カテゴリー「池澤夏樹」の87件の記事

2024年7月 1日 (月)

【読】2024年6月に読んだ本(読書メーター)

6月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2290
ナイス数:150

三省堂国語辞典から 消えたことば辞典三省堂国語辞典から 消えたことば辞典感想
「新明解国語辞典」(新解)は、よく知っていて、面白いなと思っていたが、その前身に「明解国語辞典」(明国)→「三省堂国語辞典」(三国)という歴史があったとは、知らなかった。「明国」「三国」という略称も、おかしい。いずれも編者の個性(編集方針)が色濃く出ている辞典。そこから消えたことばも、懐かしかったり、時代に密着したものだったり。言葉は時代とともに生きているものだと、あらためて痛感。面白い一冊だった。図書館本。
読了日:06月02日 著者:見坊 行徳,三省堂編修所

もっと悪い妻もっと悪い妻感想
一年ほど前に出た桐野さんの新刊。といっても、次の新刊がもうすぐ出るらしい。新古書店で見かけて、よほど買って読もうかと思ったが、ページ数の割には高かったので、図書館に予約。順番がまわってくるまで、ずいぶん時間がかかった。桐野さんらしく、日常生活に潜む不気味さを抉り出す、よく出来た短編集(雑誌連載)だったが、いまひとつ満足できなかったのは残念。やはり長編で力を発揮する作家なのかもしれない。図書館から借りてきて、あっという間に読み終えた。
読了日:06月02日 著者:桐野 夏生

墜落の夏―日航123便事故全記録 (新潮文庫)墜落の夏―日航123便事故全記録 (新潮文庫)感想
日航機123便墜落事故から1年後に書かれた本。ずいぶん前に読んだかもしれないが、憶えていない。あらためて? 読んでみた。まだ事故調査報告書が出されていない時期(報告書「案」は出ていた)。事故原因と言われていた圧力隔壁破損説に基いて書かれているものの、それが尾翼破壊につながったとされることには、疑問を呈している。520人の死者とその遺族の境遇を(毎日新聞記事1985/9/12を引きながら)詳述していたり、生存者・落合さんへの単独インタビュー、関係者からの聞き取りなど、取材の丁寧さが光る。
読了日:06月09日 著者:吉岡 忍

だからあれほど言ったのに (マガジンハウス新書)だからあれほど言ったのに (マガジンハウス新書)感想
タイトルにも魅かれて読んだ図書館本。内田樹が書いた本(文章)が好きだ。実際に会ったことも話を聞いたこともない人だけれど、”武芸者”らしい?率直な文章が好ましい。何よりも様々な気付きを与えてくれる。雑多な文章が集められた中では、子どもたちを「決して傷つけず『無垢な大人』に育て上げる」ことの大切さ、というテーマに共感。また、村上春樹の創作の秘密を解き明かす「村上春樹が描く『この世ならざるもの』」には思わず膝を打った。「日本国憲法は”空語”」「日本(政府)はアメリカの言いなり」などは、いつもの”内田節”。同感。
読了日:06月10日 著者:内田樹

一日一考 日本の政治 (河出新書)一日一考 日本の政治 (河出新書)感想
うるう年の2月29日を含む1年366日、1日ごとに「日本の政治」を考えるヒントになる短い文章(著名人や無名人)を挙げ、著者による短いコメントを付したもの。1日分が新書の1ページにまとめられているので、ときどき開いて読み続けた。6月18日(連合赤軍事件の公判、永田洋子の死刑判決の日)の項、桐野夏生『夜の谷を行く』から引用された部分。原武史さんと桐野夏生さんの対談を思い出した。天皇・皇室関係が多いのも、原武史さんらしい。引用された文章には、知らなかった人物も多く、刺激を受けた。
読了日:06月13日 著者:原武史

書くことの不純 (単行本)書くことの不純 (単行本)感想
今年1月に出た角幡さんの新刊。元新聞記者の角幡さんの文章は、論理的でしっかりしているのだが、私にはなかなか難しい内容だった。加藤典洋、三島由紀夫、開高健らの作品・文章を引きながら、行為と表現にまつわる彼自身の悩みを縷々、書き綴っている。三島由紀夫『金閣寺』を読み込んでいることに、驚いた。読書家なんだな。角幡さんの登山観・冒険観が出ている部分は興味ぶかく、なかでも「羽生と栗城」の章が面白かった。夢枕獏『神々の山嶺』は私の愛読書なので。
読了日:06月17日 著者:角幡 唯介

