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2024年5月27日 (月)

【読】日航123便墜落の謎

きっかけは、ある地域FMの番組で聞いた話だった。

「あの、日航123便墜落の真相は……こうだったらしい……」

パーソナリティをつとめる、私がよく知るTさんの話に出てきたのが「森永卓郎」の名前だった。
ネットで調べてみて、青山透子という人がたくさんの著作を出していることを知った。
今年4月のことだ。

以下、私が利用している「読書メータ」というサイトに残した、私の感想を転載しておく。
(読んだ順番ではなく、私の関心に沿った順序で)
「読書メータ」は、ひとつの投稿が255文字までという制限があるため、言いたいこと(感想)を書ききることが難しいのだが。

■5/2~5/27読了
森永卓郎 『書いてはいけない 日本経済墜落の真相』
三五館シンシャ (2024/3/20) 203ページ ※2024/5/2購入

<第3章『日航123便はなぜ墜落したのか」を読みたくて購入(図書館では予約待ちの行列だったので)。経済アナリストの森永氏の本題である「日本経済墜落の真相」については、正直、理解するのが難しかった。日航機の墜落原因については、青山透子氏と、この本で紹介されている小田周二氏の『永遠に許されざる者』の説に依るところが多い。「撃墜説」が、とんでもない「謀略説」とは思わない。日航が隠し続ける飛行記録(ボイスレコーダー、フライトレコーダー)の生データを公開すれば「撃墜説」の真偽が明白になるのに、と、あらためて思う。>

※図書館から借りようとしたら、たいへんな予約待ち行列だったので、自腹を切って購入。
経済アナリストの専門分野の本だったので、「日本経済墜落の原因」と著者が言う、経済分析部分は私にはよく理解できなかった。第3部が「日航123便はなぜ墜落したのか」という、私が興味を持ったテーマ。
この本を購入する前、(この本でも取り上げられている)青山透子さんの本を知り、図書館で探して読み始めた。
全部で5冊。他にも著作があるが、私にしては、よく続けて読んだと思う。

■4/19~4/23読了
青山透子
『日航123便墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る』
河出書房新社 (2017/7/20) 205ページ 【図書館本】

<単行本で読んだ。衝撃の内容。日航機123便の悲惨な事故は、いまでもはっきり記憶している。たしかに、遺体の惨状は航空燃料が燃えたことでは説明がつかないと、今になって思う。多くの目撃証言や事故現場の様相、墜落場所が確定できなかった(公表までに不自然に時間がかかった)謎、等々。綿密な状況証拠から、自衛隊と米軍がからんだ事故という仮説を実証しようとしている。この著者の他の本も読んでみたい。なかでも、昨年文庫化された『日航123便墜落 遺物は真相を語る』。これほどの重大事故の真相が真面目に追及されないのが不思議。 >

※このときは地元図書館の単行本を読んだが、のちに、隣接市の図書館に文庫版のあることを知り、借りてみた。
解説を森永卓郎氏が書いている。文庫は2020年6月20日初版。私は、この文庫版と次の『遺物は真相を語る』の二冊の文庫を、のちに購入した。

■4/23~4/30
青山透子
『日航123便墜落 遺物は真相を語る』
河出文庫 (2023/8/10) 227ページ 【図書館本】

<前著『墜落の新事実』に続いて読んだ。ほとんど報道されることもなく、私も全く疑っていなかった「事故原因」が、真相を隠すための方策だったことは、この本に記された証言、証拠から疑いないと思う。隠され続ける闇。事故ではなく事件の真相が明らかになることを願う。裁判の行方を追いたい。>

※この本で、著者の青山氏は、事故現場の遺留物(金属)の成分を調べて、飛行機燃料ケロシンからは検出されないはずの成分を見つける。火炎放射器に使われる、ガソリンとタールを混合したゲル状の燃料に含まれる成分だ。
事故直後、現場に捜索にかけつけた消防団員の証言として、「ガソリンとタールのような強い臭いがした」というものがある。青山氏の推論は、ちょっと信じがたいものだが、あてずっぽうではなく、すべてに”裏”をとっている(目撃者証言や専門家の意見も聞いてのうえでの推論)なので、信頼性が高いと思う。

■5/9~5/11読了
青山透子
『日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす』
河出書房新社 (2020/7/20) 229ページ 【図書館本】

<青山透子さんの「日航123便墜落」事件(筆者は、今や、事件と断定する)に関する本を、立て続けに読んでいる。事故調・日航・政府(当時の中曽根政権)が主張する(根拠が薄弱な)「圧力隔壁説」は、どう見ても整合性のないことがわかる。ただ、著者が想像する「機長共犯?説」(自衛隊出身の機長が自衛隊と打ち合わせのうえでミサイル試射に協力した)は、さすがに”トンデモ説”、”陰謀説”のきらいがあると思う。もう2冊、この著者の本が手元にあるので、読んでみたい。それにしても、これほど”闇”に葬られようとしている事件の不思議。>

※事故調査委員会(事故調)の報告書で結論付けられ、一般的に支持されている(あるいは信じ込まされている)事故原因は、墜落事故の7年前に起こした”しりもち事故”の後、後部圧力隔壁の修理の際の、ボーイング社の修理ミス。
その後の(接合部の)金属疲労によって、飛行中に圧力隔壁が破損。そこから噴き出した機内の高圧の空気が、垂直尾翼を破壊したことだという。
青山氏は、専門家の意見を収集、垂直尾翼を破壊するほどの噴出があったとは思えない、と言う。尾翼の構造は、それほど貧弱なものではなく、尾翼を破壊するほどの噴出(減圧)があったなら、機内の乗客や物が、機外に飛び出るほどの勢いだったはず。また、機内の乗客の鼓膜に異常が生じるほどの、気圧の急激な変化がなければ、おかしいと。
このあたりの推論は、科学的で説得力があると思う。

■5/13~5/16読了
青山透子
『日航123便 墜落の波紋 そして法廷へ』
河出書房新社 (2019/7/20) 205ページ 【図書館本】

<日航123便墜落事故を追う、この著者の4冊目に出版された本。「青山透子」がペンネームであり、本名は非公開ということを、この本で知った。もう一冊の『日航123便墜落事件 JAL裁判』(2022年)も、図書館から借りて手元にあるので読んでみようと思う。森永卓郎『書いてはいけない』(2024年3月)や、青山透子『日航123便 墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る』(河出文庫、2020年6月、解説:森永卓郎)など、40年近く前の日航機事故が注目を浴びているのだろうか。私は、ある地域FMの番組を聞いて知ったのだが。>

■5/17~5/24読了
青山透子
『日航123便墜落事件 JAL裁判』
河出書房新社 (2022/11/20)373ページ 【図書館本】

<日航123便墜落事故(著者は事件と言い切る)に関する、私が読んだ何冊目かの本。2021年6月から22年10月(判決)までの墜落事故被害者による日航を相手どった裁判(ボイスレコーダー、フライトレコーダーの開示請求訴訟)の詳細が書かれていて読むのはしんどかった。現行法に基づく開示請求には無理(限界)があるようだが、今後の控訴審の行方を追っていきたい。JALが所持しているボイスレコーダー、フライトレコーダーの内容を隠す(開示しない)理由は何もない。後ろめたいところがないのなら、開示して事故原因を明らかにすべき。>

