カテゴリー「小熊英二」の10件の記事

2013年10月25日 (金)

【読】村田エミコさんの版画

朝から霧雨、午後になって本降りに。
この時期に台風、というのもいやなものだ。

午前中、所属する団体の屋内作業に参加。
帰り道、図書館に寄ってリクエストしてあった絵本を受け取ってきた。

小熊英二さんの分厚い本は、昨夜、第3章(20ページ)だけ読んでみた。
 『<日本人>の境界――沖縄・アイヌ・台湾・朝鮮
  植民地支配から復帰運動まで』

 新曜社 1998/7/10発行
 778ページ 5,800円(税別)
第3章 「帝国の北門」の人びと―アイヌ教育と北海道旧土人保護法

201310250003

『せかいでいちばん大きなおいも』
 二宮由紀子・作 村田エミコ・絵
 佼成出版社 おはなしみーつけたシリーズ
 64ページ 1,200円(税別)

村田エミコさんの版画が好きなので、借りてきた。
村田さんは、塩山の「Bun Bun Bear」高橋(髙橋)文子さんや、勝沼の「つぐら舎」さんとも懇意にしているようだ。

先日、「つぐら舎」で版画展を見たばかり。
髙橋文子さんのご本 『お気楽 道楽 ていたらくのススメ』(文芸社)の表紙も、村田さんの版画だ。

2013年10月 3日 (木) 【遊】ひさしぶりに勝沼へ
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-3037.html

今日もおでかけ日和♪ ~まち案内&Cafeつぐら舎~
http://ameblo.jp/yamanekineko/

村田エミコ木版画集/MURATA Emiko woodblock
http://www.h4.dion.ne.jp/~w-mark/murata_emiko/

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2013年10月23日 (水)

【読】いつか読みたい本

とくに変わったこともなかった一日。
日々これ事もなし、か。

めっきり寒くなってきた。
台風27号の行方が気になる。

一週間前、市立図書館から借りた分厚い本。
返却期限までまだ一週間あるが、今回は読めそうもない。
魅力的な本なのだが、簡単に読み通せそうもない。
ざっと中味だけ確認。
いつか読み通してみたい。

小熊英二
 『<日本人>の境界――沖縄・アイヌ・台湾・朝鮮
  植民地支配から復帰運動まで』

 新曜社 1998/7/10発行
 778ページ 5,800円(税別)

1997年11月に提出した、著者の博士論文だという。
ドオリデムズカシイハズダ。
著者は、どこから読んでもらってもいいと書いているが……。

― e-honサイト情報に補足 ―
[要旨]
話題作『単一民族神話の起源』から三年。琉球処分より台湾・朝鮮統治をヘて沖縄復帰まで、近代日本の100年にわたる「植民地」政策の言説をつぶさに検証し、「日本人」の境界とその揺らぎを探究する。
[目次]
第1章 琉球処分―「日本人」への編入
第2章 沖縄教育と「日本人」化―同化教育の論理
第3章 「帝国の北門」の人びと―アイヌ教育と北海道旧土人保護法
第4章 台湾領有―同化教育をめぐる葛藤
第5章 総督府王国の誕生―台湾「六三法問題」と旧慣調査
第6章 韓国人たりし日本人―日韓併合と「新日本人」の戸籍
第7章 差別即平等―植民政策学と人種主義
第8章 「民権」と「一視同仁」―植民者と通婚問題
第9章 柳は翠、花は紅―日系移民問題と朝鮮統治論
第10章 内地延長主義―原敬と台湾
第11章 統治改革の挫折―朝鮮参政権問題
第12章 沖縄ナショナリズムの創造―伊波普猷と沖縄学
第13章 「異身同体」の夢―台湾自治議会設置請願運動
第14章 「朝鮮生れの日本人」―唯一の朝鮮人衆議院議員・朴春琴
第15章 オリエンタリズムの屈折―柳宗悦と沖縄言語論争
第16章 皇民化と「日本人」―総力戦体制と「民族」
第17章 最後の改革―敗戦直前の参政権付与
第18章 境界上の島々―「外国」になった沖縄
第19章 独立論から復帰論へ―敗戦直後の沖縄帰属論争
第20章 「祖国日本」の意味―1950年代の復帰運動
第21章 革新ナショナリズムの思想―戦後知識人の「日本人」像と沖縄
第22章 1960年の方言札―戦後沖縄教育と復帰運動
第23章 反復帰―1972年復帰と反復帰論
結論

