カテゴリー「満州」の52件の記事

2020年5月10日 (日)

【読】Book Cover Challenge 2冊目

Facebookに投稿した、Book Cover Challengeの2冊目。
5月7日投稿。

20200507-085026_20200510195201

小平に住んでいる頃だったと思う。図書館でみつけて感心した本。
その後、東村山の図書館でリサイクル本(除籍本)をみかけたものの、もらってこなかった。どうしても欲しくなってネットで購入、といういわくつきの本。
旧満州で幼少時代を過ごしたマンガ家10人の手記。
赤塚不二夫の父上が警察官だったことはよく知られている。赤塚さんの幼少記が印象的だった。→「メイファーズ」――これでいいのだ!!
小澤征爾、秋吉敏子、加藤登紀子、五木寛之、等々、大陸・半島から引き揚げてきた著名人は多い。

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2016年2月25日 (木)

【読】満州と沖縄の本を入手

読むスピードが追いつかないのだけれど、また本を買ってしまった。

一冊は、これ。
以前、小平に住んでいた頃、図書館から借りて読んだもの。
その後、東村山の図書館で放出本(いわゆる“ブックリサイクル”)のなかにあるのを発見したのだが、もらってこなかった。
そのことを、ずっと後悔していた。

てっきり絶版本だと思いこんでいたところ、新本が入手できることを知り、購入したしだい。

『ぼくの満州――漫画家たちの敗戦体験』 中国引揚げ漫画家の会 編
 亜紀書房 1995/7/26発行 (2014/9/9 第1版第7刷)
 243ページ 1,505円(税別)

― e-honサイトより ―
[目次]
祖国はなれて
「メーファーズ」―これでいいのだ!!
中国原体験の光と影
ぼくの満州放浪記
ぼくの満引き(満州引き揚げ)物語
記憶の糸をたぐり寄せて
わが故郷、大連
豆チョロさんの戦争体験記
上海に生きて
座談会 ボクの満州・中国

おすすめコメント
赤塚不二夫、ちばてつや、森田拳次、古谷三敏、北見けんいち達旧満州育ちの漫画家9人による画文集。戦争の悲惨さと、時代に翻弄されながらも逞しくしたたかに生きた人々の姿を、少年の眼を通して描いた。

九人の漫画家は、次のとおり(掲載順)。

上田トシ子/赤塚不二夫/古谷三敏/ちばてつや/森田拳次/北見けんいち/山内ジョージ/横山孝雄/高井研一郎
(あとがき:石子順)

それぞれの個性がでていて、おもしろい。
再読がたのしみだ。


もう一冊。
これは、つい最近、東京新聞で紹介されているのを読み、知った新刊。

沖縄の硬派新聞 「琉球新報」 の最近の社説をあつめたもの。
厳しい内容だが、沖縄の歴史を思えば当然だと思える論説がぎっしり。

『沖縄は「不正義」を問う――第二の“島ぐるみ闘争”の渦中から』
 琉球新報社論説委員会 編著/高文研 2016/2/15発行
 221ページ 1,600円(税別)

― e-honサイトより ―
[要旨]
断じて認められない!
ガッティンならん!
「オール沖縄」の決意と主張を情理を尽くして訴える!
[目次]
特別評論―2014~15年
 慰霊の日―不戦のための言論守りたい(社会部長・松永勝利/2014年6月23日)
 翁長・菅会談―沖縄に民主主義を適用せよ(編集局長・潮平芳和/2015年4月5日)
 再点検・普天間問題―今こそ「足跡」消す時だ(報道本部長・松元剛/2015年4月26日)
 ほか
琉球新報社説―2014年
 沖縄の自己決定権―民意の力で尊厳回復を(1月3日)
 名護市長選挙、稲嶺氏再選―誇り高い歴史的審判(1月20日)
 「建白書」を破棄するのか―沖縄の総意を後世に残せ(2月9日)
 ほか
琉球新報社説―2015年
 対話拒否―安倍政権は知事と向き合え(1月8日)
 海上保安官「馬乗り」―決して許されない行為だ(1月25日)
 辺野古検証委員会―作業阻止へあらゆる手段を(2月8日)
 ほか
辺野古代執行訴訟第1回口頭弁論 翁長雄志沖縄県知事「陳述書」全文