※遺族を原告とする、日航を相手どった裁判の詳細な記録。地裁によって原告の訴えが認められない判決が出ている。
その後、知ったのだが、高裁でも敗訴。最高裁まで行っているようだ。

ここまでが、青山透子氏の著作。
これらを読む合間に、他の筆者による本も読んでみた。
いずれの著者も、基本的には「圧力隔壁説」には疑いを挟んでいない。
そこが、私には不思議なのだが、青山氏らの主張は、「とんでも説」「陰謀説」と、厳しい批判を浴びているのも事実。

ただ、日航が公開を拒絶し続けている「ボイスレコーダー」「フライトレコーダー」の生データは、なぜそこまで隠さなければいけないのか。生データに、何か、公開してはまずい内容があるのではないのか? という疑惑は、至極当然だ。

■5/4~5/5読了
藤田日出男 『隠された証言 日航123便墜落事故』
新潮文庫 (2006/8/1) 341ページ 【図書館本】

<日航123便墜落事故の真相を探る本を、また一冊読んだ。著者は事故当時、日航パイロットで航空事故調査も担当していたところから、事故直後に現場の御巣鷹山スケノ沢(生存者が発見された場所)に駆けつけている。事故現場の凄惨な様子の描写がすごい。事故原因については、青山透子氏などが唱える「ミサイル誤射説」を珍説・風説として一蹴するが、事故調査会の結論「圧力隔壁破壊」説には真っ向から異を唱え、その根拠をていねいに説明している。事故調の内部告発者から調査資料の提供を受けている。それが「隠された証言」というわけだ。>

■5/5~5/9読了
角田四郎 『疑惑 JAL123便墜落事故』
早稲田出版 (1993/12/28) 432ページ 【図書館本】

<1985年の日航123便事故から8年後に出版された本。著者は、私が先に読んだ『隠された証言』(新潮社)の著者でもある藤田日出男氏ら日航のパイロットからも話を聞いている。この本では、後部圧力隔壁破損による急減圧が事故の原因とする「事故調」報告を否定。ミサイル標的機説をあげている。さらに、破損・迷走していたジャンボ機がミサイルによって撃たれたのでは、という大胆な仮説まで。事故調や日航がボイスレコーダーの生の音声の公開を拒絶し続ける裏には、やはり、何かありそうだ。もう世間は忘れ去ろうとしているが、大事なことだ。>

■5/11~5/13読了
藤田日出男 『あの航空機事故はこうして起きた』
新潮選書 (2005/9/20) 207ページ 【図書館本】

<少し前に読んだ同じ著者(日航の元パイロット、2008年死去)の『隠された証言 日航123便墜落事故』新潮文庫に続いて2冊目。日航123便墜落事故の他、世界中で起きた7つの航空機事故について、専門家らしく詳しく、わかりやすく解説している。日航123便事故については、事故調の「後部圧力隔壁説」を真っ向から否定(もっともだ)。この本を読むと航空機事故の多さに驚くが、著者は「ミスはつきもの、その原因を探って再発を防ぐ努力がたいせつ」と力説する。日本の事故調査報告の酷さがわかり、もっと海外に学ばなければと痛感した。>

■5/24~5/26読了
堀越豊裕 『日航機123便墜落 最後の証言』
平凡社新書885 (2018/7/13) 326ページ 【図書館本】

<著者は共同通信社の米国特派員。米国駐在という地の利を生かして、日航123便墜落の米国関係者多数と、日本国内の関係者を取材した内容。著者は、あくまでも「圧力隔壁原因説」を支持するが、「撃墜説」をとる青山透子氏へもインタビューしていて、ほう、と思った。海底に眠っている事故機の残骸引き上げが不徹底だったことも指摘している。ただ、青山氏の「垂直尾翼を破壊するほど大きな減圧がなかった」との指摘には触れていない。なんとなく事故調や米国関係者が出している事故原因(修理ミス→圧力隔壁破損)を肯定している印象を受けた。>

最後に。
森永卓郎氏の『書いてはいけない』で紹介されていた、小田周二さん(123便の墜落で、ふたりのお子さんと親族を亡くしている)が書いた本が隣接市の図書館にあったので、借りてきて、これから読むところだ。

小田周二 『524人の命乞い 日航123便乗客乗員怪死の謎』
文芸社 (2017/8/12) 250ページ

青山透子氏と同様の主張を続けている方だ。
森永卓郎氏の本で引用されている
『永遠に許されざる者 日航123便ミサイル撃墜事件及び乗客殺戮隠蔽事件の全貌解明報告』
(文芸社、2021年)
も、隣接市の図書館にあったのだが、貸出中なので、後日、借りてみようと思う。

【追記】
事故調の報告書に、後日、「別冊」として追加された図表の中に「異常外力の着陸点」が記された図がある。
ネットで公開されているのを、私も見た。
青山透子氏の著作や、森永卓郎氏の『書いてはいけない』にも掲載されている図(下記リンク)だ。

https://www.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/download/62-2-JA8119-huroku.pdf

事故機の垂直尾翼の、ちょうど海底に沈んでしまって回収できていない破壊部分に、外部から何か強い力が加わった形跡を事故調も認めていて、青山氏らの「自衛隊の(おそらく)ミサイル標的機が尾翼に衝突したのでは?」という説を裏付ける。
海底から、ついに引き上げられなかった(引き上げなかった)事故機残骸の調査も必要だった。
引き上げなかったのは、金がかかり過ぎるというのが理由だが、諸外国に比べても、日本の事故調査の不徹底さ(不透明さ)がうかがえる。
このことは、私が読んだ上掲の(青山氏以外の)著者の何人かも指摘している。

(2024/5/27 記)

 

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2024年5月 1日 (水)

【読】2024年4月に読んだ本(読書メーター)

2024年4月、完全に読み終えたのは4冊だけ。

4月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1064
ナイス数:109

黒い海 船は突然、深海へ消えた黒い海 船は突然、深海へ消えた感想
”フォーク者・イサジ式”という名前で演奏活動をしている人のライブにゲストとして呼ばれていた詩人・齋藤貢さんの話で知った本。イサジ式の「冬のノオト(犬吠埼沖350km)」にも歌われている海難事故。2008年6月23日、犬吠埼の沖合350kmに碇泊中の漁船”第58寿和丸”が突然の衝撃後、あっという間に転覆、沈没。5800メートルの深海に沈んだ。17名の死者・行方不明者を出し生存者は3名のみ。原因は荒波によるものとされているが潜水艦の当て逃げの疑いが濃厚。著者は関係者や専門家への取材を丹念に続けた。いい本だ。
読了日:04月13日 著者:伊澤 理江

言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか (中公新書 2756)言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか (中公新書 2756)感想
敬愛する高野秀行さんが絶賛していることと、私が所属している図書館友の会の読書会で課題本になったことで読んでみた。私には、ややハードルが高く、読み終えるまで時間がかかった。終章にエッセンスがまとめられているが、そこに至るまでの著者たちの推論は、難解な専門用語もあって理解するのに苦労した。オノマトペ、”記号接地問題”をキーワードに、最終的に言語の本質とは何かという大問題に結論を出すという労作。具体例がたくさん出てきて面白かった(幼児のいい間違いの例とか)。もう一度ぐらい読み直せば、もっと理解が深まるのかも。
読了日:04月14日 著者:今井 むつみ,秋田 喜美