目次を書き写すだけでもたいへんだったが、これを見ただけでも読んでみたくなる。
アイヌに関する記述が期待していたほど多くなかったのが残念だが、琉球・台湾・朝鮮についてかなりの分量を割いていて興味がわく。

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2013年10月17日 (木)

【読】図書館から借りてきた本

松浦武四郎を描いた伝記小説を読んだせいか、アイヌ民族のことを、あらためてもっと知りたくなった。

市立図書館の端末で、「アイヌ」というキーワードで検索してみると、たくさんの在庫がヒットした。
中央図書館にあった本を、6冊ほどまとめて借りてきた。

こんなに読めやしないのだが、興味ぶかいものばかり。
とくに、小熊英二さんの本は、800ページちかくあり、4センチ以上の厚みがある。

     

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2013年1月26日 (土)

【読】ジョン・ダワー 「敗北を抱きしめて」

晴れ、気温6度(午後4時)。
バスで立川まで。
自動車保険の更新手続き、その他。

バスの中で、きのう図書館から借りてきた本を読み始める。

ジョン・ダワー 著 (三浦陽一・高杉忠明 訳)
 『増補版 敗北を抱きしめて ―第二次大戦後の日本人― (上)』
 2004/1/30発行 岩波書店
 379ページ 2,600円(税別)

 EMBRACING DEFEAT
  Japan in the Wake of World War II
 by John W. Dower

 

予想どおり面白い。

象徴的な題名(邦題)にも惹かれたが、原題も同じだった(EMBRACING DEFEAT)。

初版は2001年刊。
すこし前に読んだ小熊英二氏の『<民主>と<愛国>』や、他の人の著作で、さかんに引用されていた本だったので、気になっていた。

→ 2012年10月26日 (金) 【読】1,000ページ近い大著に挑戦
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/1000-abf5.html


― Amazonサイトより ―

<敗戦後日本人の苦難の歩みを描いて、日本中に感動を巻き起こした名著の写真増補版。旧版の2.5倍以上に増補された貴重な写真は、著者みずからによって本文といっそう緊密に組み合わされ、敗北を抱きしめて立ち上がった民衆の類まれな経験を語り尽くす。ヴィジュアル史料と文字史料が織り成す陰影深い戦後史像の誕生。>

<一九四五年八月、焦土と化した日本に上陸した占領軍兵士がそこに見出したのは、驚くべきことに、敗者の卑屈や憎悪ではなく、平和な世界と改革への希望に満ちた民衆の姿であった…新たに増補された多数の図版と本文があいまって、占領下の複雑な可能性に満ちた空間をヴィジュアルに蘇らせる新版。>



― Wikipediaより ―

<ジョン・ダワー (John W. Dower, 1938年6月21日 - ) は、アメリカ合衆国の歴史学者。専攻は、日本近代史。妻は日本人。>

<Embracing Defeat(「敗北を抱きしめて」)では、終戦直後の日本にスポットを当て、政治家や高級官僚から文化人、数々の一般庶民にいたるまであらゆる層を対象として取りあげ、日本に民主主義が定着する過程を日米両者の視点に立って描き出した。 この作品はピュリツァー賞を受賞すると共に、日本でも岩波書店から「敗北を抱きしめて」の題で出版され、ベストセラーになった。>

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2012年10月30日 (火)

【読】さて、肩のこらない本を

小熊英二さんの大著 『<民主>と<愛国> 戦後日本のナショナリズムと公共性』(新曜社)を読了。

面白かったのだが、難しい本だったので、さすがに疲れた。
なにしろ、本文だけで800ページ、巻末注(これがけっこう面白い)が120ページ、人名索引8ページ(とりあげられている人名は400~500ぐらいか)というもの。

この本のなかで、小熊さんが何度か引用していた本が面白そうだったので、図書館(隣市の東村山図書館)から借りてきて読み始めている。
東大和の図書館には置いていなかった。
Amazonでも、現在入手不能。
こういうとき、図書館はありがたい。

山本 明 『戦後風俗史』
 
 大阪書籍 1986年発行 278ページ

真面目な内容だが、肩のこらない本。
たぶん、一、二日で読めそうだ。

<生々流転する日常風景のなかに、自分史を重ね合わせながら、風俗からみた戦後日本のもうひとつの“顔”を、生き生きと描き出した労作―。 > (Amazonより)

