底洞窟、南極大陸、飛行機の操縦席、9・11の世界貿易センタービルなど、さまざまな場面での「サードマン現象」が描かれている。

<それらを神の御業だと言う人もいる。研究者は、孤独、単調な風景、喪失ストレス、低温や低酸素など、外的・内的要因を挙げている。著者は、数多くの体験者の話を聞き、膨大な資料にあたり、その一つ一つをつぶさに検証する。そして結論は、脳科学へと収束していくのだが、それでもなお謎は残る。なぜ<存在>は危機的状況にある人を助け、奇跡の生還へと導くのか――。> (本書 訳者あとがき)

 

いわゆる「オカルト」的な事象ではなく、私はこのような「サードマン現象」は起こりうると思っている。
ただ、私にはまだ経験がないが……。
訳者あとがきでは、日本人の事例も三つほど紹介されている。

◆1982年 千葉県市川山岳会 松田宏也の、中国ミニヤコンカ遭難時の体験――
パートナーの菅原信を亡くし、一人で奇跡的な生還を果たした。
<両手両足が凍傷にかかった状態で岩場を歩きクレバスを越えた。その間、絶えず幻聴が起きた。(中略)そして、絶壁をおりる方法が見つからず自暴自棄になりかけたときに、その声が聞こえた。/「落ち着け……、落ちつけ……(後略)>
(本書 訳者あとがきより、訳者による引用は、松田宏也 『ミニヤコンカ奇跡の生還』 山と渓谷社、1983年)

◆1992年 ヒマラヤ チョ・オユー単独行での、山野井泰史の体験――
<後ろに気配を感じ、その幻のパートナーが手を貸してくれないことを不思議に思うのだ。/確かに男のクライマーで会話はできないが、意思の疎通は可能なような気がする。今までのソロ・クライミングのときは孤独を紛らわすためにわざと独り言を言ったりしていたが、今回の登攀はまったく話していない。寂しくないのだ。山が私に同伴者を与えてくれているようだ。>
(同上、訳者引用は、山野井泰史 『垂直の記憶――岩と雪の7章』 山と渓谷社、2004年)

◆1992年 グアムへのヨットレースで「たか号」が転覆、27日間漂流した佐野三治の体験――
<仲間がバタバタと亡くなり一人きりで絶望の淵にあったとき、突然、筏ごと百メートル上空に浮き上がり、大音響のベートーベン第九交響曲が聴こえてきたと言う。/幻覚ではなく、本当にああいう状態になったとしか思えないのだ。太平洋のまっ直中で漂う私を、UFOに乗った宇宙人が見つけて、なんとかしてやろうと、持ち上げてくれたのではないだろうか、と。>
(同上、訳者引用は、佐野三治 『たった一人の生還――「たか号」漂流二十七日間の闘い』 新潮文庫、1995年)


第二章 「シャクルトンの天使」 が、私にはことのほか興味ぶかい。
先日読んだ 『エンデュアランス号漂流』 では触れられていない逸話。

シャクルトンら28名の探検隊の乗ったエンデュアランス号は、氷に閉ざされたまま十カ月近く漂流。
やがて船は壊滅、沈没し、彼らは船を脱出して巨大な氷盤に乗り、さらに漂流を続ける。
それから五カ月後、なんとか三艘のボートで氷海から脱出し、エレファント島に上陸。

その島にいても救援隊に発見される見込みのないことが明白だったため、シャクルトン以下6名が、救援を求めて島を脱出し、小さなボートでサウスジョージア島の捕鯨基地を目指す。
残り22名はエレファント島に残り、救援を待つことに。

6名は、ちいさなボートで、「世界で最も荒れる海域」といわれるホーン岬の南の海へ漕ぎ出すという究極の冒険にでた。
その距離、1,100キロメートル!

17日間かけて、6名はサウスジョージア島に命からがら上陸できたものの、そこから先、捕鯨基地のある島の反対側までボートで進むことはできなかった。

最終的に、シャクルトンとワースリー(エンデュアランス号船長)、二等航海士 トム・クリーンの三名が、徒歩で島を横断して、救援を求めることになった。
前人未到の氷河の山越えである。
一本のロープと、大工の手斧一丁だけが、彼らの「装備」だった。

三人が体験したのは、この過酷な山越えの間ずっと、そこにいないはずの何者かの存在を感じ、励まされたということだった。

<シャクルトンは苦労しつつも旅の回想録を書きあげたが、随所に「語れないことがたくさんある」と注意書きをしている。……> (本書 P.45)

