晴れておだやかな一日。
小平図書館友の会の人たちと、日野市立中央図書館と市政図書室の見学に行ってきた。
あらかじめ見学申し込みをしての、正式な見学。
館内写真も許可を得て撮影したが、ここには載せない。
■日野市立中央図書館
JR中央線豊田駅南口から徒歩5分ほど。
住宅街の中にある、ひっそりとした場所にあった。
鬼頭梓氏による設計の、壁面煉瓦、瀟洒な建物。
二階まで吹き抜けで、心憎い採光が考えられている。
中もゆったりとしていて、落ち着ける図書館だった。
撮影 2016/1/21(木)
開館時刻よりもだいぶん早く着いたので、ひとりで図書館の周囲をまわってみた。
館の裏側に中庭があり、その先は崖になっている。
崖下に下りる石段の下(上り口)に鳥居があり、中庭の隅にはちいさな社があった(八幡神社)。
つまり、ここは神社の境内だった。
図書館職員の話では、この土地は八幡神社の敷地だそうだ。
建設当時の写真を見せてもらったが、図書館の周囲は広々としていた。
その後、どんどん宅地化されていったようだ。
石段を下りて、崖下の道路から図書館の建物を仰ぐ。
建物の南面がガラス張りのため、鳥がぶつかってくることがあり、バードストライク防止のシールが、ガラス窓に貼られていた。
下の二枚は、館内から外を見た写真。
シルエットが美しかった。
崖下の東側が図書館の地階になっていて、ちょうど、出発準備中の移動図書館 「ひまわり号」 がとまっていた。
日野市立図書館の歴史は、この 「ひまわり号」 から始まった。
いまから50年も前、昭和40年(1965年)のことだ。
移動図書館から始まった日野の図書館創設時のことは、前川恒雄さんが書いた本に詳しい。
前川恒雄 『移動図書館ひまわり号』
筑摩書房 1988年
また、日野市立図書館のウェブ・サイトが充実していて、そこにも詳しく掲載されている。
日野市立図書館
https://www.lib.city.hino.lg.jp/
ところで、図書館裏の崖下には湧水が流れていた。
「東京の名湧水57選」 にも選ばれている。
東京の名湧水57選一覧|東京都環境局 水環境の保全
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/water/conservation/spring_water/tokyo/
10時半から、図書館の中を案内していただき、くまなく見学できた。
使われている書棚は、建物といっしょに作りつけにしたという、立派なもの。
なによりも、南側の窓に面した吹き抜けのブラウジング・スペースが、うらやましかった。
ひさしぶりに落ち着ける図書館に入った、というきもちになる。
館内の書架配列も工夫されている。
他館では書庫に収蔵していることが多い全集本も、ここでは書架のいちばん上に、わかりやすく(全集名を大きく掲示して)収蔵されていて、こんな全集まで、というものもあった。
二階、レファレンス室は出入り自由(手荷物持ち込みも制限なし)で、開放的な雰囲気。
収蔵資料も珍しいものが多く、感心した。
旧満州の大判地図や、防衛庁防衛研修所戦史室の「戦史叢書」などという珍しい資料には驚いた。
■日野市立図書館市政図書室(市役所内)
中央図書館で10時半から12時頃まで見学した後、豊田駅に戻り、中央線で立川方面へ一駅の日野駅へ。
駅前からバスに乗って、日野市役所に向かった。
市役所の食堂で、同行の皆さんといっしょに昼食。
この市役所庁舎も、煉瓦壁の、なかなかいい建物だった。
設計者はわからない。
この庁舎の一角に、一般利用可能な 「市政図書室」 がある。
午後は、ここを見学。
さして広くない図書室だが(140平米)、収蔵されている資料がすばらしい。
蔵書規模は4万冊ほど(日野市立図書館のサイトによる)。
近隣市町村のタウン誌が集められていたり、珍しい書籍もあった。
とりわけ、感心したのは、日野関連の新聞記事が、きれいにスクラップ帳にまとめられていたこと。
たいへんな手間仕事だろうと思う。
外部データベースが利用できるインターネット端末もあり、日野市内の他館よりも利用できるデータベースが多いそうだ。
この図書室は誰でも入館できて(市庁舎開館時間内)、しかも、貸し出し可能な資料も多いという、ありがたい存在。
市役所職員や議会関係者(議員など)もよく利用しているようだ。
また、市内他館の貸出・返却窓口にもなっていて、ここで他館の本を受け取ったり返却できる。
一般紙も置いてあり、ブラウジング・コーナーで新聞を読んでいる利用者もいた。
ここも、館内写真を撮らせていただいたが、掲載は自粛。
日野市立図書館サイト内
市政図書室(市役所内)
https://www.lib.city.hino.lg.jp/hnolib_doc200801/sisetu/sisei.htm
充実した図書館見学の一日だった。
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