日航123便 墜落の新事実: 目撃証言から真相に迫る (河出文庫 あ 34-1)日航123便 墜落の新事実: 目撃証言から真相に迫る (河出文庫 あ 34-1)感想
単行本で読んだ。衝撃の内容。日航機123便の悲惨な事故は、いまでもはっきり記憶している。たしかに、遺体の惨状は航空燃料が燃えたことでは説明がつかないと、今になって思う。多くの目撃証言や事故現場の様相、墜落場所が確定できなかった(公表までに不自然に時間がかかった)謎、等々。綿密な状況証拠から、自衛隊と米軍がからんだ事故という仮説を実証しようとしている。この著者の他の本も読んでみたい。なかでも、昨年文庫化された『日航123便墜落 遺物は真相を語る』。これほどの重大事故の真相が真面目に追及されないのが不思議。
読了日:04月23日 著者:青山 透子

日航123便墜落 遺物は真相を語る (河出文庫)日航123便墜落 遺物は真相を語る (河出文庫)感想
前著『墜落の新事実』に続いて読んだ。ほとんど報道されることもなく、私も全く疑っていなかった「事故原因」が、真相を隠すための方策だったことは、この本に記された証言、証拠から疑いないと思う。隠され続ける闇。事故ではなく事件の真相が明らかになることを願う。裁判の行方を追いたい。
読了日:04月30日 著者:青山 透子

読書メーター

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2024年4月16日 (火)

【読】原武史『一日一考 日本の政治』

面白そうだったので購入、そのまま本棚に眠っていた新書。
読みやすそうだったので、読んでみることにした。

原武史 『一日一考 日本の政治』
 河出新書 (2021/6/20) 398ページ

https://amzn.to/4aMpFEe

―Amazonの紹介文―
<歴史の深い闇に埋もれた言葉は、私たちの日常を読み解く鍵になる。公表時に話題にされても忘れ去られた名言、無名の人たちが残していた言葉、一つの出来事に対して異なる見解を示す文章……一日ひとつ、366人の言葉と今の体制のつながりを通して、この国の政治とは何か、考える。>

新書としては分厚い本だが、
「うるう年の2月29日を含む1年366日の1月1日から12月31日まで、1日ごとに政治とは何かを考えるための文章や言葉を配置し、それぞれの文章や言葉に対する筆者の解説を加えたもの」(はじめに)
とあるように、1ページ1項目で読みやすそう。

ちなみに、1月1日の項では、阿満利麿(あま・としまろ/1939-/宗教学者)の文章がとりあげられている。
阿満利麿という人物は、知らなかった。
この阿満利麿の文章を引用したあと、筆者の原武史さんは、こう解説している。

<1946(昭和21)年元日、昭和天皇は詔書により自らを「現御神」とする「架空ナル」観念を否定し、いわゆる人間宣言を行った。だが阿満利麿は言う。大部分の国民は、天皇が「神」だろうが「人間」だろうが、依然として崇拝の対象にしている。それは自分たちの生に究極的な意味を与える存在を、日常生活と同じ時間と空間のなかに求めたいという願望があるからだ。この願望がある限り天皇制はなくならないどころか、天変地異などで自分たちの生が危険にさらされたときほどその崇拝は強まることになる。> (P.16)

天皇や皇室に詳しく、たくさんの論考がある原武史さんらしい、鋭い指摘だと思う。

この本に出てくる人物、私の知っている人は少ないが、あたらしい発見がありそうで、楽しみな本だ。

(2024/4/16 記)

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【読】泉ゆたか著『ユーカラおとめ』を読んだ

宇梶静江さんのトークイベントのことを書いたら、この本のことを思い出した。
3/18から3/20にかけて読んだ。
図書館本。

泉ゆたか 『ユーカラおとめ』
 講談社 (2024/1/29) 268ページ
https://amzn.to/3xx9hce

Photo_20240416155701

(書影はAmazonサイトより)

―出版社(講談社)のサイトから紹介文―
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000377108

「ユーカラを書き記すことは、私が生まれてきた使命なのだ」
絶滅の危機に瀕した口承文芸を詩情あふれる日本語に訳し、今も読み継がれる名著『アイヌ神謡集』。著者は19歳の女性だった。
民族の誇り。差別との戦い。ユーカラに賭ける情熱。短くも鮮烈な知里幸恵の生を描く、著者の新たな代表作!
「いつまでも寝込んでいるわけにもいきません。私には時間がないんです」
分厚く腫れた喉から流れ出した自分の言葉に、幸恵ははっとした。
私には時間がない。
そうなのか?
思わず胸に掌を当てた。満身創痍の身体の中心で、心臓は未来へ駆け出す足音のように勢いよくリズムを刻んでいた。
(本文より)

私は、以前から知里幸恵(正式な漢字は「幸惠」)への関心が深く、『アイヌ神謡集』にまつわる書籍や彼女を扱った評伝などを読み漁った時期がある。
この小説『ユーカラおとめ』も、フィクションながら、知里幸恵を描いたものなので興味深かった。

以下、私が所属している「図書館友の会」の会員向け交流紙(月刊)に寄稿した「おすすめの本」の文章を掲載しておく。
この交流紙は、紙媒体で友の会会員に配布される(一部の会員にはPDF版で配布)。
いわば非公開の文章なのだが、せっかく自分が書いたものなので、原文通りここにコピペしておこうと思う。
手抜きといえば手抜きだが。
※ブログ画面での読みやすさを考慮して、段落改行を変更。

『アイヌ神謡集』一冊を遺して、十九歳という若さで世を去ったアイヌの女性・知里幸恵(幸惠)。
1903(明治36)年6月生まれ~1922(大正11)年9月没。
『アイヌ神謡集』については、12年ほど前に交流紙で紹介したことがあります。
彼女をモデルにした映画「カムイのうた」も、今年1月から公開されているようです。
 https://kamuinouta.jp/
没後百年を過ぎても、ちょっとした知里幸恵ブームになっているのでしょう。
この小説は、東京の金田一京助宅に招かれて『アイヌ神謡集』を推敲し完成させながらも、発刊を待たずに急死した1922年5月から9月までのわずか4か月の、幸恵の軌跡(上京から死去まで)がリアルに描かれています。
作者はフィクションと断っていますが、金田一京助とその妻・静江、金田一の子息・春彦と妹の若葉、それに、金田一を“おじさま”と呼ぶ荒木百合子(旧姓・中條百合子、のちの宮本百合子)、金田一邸の女中・菊などが実名で登場します。
薄幸の乙女、というイメージを抱きがちなアイヌの女性の複雑な内面を、そこまで書くか、と驚かされるほど(これが小説家の想像力なのでしょう)赤裸々に描いていて、驚きました。
なかでも、金田一の細君(静江)は、奇矯な言動が多く、かなり迷惑な人物。
金田一との間にできた二人のこどもを幼くして亡くし、それが原因なのか、精神を病んでいたようです。
荒木百合子も、金持ちのお嬢さんらしい自分勝手な女性として描かれています。
幸恵の、このふたりに向ける眼差しは厳しく、彼女が心情を吐露するモノローグも辛辣。
読んでいてはらはらしました。
それでも、幸恵が亡くなる直前に静江が見せた優しさや、百合子の的確な金田一評と幸恵に見せる思いやりに、ほっとします。
アイヌ文化・ユーカラの理解者、紹介者とされている金田一京助ですが、その功罪を見直す必要もありそうです。
ずいぶん前に読んだのですが、藤本英夫(故人)が書いた評伝『銀のしずく降る降るまわりに 知里幸恵の生涯』(1991)
『知里幸恵 十七歳のウエペケレ』(2002年)(共に草風館)
『金田一京助』(1991年/新潮選書)なども、あらためて読み直してみようと思っています。
『100分de名著 知里幸恵・アイヌ神謡集』(2022年9月)もおすすめします。