<回想録でシャクルトンは、最後にして最悪の苦闘のなか、何か尋常でないものがそばにいる気がしてならなかったとあかしている。>
<あの数日をふり返ってみると、雪原を横断したときだけでなく、エレファント島とサウスジョ-ジア島の上陸地点を隔てる嵐の白い海を渡ったときも、神がわれわれを導かれたにちがいなと思う。サウスジョージアの名もない山々や氷河を越えた三十六時間におよぶ長くつらい行軍のあいだ、ときおりわれわれは三人ではなく四人いるように思われた。>
シャクルトンは他人には何も言わなかったが、三週間後、ワースリーがたずねられもしないのに「隊長、私は歩いていたとき、もう一人一緒にいるような奇妙な感じがしたんです」と言った。のちにクリーンも、同じような奇妙な感覚があったとあかした。三人はそれぞれお互いと関係なく同じ結論に達した。もう一人別の<存在>が一緒だったと。
 (同 P.45-46)


第三章以下の200ページを、これから読むところ。

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2013年8月17日 (土)

【読】炎暑の下、図書館へ

近くの図書館から、リクエスト図書の準備ができたというメールが届いた。
炎暑の下、歩いて図書館(地区館)へ。

バス通りの両側にはムクゲが花盛り。
サルスベリも満開。
桜の樹には、蝉がとまって鳴いていた。
あの体と翅の色は、保護色だったんだな。
幹にとまっている姿が、なかなか見つけられない。

今日借りてきた本はこれ。
椎名誠さんの著書 『ぼくがいま、死について思うこと』(新潮社・2013年)に紹介されていたもの。

ジョン・ガイガー 『奇跡の生還へ導く人――極限状況の「サードマン現象』
 伊豆原 弓 訳 新潮社 2010年
 255ページ 1,800円(税別)

いま読んでいる 『エンデュアランス号漂流』 の事例、「シャクルトンの天使」 という章もある。
シャクルトン隊長率いる南極横断探検隊の漂流記も、順調に読みすすめている。
面白い。

シャクルトン自身の漂流記も出版されていることを知った。
他にも、この漂流に関する本が、Amazonでたくさんみつかった。

『エンデュアランス号漂流記』 アーネスト・シャクルトン
 中公文庫BIBLO 2003年

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2013年7月25日 (木)

【読】書評家としての椎名誠

今日は曇り空、蒸し暑い一日。
午前中、眼科の診察。
検査のために瞳孔を開く目薬をさしたので、まだ目がかすんでいる。

土曜日に図書館から借りてきた椎名誠さんの本、あと少しで読みおえる。
予約がいっぱいで、手元に届くまで時間がかかった本だ。
私の後にも予約がはいっているらしい。
さすが、人気作家の新刊。

椎名誠 『ぼくがいま、死について思うこと』
 新潮社 2013/4/25発行

国内外を旅してきた椎名さんの体験談が詰まっていて、読み応えあり。
かなりプライベートなことも(奥さまの渡辺一枝さん、二人のお子さま、さらにはお孫さんのことまで)書かれている。
シーナファンには、たまらない一冊かも。

それはそれとして、私が興味深く感じたのは、人間の死に関する書物がいくつか紹介されていること。
椎名さんは読書家(かなりの活字中毒)だが、書評家としても優れた人だと、私は思っている。

一年近く前、私が購読している東京新聞日曜版(書評ページ)にも、椎名さんの書評(本の紹介)が掲載されていた。
切り抜いてとってあったので、スキャンしたものを掲載しておこう。
(東京新聞社に断りをいれていないので、著作権うんぬんのモンダイはありそうだが)

東京新聞 2012/8/5(日)

20130805_tokyo_shinbun

さて、今読んでいる彼の本でも、何冊か興味ぶかい本が紹介、引用されている。
私の覚え書きもかねて、書いておこう。
なかなか本も読めないが、図書館にあれば借りてみようかと。

デボラ・ブラム 『幽霊を捕まえようとした科学者たち』 文藝春秋
石井光太 『ニッポン異国紀行―在日外国人のカネ・性愛・死』 NHK出版新書
鈴木理生 『江戸の町は骨だらけ』 ちくま学芸文庫
ジョン ガイガー 『奇跡の生還へ導く人―極限状況の「サードマン現象」』 新潮社

   