ノイエ・ハイマートノイエ・ハイマート感想
池澤さんのファンなので、この新刊を知って図書館から借りてきた。「短編と詩、引用などからなる雑多な構成」は意図的なもの。いかにも池澤さんらしい試みだ。”難民”をテーマに、フィクションでありながらリアリティーがあり、胸に迫る。なかでも、満州からの引揚者(これも難民)を描いた『艱難辛苦の十三個月』と、レバノンからの難民(密航者)を描いた『サン・パピエ』の2編がよかった。池澤さんのいい読者ではないが、過去の作品をあらためて読んでみようと思う。メルマガをまとめた『新世紀へようこそ』(正・続2冊)も読むつもり。
読了日:06月19日 著者:池澤 夏樹

オパールの炎 (単行本)オパールの炎 (単行本)感想
桐野夏生さんの新作。「中ピ連」(中絶禁止法に反対しピル解禁を要求する女性解放連合)の活動で、いっとき有名になった榎美沙子がモデル――ということを知らずに読み始めた。最後に明かされる”執筆者”(40歳のノンフィクションライター)が、主人公・塙玲衣子の関係者を取材して得られた証言を積み重ねて行く構成。桐野さんらしい凝った仕掛けだ。巻末の謝辞にある木内夏生氏は、どうやら榎美沙子の夫だった人物(ネット検索でどういう人物なのかわかる)。実名小説にしなかったのは、本人を含め関係者が存命だからか。面白い小説だった。
読了日:06月27日 著者:桐野 夏生

九十歳。何がめでたい九十歳。何がめでたい感想
上映中で評判になっている映画を、昨日観た。映画が面白かったので、原作を読んでみようと図書館から借りてきた。地元の図書館には6冊収蔵されているのだが、かろうじて1冊、貸し出されていないものがあった。佐藤愛子さんが書いた本は、たぶん初読。軽妙なエッセイ集。今日借りてきて、あっという間に読み終えた。8年前に週刊誌に連載されたものだが、90歳とは思えない元気な様子(今年、100歳を超えている!)。さわやかな読後感。この人の小説も読んでみようかなと思う。
読了日:06月30日 著者:佐藤愛子

読書メーター

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2023年5月12日 (金)

【読】池澤夏樹=個人編集 世界文学全集

今日、図書館の書架をなんとなく眺めていて、読んでみようと思い立ち、借りてきた本。

池澤夏樹個人編集=世界文学全集 Ⅰ-08
『アフリカの日々/ディネセン・やし酒飲み/チュツオーラ』
河出書房新社 (2008/6/20) 560ページ

これまで、池澤夏樹さんが書いた本をたくさん読んできたが、彼が編集した文学全集も、いい。

日本文学全集と世界文学全集が、河出書房新社から出版されている。

名作を網羅する文学全集の編集方針をあえて避けて、独自の視点で収録作品を選んでいるところが池澤さんらしい。
日本文学全集なら、古事記や源氏物語に代表される古典をベースに、ユニークな作家・作品群。
漱石・鴎外はあっても、太宰治などは、ハナから除外している。
中上健次や石牟礼道子、吉田健一、須賀敦子といった、どちらかというと地味な作家に、それぞれ一巻をあてたり、堀辰雄・福永武彦・中村真一郎を一巻に集めているところなど、憎いではないか。

池澤夏樹=個人編集 日本文学全集 全30巻|シリーズ|河出書房新社
https://www.kawade.co.jp/np/search_result.html?ser_id=87453

世界文学全集は、古典的な名作を避けて、現代の問題作品を網羅している。

池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第1集|シリーズ|河出書房新社
https://www.kawade.co.jp/np/search_result.html?ser_id=87400

池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第2集|シリーズ|河出書房新社
https://www.kawade.co.jp/np/search_result.html?ser_id=87401

池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集|シリーズ|河出書房新社
https://www.kawade.co.jp/np/search_result.html?ser_id=87402

装幀も洗練されている。
一冊ずつカバーが色分けされていて、カラフル。

なにしろ膨大な全集なので、私が所蔵しているのは三冊だけ。
(たぶん、本棚の奥に眠っているハズ)。

 

図書館から、たまに借りてきて読む程度だが、一生ものの全集。
「一生もの」というのは、死ぬまで読み続ける本がある「有難さ」ということだが。

内容はほとんど覚えていないものの、強烈な印象が残っているのが、これ。
ずいぶん前に、図書館から借りて読んだ。
(『アブサロム、アブサロム!』は、同じ訳を別の単行本で読んだ記憶が)