Sengo_huzokushi_2

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2012年10月26日 (金)

【読】1,000ページ近い大著に挑戦

本文829ページ、巻末の注121ページ、あとがきと人名索引16ページ、合計966ページの大著。
ムズカシイ本だ。
私の理解に余る記述が多いのだが、がんばって読んでいる。
途中でやめようかと何度思ったことか。
こうなると、「意地」である。

本文の半分位(第11章の途中)まで読んだところだ。
内容は、戦後思想史、社会運動史、といえばいいのか。
面白い。

小熊英二 『<民主>と<愛国> 戦後日本のナショナリズムと公共性』
 
 新曜社 2002年10月発行 6300円(税別)

とても自腹で買うような本ではないので、近くの図書館から借りてきた。

タイトルは、著者の問題意識をあらわしているのだろうが、私は、戦後思想・社会運動の学習のつもりで読んでいる。

第10章で竹内好を、第14章で吉本隆明を、それぞれ一章をついやして論じているのが、興味ぶかい。
竹内好という人のことを、私はほとんど知らなかったが(イメージは持っていた)、なかなかスケールの大きな魅力的な人だったようだ。

戦時中の文学者の戦争協力(積極的な戦争賛美から消極的な協力まで)についても、私は思いちがいをしていたようだ。
永井荷風が、1910年の大逆事件の後、政治と縁を絶ち、戦争協力に手を染めないで済んだ背景に、彼が豊富な資産を有していたことがあったと、いうことなどは、「目から鱗」だった。

なるほど、と感心することが多いが、巻末注の次の記述などもその一つ。

<……ただ強いていえば政治史研究においては、マッカーサーや吉田(茂:引用者注)といったアクターを、合理的存在として把握しすぎている傾向が感じられた。たとえばマッカーサーが、どのような国際情勢認識にもとづいて、何年ごろから再軍備論に転換したのかが、一つの焦点になっている。しかし人間は、状況認識にもとづいて政治行動を選択するという合理的存在では必ずしもなく、自分の主張や面子を正当化するために状況認識のほうを構築してしまう存在でもある。筆者はこうした社会学的な人間観にもとづき、護憲論と再軍備論は当初からマッカーサーなどの内部でアンビバレントな状態で共存していたものであり、本国との相克関係や面子などから、その時点ごとに自分に好都合な状況認識を構築していたという観点をとった。> (本書 p.894)


なお、気になる本書のカヴァー写真は、「1947年12月7日の行幸」(カール・マイダンス撮影)。

以下、Amazonサイトからコピー、加筆。
どういう本なのか、イメージがわくと思う。

今回は、太平洋戦争に敗れた日本人が、戦後いかに振舞い思想したかを、占領期から70年代の「ベ平連」までたどったものです。
戦争体験・戦死者の記憶の生ま生ましい時代から、日本人が「民主主義」「平和」「民族」「国家」などの概念をめぐってどのように思想し行動してきたか、そのねじれと変動の過程があざやかに描かれます。  登場するのは、丸山真男、大塚久雄から吉本隆明、竹内好、三島由紀夫、大江健三郎、江藤淳、さらに鶴見俊輔、小田実まで膨大な数にのぼります。現在、憲法改正、自衛隊の海外派兵、歴史教科書などの議論がさかんですが、まず本書を読んでからにしていただきたいものです。読後、ダワー『敗北を抱きしめて』をしのぐ感銘を覚えられこと間違いありません。