もう一冊、これはあまり出まわっていない本のようだ。
椎名さんも古本屋でたまたまみつけたそうだ。
ネットで調べると古本で入手可能らしい。

上山龍一 『葬送の原点』 大洋出版社
⇒ 葬送の原点:上山龍一(古書・古本) 日本の古本屋:書籍検索結果詳細
http://www.kosho.or.jp/list/401/02346053.html

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2013年7月23日 (火)

【読】今日の読書

蒸し暑い一日。
午後4時現在、気温30度、湿度60%ほどか。
曇り空で、いまにも雨が来そうだ。

午前中、市の無料定期健診。
簡単な内容で、問診、検尿、採血、血圧、心電図、身長体重腹囲測定、それだけ。
三か月に一度通院して、尿と血液検査しているから、それほどありがたい健診でもない。

午後は雑用をこなし、その後、図書館から借りてきた椎名誠氏の本を読みはじめた。
死について思い巡らす内容の本。
(『ぼくがいま、死について思うこと』 新潮社)

「友人の鳥葬」というタイトルを見て、ぎょっとしたが、これは椎名夫妻の共通の友人だったチベット人の話だった。
椎名夫人の渡辺一枝さんは、この友人の鳥葬に、特別に許されて立ち会ったという。

チベットの死生観では、死者の痕跡を一切なくしてしまうのがシキタリなんだそうだ。
当人の写真はもちろん、故人の書いた文字や持ち物、衣類など、一切合財、人にやったり捨てたりするという。
集合写真などでは、故人の顔だけハサミで切り取ってしまうという徹底ぶり。

椎名氏自身の肉親や友人の死を、氏の書き物としては珍しくシンミリと語っている。
読みはじめたばかりだが、ズシンと響いてくる内容の一冊。

「1987年から2012年まで、毎年、一、二度。長い時で半年。短くても一か月という日数で通い続け、ほぼ全域を旅している妻(渡辺一枝)は、チベットにかんする本をかなり出している」 そうだ。 (本書 P.54)
読んでみたいと思う。

       

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2013年7月21日 (日)

【読】ぼくがいま、死について思うこと(椎名誠)

朝食を終えて、すぐに参院選の投票へ。
東京も、梅雨明け直後の暑さがおさまって、少しだけ過ごしやすくなった。

昼は、生麺タイプの沖縄ソーキそばを調理して食べた。
暑いときには熱い食べ物がいい。

これから、たまっていた新聞連載小説(五木寛之「親鸞完結篇」)を読もう。
北海道新聞には掲載されていなかったため、12日以後の連載を読んでいない。
家に戻ったら、ちょうど12日からの東京新聞朝刊が残っていた。
なければ図書館で、と考えていたので、助かった。

ずいぶん前、リクエストしておいた本が、近くの図書館に届いた。
予約待ちの多い人気図書。
はやく読んで返却しなければ。

椎名誠 『ぼくがいま、死について思うこと』
 新潮社 2013/4/25発行
 190ページ 1,300円(税別)
 初出 『波』 2011年9月号~2012年9月号

Shiina_shinitsuite

 

 ― Amazon ―
<今まで突っ走ってきたけれど、ふと気づくと多くの人を亡くしていました。肉親の死。十代の頃に経験した親友の自死。ここ数年相次いだ友人たちとの離別。あやうく死にかけた体験の数々。世界の旅先で見聞きした葬儀や死。孫を持って気づいたこと。死に急ぐ若者たちへのメッセージ。そして、思い描いてみた自身の最期――。今年、69歳になる椎名誠が、はじめて死について考えた一冊。>
<ぼくはあといくつこういう場に立ち合えるのだろうか。そしていつ自分がこういう場でみんなにおくられるのだろうか。それは、わからない。ぼくにも、そして誰にもわからない。>


シーナさんも、70歳に手が届く年齢になり、死について思いめぐらすようになったんだろうな。
私も、最低限、遺された人たちが途方に暮れることのないよう、準備だけはしておこうと思う、今日この頃。

「エンディングノート」が流行っているようだが、私は、あれは嫌い。
「自分史」も私には必要なし。
死んだら、遺された人たちの記憶に残ればいいのだ。
それも、ほんのしばらくの間でいい。

私の「死の準備」といっても、葬儀やら埋葬やら、各種手続きやらの手順を書いておくだけ。
あとは、痴呆になったり不治の病になったらどうしてほしいか、書いておこう。
私はそれだけでいいと思うようになった。

――こんなことを書くのも、昨年の母の死から後のドタバタを経験したからかも。

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2013年7月 3日 (水)