池澤さんは、全集を編む過程のハナシを、別の本で披露している。
これらも手元にある。
まだ、きちんと読んでいないけれど。

 

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2023年5月 1日 (月)

【読】池澤夏樹『また会う日まで』読了

池澤夏樹『また会う日まで』 感想

朝日新聞出版 2023年3月30日発行

723ページ 3,960円(税込)

池澤夏樹の新刊小説。朝日新聞朝刊に2020年8月1日から2022年1月31日まで長期連載されていたので、ご存じの方も多いと思う。700ページを超す長大な小説。ためしに測ってみると、本文の厚さ4cm、重さ750グラム。読み応えあり。

題名の「また会う日まで」が讃美歌405番の一節であることを冒頭で知る。

主人公は池澤さんの大伯父(母方の祖母の兄)秋吉利雄(1892-1947)。彼が死を目前にして自らの半生を語る形の物語。

秋吉利雄は、海軍兵学校、海軍大学校を経て東京帝国大学で天文学を学ぶ。海軍では南洋諸島のローソップ島で日食観測を成功させ、新聞で大きく報じられた。その後は海図を作製する「水路部」に終戦まで勤務(最後は海軍少将)。

彼は敬虔なクリスチャンでもあった。軍人としては特異な人物。クリスチャンとして戦争での殺戮を強く忌避し、戦争の終結を願いながら、いっぽうで軍人としての職務(実戦に加わらなかったが、それでも戦争遂行の一翼を担う)に悩み、信仰との折り合いをつけようとする。

しかし、彼は「科学の徒」であった。信仰と科学はなんら矛盾しないという強い信念を持っていた。科学者の眼で、米国にはとうてい勝てないことを早くから見越していた。

大正から昭和20年にかけて、この国が勝ち目のない戦争の泥沼にはまっていく様子が、(好戦的ではない)海軍軍人の眼を通して描かれ、日々悪化する戦況への危惧、戦争指導部への批判的心情が吐露される(ここには作者自身の思いも垣間見える)。

秋吉利雄の妹の長男で彼の甥にあたるのが作家の福永武彦(1918-1979)。つまり池澤夏樹の実父。この小説には福永武彦の生い立ち、結婚の経緯、さらに長男・夏樹の誕生(1945年7月7日、終戦の直前)なども描かれている。

伝記(史伝)小説風だが、作者の歴史観・文明観・戦争観がいたるところに顔を出す(池澤さんも大学の理系学部に進んだ科学の徒)。

池澤さんには『静かな大地』(2003年/朝日新聞社)という、自らの先祖(母方の曽祖父一族)をモデルにした長編小説がある。これも、かつて感銘を受けた一冊だ。

■池澤夏樹『静かな大地』

<明治初年、北海道の静内に入植した和人と、アイヌの人々の努力と敗退。日本の近代が捨てた価値観を複眼で見つめる、構想10年の歴史小説。> -Amazon より-

■もう一冊 池澤夏樹『科学する心』

(2019年/集英社インターナショナル)

科学の徒・池澤夏樹の面目躍如のエッセイ集。先ごろ出版された文庫版(2023年/角川ソフィア文庫)の解説は中村桂子さん。

<大学で物理学科に籍を置いたこともある著者は、これまでも折に触れ、自らの作品に科学的題材を織り込んできた。いわば「科学する心」とでも呼ぶべきものを持ち続けた作家が、最先端の人工知能から、進化論、永遠と無限、失われつつある日常の科学などを、「文学的まなざし」を保ちつつ考察する科学エッセイ。> -e-hon より-

 

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2023年4月25日 (火)

【読】池澤夏樹さんの新刊『また会う日まで』

池澤夏樹さんの新刊が出た。

700ページを超える大作で、値も張る(税込3600円)。
このところ本代が嵩んでいるので、本屋では眺めるだけ。
地元の図書館にリクエストしたところ、それほど待たずに借りられた。

池澤夏樹 『また会う日まで』
 朝日新聞出版 (2023/3/7) 728ページ

Amazonより

海軍軍人、天文学者、クリスチャンとして、明治から戦後までを生きた秋吉利雄。
この三つの資質はどのように混じり合い、競い合ったのか。著者の祖母の兄である大伯父を主人公にした伝記と日本の近代史を融合した超弩級の歴史小説。
『静かな大地』『ワカタケル』につづく史伝小説で、円熟した作家の新たな代表作が誕生した。朝日新聞大好評連載小説の書籍化。
(目次から)
終わりの思い 海軍兵学校へ 練習艦隊 第七戒 海から陸へ、星界へ 三つの光、一つの闇 チヨよ、チヨよ ローソップ島 ベターハーフ 潜水艦とスカーレット・オハラ 緒戦とその先 戦争の日常 立教高等女学校 笠岡へ 終戦/敗戦 希望と失意 主よ、みもとに コーダ