◆目次◆
序章
第一部

第1章 モラルの焦土――戦争と社会状況
セクショナリズムと無責任/軍需工場の実態/組織生活と統制経済/知識人たち/学徒兵の経験/「戦後」の始まり
第2章 総力戦と民主主義――丸山眞男・大塚久雄
「愛国」としての「民主主義/総動員の思想/「国民主義」の思想/「超国家主義」と「国民主義」/「近代的人間類型」の創出/「大衆」への嫌悪/屈辱の記憶
第3章 忠誠と反逆――敗戦直後の天皇論
「戦争責任」の追及/ある少年兵の天皇観/天皇退位論の台頭/共産党の「愛国」/「主体性」と天皇制/「武士道」と「天皇の解放」/天皇退位と憲法/退位論の終息
第4章 憲法愛国主義――第九条とナショナリズム
ナショナリズムとしての「平和」/歓迎された第9条/順応としての平和主義/共産党の反対論/「国際貢献」の問題
第5章 左翼の「民族」、保守の「個人」――共産党・保守系知識人
「悔恨」と共産党/共産党の愛国論/戦争と「リベラリスト」/オールド・リベラリストたち/「個人」を掲げる保守/「世代」の相違
第6章 「民族」と「市民」――「政治と文学」論争
「個人主義」の主張/戦争体験と「エゴイズム」/「近代」の再評価/共産党の「近代主義」批判/小林秀雄と福田恒存「市民」と「難民」
第二部
第7章 貧しさと「単一民族」―一九五〇年代のナショナリズム
経済格差とナショナリズム/「アジア」の再評価/反米ナショナリズム/共産党の民族主義/一九五五年の転換/「私」の変容/「愛する祖国」の意味
第8章 国民的歴史運動――石母田正・井上靖・網野善彦ほか
孤立からの脱出/戦後歴史学の出発/啓蒙から「民族」へ/民族主義の高潮/国民的歴史学運動/運動の終焉
第9章 戦後教育と「民族」――教育学者・日教組
戦後教育の出発/戦後左派の「新教育」批判/アジアへの視点/共通語普及と民族主義/「愛国心」の連続/停滞の訪れ
第10章 「血ぬられた民族主義」の記憶――竹内 好
「政治と文学」の関係/抵抗としての「十二月八日」/戦場の悪夢/二つの「近代」/「国民文学」の運命
第11章 「自主独立」と「非武装中立」――講和問題から55年体制まで
一九五〇年の転換/アメリカの圧力/ナショナリズムとしての非武装中立/アジアへの注目/国連加盟と賠償問題/「五五年体制」の確立
第12章 六〇年安保闘争――「戦後」の分岐点
桎梏としての「サンフランシスコ体制」/五月十九日の強行採決/戦争の記憶と「愛国」/新しい社会運動/「市民」の登場/「無私」の運動/闘争の終焉

第三部
第13章 大衆社会とナショナリズム――一九六〇年代と全共闘

高度経済成長と「大衆ナショナリズム」/戦争体験の風化/「平和と民主主義」への批判/新左翼の「民族主義」批判/全共闘運動の台頭/ベトナム反戦と加害
第14章 「公」の解体――吉本隆明
「戦中派」の心情/超越者と「家族」/「神」への憎悪/戦争責任の追及/「捩じれの構造」と「大衆」/安保闘争と戦死者/国家に抗する「家族」/「戦死」からの離脱
第15章 「屍臭」への憧憬――江藤 淳
「死」の世代/没落中産階級の少年/「死」と「生活者」/「屍臭」を放つ六〇年安保/アメリカでの「明治」発見/幻想の死者たち
第16章 死者の越境――鶴見俊輔・小田 実
慰安所員としての戦争体験/「根底」への志向/「あたらしい組織論」の発見/「難死」の思想/不定形の運動/他
結論



参考サイト
松岡正剛の千夜千冊『単一民族神話の起源』小熊英二
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0774.html


『増補版 敗北を抱きしめて』 (上・下) ジョン・ダワー
 岩波書店 2004年刊
一九四五年八月、焦土と化した日本に上陸した占領軍兵士がそこに見出したのは、驚くべきことに、敗者の卑屈や憎悪ではなく、平和な世界と改革への希望に満ちた民衆の姿であった…新たに増補された多数の図版と本文があいまって、占領下の複雑な可能性に満ちた空間をヴィジュアルに蘇らせる新版。 (Amazon)

 

【2012/10/29追記】
ようやく読了。タメになる本だった。

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2012年10月19日 (金)

【読】杉山龍丸「ふたつの悲しみ」

まず、今読んでいる本。
図書館から借りてきて読んでいる。
少年少女向けシリーズ「よりみちパン!セ」の一冊。

イースト・プレス
http://www.eastpress.co.jp/

小熊英二 『増補改訂 日本という国』
 
 イースト・プレス 2011/7/15発行
 200ページ 1200円(税別)