【雑】水中写真家 中村征夫さん

きょうは、ときおり薄日がさすものの、どんよりした曇り空。
気温27度、なんとなくじっとり湿っぽい。

午前中、いつものようにTBSラジオ 「大沢悠里のゆうゆうワイド」 を聴いていたら、ゲストに水中写真家の中村征夫さんが出演していた。
バリトンの低音、落ちついた話しぶりで、好感がもてた。

TBS RADIO 大沢悠里のゆうゆうワイド powered by ココログ
http://tbsradio.cocolog-nifty.com/yuyu/

写真展の宣伝をかねての出演らしい。
私はよく知らなかったが、20年前の奥尻島地震の際、たまたま島に滞在していた中村さんは、大津波に飲まれそうになるという経験をしているそうだ。
その時の強烈な体験談と、一昨年、東北の大津波の後、ボランティアに出向こうと準備していたら、寝ているあいだに奥尻島の体験が夢にでてきて、PTSD(心的外傷後ストレス障害)になったことなど、語っていた。

<中村 征夫(なかむら いくお、1945年7月1日 - )は、日本の写真家。息子の中村卓哉も写真家。娘の中村珠央はエッセイスト。
 秋田県潟上市(出生時:南秋田郡昭和町)出身。秋田市立高等学校(現秋田県立秋田中央高等学校)卒業。
水中写真の第一人者で報道写真家でもある。20歳のときに独学で写真術を身につけ、以後専門誌のフォトグラファーを経てフリーとなる。環境問題や水中写真に関する著書・写真集など多数。また、テレビコマーシャルも数多く手掛けている。
 作家の椎名誠とは、ともにトークライブを開催するなど縁が深い。中村の写真集『白保SHIRAHO』を原案とした映画『うみそらさんごのいいつたえ』では撮影に全面的に参加している。
 東京湾の撮影を35年間続けている。
 また、1993年、取材先の奥尻島で北海道南西沖地震に遭遇、滞在していた島南部の青苗地区が火災と津波で壊滅するも避難に成功、九死に一生を得る。機材の全てを流されて裸足で避難したが、唯一持っていたモーターマリンで、災害直後の奥尻島の惨状を撮影。その写真は共同通信社から世界中に配信され、世界中の新聞に掲載された。
 また、石垣島白保地区でのアオサンゴ大群落を、モノクロ写真で撮影した写真(写真集『白保 SHIRAHO』収録)が大きな反響を呼ぶ。この写真集に後押しされる形で、同白保地区に海底を埋め立てて建設予定だった石垣島新空港計画が、白紙撤回されたことがある。
 弟子にやはり水中写真家の尾崎たまき。>

― Wikipedia 中村征夫 ―

<1993年7月12日に起こった北海道南西沖地震では、島の南西部の青苗地区を中心に津波の被害を受け200人あまりの死者を出した。当時約4,700人ほどあった人口は、被害による転出などがあり減少傾向にある。>
― Wikipedia 奥尻島 ―

中村征夫さんは、椎名誠氏の仲間として知ってはいた。
ひと頃よく見ていた 「怪しい探検隊」 のテレビ放映で見ていたはずだが、これほど魅力的な人物とは思っていなかった。
世界的な水中写真家で、写真集も目にしているはずなのだが……。

本や写真集を読んだり見たりするよりも、ラジオで聴く語り口で、人柄を感じることもあるのだな。


- 写真家中村征夫公式ページ -
http://www.squall.co.jp/ より

2013年7月4日(木)―8月3日(土) キヤノンギャラリーS(品川)
 「Magic of the blue」 ~深遠なる海への旅路~
2013年7月4日(木)―7月10日(水) キヤノンギャラリー銀座
  「ひさかた」


キヤノン:キヤノンギャラリー
http://cweb.canon.jp/gallery/

       

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2013年5月27日 (月)

【読】気になる本

ネットであれこれ見ていたら、椎名誠のサイトに遭遇した。

椎名誠 旅する文学館
http://www.shiina-tabi-bungakukan.com/

なかなか洒落たサイトなのだった。
今はもう、椎名さんの熱心な読者ではないが、気にはなる。
あいかわらず多作で忙しく動きまわっている様子。

こんな本が目についた。

『ぼくがいま、死について思うこと』 椎名誠
 2013年4月 新潮社 190ページ 1,365円(税込)

じぶんで買うほどの本とも思えないので、地元の図書館にあるかどうか調べてみた。
あるにはあるが、さすが人気作家。
予約4人待ち。
いちおう、予約しておいた。

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2012年11月29日 (木)