沖縄の基地の現状を知るためにも、読んでみたいと思う。

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2015年5月 4日 (月)

【読】全巻通読、「満州国演義」

今年の二月中頃から、三か月近くかけて全九巻を読み終えた。
われながら、よくやったと思う、なんちゃって。

この卷の最期、物語全体のエピローグにあたる数ページは、胸にずしんと響く、せつないエピソードだった。

船戸さんが遺してくれた、貴重な最後の作品。

船戸与一 『満州国演義』 新潮社

『満州国演義 1 風の払暁』 2007/04/20発行 383ページ
  昭和3年~ 事変まで
『満州国演義 2 事変の夜』 2007/04/20発行 415ページ
  昭和5年~満州事変、上海事変
『満州国演義 3 群狼の舞』 2007/12/20発行 420ページ
  昭和7年~ 満州国建国
『満州国演義 4 炎の回廊』 2008/06/20発行 462ページ
  昭和9年~ 二・二六事件
『満州国演義 5 灰塵の暦』 2009/01/30発行 470ページ
  昭和11年~ 南京大虐殺
『満州国演義 6 大地の牙』 2011/04/28発行 428ページ
  昭和13年~ 大戦前夜
『満州国演義 7 雷の波濤』 2012/06/22発行 478ページ
  昭和15年~ 太平洋戦争開戦
『満州国演義 8 南冥の雫』 2013/12/20発行 430ページ
  昭和17年~
『満州国演義 9 残夢の骸』 2015/2/20発行 472ページ (本文457ページ)
  昭和19年~昭和21年

               

こうして並べてみると、壮観だ。

全巻読破し終えたいま、ぼーっとしている。

【出版社のサイトから】
船戸与一『残夢の骸―満州国演義9―』|書評/対談|新潮社

[船戸与一『満州国演義』全九巻完結記念特集]
〈正史〉と〈叛史〉をつむぐ、すさまじい力業
  井家上隆幸(いけがみ・たかゆき) 書評家
http://www.shinchosha.co.jp/shinkan/nami/shoseki/462310.html より

下に一部を転載したが、この井家上さんの書評には「ネタバレ」あり。
上のリンクから全文をご覧になる方は、注意。

<原稿枚数は四百字原稿用紙で七千枚超か。昭和三年六月四日の高級参謀河本大作らによる満州軍閥の支配者・張作霖爆殺(満州某重大事件)に始まり、昭和二十一年五月の広島で閉じる〈大叙事詩〉『満州国演義』全九巻が完結した。>

<膨大な資料を渉猟していくなかで、船戸与一が指弾する、辻政信や瀬島龍三ら陸大出参謀の官僚的優秀さと視線の狭隘さ、失敗してもおよそ責任といった言葉とは無縁の厚顔さは、あの十八年の(全部とはいわない)一年でも体験していれば腑に落ちるというか。
 あるいは船戸与一の〈昭和史観〉を〈自虐史観〉と謗る向きもあるだろう。だがこれは、「認定された客観的事実と小説家の想像力。このふたつはたがいに補足しあいながら緊張感を持って対峙すべき」(あとがき)〈昭和史〉であり、〈自虐史観〉なんぞとは無縁である。>

【参考サイト】 船戸与一インタビュー
船戸与一さん「満州国演義」完結 : 本よみうり堂 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20150303-OYT8T50180.html

<週刊誌での連載開始から10年、原稿用紙にして約7500枚。
 「満州国」の成立から敗戦による消滅までの激動の時代を描ききった船戸与一さん(71)の「満州国演義」が、2月刊の第9巻『残夢の骸むくろ』(新潮社)で完結した。日本ミステリー文学大賞にも決まった作家に心境を聞いた。……>

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2015年4月29日 (水)

【読】「満州国演義」、いよいよ最終巻へ

今日も初夏の陽気。
最高気温23度。

船戸与一 『満州国演義』 の8巻目を読み終えて、いよいよ最終巻にとりかかったところ。

船戸与一 『満洲国演義9 残夢の骸』
 新潮社 2015/2/20発行 472ページ 2,200円(税別)