(2024.4.16 記)

【参考】草風館のサイト
http://www.sofukan.co.jp/ より

『知里幸恵(ちり・ゆきえ)──十七歳のウエペケレ』 藤本英夫 著
http://www.sofukan.co.jp/books/128.html

『銀のしずく降る降るまわりに―知里幸恵の生涯』 藤本英夫 著
http://www.sofukan.co.jp/books/75.html

草風館からは、『アイヌ神謡集』に収録されている神謡(ユカㇻ)を、元々の姿(節をつけて謡われた形)で”復元”した音源のCDも出ている。
「アイヌ神謡集」をうたう うた:中本ムツ子/復元:片山龍峯
http://www.sofukan.co.jp/books/134.html
※片山龍峯さんの手になる『アイヌ神謡集』の解説書(アイヌ語読解)も、草風館から出ている。

また、岩波文庫の”赤版”(外国文学)のロングセラー『アイヌ神謡集』は、昨年、中川裕さんによる改訂新版が出ている。
知里幸惠 アイヌ神謡集 (岩波文庫 赤80-1) 文庫 – 2023/8/10
Amazon
https://amzn.to/3xKsyXK

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2024年4月 1日 (月)

【読】2024年3月に読んだ本(読書メーター)

2024年3月。
月末になって、まとまった読書ができなかった。
今、複数の本を並行して読んでいる。

■3/25~ 今井むつみ・秋田喜美
『言語の本質 ―ことばはどう生まれ、進化したか』
 中公新書 (2023/5/25) 277ページ
■3/27~ ベフルーズ・ブチャーニー/オミド・トフィギアン(英訳)/一谷智子・友永雄吾(監修・監訳)
『山よりほかに友はなしー―マヌス監獄を生きたあるクルド難民の物語』
 明石書店 (2024/2/29) 443ページ
■3/28~ 野呂邦暢/岡崎武志(編)
『夕暮の緑の光 野呂邦暢随筆選』(大人の本棚)
 みすず書房 (2010/5/7) 227ページ
■3/31~ 野呂邦暢 『野呂邦暢小説集成3 草のつるぎ』
 文遊社 (2014/5/1) 595ページ

3月の読書メーター

読んだ本の数:8
読んだページ数:1893
ナイス数:160

サバイバル登山家サバイバル登山家感想
再読。15年ほど前に読んだはずだが、内容の記憶はまったくない。著者が20代から30代の頃の山行記録。初々しさを感じる。「日高全山ソロサバイバル」(2003年8月2日~26日)の記録が圧巻。この頃はまだ、文明の利器(時計、ヘッドランプ、ラジオなど)を携帯。それでも常人には為し得ない、きわめてハードな山歩きだ。ほぼ無人の日高山系で出会った登山者から携帯電話を借りて自宅に電話したときの、奥さん(服部小雪さん)の反応がおかしい。開口一番「生きてたの……」と。そんな奥さんやお子さんたちにも、あとがきで感謝している。
読了日:03月05日 著者:服部 文祥

山旅犬のナツ山旅犬のナツ感想
2016年に服部家にもらわれてきて、”山旅犬”として文祥さんのサバイバル登山や狩猟の相棒となっている”ナツ”。つい最近、そのナツが失踪したというが、見つかったようだ(大ケガをしていたらしい)。カラー写真満載。文祥さんの文も、いい。いい顔してるな、ナツ。
読了日:03月06日 著者:服部 文祥

 

アイヌもやもや: 見えない化されている「わたしたち」と、そこにふれてはいけない気がしてしまう「わたしたち」の。アイヌもやもや: 見えない化されている「わたしたち」と、そこにふれてはいけない気がしてしまう「わたしたち」の。感想
書名にひかれて読んでみたが、横書きの本が、これほど読みにくいものだとは思わなかった。著者は樺太アイヌ・北海道アイヌ・和人(和民族という呼び方をしている)をルーツに持つ。1976年生まれと、まだ若いが、北海道大学アイヌ・先住民研究センターの教授。「アイヌ問題」と正面切って構えずに「アイヌもやもや」とした姿勢はよい。もう少し、著者自身の体験に基づく事例があると、もっとよかったと思う。巻末の参考文献が役立ちそうだ。
読了日:03月08日 著者:北原モコットゥナシ

ガザとは何か~パレスチナを知るための緊急講義ガザとは何か~パレスチナを知るための緊急講義感想
パレスチナの歴史的な背景、現状をあらためて知る。イスラエル建国の経緯についても、シオニズムが必ずしもユダヤ人の多数の支持を集めていたのではないという指摘に、ハッとした。今のパレスチナはイスラエルによる不当な占領、植民地主義的な侵略、というストレートな主張にも頷ける。「憎しみの連鎖」「暴力の連鎖」と捉える考え方は、他人事として判断停止することだと。巻末の参考文献なども読み、ファクトチェックしながら、これからも”正しい”理解を深めていきたい。2023年10月の講演録ということもあり、タイムリーな良書だと思う。
読了日:03月10日 著者:岡 真理

デヴィッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界デヴィッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界感想
さすが、ジャズをこよなく愛する村上春樹。まさに”ジャケ買い”の極致。デヴィッド・ストーン・マーティン(DSM)という、ジャケット・デザイナーの雰囲気のあるジャケットの絵と、アルバム内容の紹介(”ジャケ買い”なので、村上氏の評価は必ずしもいいとは限らないが)は、おおいに参考になる。ビリー・ホリデイと秋吉敏子のアルバム(ともにLP)などは、たまたま私も持っているので、それだけで嬉しくなった。膨大な美しいジャケット写真を見ていると、ネット販売サイトを探して、思わずポチっとしそうになる。あぶない、あぶない。
読了日:03月12日 著者:村上 春樹

もひとつ ま・く・ら (講談社文庫)もひとつ ま・く・ら (講談社文庫)感想
三年ほど前に読んだ『ま・く・ら』の続編。小三治師(十代目)は、私が前編を読んだ数か月後、2021年10月7日、惜しくも亡くなった。私より、ちょうど一回り上、1939年生まれ。もっともっと、あの独特の語り口の「まくら」を聞きたかった。私は生で聞いたことはなく、それも心残り。あとがきにあるように「厚い本だからと先を急がないで」「黙読でも、私(小三治師)がおしゃべりしてるのと同じ速度で」味わいながら読みたい本。
読了日:03月15日 著者:柳家 小三治