かつて『静かな大地』を読んで、深く感銘を受けた。
たしか、単行本で二度、その後、文庫版で再読した。

池澤さんの先祖を題材にして、「開拓」時代の北海道が舞台の小説。

このブログでも、「静かな大地」というカテゴリーを作って、あれこれ書いたほど、入れ込んだ作品だ。

 

静かな大地: やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/cat20103693/index.html

※池澤さんの『静かな大地』というタイトルは、花崎皋平(はなざき・こうへい)『静かな大地 松浦武四郎とアイヌ民族』に倣っている(花崎氏の許諾をえているはず)。私のブログ記事でも、花崎氏の本や松浦武四郎について、たくさん触れている。

【読】長い物語: やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2005/10/post_570d.html

この新作『また会う日まで』も、池澤さんの祖母の兄(大伯父)・秋山利雄が描かれているようだ。
まだ、はじめの70ページほどを読み始めたばかりなので、秋吉利雄という人の生涯を追うのは、これから。

池澤さんの文章が好きなので(『静かな大地』は、かなり凝った文体だったが)、この小説は楽しめそうだ。

ネタバレになりそうだが、新聞の書評を紹介しておこう。

今週の本棚:湯川豊・評 『また会う日まで』=池澤夏樹・著 | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20230318/ddm/015/070/008000c

池澤夏樹が3作目の歴史小説「また会う日まで」で描いた大伯父の3つの顔 現在と重なる日本の戦中史:東京新聞 TOKYO Web
https://www.tokyo-np.co.jp/article/242514

 

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2023年2月23日 (木)

【読】目取真俊『水滴』――パギやん一人芝居

今週土曜日、狛江のホールで、”パギやん” こと趙博(チョウ・バク)さんの一人芝居がある。

声体文藝館 水滴 (Facebookイベントページ)
https://www.facebook.com/events/1192902334674197

浪花の歌う巨人、パギやん一人芝居
徳正の足が突然膨れ出したは六月の半ば、空海雨の暑い日差しを避けて、奥座敷の簡易ベットで昼寝をしているときだった。……
原作:目取真俊
脚本・演出・演戯:趙博
オープニング・アクト:高山正樹、隈本吉成
2023年2月25日(土)18:30開場 19:00開演
木戸銭 弐千円
主催:M.A.P.
ご予約・お問合せ
03-3489-2246(M.A.P.)

パギやんについては、名前だけは知っていて、いつかその舞台・ライブを観たいと思い続けてきた。

昨年12月21日、恵比寿の「シアター・アルファ東京」という小劇場で、パギやんが出演する芝居を初めて観る機会があった。

新宿梁山泊 第73回公演
「奇妙な果実~マルコムXと金嬉老~」
 作:趙博 演出:金守珍

じつに刺激的で、音楽あり、歌ありのスケールの大きな芝居だった。
ビリー・ホリデイの「奇妙な果実」、マルコムX、そして金嬉老。
金嬉老役の演技に打たれ、パギやんの演奏・歌、マルコムXの演説・・・。
今もまだ、芝居で受けた感動がよみがえる。

この日の日記ブログ記事
2022年12月21日(水): やまおじさんの日記
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/nikki/2022/12/post-d53964.html

さて、今週土曜日2/25の芝居。
原作の目取真俊『水滴』は、7年前に図書館から借りて読んでいる。
ブログ記事を探してみたところ、2016年年末の記事があった。
髙橋美香さんに出会ったのも、この年だったことを、あらためて思い出した。

【読】2016年総集編 今年読んだ本: やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/2016-0049.html

図書館から、目取真俊の本を借りてきた。
『水滴』は、今日休館の中央図書館にあるため、明日、受け取る。

 

この作家の小説群は、7年前にまとめて読んだのだが、その鮮烈な印象は、今も残っている。
土曜日のパギやんの一人芝居が楽しみだ。

【補足】 2023/2/25追記
目取真『水滴』が1997年上半期 第117回芥川賞を受賞した際の、選考委員たちの選評が読めるネット記事がある。
池澤夏樹氏が強く推している。