第8巻の終わり、ついに敷島四兄弟の次男、敷島次郎の身に重大な異変が……。
そして、最終巻。
昭和19年(1944年)、帝国は、ますます勝ち目のない戦争の泥沼に……。

― Amazon 内容紹介より ―
<満州帝国が消えて70年――日本人が描いた“理想の国家”がよみがえる! 今こそ必読の満州全史。権力、金銭、そして理想。かつて満州には、男たちの欲望のすべてがあった――。事変の夜から十四年が経ち、ついに大日本帝国はポツダム宣言を受諾する。己の無力さに打ちのめされながらも、それぞれの道を貫こうとあがく敷島兄弟の行く末は……敗戦後の満州を描くシリーズ最終巻。中毒読者続出の人気大河ロマン、堂々完結。>

Amazonのカスタマーレビューに、私が知っている方のレビューが載っていた。

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2015年4月 7日 (火)

【読】ようやく三分の二まで読んだ、船戸与一「満州国演義」

小雨が降る肌寒い日。
灯油を補充しておいてよかった。

明日はもっと寒くなるらしい。
昼間の予想気温は4度に満たず、みぞれか雪が舞うかもしれないという。

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三月下旬から読み続けていた、船戸与一『満州国演義 6』を、今日ようやく読み終えた。
二週間以上かかった。
途中、チャリティ古本市やらで忙しく、まったく本を読む時間のない日が続いた。

全9巻の大河小説、その三分の二まで進んだわけだ。

船戸与一 『満州国演義 6 大地の牙』
新潮社 2011/4/30発行 425ページ 2,000円(税別)

<国難に直面したとき、人々が熱望するのはファシズム。昭和十三年、日中戦争が泥沼化する中、極東ソ連軍が南下。石原莞爾の夢が破れ、甘粕正彦が暗躍する満州に、大国の脅威が立ちはだかる―“大戦前夜”の満州を描く、入魂の書下ろし七五〇枚。> ―Amazon―

「ノモンハン事件」やら、汪兆銘政権の樹立、欧州での独ソ不可侵条約締結、ドイツ軍のポーランド侵攻、ソ連のフィンランド侵攻、といった第二次世界大戦前夜が描かれている。

あらためて興味深かったのは、東北抗日連軍の楊靖宇が、間接的に登場することだ。

この小説では、歴史上の実在人物が直接登場することはなく、登場人物(フィクション)たちの眼や口を通して描かれている。
船戸与一流の小説作法だ。

主人公のひとりである敷島三郎(関東軍憲兵大尉)が楊靖宇討伐に加わるのだが、二人が出会うことはないまま、楊靖宇は日本軍と満州国軍の討伐隊によって殺される。

楊靖宇の最期については、ずっと前に読んだ澤地久枝 『もうひとつの満洲』 にも描かれていた。(過去記事参照)
なかなか魅力的な人物だ。
船戸さんのこの小説でも、その最期の様子が(登場人物の眼を通して)細かく描かれている。

【過去記事】
2009年3月9日
【読】読了 『もうひとつの満州』(澤地久枝): やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-84a8.html

【参考サイト】

楊靖宇(ようせいう)とは - コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E6%A5%8A%E9%9D%96%E5%AE%87-404837

楊靖宇
http://china-redtour.com/hito/youseiu.html
 (中国近現代史の旅 日本人のための中国歴史観光ガイド
 http://china-redtour.com/index.html  より)

鉄の戦士―楊靖宇
http://japanese.cri.cn/81/2005/07/19/1@45230.htm
 (China Radio Internationalより)