本は眺めたり触ったりが楽しい (ちくま文庫 あ-15-4)本は眺めたり触ったりが楽しい (ちくま文庫 あ-15-4)感想
どこで知ったのか覚えていないが(あるいは書店で見かけたのか)、書名に魅かれて買った。買う本の方が読む本(読める本)よりも多い私には「本の読み方は自由なんだよ」「眺めたり触ったりするだけでもいいんだよ」と言われているようで、うれしい。知的障がいのある子どもが、図書館で本を眺めているだけで楽しそうにしている、それを見た図書館司書が「本は読まなきゃダメ」とえらそうに言う。この司書に著者はフンガイする。あるいは「ダイジェスト版はうちの図書館に置かない」と言い切る、やはり図書館司書に対しても苦言を呈する。いいなあ。
読了日:03月16日 著者:青山 南

ユーカラおとめユーカラおとめ感想
1922年5月に上京、金田一京助宅で「アイヌ神謡集」を完成させた直後の9月18日、心臓麻痺で急逝するまでの知里幸恵を描いた小説。金田一の妻・静江と中條百合子(のちの宮本百合子)が意地悪気に、金田一京助がなんとも頼りなげに、描かれている。幸恵の内面のつぶやき、葛藤は、いかにも作者のたくましい想像力のたまもの。桐野夏生が「ナニカアル」で描いた林芙美子を思い出した。巻末に参考資料としてあげられている藤本英夫氏の著作を、ずっと前に読んだことがあり、知里幸恵に深い関心を持ってきた。藤本氏の本を読み直してみようかな。
読了日:03月20日 著者:泉 ゆたか

読書メーター

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2024年3月 5日 (火)

【読】服部文祥さんにはまる

今年2024年になってから、このブログへの投稿が途絶えていた。
(毎月読んだ本の記録:読書メーターだけは残してきた)

服部文祥さんの書いた物が好きで、ときどき読んでいるのだが、先月から、立て続けに読んでいる。
止まらなくなってしまった。
(日付は読んでいた期間)

2/18~2/19 服部文祥 『北海道犬旅サバイバル』
 みすず書房 (2023/9/11) 247ページ ※図書館本

2/21~2/22 服部文祥 『狩猟サバイバル』
 みすず書房 (2009/11/25) 267ページ

2/23~2/25 服部文祥 『ツンドラ・サバイバル』
 みすず書房 (2015/6/19) 273ページ ※図書館本

3/1~3/5 服部文祥 『サバイバル登山家』
 みすず書房 (2006/6/19) 257ページ ※初読2009/7/17

3/5~ 服部文祥 『山旅犬のナツ』
 河出書房新社 (2023/11/20) 95ページ ※図書館本

『サバイバル登山家』『狩猟サバイバル』 の二冊は、本棚に長く眠っていた。
『サバイバル登山家』(みすず書房から出ている一連の単行本の最初の本)は、以前、読んでいるはずだが、内容を覚えておらず、今回の再読が新鮮だった。
『狩猟サバイバル』は、たぶん読まないままだった”積読本”で、今回が初読。
その他の本は、図書館から借りて読んでいる。いずれも初読。

『北海道犬旅サバイバル』
https://amzn.to/3wpxoJs

昨年出ていたこの本が、今回のきっかけ。

狩猟犬「ナツ」とともに、宗谷岬から襟裳岬まで、晩秋の北海道南北分水嶺700kmをまる2か月かけて歩き通す山旅。
現金、クレジットカードも持たず(使える場所もないが)、背負っている食料は米と調味料だけ。
河原で野営し、おかずは鹿を撃って食いつなぐ。
(途中、無人小屋2か所に、事前に食料を”デポ”してあった)

自身が”サバイバル登山”と名付けた山旅スタイルの究極の姿だ。
場所によって狩猟や焚火の制限があるため、鉄砲で鹿を得るのも限られる。
しょっぱなから、通報されて森から退去、という事態も。

拾った荷物の中にあった100円玉の使い道に悩んだあげぐ、里の郵便局でハガキを買って、留守宅に便りを送ったり、ゴール近くの里では、謎のオッサンから”餞別”としてけっこうな額の現金をもらって混乱したり、と、下界の世間・人間との接触も面白い。

『ツンドラ・サバイバル』
https://amzn.to/3T6ForO

これは、9年ほど前に出版されていたことを知らなかった。
この本の後半は、テレビ取材のための”ツンドラ・サバイバル”。
巨大な隕石湖に生息する新種の魚を釣る魅力に抗しきれず、テレビ・クルーとロシア人の見張り役同行、ヘリや無限軌道車を使う旅を敢行。
偶然出会った現地チュクト族のミーシャという魅力的な猟師との共感が、ひしひしと伝わってきた。

『山旅犬のナツ』
https://amzn.to/3P7cGom

昨年11月に出たばかりの本。
今日から読み始めて、たぶんすぐに読み終えそう。
2016年に北海道の写真家から譲り受けて、服部文祥さんの狩猟の相棒として共に山旅を続けてきた”ナツ”とのことが、写真満載で紹介されている。
隣接市(東村山)の図書館にあったので、今日、借りてきた。

もう一冊。
2008年にちくま新書で出版された新書の増補版文庫。
購入して手元にあるので、そのうち読んでみよう。
(親本の新書は、2009年に読んでいる)

『増補 サバイバル!』 ちくま文庫 (2016/7/10) 318ページ
https://amzn.to/3P7A7h9

 

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2024年3月 1日 (金)

【読】2024年2月に読んだ本(読書メーター)

2月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:3388
ナイス数:160

古本大全 (ちくま文庫 お-34-11)古本大全 (ちくま文庫 お-34-11)感想
時間つぶしに立ち寄った書店で発見。私が好きなオカタケさんの新刊。これは買わずにいられない。同じちくま文庫の『古本でお散歩』『古本極楽ガイド』『古本生活読本』『古本病のかかり方』(いずれも、現在、品切れ)掲載の文章を集めて再構成し、さらに二章を加えて、これぞ古本尽くしの一冊。新書にしては分厚く425ページある。岡崎さんの軽妙な語り口で、古本好きにはたまらない。カヴァー写真は、岡崎さんのご自宅の地下書庫で本を開く著者。話には聞いていたが、どこかの古本屋かと思うほどの本の量。
読了日:02月07日 著者:岡崎 武志

短篇コレクションI (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集)短篇コレクションI (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集)感想
岡崎武志さんの『古本大全』にブローティガンが紹介されており、読んだことのなかったこの作家の作品を読んでみようと探してぶつかった本。目取真俊「面影と連れて」だけは既読作品。パレスチナ出身の作家ガッサーン・カナファーニーの作品「ラムレノ証言」は、今のパレスチナ/ガザの事態を彷彿させる。村上春樹訳のレイモンド・カーヴァー作品は、さすが。金達寿「朴達の裁判」(短編というには、やや長いが)が、いい。この一冊で、世界中には豊饒な小説の世界があることを知った。さすが、目利きの池澤夏樹さんらしい選書。
読了日:02月12日 著者:コルタサル他