芥川賞-選評の概要-第117回|芥川賞のすべて・のようなもの
https://prizesworld.com/akutagawa/senpyo/senpyo117.htm

ちなみに、選考委員たちの顔ぶれは、以下(上記サイトより)。
池澤夏樹さんも、まだ50代だったんだ。

選考委員
丸谷才一 男 71歳
日野啓三 男 68歳
黒井千次 男 65歳
田久保英夫 男 69歳
河野多恵子 女 71歳
宮本輝 男 50歳
池澤夏樹 男 52歳
古井由吉 男 59歳
石原慎太郎 男 64歳
三浦哲郎 男 66歳

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2021年12月27日 (月)

【読】2021年 ぼちぼちいこうか総集編(今年読んだ本)その1

今年読んだ本は、88冊。
年間100冊が目標なのだけれど、なかなか。

分野別に書いておきたい。
日付は読了日。

■小説類■

桐野夏生という作家(女性、私と同じ年の生まれ)が好き。
多作の人なので、読みたい小説は山ほど残っている。
『日没』『インドラネット』の近刊2冊は、自腹で購入(読了後、ブックオフに売ってしまったが)。
過去の文庫の中古本が、本棚にたくさんある。

■6/27 桐野夏生 『日没』 岩波書店 (2020/9/29) 329ページ
■ 6/29 桐野夏生 『OUT(上)』 講談社文庫 (2002/6/15) 446ページ
■ 6/30 桐野夏生 『OUT(下)』 講談社文庫 (2002/6/15) 340ページ
■ 7/1 桐野夏生 『東京島』 新潮社 (2008/5/25) 281ページ
■ 7/3 桐野夏生 『女神記』 角川書店 (2008/11/30) 251ページ
■ 7/6 桐野夏生 『インドラネット』 角川書店 (2021/5/28) 373ページ
■ 10/29 桐野夏生 『ナニカアル』 新潮文庫 (2012/11/1) 589ページ

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今年、がんばって読んだのが、五木さんの『親鸞』全巻と、『青春の門』全巻。
『親鸞』は、新聞連載当時の挿画集(山口晃)を図書館にリクエスト、収蔵してもらったのを借りて、小説と照らし合わせながら読んだ。
大河小説『青春の門』は、かつて、自立篇あたりで読むのをやめたもの。
第十部(いつ出るかわからないが)で完結するそうだ。
青春篇、自立篇からは想像できなかった展開だった。

■ 8/17 五木寛之 『親鸞(上)』 講談社文庫 (2011/10/14) 365ページ
■ 8/19 五木寛之 『親鸞(下)』 講談社文庫 (2011/10/14) 371ページ
■ 8/21 五木寛之 『親鸞 激動篇(上)』 講談社文庫 (2013/6/14) 340ページ
■ 8/23 五木寛之 『親鸞 激動篇(下)』 講談社文庫 (2013/6/14) 375ページ
■ 8/25 五木寛之 『親鸞 完結篇(上)』 講談社文庫 (2016/5/13) 380ページ
■ 8/26 五木寛之 『親鸞 完結篇(下)』 講談社文庫 (2016/5/13) 408ページ
■ 8/26 山口晃 『親鸞 全挿画集』 青幻社 (2019/2/11) 695ページ

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■ 8/30 五木寛之 『青春の門 第一部 筑豊篇』(改訂新版) 講談社文庫 (1989/12/15) 559ページ
■ 9/2 五木寛之 『青春の門 第二部 自立篇』(改訂新版) 講談社文庫 (1989/12/15) 553ページ
■ 9/4 五木寛之 『青春の門 第三部 放浪篇』(改訂新版) 講談社文庫 (1990/1/15) 479ページ
■ 9/6 五木寛之 『青春の門 第四部 堕落篇』(改訂新版) 講談社文庫 (1990/1/15) 549ページ
■ 9/9 五木寛之 『青春の門 第五部 望郷篇』(改訂新版) 講談社文庫 (1990/2/15) 583ページ
■ 9/10 五木寛之 『青春の門 第六部 再起篇』(改訂新版) 講談社文庫 (1990/5/15) 553ページ
■ 9/15 五木寛之 『青春の門 第七部 挑戦篇』 講談社文庫 (2011/3/15) 697ページ
■ 9/17 五木寛之 『青春の門 第八部 風雲篇』 講談社文庫 (2016/12/15) 442ページ
■ 9/20 五木寛之 『新青春の門 第九部 漂流篇』 講談社 (2019/9/26) 556ページ

