【読】2023年8月に読んだ本(読書メーター)
2023年7月。
高野秀行さんの『イラク水滸伝』(自腹で購入)を読むのに時間がかかり、たくさん読めなかった。
8月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1825
ナイス数:106子どもお悩み相談会-作家7人の迷回答 (単行本)の感想
子ども相談室形式だが、実際の相談ではなく、面白みに欠ける。角田光代、高野秀行、三浦しをん、の三人の「回答」は、味わいがあって、良い。高野さんの「『ありがとう』と言わない民族は、世界的にはたいへん多い」との話。さすが、世界中を訪ね歩いている高野さんの言葉には説得力がある。子ども向けの本なので、さっと読めた。
読了日:08月02日 著者:角田 光代,高野 秀行,髙橋 秀実,津村 記久子,東 直子,町田 康,三浦 しをん
旅人の表現術 (集英社文庫)の感想
角幡唯介さんの集英社文庫4冊目。雑誌掲載記事、対談、他者の本の解説文などを集めた雑文集。沢木耕太郎との対談、三浦しをんとの対談が面白かった。あらためて思ったのだが、角幡唯介さんの文章は、けっこう理屈っぽい。けっして嫌いではなく、彼の本は、出るたびに読んでいて、好きな書き手なのだが。
読了日:08月07日 著者:角幡 唯介
イラク水滸伝の感想
分厚くて読み応えがあり、読み終えるまで予想外に時間がかかった。文化人類学者顔負けの、(謎の)イラク巨大湿地帯探検。高野さんらしいアプローチ。読んでいて肩が凝らない楽しさ。水滸伝になぞらえて「ジャーシム宋江」「マフディ盧俊義」「アヤド呉用」などと綽名を付けるあたりも、高野さんらしいウィット。木の舟「タラーデ」、目を瞠るばかりの美しい布「マーシュアラブ(アザール)」の発見は、高野さんならでは。いずれ英語版とアラビア語版を出したいという。すばらしい。図書館へのリクエストを待ちきれず自腹で購入。2200円は安い。
読了日:08月20日 著者:高野 秀行
アジア新聞屋台村 (集英社文庫)の感想
高野さんの著作の落穂拾い。タイトルが絶妙。多少フィクションが混じっているかもしれないが――登場人物はすべて仮名、著者の<自伝的>物語として読んで欲しいとの断り書きあり――高野さんがのめりこんだ奇妙な会社「エイジアン」での多国籍新聞編集の現場は、まさに「アジア新聞屋台村」。女性社長の劉さんを筆頭とする魅力的な人物たちと高野さんとのやりとりが生き生きと描かれている。どことなくクールな筆致、とっつきやすい文章が、いい。2005年-2006年雑誌連載。2006年単行本発行。2009年文庫化。高野さんの青春時代。
読了日:08月24日 著者:高野 秀行
極楽タイ暮らし―「微笑みの国」のとんでもないヒミツ (ワニ文庫)の感想
高野秀行本の落穂拾い二冊目。ずっと本棚に眠っていた。高野さんには膨大な著作があって、読むのが追いつかない。買っても読まないままの文庫本が、まだ何冊か。ひとつ前に読んだ『極楽タイ暮らし』にもチラッと出てきたこの本。タイ通を自任する高野さんならではの、タイの人々とその暮らし、考え方が生き生きと描かれた傑作。2000年刊。
読了日:08月28日 著者:高野 秀行
極楽アジア気まぐれ旅行 (ワニ文庫)の感想
これも高野秀行本の落穂拾い。姉妹作『極楽タイ暮らし』よりも、バラエティーに富んでいるぶん、面白かった。『アジア新聞屋台村』に描かれた多国籍新聞社(本書では「アジア屋台村新聞」と表記されている)の正体を知ることもできた。「ニューコム新聞社」といって、いまでも実在している。新聞以外にも多様な事業を営んでいるらしいところも、経営者(高野さんが紹介している台湾人女性)の姿が見えるようで興味深い(ウェブサイトを見ると、創業者のこの女性の名前はなかったが)。https://www.newcom.or.jp/
読了日:08月30日 著者:高野 秀行
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