隆明だもの隆明だもの感想
書名『隆明だもの』が秀逸。この書名に魅かれて読んでみたようなもの。長女・ハルノ宵子さんが、晶文社刊「吉本隆明全集」の月報に2014年3月から2023年5月まで連載した短い文章が、じつに味わい深い。一緒に暮した家族ならではの吉本隆明観は、あんがい本質をついているかも。「うちの家族は全員”スピリチュアル”な人々だった。…論理とスピリチュアルは、決して相反するものではない。まずインスピレーションありきで、そこに経験や修練によって得た知識の強固な裏打ちがあってこそ、父はあそこまでの仕事ができたのだと思っている。」
読了日:02月15日 著者:ハルノ宵子

人新世の「資本論」 (集英社新書)人新世の「資本論」 (集英社新書)感想
評判になったこの本を、なんとか読了。カバー裏に並んだ著名人たちの推薦コメントがスゴイ。第6章までは、外国の(カタカナの)学者の名前が頻出するのが鬱陶しく、途中で投げ出しそうになったが、著者の言いたいことは伝わってきた。最後のふたつの章(第7章、8章)になって、ようやく「脱成長」「脱資本主義」を目指す具体的な動きが紹介されていて、なにやら希望を感じた。岸本聡子という人を知ったのも収穫。また、手元にある本書著者の「100分で名著 カール・マルクス 資本論」や、吉本隆明「カール・マルクス」も読んでみようと思う。
読了日:02月15日 著者:斎藤 幸平

ゴールデン・マン (ハヤカワ文庫 SF テ 1-11 ディック傑作集 3)ゴールデン・マン (ハヤカワ文庫 SF テ 1-11 ディック傑作集 3)感想
SFファンではないが、池澤夏樹個人編集の世界文学全集(短編集)に「小さな黒い箱」が収録されていたので、この作家の短編集を読んでみた。1950~60年代の作品は、さすがに時代を感じさせる。惑星への移住は、いかにもSF的だが、小道具が今からみるとチャチい。テープとか紙のカードとか、今では過去の遺物になりかけているのだが、当時は、それに代わるものが想像できなかったのだろう。ただし、作者の発想は、さすが。不気味な印象が残る作品群。
読了日:02月19日 著者:フィリップ・K. ディック

北海道犬旅サバイバル北海道犬旅サバイバル感想
大好きな服部文祥さんの最新刊。50歳を迎え、これが「サバイバル登山」の集大成、あるいは引退セレモニー(体力的な限界から)と考えて敢行した北海道縦断の徒歩・犬旅。免許証も現金も持たず、鹿を狩りながら野宿で宗谷岬から襟裳岬まで歩き通す、二か月に及ぶ痛快な旅の記録。出発早々、コンパスを無くしたり(その後、出会った登山者から借りて事なきを得る)、唯一の筆記具のボールペンを無くしたりと(すぐに見つかった)、ハラハラさせる。最後に、通りかかったオッサンから数千円のカンパ(選別)をもらって何を買うか悩む姿が微笑ましい。
読了日:02月19日 著者:服部文祥

狩猟サバイバル狩猟サバイバル感想
著者40歳の頃の作品。どうやら読まないまま、本棚に眠っていたようだ。サバイバル登山から狩猟サバイバル登山へと、一歩を踏み出した頃の体験が、上質な文章で綴られている。後に狩猟犬として著者と行動を共にする愛犬ナツは、まだいない。主に鹿を鉄砲で撃つ狩猟を学び(小菅村の猟友会で猟を教わる)、従来の”サバイバル登山”に取り入れて、南アルプスの間ノ岳の冬季登頂を実現。殺生への想い、煩悶は、当然ありながらも、著者の生命観といったものが伝わってくる。
読了日:02月22日 著者:服部 文祥

ツンドラ・サバイバルツンドラ・サバイバル感想
服部文祥さんの本のなかでも、バツグンに面白い一冊だった。半分は国内の単独”サバイバル登山”。詳細なルート地図によってイメージがつかみやすい。大菩薩山嶺と南アルプスが、私にも多少の土地勘があるので身近に感じられた。転落事故もショッキングだ。後半は、テレビ取材のための”ツンドラ・サバイバル”。巨大な隕石湖に生息する新種の魚を釣る魅力に抗しきれず、テレビ・クルーとロシア人の見張り役同行、ヘリや無限軌道車を使う旅を敢行。偶然出会った現地チュクト族のミーシャという魅力的な猟師との共感が、ひしひしと伝わってくる。
読了日:02月25日 著者:服部 文祥

死刑すべからく廃すべし: 114人の死刑囚の記録を残した明治の教誨師・田中一雄死刑すべからく廃すべし: 114人の死刑囚の記録を残した明治の教誨師・田中一雄感想
新聞書評で知り、読んでみた。明治から大正期にかけて「教誨師」として活躍し、114人の死刑囚の記録を残した田中一雄という人物を執拗に追ったノンフィクション。謎に包まれた田中一雄の生涯にも興味をひかれたが、1910(明治43)年の大逆事件で、いわばでっち上げの罪で死刑宣告された24人(うち、幸徳秋水、菅野須賀子を含む12人が死刑執行、残り12人は恩赦により死刑を免れた)話は、興味深かった。死刑制度の是非は、私にはなんとも言えない(身内が殺されたら私は復讐したいと思うだろうから)。それでも考えさせられた。
読了日:02月26日 著者:田中 伸尚

教誨師 (講談社文庫)教誨師 (講談社文庫)感想
50年もの間、死刑執行に立ち会い続けた教誨師(浄土真宗僧侶)への聞き取りが(本人の死後に公開という約束で)みごとにまとめられている。教誨師・渡邊普相師は少年期に広島で被爆。その体験が教誨師という仕事に向かわせたようだ。たくさんの死刑囚との拘置所での面会、絞首刑執行への立ち会い時の生々しい様子は胸に迫る。死刑執行に携わる刑務官の苦悩も知った(かつては一人の刑務官が操作するレバーで行っていた)。渡邊氏の「死刑は人殺し」という言葉が重い。週刊誌記者時代の平岡正明氏の名や知人の名が出ていて驚いた。教誨≠教戒。
読了日:02月29日 著者:堀川 惠子

読書メーター

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2024年2月 1日 (木)

【読】2024年1月に読んだ本(読書メーター)

北方謙三『チンギス紀』全巻読了。

1月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:3016
ナイス数:129

チンギス紀 十 星芒チンギス紀 十 星芒感想
2023年の暮れから読み始めて、ようやく読了。年末年始は他の本を読んでいた。その間、能登半島の地震、羽田空港の航空機事故といった大きな出来事が発生、不穏な年始となった。この巻から巻頭の地図が大きく変わった。モンゴルの領域が一つになり、西の方は遠くカスピ海まで載っている。現在の中央アジアだ。チンギスが金国と縁を切って攻め入る。ジャムカの遺児マルガーシ、ホラムズ・シャー国の皇子ジャラールッディーンといった若者が活躍し始める。メルキト族のアインガもチンギスの許へ。物語はさらに広がりを見せて、この後が楽しみだ。
読了日:01月06日 著者:北方 謙三