【読】南伸坊

私は本が好きだ。
それほどたくさん読めないのだけれど、手許に置いておくのが好き。
だから、読書人ではなく、置書人(おくしょじん)――なんちゃって。

本を買うとき、新本も古本も、もちろん読みたいと思って買って来る。
ところが、この本を買いたいと思わせる「決め手」は、私の場合、装幀(装丁とも書く)に魅かれてということが多い。

ずっと前、古本屋(大型新古書店)で見つけて、すぐに欲しくなり、買ってしまった。
『装丁/南伸坊』 という楽しい本だ。

この本も、装幀の魅力が大きい。
カバー写真が意表をつく。
職人姿の南伸坊。

帯のキャッチもいい。

こちとら、装丁です。 全119冊のカラー図版で語る装丁・南伸坊の現場の職人ばなし>

買ってから通して読んだことはなく、ときどき眺めて楽しんでいる。
今日も本棚から引っぱりだして、ところどころ開いては眺めていた。

南伸坊 『装丁/南伸坊』
 フレーベル館 2001年 231ページ 2,300円(税別)

残念ながら、もう発売されていない。
私は定価の半分ぐらいで買ったと思う。
Amazonなら、もっと安く手にはいるかも。

南伸坊という人が好きで、ひと頃よく、この人の書いた本を買って読んでいた。
自称「イラストライター」。 とぼけたイラストと、味のある文章を書く人だ。

<装丁家と名乗ると、ちょっと立派すぎる。おそらく「家」が立派なので、私は単に「装丁」ということにする。こうすれば馬丁、園丁みたいでちょっと職人ぽくていい。/私が装丁になって十数年経ってしまった。最初に装丁した時から時から数えれば、もっと、二十数年になってしまう。> (本書 「装丁の前口上」 P.4)

彼の「装丁」としての仕事がカラー図版で紹介されていて、本好きの私は眺めているだけで嬉しくなる。


伸坊さんが装幀した本の一部をAmazonから選んでみた。

どれも優れた装幀である。
画像(装幀写真)を見るだけで、欲しくなってしまう。

「顔(装幀)のいい本は中身(内容)もいい」 というのが私のかねてからの持論だ。
ついでに言えば、レコードやCDのジャケットも同様だと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

椎名誠の「新宿赤マント」シリーズ(文藝春秋)を目にしたことのある人は多いだろう。
味のあるイラストは、沢野ひとし。
確かめてはいないが、このスタイル(同じ判型・デザイン)のシーナ本は、たくさん出ているはずで、装幀は南伸坊だ。

ちくまプリマーブックスの洒落た装幀も、この人の仕事だ。
私はこのシリーズが好きで、古本屋に行くとよく手にする。

伸坊さんが「フォーマット」と言っているのは、こういうデザインの統一感なんだろう。
さすが、である。

<ちくまプリマーブックスは中高生向きの読者を想定した選書のようなシリーズだ。/十数冊を出したところで、フォーマットのデザインが固定化しすぎたので、もうちょっとゆるやかなフォーマットに作りかえてほしいと依頼された。/きれいなデザインだったが回りを黄色にしたワクの中だけを変えるデザインで、黄色の印象が強いから、確かにみんな同じ本に見えてしまう。/フォーマットを、白地にイラスト、タイトルはダ円の中に入れて、という具合にシバリをゆるくした。>

<シリーズはいま、140冊まで出ている。……これを始めてから、よそからの発注もぐんとふえたのだった。/このシリーズも「装丁」としての私をきたえてくれた、ありがたい仕事だと思っている。>

 (本書 「プリマーブックスに育てられた」 P.216)

   

きりがないので、これぐらいにしておこう。

以下、Wikipediaより。

南 伸坊(みなみ しんぼう、本名: 南 伸宏、1947年6月30日 - )は、日本の編集者、イラストレーター、エッセイスト、漫画家である。本の装幀も多数手掛ける。
 エッセイに自らイラストをつける手法により、「イラストライター」と自称する。あたたかみのある描線の似顔絵や、シンプルながら洗練された装幀で知られる。第29回講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。
『ハリガミ考現学』での貼紙の研究により、赤瀬川原平が提唱した路上観察学会にも参加。丸刈りでおむすび型の頭をトレードマークにしており、これを強調した自画像イラストでも知られる。また、日清チキンラーメンのCMなどにも出演した。
 作品には、『みなみしんぼうのそっくりアルバム』、『歴史上の本人』、『本人の人々』など、有名人たちに扮装して顔マネをした「そっくり写真」がある。これらの作品で衣装、小道具、写真等を担当してるのは妻・南文子であるが、文子も伸坊と同じく、美学校の赤瀬川教室の出身者である。
 伸坊の漫画作品には中国の奇異小説を漫画化したものが多く、また、中国歴史物小説のカバー挿画も多く担当している。さらに、各分野の専門家との対談形式によって、専門的な事項を素人にもわかりやすく説明する著作があるほか、ゲームソフト『マザー』(任天堂)のキャラクターデザインも手がけた。>