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五木さんの初期作品を読み直したくなり、2冊読んでみた。
作品集1は、なぜか手元にあった。
デビュー直後の五木さんの小説には、勢いがあったと、あらためて思った。

■ 9/23 五木寛之 『五木寛之作品集1 蒼ざめた馬を見よ』 文藝春秋 (1972/10/5) 352ページ
 さらばモスクワ愚連隊/蒼ざめた馬を見よ/こがね虫たちの夜/艷歌/天使の墓場/デラシネの旗 (解説:川崎彰彦)

■ 9/25 五木寛之 『五木寛之作品集2 霧のカレリア』 文藝春秋 (1972/11/20) 351ページ
 GIブルース/霧のカレリア/夏の怖れ/白夜のオルフェ/ヴァイキングの祭り/夜の斧/望郷七月歌/聖者が街へやってきた/夜の世界 (解説:虫明亜呂無)

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町田康さんのこの2冊が、とても面白かった。
義経が現代の言葉で独白するという、奇想天外な発想。じつに新鮮。

■ 7/12 町田康 『ギケイキ 千年の流転』 河出文庫(解説:大塚ひかり) (2018/6/10) 395ページ
■ 7/18 町田康 『ギケイキ2 奈落への飛翔』 河出書房新社 (2018/7/20) 379ページ

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以下は小説ではないが、私の好きな著作者の本。
池澤夏樹さんのエッセイ集で知った、河田桟さん(与那国島で与那国馬と暮らす)の3冊がよかった。
これまでの通説をひっくり返す『土偶を読む』には、びっくりした。

■ 9/7 植田康夫 『白夜の旅人 五木寛之』 ブレーン (2012/1/10) 267ページ
■ 9/26 五木寛之 『作家のおしごと』 東京堂出版 (2019/1/30) 321ページ
■ 12/10 五木寛之 『回想のすすめ 豊潤な記憶の海へ』 中公新書ラクレ695 (2020/9/10) 200ページ

■ 3/25 池澤夏樹 『終わりと始まり2.0』 朝日新聞出版 (2018/4/30) 254ページ
■ 3/26 河田桟(文と絵) 『馬語手帳——ウマと話そう』 カディブックス (2012/1/15) 121ページ
■ 4/4 河田桟(文と絵) 『はしっこに、馬といる――ウマと話そうⅡ』 カディブックス (2015/3/20) 229ページ
■ 4/7 河田桟(文と絵) 『くらやみに、馬といる』 カディブックス (2019/10/20) 115ページ

■ 4/18 田中優子/石山貴美子(写真) 『鄙への想い 日本の原風景、そのなりたちと行く末』 清流出版 (2014/3/26) 245ページ
■ 6/22 竹倉史人 『土偶を読む 130年間解かれなかった縄文神話の謎』 晶文社 (2021/4/25) 347ページ

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(続く)

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2020年5月10日 (日)

【読】Book Cover Challenge 3冊目

Facebookに毎日投稿している、Book Cover Challengeの3冊目。
5月8日投稿。
池澤夏樹さんの『静かな大地』。

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船戸さんの『蝦夷地別件』が直球勝負だとしたら、池澤夏樹さんのこの小説は変化球勝負。
帯にあるように、明治期に内地から入植した和人とアイヌの人々との交わりが描かれていて、深い感銘を受けた愛読書。
池澤さんの先祖の物語でもある。文庫版も持っている。

タイトル「静かな大地」は、花崎皐平(はなざき・こうへい)さんの著書にちなんでいる。池澤さん自身が、ことわっている。
池澤さんについては、私のブログにもたくさん書いているので、ご興味のある向きは、暇つぶしに読んでいただけるとうれしい。
【読】もうひとつの「静かな大地」: やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2006/01/post_636f.html

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2019年12月28日 (土)

【読】今年も総集編(2019年・読書編 -1-)

今年の振り返りで、読書編。

毎年、年間100冊読破が目標なのだが、今年も完全に読んだのは70冊ばかり。
まあ、たくさん読めばいいというものでもないのだ、などと、これも毎年の言い訳。

これは面白かった、と、私が感じた本をあげておこうか。

◆小説・ノンフィクション◆
エンタメ系が多い。
面白い小説に出会えた年だった。

深緑野分 『ベルリンは晴れているか』 筑摩書房

第二次世界大戦末期のベルリン、ナチス・ドイツの崩壊直後が舞台の小説。
今年はじめに読んだので、内容はうろ覚え。
アマゾンの紹介文をあげておく。

<総統の自死、戦勝国による侵略、敗戦。何もかもが傷ついた街で少女と泥棒は何を見るのか。1945年7月。ナチス・ドイツが戦争に敗れ米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。ソ連と西側諸国が対立しつつある状況下で、ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が、ソ連領域で米国製の歯磨き粉に含まれた毒により不審な死を遂げる。米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、彼の甥に訃報を伝えるべく旅出つ。しかしなぜか陽気な泥棒を道連れにする羽目になり―ふたりはそれぞれの思惑を胸に、荒廃した街を歩きはじめる。最注目作家が放つ圧倒的スケールの歴史ミステリ。>