チンギス紀 十一 黙示チンギス紀 十一 黙示感想
モンゴル軍と金国軍の本格的な戦いでチンギスの息子ジョチとトルイが将軍として活躍する。西域でも大きな動きが。南宋に逃れたタルグダイとラシャーン、その養子トーリオが、この後、どのように絡んでくるのか楽しみ。チンギスが、ついに梁山湖を訪ねる。大水滸伝三部作との(物語上での)繋がりが少しずつ明らかになっていくのが、たまらない。
読了日:01月07日 著者:北方 謙三

 

チンギス紀 十二 不羈チンギス紀 十二 不羈感想
西域が動きだす。ホラズム・シャー国の皇子ジャラールッディーンとマルガーシの動きが気になる。タルグダイがとうとう死んでしまったが、養子のトーリオが、物語に大きく絡んで来そうな予感。チンギスが50歳になり、今後は孫たちの世代が活躍するのか。予断を許さない展開に。
読了日:01月09日 著者:北方 謙三

 

チンギス紀 十三 陽炎チンギス紀 十三 陽炎感想
金軍の残党、完顔遠理のしぶとさに、テムゲが討たれて重傷を負うという、意外な展開が巻末に待っていた。テムゲの部下、好漢ボロクルが戦死。こうして一人ずつテムジンの配下が死んでいくのか。西域では、いよいよホラズム・シャー国との決戦が始まる。長い物語も佳境にはいってきた。残り4巻。楽しみだ。
読了日:01月14日 著者:北方 謙三

 

チンギス紀 十四 萬里チンギス紀 十四 萬里感想
西域での戦いの膠着状態が続いていて、地名・人名が飛び交い、何度も巻頭の地図と人名一覧を見るのがまどろっこしい。いっぽう、南方ではトーリオが小梁山・岳都にからんできて、岳飛伝との繋がりがいよいよもって強くなってきた。巻末、チンギス軍の好漢ムカリとマルガーシとの一騎打ちがこの巻の山場。チンギス軍の将軍たち(なかでもチンギスの係累)が消えていくのは、話の流れとしても、さびしい。残り3巻。
読了日:01月17日 著者:北方 謙三

 

チンギス紀 十五 子午チンギス紀 十五 子午感想
いよいよ終盤の山場。テンポよく戦の描写が続き、息つく暇もない。強敵ホラズム・シャー国軍との決着が、残り2巻でどのようになるのか。期待が高まる。この巻では、ボオルチュとテムルン(チンギスの妹)の息子ボロタイルの人物造形が際立っている。いいやつなのだ。チンギスの副官ソルタホーンの人柄にも魅かれる。ホラズムの”婆さん”(太后)トルケンと、カンクリ族の女隊長・華蓮も個性的で不気味だ。
読了日:01月20日 著者:北方 謙三

 

チンギス紀 十六 蒼氓チンギス紀 十六 蒼氓感想
ホラズムの大軍がモンゴル軍によって、ほぼ壊滅状態に。それにしても30万の大軍の戦場など、想像がつかない。大軍どうしの戦の様子はイメージが難しい。これは大水滸伝を通して感じてきたことだ。ボロルタイや、チンギスの宿敵マルガーシが率いる隊の動きは、読む者に迫ってくるのだが。この巻では、チンギスが危うくマルガーシの手にかかりそうになって、ハラハラした。矢で射殺さずに見逃されたジャラールッディーンの行く末は? 残り1巻。いよいよ大団円か。この物語の最後までチンギスは生き残るのか?
読了日:01月24日 著者:北方 謙三

チンギス紀 十七 天地チンギス紀 十七 天地感想
ついに通読完了。この最終巻には、哈敦(ハトン)の裏切り(反乱)という、思わぬ展開が用意されていた。そして、黒水城というあたらしい舞台。そこを拠点とする大軍との最終戦。マルガーシとの一騎打ち。相打ちに近いが、マルガーシは死に、チンギスも重傷を負って、ついに…。うまく終わらされたと、作者のたくらみに嵌った感がある。これで「水滸伝」に始まった大きな円環が閉じた。壮大なロマンだったが、史実上のチンギス・カンと、その後継者についても知りたくなった。
読了日:01月25日 著者:北方 謙三

 

イスラエル軍元兵士が語る非戦論 (集英社新書)イスラエル軍元兵士が語る非戦論 (集英社新書)感想
『国のために死ぬのはすばらしい?』に続けて読んだ、ダニーさんの新刊。非武装中立論、原発廃止を真っ向から主張し、講演などの実践を通して平和を訴え続ける姿勢には、頭が下がる。この本では、ナチスのユダヤ人迫害のことも詳しく書かれている。また、イスラエルの内部事情も、当事者ならではの詳しさで。「声をあげる」ことのたいせつさを、突きつけられた思い。
読了日:01月27日 著者:ダニー・ネフセタイ,永尾 俊彦

読書メーター
 

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2024年1月 1日 (月)

【読】2023年12月に読んだ本(読書メーター)

12月の読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:4168
ナイス数:175

チンギス紀 三 虹暈 (こううん)チンギス紀 三 虹暈 (こううん)感想
物語の舞台が大きく広がり、モンゴル族とその周辺から西域、さらに遠い南の地までのつながりが明かされてくる予感。たとえば、岳飛伝に登場する甘藷糖。なによりも「玄翁」という謎の人物が気になる。いずれ正体が明かされるのだろうが。狩りのシーン、戦闘シーン、食い物の話が、じつに生き生きしていて、これぞ北方ワールドという感じ。この巻は、ほぼ一日で一気に読んだ。
読了日:12月01日 著者:北方 謙三

チンギス紀 四 遠雷チンギス紀 四 遠雷感想
凄惨な戦いがあった。あっと驚く戦法がとられる、北方謙三らしい戦闘シーンだった。山中に鉄を作り出す拠点が作られるあたりは「岳飛伝」の南方の拠点を思い起こさせる。「狗眼」と呼ばれる隠密を生業とする一族が登場。「大水滸伝」の世界と似てきて、ますます面白くなってきた。だんだん読むペースが速くなってくる(笑)。
読了日:12月02日 著者:北方 謙三

 

チンギス紀 五 絶影チンギス紀 五 絶影感想
ついに、梁山泊との繋がりが明かされた。うすうす感じていた玄翁の正体。楊令から胡土児へと受け継がれた吹毛剣。それが、なんとテムジンの手に。思えば、第2巻にその伏線はあった。年老いた宣凱が、それでも生きていたとは! 史実にとらわれず、自由に構想を膨らませる北方謙三ならではの仕掛けだ。これぞ小説(物語)の醍醐味。「大水滸伝」三部作を読んでおいて、よかった。それにしても、まだ5巻目。残り12巻の展開に期待が高まる。
読了日:12月04日 著者:北方 謙三

チンギス紀 六 断金チンギス紀 六 断金感想
テムジンが統べる領域が戦によって拡大。その領域内部も充実し、交易にも手を出して、これはまるで梁山泊の再現のよう。周辺国、部族との軋轢が強まり、風雲急を告げる。次巻の展開に期待が高まる。
読了日:12月09日 著者:北方 謙三

 