上の説明にある、各分野の専門家との対談形式によって、専門的な事項を素人にもわかりやすく説明する著作とは、「個人授業シリーズ」(新潮社・新潮文庫)である。
私も何冊か読んだが、面白かった。

     

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2010年11月24日 (水)

【読】戦場カメラマン

このところ、テレビ番組ですっかり有名になっているのが、「戦場カメラマン 渡部陽一」という人だ。
なにも、お笑い番組にあれほど顔をださなくてもいいのに……と私などは心配するのだが、ご本人はいたって真面目らしい。
「今、世界で起きていることを伝えたい」という彼の出演意図は、わからなくもない。
私はこの人に好感をもっているので、テレビ局の視聴率稼ぎや、いいかげんなマスコミの「道具」に利用されないことを願うばかりだ。

最近見たテレビ番組で、渡部さんがどこかの小学校を訪問し、講演した時のこと。
「戦場カメラマン 渡部陽一です」 という例の自己紹介に大笑い(大受け)する児童たちだったが、スライドを見せられ、戦場の悲惨さを訴える渡部さんの説明が始まると、みるみるうちに真剣な表情に変わっていった彼らの様子がとても印象的だった。

戦場カメラマン 渡部陽一 公式サイト
http://yoichi-watanabe.com/

その渡部陽一氏の写真の師匠として紹介されていたのが、山本皓一氏だった。
渡部さんは、テレビ番組に出演することの是非に迷って、師匠の山本さんに相談したこともあるという。

山本皓一 ...Kouichi YAMAMOTO...Presscom
http://www.presscom.jp/

どこかで聞いた名前だと思いネットで調べてみると、椎名誠氏といっしょに仕事をしているカメラマンだった。
かつて夢中になって読んだ椎名さんの本をおもいだした。
椎名さんの本は、ある時期にほとんど手放してしまったが、最近また読みなおしたくなって、文庫本をいくつか買い直していたところだった。

Shiina_indo_3Shiina_patagonia_3『インドでわしも考えた』
 椎名誠/山本皓一
 小学館 1984年
 (集英社文庫 1988年)
『シベリア追跡』
 椎名誠/山本皓一
 小学館 1987年
 (集英社文庫 1991年)
『熱風大陸 ダーウィンの海をめざして』
 椎名誠/山本皓一
 講談社 1988年
 (講談社文庫 1991年)
『パタゴニア あるいは風とタンポポの物語り』
 椎名誠/山本皓一
 三五館 1993年
 (集英社文庫 1994年)

他にもまだ、椎名・山本コンビの本が出版されていると思う。
その山本皓一氏の本を、日曜日に図書館から借りてきた。
この本は、上のテレビ番組で紹介されていたもの。

サブタイトルが 「北方領土、竹島、尖閣列島、南鳥島、沖ノ鳥島上陸記」 とあり、先ごろ読んでいた西牟田靖さんの写文集と重なる世界だ。
興味ぶかい。

Yamamoto_ikenai_ryodo『日本人が行けない「日本領土」』
 北方領土、竹島、尖閣列島、南鳥島、沖ノ鳥島上陸記
山本皓一
小学館 2007年発行
285ページ 1800円(税別)
 ― e-honサイトより ―
[要旨]
「ここは本当に日本なのか」。国境の島々を16年間撮り続けた報道写真家による衝撃の上陸体験記とスクープ写真を掲載。安倍晋三対談「国家とは、領土とは何か」を収録。
[目次]
第1部 北方領土―択捉島・国後島(小泉首相の北方領土視察;ゴルバチョフ大統領への「直訴状」 ほか);第2部 竹島(武装警察官に歓声をあげる女性観光客;日本製の観光船が“韓国人を独島に運ぶ”皮肉 ほか);第3部 尖閣諸島(世界でも稀な日本の国境政策;年に一度の上陸チャンス ほか);第4部 南鳥島・沖ノ鳥島(マリンブルーの海に浮かぶ“航空母艦”;島民の病死・離島で無人島に ほか)

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