池澤夏樹 『砂浜に坐り込んだ船』 新潮社

池澤夏樹さんは、大好きな作家。
図書館の単行本で読んだ。
池澤さんの著作をまめに追いかけているわけでもないので、たまたま図書館でみつけて借りてきた。

これも、アマゾンの紹介文を。
(以下、アマゾンからの転載部分は<>で括った)

この短編集は、北海道が舞台なのが、うれしい。

<石狩湾で坐礁した、五千トンの貨物船。忽然と砂浜に現れた非日常的な巨体に魅せられ、夜、独り大型テレビでその姿を眺めていると、「彼」の声がした。友情と鎮魂を描く表題作と、県外の避難先から消えた被災者の静かな怒りを見つめる「苦麻の村」、津波がさらった形見の品を想像力のなかに探る「美しい祖母の聖書」ほか、悲しみを乗り越える人々を時に温かく時にマジカルに包み込む全9編。>

 

角幡唯介 『漂流』 新潮社
角幡唯介 『極夜行』 文藝春秋
角幡唯介 『極夜行前』 文藝春秋

これも私の好きな角幡唯介さんの本。
ひとつ目は小説風のノンフィクション。
宮古島の西隣、伊良部島の佐良浜の漁師が主人公。
ここには、昨年11月、小旅行してきたので、臨場感があった。

<奇跡の生還から8年。マグロ漁師を再び海に向かわせたものは何だったのか? 1994年冬、沖縄のマグロ漁師・本村実は、フィリピン人らと共に救命筏で37日間の漂流の後、「奇跡の生還」を遂げた。だが8年後、本村は再び出港し二度と戻らなかった。九死に一生を得たにもかかわらず、なぜ再び海に出たのか? 沖縄、グアム、フィリピンなどで関係者らの話を聞き、漁師の生き様を追った渾身の長編ノンフィクション。>

『極夜行』『極夜行前』の二作は、探検家 角幡さん自身の探検記。
何か月も太陽の光が射さない「極夜」を、犬ぞりで走破しようと悪戦苦闘する姿に感動。

<探検家の角幡唯介氏は、グリーンランド北西部にある地球最北のイヌイット村、シオラパルクに拠点を置き、極夜の中、グリーンランドとカナダの国境付近を四ヶ月かけて探検した。/角幡氏を極夜へと駆り立てたのは、イヌイットの言い伝えで「お前は太陽から来たのか。月から来たのか」と、今から二百年前、初めて部族以外の人間に出会ったイヌイットが発した言葉だという。この一言が角幡氏の心の琴線に触れた。「極夜の世界に行けば、真の闇を経験し、本物の太陽を見られるのではないか」 >

 

真藤順丈 『宝島』 講談社

第160回直木賞受賞作。
図書館では貸出待ち行列ができていたため、自腹で購入。
期待を裏切らず、血沸き肉躍る面白さ。
”本土復帰”を控えたアメリカ統治下の沖縄。
そこで「戦果アギャー」(戦果をあげる者)と呼ばれた、米軍基地からの略奪者たちが描かれ、沖縄の姿が真に迫ってくる。
上質のエンタメ小説。
沖縄の歴史を見直すとばぐちにもなる。

私にとっては、昨年読んだ馳星周『弥勒世』に匹敵する、今年読んだ最高傑作。

 

服部小雪 『はっとりさんちの狩猟な毎日』 河出書房新社
服部文祥 『百年前の山を旅する』 山と渓谷社

服部小雪さんは、服部文祥さん(冒険家というのか)の奥さま。
服部家の、世間とはちょっとズレている生活(狩猟とか、屠畜とか)がユーモラスに描かれている。
挿絵もいい。まるで絵本のような。
『百年前の山を旅する』は、だいぶん前に購入したまま読んでいなかった。
”サバイバル登山”を標榜している服部文祥さんの、ワイルドな登山記。
山好きな私には、たまらなかった。