チンギス紀 七 虎落チンギス紀 七 虎落感想
テムジン軍が負けるはずはないのだが、苦しい戦に勝利して、モンゴル族の領地をすべて手に入れる。それにしても、大水滸伝と同様に、大規模な戦闘シーンの騎馬隊の動きは、なかなかイメージできない。テムジンがやろうとしていることが、いよいよ梁山泊に重なってきた。全17巻の折り返し点が次巻かぁ。好漢ジャムカの末路が気になる。この先、どこかで登場するのだろうか。
読了日:12月12日 著者:北方 謙三

まんが パレスチナ問題 (講談社現代新書)まんが パレスチナ問題 (講談社現代新書)感想
2005年1月刊行。2001年の9.11までのパレスチナをめぐる中東の複雑な状況が、わかりやすく書かれている。歴史のおさらい、再確認、深掘りができたと思う。続編(2015年8月刊行)では、直近のパレスチナ、アラブの状況が書かれているようなので、続けて読んでみたい。
読了日:12月14日 著者:山井 教雄

 

続 まんが パレスチナ問題 「アラブの春」と「イスラム国」 (講談社現代新書)続 まんが パレスチナ問題 「アラブの春」と「イスラム国」 (講談社現代新書)感想
前作に続き、2005年から2015年までの中東・アフリカ・アラブ世界でのさまざまな動きが、わかりやすく書かれている。「アラブの春」がチュニジアに始まり、エジプト、リビア、シリアへと広がっていった様子や、ISが生まれた背景など、勉強になった。そして、パレスチナでは、2006年から2014年にかけてのイスラエルとパレスチナとの争いが、今年になってまた、激しさを増している。著者は漫画家のようだが、掲載されている漫画は挿絵的なもので、歴史的なポイントはしっかり押さえられていると思う。
読了日:12月16日 著者:山井 教雄

まるごとわかるびっくり!日本ふしぎ探検百科 2 遺跡・建造物のふしぎ探検まるごとわかるびっくり!日本ふしぎ探検百科 2 遺跡・建造物のふしぎ探検感想
図書館本。北海道から沖縄まで、日本全国の「ふしぎ」を「探検」する児童向け図鑑シリーズ全3巻の2巻目。1巻目:自然・風景。3巻目:動物・植物。この2巻目では、遺跡・建造物が集められている。江戸東京博物館の建築史家・米山勇さん監修と知って借りてみた。米山さんは、これまで一般向けの講座を何度も開催していて、おもに建築物に関するマニアックな話を興味深く聴講してきた。この本では、建築に限らず、建造物や遺跡が網羅されていて、興味深い。実際に訪ねてみたいものが多数あった。
読了日:12月18日 著者:米山勇

チンギス紀 八 杳冥チンギス紀 八 杳冥感想
全17巻の折り返し。ケレイト王国の主トオリル・カンと息子のセングムがテムジン軍へ反逆を企てるも失敗。逆に討ち取られて、テムジンの支配領土が拡がる。敗軍の将ジャムカ、領土を失って彷徨うタルグダイとラシャーンの行方が興味をそそる。梁山泊残党の子孫・候春も登場して、いよいよ物語のスケールが広がってきた。残り9巻が楽しみだ。
読了日:12月19日 著者:北方 謙三

チンギス紀 九 日輪チンギス紀 九 日輪感想
ついにテムジンがチンギス・カンを名乗る。モンゴル族の長たちが集まる大会議で正式に”カン”と認められるのだ。テムジンの敵だったメルクト族のトクトアが、タイチウト氏の長だったタルグダイとその妻ラシャーンを匿い、さらにジャンダラン氏の長ジャムカの息子マルガーシも匿うことになる。このあたりのつながりを見せる展開が憎い。梁山泊の残党だった宣凱が死に、息子の宣弘とテムジンとの繋がりが濃厚に。大水滸伝「岳飛伝」で描かれた世界との連続が明かされてきた。そして、巻末、とうとうジャムカとの決着が…。この巻末部分、感動的だ。
読了日:12月22日 著者:北方 謙三

マゼラン船団 世界一周500年目の真実: 大航海時代とアジアマゼラン船団 世界一周500年目の真実: 大航海時代とアジア感想
毎日新聞書評(2023/12/2)で池澤夏樹氏が絶賛しているのをみて、図書館本を読んでみた。スペイン、ポルトガルといったヨーロッパ列強からみた「大発見時代」を、”発見された”側からの「大航海時代」と呼び変えたのは、日本の増田義郎(当時、東大助教授)らだったことを知る(本書終章)。マゼラン船団の「世界一周」も、マゼランがフィリピンで客死した後、船長エルカーノが率いる少数の生き残りだった。欧米では今もって「大発見時代」が使われている、そんな風潮に異議を唱える筆者ならではの、目から鱗の知見が得られる良書。
読了日:12月28日 著者:大野 拓司

砂の器(上) (新潮文庫)砂の器(上) (新潮文庫)感想
2024年1月、趙博(パギやん)の一人芝居(声体文藝館)で、この小説を原作として演じる予定。その予習の意味で、図書館から借りて読んでみた。事前知識として、ハンセン病がこの小説の内容にからんでいると知り、がぜん興味がわいた。上巻397ページをいっきに読了。松本清張の作品には馴染みがなかったが、さすがに物語の展開が上手い。犯人捜しというよりも、犯罪の背景を追う展開に、下巻425ページ(本文)を読むのが楽しみだ。余談だが、私の好きな現代作家の桐野夏生さんが清張ファンらしい。
読了日:12月29日 著者:松本 清張

砂の器(下) (新潮文庫)砂の器(下) (新潮文庫)感想
図書館本を三日間で読み切った。松本清張作品をまともに読んだことがなかったのだが、さすがだ。この小説は1961年刊行。当時の国鉄の列車事情は私にも馴染み深いものがあり、懐かしい。この長編を読んでみようと思ったきっかけは、上巻の感想に書いた。来年1月に観る予定のパギやん(趙博さん)の一人芝居は、たぶん映画化された内容に基づくものだろう。映画(1974年・松竹・野村芳太郎監督)も未見だが、DVDかネットで観てみたくなった。松本清張の他の代表作も、今さらだが、読んでみようかと思う。
読了日:12月30日 著者:松本 清張

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2023年12月28日 (木)

【読】探し続けていた本

探し続けていた本を手に入れた。

船戸与一さんが、若い頃、早稲田大学探検部の一員としてアラスカ・エスキモーを調査したときのレポート。

『アラスカ・エスキモー』
早稲田大学ベーリング・アラスカ遠征隊
(佐藤政信・原田健司・小島臣平)
朝日新聞社 昭和43年(1968年)2月29日
定価 340円

※原田健司=船戸与一さんの本名

船戸さんは昭和19年(1944年)生まれだから、この本の刊行時は23歳か24歳だったはず。

「日本の古本屋」というサイトに、探している本として出しておいたところ、ようやくみつかった。
あきらめずに探すものだ。
うれしい。

20231228-105508 20231228-105535

20231228-105621

Wikipediaより
早稲田大学在学中は探検部(第三期生)に所属した。先輩には西木正明、後輩には高野秀行がいる。アラスカのエスキモーを訪問し、本名で共著『アラスカ・エスキモー』を刊行した。

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