 <楊靖宇は、東北抗日連合軍の創設者であり指導者であった。本名は馬尚徳、1905年、河南省確山県に生まれる。学生時代は、反帝国主義愛国運動に積極的に参加。1926年、中国共産主義青年団に入団。1927年4月、確山の農民暴動において指導者として参与。同6月、中国共産党に入党。1931年「9・18」事変ののち、中共ハルビン市道外区委書記、市委書記、満州省委軍委代理書記を兼任。1932年秋、南満州に派遣され、中国工農紅軍第32軍南満遊撃隊を編成。政治委員となり、盤石紅を遊撃根拠地の中心とした。1939年、東南満地区における秋冬期反「討伐」作戦では、部隊を率いて濛江一帯転戦。最後はただ一人、5昼夜にわたって敵と渡り合った。
 彼は想像を絶するほどの持久力で、弾が尽きるまで戦い続け、1940年2月23日、吉林濛江三道庶?子にて壮絶な最期を遂げた。残忍な日本軍によって頭をかち割られ、腹も切り裂かれていた。彼の胃には枯れ草や木の皮、綿の実が入っているばかりで、食糧を口にしていなかったことが分かった。彼を讃え、1946年、東北民主連合軍通化支隊は「楊靖宇支隊」と改名。濛江県も「靖宇県」となった。>

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2015年2月18日 (水)

【読】船戸与一「満州国演義」を読み直そうか

もうすぐ最終巻(九巻目)がでる、船戸与一の歴史長編 『満州国演義』。

同時発売された一巻目、二巻目をはじめて読んだのは、今から八年近く前のこと。
その後、半年に一度ぐらいのペースで五巻目まで刊行されたものの、船戸さんが病気になり(肺癌と聞いている)、六巻目から八巻目までは年に一度出るか出ないかだった。

既刊8巻

『満州国演義 1 風の払暁』 2007/04/20発行 383ページ
  昭和3年~ 事変まで
『満州国演義 2 事変の夜』 2007/04/20発行 415ページ
  昭和5年~満州事変、上海事変
『満州国演義 3 群狼の舞』 2007/12/20発行 420ページ
  昭和7年~ 満州国建国
『満州国演義 4 炎の回廊』 2008/06/20発行 462ページ
  昭和9年~ 二・二六事件
『満州国演義 5 灰塵の暦』 2009/01/30発行 470ページ
  昭和11年~ 南京大虐殺
『満州国演義 6 大地の牙』 2011/04/28発行 428ページ
  昭和13年~ 大戦前夜
『満州国演義 7 雷の波濤』 2012/06/22発行 478ページ
  昭和15年~ 太平洋戦争開戦
『満州国演義 8 南冥の雫』 2013/12/20発行 430ページ
  昭和17年~

つい最近、産経新聞記事で、あらためて物議をかもした「南京事件」(日本軍による南京虐殺)を、船戸さんがどのように描いていたのかも、忘れてしまった。

【参考】 産経ニュース より
【歴史戦第9部 南京攻略戦 兵士たちの証言(1)】「城内空っぽ。誰もいなかった」「虐殺あるはずない…」(1/7ページ) - 産経ニュース
http://www.sankei.com/premium/news/150215/prm1502150031-n1.html

そこで、この際、最初から読み直してみようという無謀な試みに挑戦。

一巻目は、これまで二度か三度読み直しているので、描かれている情景の記憶がうっすらとあるのだが……。
どうせなら最初から完結卷まで通して読んでみようと思う。

まもなく入手できるだろう最終刊が、これ。

船戸与一 『残夢の骸 満州国演義9』
 新潮社 2015/2/20発行予定 476ページ 2,200円(税別)

満州帝国が消えて70年――日本人が描いた“理想の国家”がよみがえる! 今こそ必読の満州全史。
権力、金銭、そして理想。かつて満州には、男たちの欲望のすべてがあった――。事変の夜から十四年が経ち、ついに大日本帝国はポツダム宣言を受諾する。己の無力さに打ちのめされながらも、それぞれの道を貫こうとあがく敷島兄弟の行く末は……敗戦後の満州を描くシリーズ最終巻。中毒読者続出の人気大河ロマン、堂々完結。