「日本という国」の歩みを、明治の開国期と第二次大戦後に絞って、こども向けに書いた本だが、大人が読んでも読み応えがあって面白い。

(目次)
第一部 明治の日本のはじまり
 
 第一章 なんで学校に行かなくちゃいけないの
 第二章 「侵略される国」から「侵略する国」へ
 第三章 学歴社会ができるまで
第二部 戦後日本の道のりと現代
 第四章 戦争がもたらした惨禍
 第五章 占領改革と憲法
 第六章 アメリカの<家来>になった日本
 第七章 これからの日本は

第四章に、感動的な小文が引用されていた。
杉山龍丸(夢野久作の長男)が、戦後、復員事務の仕事に就いていた頃の回想文だ。
読んで、涙がでそうになった。

<杉山はある日、小学校二年生の少女が、食糧難で病気になった祖父母の代理として、父親の消息を尋ねにきた場面に出会った経験を、こう書いている。> (本書 P.85-)

この後の原文引用は長いので、転載しようかどうか迷ったのだが、ネット検索で原文にぶつかった。

杉山龍丸 「ふたつの悲しみ」
声なき声のたより 43号(19671120日発行)より


興味深いサイトである。
ぜひ、下のリンク(二つ目の直接リンク)からご覧いただきたい。

谷底ライオン http://homepage2.nifty.com/tanizoko/index.html

上記サイトからのリンク
 > 声なき声のたより (ふたつの悲しみ含む)> ふたつの悲しみ

http://tanizokolion.fc2web.com/futatunokanasimi.html

ちなみに、「声なき声のたより」とは――
<「声なき声のたより」は、60年安保改定の強行採決に反対する形で誕生した、緩やかな提携から成る市民団体「声なき声の会」の会報です。>
――とある(上記サイトより)。

杉山龍丸という人物も(私は知らなかったが)、興味深い人ではある。
「ふたつの悲しみ」は、「声なき声のたより」に掲載されたものであることを知った。
よく知られている文章なのかもしれない。

小熊英二氏が紹介しているのは、この文章の後半部分だ。
「ふたつの悲しみ」(ふたつのエピソード)の二つ目。
小学二年生の、けなげな少女の話だ。

戦争がもたらす「悲しみ」は、こういう具体的なエピソードが、何よりも雄弁に物語っている。


【追記】 2012/10/19
小熊さんのこの本を一気に読み終えた。
私が認識不足だった戦後日本の歴史(対米、対アジア諸国)。ハッとする記述がたくさんあり、たいへん勉強になった。
著者が薦めている下の本も、図書館から借りて読んでみようかな。

小熊英二 『〈民主〉と〈愛国〉―戦後日本のナショナリズムと公共性』
 新曜社  (2002/11)

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2012年10月13日 (土)

【読】「東北再生」

昨年7月に出版された本。
わずか140ページほど、いつでも読めると思って、本棚で眠っていた。
赤坂憲雄さんが筆者の一人なので買ったものだが、小熊英二さんの本(社会を変えるには)を読んだ勢いで、一気に読了。

『「東北」再生―その土地をはじまりの場所へ』
 赤坂憲雄/小熊英二/山内明美 著
 イースト・プレス 2011/7/15発行
 141ページ 1000円(税別)

三人の鼎談と、山内明美、小熊英二両氏の小文(論考)から構成されている。
鼎談は、3・11直後の混乱期、昨年5月11日に一橋大学佐野書院でおこなわれたものがベースになっている。

山内明美さんの実家は、南三陸町で農家兼零細部品工場。
その実体験が胸を打った。

巻末、小熊英二さんの論考「近代日本を超える構想力」は、さすがに鋭いところをついていると思う。

わりとよく知られていることだが、赤坂憲雄さんは、政府の復興構想会議のメンバーに指名されていた。
本人も、なぜ選ばれたのかわからない、と言っているが……。

東日本大震災復興構想会議
http://www.cas.go.jp/jp/fukkou/

(同サイト内)
鎮魂と再生のために――復興構想会議2011,4,30 発表メモ 赤坂憲雄
http://www.cas.go.jp/jp/fukkou/pdf/kousou3/akasaka.pdf

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2012年10月12日 (金)

【読】「社会を変えるには」

とても面白い本を読んだ。
すこし前、東京新聞の日曜版書評欄で知り、書店で手にして読んでみようと購入したもの。

小熊英二 著 『社会を変えるには』
 
 講談社現代新書 2012/8/20発行
 517ページ 1300円(税別)

2センチもある分厚い本だが、構成がしっかりしていて、語り口が平易で読みやすかった。

<いま日本でおきていることは、どういうことか。
 社会を変えるというのは、どういうことなのか。
 歴史的、社会構造的、思想的に考え、社会運動の新しい可能性を探る論考。>
 (本書帯より)


昨年の3月11日、いわゆる3・11(東日本大震災)の後、この国は大きく変わろうとしている――誰もがそう感じていることだろう。

私たちは何をすればいいのか。
そんな漠然としたきもちを持ちながら、どうすればいいかわからない。
そういう人が多いのだろう(私もそうだ)。

発売以来、この本がずいぶん売れているらしいが、それもうなづける。

全7章からなる。

第1章 日本社会はいまどこにいるか
第2章 社会運動の変遷
第3章 戦後日本の社会運動
第4章 民主主義とは
第5章 近代自由民主主義とその限界
第6章 異なるあり方への思索
第7章 社会を変えるには


私は、著者のまえがきの言葉にしたがって、最初に第4章から第6章までを読み、それから第1章に戻って読んでみた。
この読み方が、私にとってはよかったのかもしれない。

<第4章から第6章は、そもそも民主主義とはなにか、代表を選ぶとはどういうことなのか、それがどう行き詰まっているのか、を考えます。第4章では古代ギリシャ思想、第5章では近代政治哲学、第6章では現代思想の、それぞれ一部ずつをあつかいます。……意外と読んでみればおもしろいと思います。>

<第4章から第6章までは、独立して読むこともできます。そもそも民主主義ってなんだ、ということに関心のある人は、そこからながめてもいいでしょう。>
 (本書 「はじめに」 より)


じっさいに、面白かった。
高校のときに倫理社会の授業で耳にした、アリストテレス、プラトン、ソクラテス、デカルト、ニュートン、等々といった思想家たちが考えていたことが、わかりやすく解説されていて、あらためて勉強になった。

人名索引がついていれば、もっとよかったのに。

第1章から第3章では、日本社会の現状と、そこに至るまでの戦後日本の社会運動の特徴が語られている。

最後の第7章で、現代の日本社会を変えたいと思っている人が、どういう行動(運動)をとればいいのだろうか、という指針が示されている。

著者がいうように、この本は「教科書」ではない。
社会を変えたい、このままではイヤだ、と思う人たち(私もそうだ)へのヒントがたくさん詰まっている本だ。

興味をもたれた方は、読んでみるといいと思う。
Amazonの書評なども参考になるだろう。

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2011年8月10日 (水)

【読】【震】赤坂憲雄×津島佑子 対談

東京新聞ばかりで恐縮だが。
昨日(8/9)の夕刊記事。

2011/8/9(火) 東京新聞 夕刊 5面
 「選択の夏 ポスト3.11を生きる」 <上>
  対談 赤坂憲雄(民俗学者)×津島佑子(作家)
 三回連続予定

20110809_tokyo_shibun_taidan

赤坂憲雄さんは東京生まれだが、長く「東北学」を提唱し、東北芸術工科大学東北文化研究センター所長を務めた人。
津島佑子さんは、よく知られているように、太宰治の次女である。
東京生まれだが、東北は彼女のルーツだ。

この対談で二人が率直にしゃべっている内容に、私は深く同意したのだった。
メディアがさかんに発する「言葉」は、信用がならない。

津島 東日本大震災では、地方の過疎化、高齢化問題など、先送りにしてきた多くの行きづまりがあぶり出されていますね。東北の人は我慢強い、などと繰り返しメディアで言われると、我慢を強いるニュアンスを感じさせられて不愉快になりました。

赤坂 「がんばろう東北」の呼びかけ、そして宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」が引き合いに出されたのも、嫌でしたよね。

津島 根性論なんですよ。サッカー選手がスポーツの文脈で「オールジャパン」と言ったのに、マスメディアがそれに乗ってしまったのかなと。日本はひとつ、じゃない。いろんな文化が混在することが日本の面白さなんです。もちろん、日本全体で支えようという気持ちはわかるんだけれど。


つい最近、一冊の本を手に入れた。
まだ読んでいないけれど。
(あいかわらず、気になる新刊書は買わずにいられない)

『「東北」再生』
 赤坂憲雄、小熊英二、山内明美
 イースト・プレス 2011/7/15発行
 141ページ 1000円(税別)

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