【出版社のサイト】 新潮社 より

船戸与一『風の払暁―満州国演義1―』|新潮社
 http://www.shinchosha.co.jp/book/462302/
船戸与一『事変の夜―満州国演義2―』|新潮社
 http://www.shinchosha.co.jp/book/462303/
船戸与一『群狼の舞―満州国演義3―』|新潮社
 http://www.shinchosha.co.jp/book/462304/
船戸与一『炎の回廊―満州国演義4―』|新潮社
 http://www.shinchosha.co.jp/book/462305/
船戸与一『灰塵の暦―満州国演義5―』|新潮社
 http://www.shinchosha.co.jp/book/462306/
船戸与一『大地の牙―満州国演義6―』|新潮社
 http://www.shinchosha.co.jp/book/462307/
船戸与一『雷の波濤―満州国演義7―』|新潮社
 http://www.shinchosha.co.jp/book/462308/
船戸与一『南冥の雫―満州国演義8―』|新潮社
 http://www.shinchosha.co.jp/book/462309/
船戸与一『残夢の骸―満州国演義9―』|新潮社
 http://www.shinchosha.co.jp/book/462310/

ひさしぶりに、敷島三兄弟に会えるな。
さて、最終巻にたどりつくのは、いつの日か。

そういえば、八巻目は買ってからまだ読んでいなかった……。

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2015年2月 2日 (月)

【読】ついに完結 「満州国演義」

北風が冷たい冬晴れの一日。

午後、中央図書館で、所属する市内の団体の定例会議に出席。
明日も、別の団体の定例会議がある。

最近知ったことだが、楽しみな本が二冊、出版予定。
船戸与一さんの 『満州国演義』 9冊目がでて、ようやく完結する。

船戸与一 『残夢の骸 満州国演義9』
 新潮社 2015/2/20発行予定 480ページ 2,200円(税別)

― Amazonより ―
戦後70年の今、この男たちから目を逸らすな!敗戦してなお、己を貫こうとあがく敷島兄弟の行く末は――大人気シリーズ、堂々完結。

既刊8巻
『満州国演義 1 風の払暁』 2007/04/20発行 昭和3年~ 事変まで
『満州国演義 2 事変の夜』 2007/04/20発行 昭和5年~ 満州事変、上海事変
『満州国演義 3 群狼の舞』 2007/12/20発行 昭和7年~ 満州国建国
『満州国演義 4 炎の回廊』 2008/06/20発行 昭和9年~ 二・二六事件
『満州国演義 5 灰塵の暦』 2009/01/30発行 昭和11年~ 南京大虐殺
『満州国演義 6 大地の牙』 2011/04/28発行 昭和13年~ 大戦前夜
『満州国演義 7 雷の波濤』 2012/06/22発行 昭和15年~ 太平洋戦争開戦
『満州国演義 8 南冥の雫』 2013/12/20発行 昭和17年~

足かけ8年、船戸さん渾身の大長編。
そういえば、8巻目をまだ読んでいなかった。
7巻目までを読んだのは、ずいぶん前のことなので、内容はあらかた忘れてしまった。
最終巻の巻末には、参考文献がずらりと並ぶことだろう。

もう一冊は、内田樹さんの本。

内田樹・白井聡 『日本戦後史論』
 徳間書店 2015/2/18発行予定 1,400円(税別)

― e-honサイトより ―
知のカリスマ・内田樹氏と、ベストセラー「永続敗戦論」の白井聡氏による大注目対談。戦後日本の実情と未来を語りつくす。

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refBook=978-4-19-863906-8&Rec_id=1010

Amazonにはまだ掲載されていないようだ。
私は、すでにe-honで予約済み。
気鋭の二人の対談が楽しみだ。

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2013年3月 7日 (木)

【読】読了、船戸与一「満州国演義7 雷の波濤」

二週間かけて、ようやく読了。

船戸与一 『満州国演義7 雷の波濤』
 新潮社 2012/6/20発行
 477ページ 2,000円(税別)

広大なスケールの書き下ろし長編、7巻目。
ここでも「船戸節」はいっこうに衰えをみせない。
ひさしぶりに小説を読む悦びにひたった。

船戸与一の小説は、暴力、殺人、性描写が激しいため、誰にでもすすめるわけにはいかないが、「船戸史観」とでも呼びたいしっかりした歴史観を土台にしていて、読み応えがある。

『満州国演義』の一巻目、「風の払暁」は、昭和3年6月4日の張作霖爆殺にはじまる。

敷島家という架空の名家に生まれた四兄弟、敷島太郎、次郎、三郎、四郎。
長男は「満州」在住のエリート外交官。
次男は日本を捨てて満蒙の地で馬賊の長となり、放浪を続ける。
三男は優秀な陸軍憲兵として、やはり大陸で活躍する。
四男だけは国内で無政府主義に傾倒し、劇団に所属していたが、これも大陸に渡る。

この四人と、それをとり巻く奇怪な人間関係を軸に、日中戦争からアジア・太平洋戦争の泥沼に足を踏み入れていく日本の「あの戦争」の時代が描かれる。
実在の軍人、政治家、民間人も多数登場するが、それらは直接姿を見せず、小説の登場人物たちの口を借りて描かれている。
フィクションといえばフィクションだが、ベースは史実だ。
作者は、おそらく、膨大な史料をたんねんに調べているはず。
(最終巻に参考資料が一挙掲載されるという)

私の手もとには、「あの戦争」関係の本がたくさんあるが、さしあたって読んでみようと考えているものをあげておく(再読を含む)。
いずれも新書。

なかなか本も読めないが……。

   

『満州国演義』にかける船戸さんの意気込みは、下の書籍で。

Funado_manshuu_booklet_2

この書籍について書いた、四年ほど前の私のブログ記事も、ご参考まで。

2009年1月25日(日) 【読】船戸与一の流儀
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-02c1.html

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2012年6月10日 (日)

【読】待望の新刊 船戸与一『満州国演義7』

船戸さんの長編連作 『満州国演義』 7巻目が、ついに刊行される。
6巻目のでたのが昨年4月。
それから一年以上たっている。
健康状態が心配される船戸さんだが(ネット上での噂なので定かではない)、シリーズ完結を願う。
残りあと一巻だろうか。

船戸与一 『雷の波涛 ―満州国演義7―』
 新潮社 2012/6/22発行予定
 480ページ 2100円(税込)

<バルバロッサ作戦、始動――日本有史以来の難局を、いったい誰が乗り越えられるのか。昭和十六年。ナチス・ドイツによるソビエト連邦奇襲攻撃作戦が実施された。ドイツに呼応して日米開戦に踏み切るか、南進論を中断させて開戦を回避するか……重要な岐路に立つ皇国を見守る敷島四兄弟がさらなる混沌に巻き込まれていくなか、ついにマレー半島のコタバルに戦火が起きる。「マレー進攻」に至る軌跡を描く待望の最新刊!>
― Amazonより ―


 船戸与一|新潮社
  http://www.shinchosha.co.jp/writer/2721/

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2011年11月29日 (火)

【読】ひさしぶり、船戸与一

船戸与一さんの 『満州国演義6 大地の牙』 を、ようやく読み始めた。
今年の4月に刊行され、すぐ手に入れたものの、なかなか読むことができなかったのだ。

『満州国演義6 大地の牙』
 新潮社 2011/4/30発行
 425ページ 2000円(税別)

この長大な小説、一巻目と二巻目が刊行されたのが2007年4月、今から四年前だ。
その後、同年12月に三巻目、翌2008年6月に四巻目、そして五巻目が2009年1月に出版されている。
この六巻目の出版は、なんとそれから二年以上たっている。

船戸さんが闘病生活をしているというネット上での噂を目にしたのは、五巻目が出版された後だったと思う。
六巻目の出版にこぎつけるまでこれほど時間がかかったのは、病気のせいなのか、はたまた調査に時間がかかったのか、定かではない。
全部で八巻になる予定、という話もどこかで目にしたが、ぜひとも完結させてもらいたいと願う。

 船戸与一|新潮社
  http://www.shinchosha.co.jp/writer/2721/

関連書籍として、この長編を執筆する船戸さんの姿勢を示す本がある。
なかなか面白い本だった。
興味を持たれた方は、私のブログの過去記事をご覧いただきたい。

 【読】船戸与一の流儀 2009年1月25日 (日)
  http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-02c1.html

『「満州国演義」に見る中国大陸』
 (愛知大学東亜同文書院ブックレット 5)

Funado_manshuu_booklet

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