 

葉真中顕(はまなか・あき) 『凍てつく太陽』 幻冬舎

図書館本。
この作家を読むのは初めて。
終戦間際の北海道(室蘭あたり)を舞台に、アイヌの青年(特高警察官)と同僚をめぐり、ミステリアスな展開。
結末のどんでん返しは、まさに、ネタバレ注意。
謎解きの面白さがあったが、タネを知ってしまったので、再読できない。
これも、私のおすすめ。

 

中島京子 『夢見る帝国図書館』 文藝春秋

今年の新刊。
たしか、新聞の書評で知って、読んでみようと思った。
図書館本。

「図書館が主人公の小説を書いてみるっていうのはどう?」
作家の〈わたし〉は年上の友人・喜和子さんにそう提案され、帝国図書館の歴史をひもとく小説を書き始める。もし、図書館に心があったなら――資金難に悩まされながら必至に蔵書を増やし守ろうとする司書たち(のちに永井荷風の父となる久一郎もその一人)の悪戦苦闘を、読書に通ってくる樋口一葉の可憐な佇まいを、友との決別の場に図書館を選んだ宮沢賢治の哀しみを、関東大震災を、避けがたく迫ってくる戦争の気配を、どう見守ってきたのか。/日本で最初の図書館をめぐるエピソードを綴るいっぽう、わたしは、敗戦直後に上野で子供時代を過ごし「図書館に住んでるみたいなもんだったんだから」と言う喜和子さんの人生に隠された秘密をたどってゆくことになる。・・・

しんみるする、意外な結末。

 

帚木蓬生(ははきぎ・ほうせい) 『三たびの海峡』 新潮文庫
帚木蓬生 『逃亡(上)(下)』 新潮文庫

この作家も、私は初めて。
(現代の人気作家に、あまり馴染みがなかったのだろう)

『三たびの海峡』は、三國連太郎主演の映画で有名らしい(私は観ていない)。
かなり前に出版された小説。
朝鮮半島からの徴用工(強制連行)が主人公。
九州の炭鉱で実際にあったことに、驚く。
知らなかったことが多すぎる。

 

Facebookにこの本のことを書いたところ、FB友達から教えてもらったのが『逃亡』という小説。
これも、戦後すぐ、中国からの引き揚げ、元憲兵の逃避行が描かれていて、重い内容だった。

1945年8月15日、日本敗戦。国内外の日本人全ての運命が大きく変わろうとしていた――。香港で諜報活動に従事していた憲兵隊の守田軍曹は、戦後次第に反日感情を増す香港に身の危険を感じ、離隊を決意する。本名も身分も隠し、憲兵狩りに怯えつつ、命からがらの帰国。しかし彼を待っていたのは「戦犯」の烙印だった……。「国家と個人」を問う日本人必読の2000枚。柴田錬三郎賞受賞。

 

馳星周 『蒼き山嶺』 光文社
馳星周 『美ら海、血の海』 集英社文庫
馳星周 『約束の地で』 集英社
馳星周 『神(カムイ)の涙』 実業之日本社

12月になって、馳星周さんの小説を立て続けに読んだ。
昨年読んだ『弥勒世(みるくゆー)』に圧倒されて、この作家に興味をもった。
ただ、作品のテーマ・味わいが多岐にわたっていて、食指が動かない作品も。

そのなかでも、扱っているテーマが、山岳、沖縄戦、アイヌといった作品を選んで読んだのだった。
(『約束の地』だけは、家族、家庭内暴力、痴呆などを扱った、現代的な重い内容だったが)

『蒼き山嶺』
北アルプスの白馬連山を舞台にした山岳小説。
それなりに面白かったが、主人公の超人的なパワー(雪山を人と荷物を背負って延々と歩く)は、ちょっと現実離れしていはしないか。
鼻白む感あり。

『美ら海、血の海』
沖縄戦で血のにじむ体験をした、鉄血勤王隊の少年が主人公。
沖縄戦の地獄の様相が鬼気迫る。
歴史を正しく認識するためにも、こういう小説が読まれるといいと思う。
沖縄戦についてはノンフィクションの記録も多いが、小説(フィクション)ならではの真実がある、というのが私の持論。

『約束の地で』
上に書いたとおり。
登場人物たちが連鎖する、5つの連作短編。
身に迫る。

『神(カムイ)の涙』
題名から連想されるように、北海道の道東地方が舞台。
アイヌの老人(木彫作家、元猟師)と孫娘、そこに、木彫りの弟子になりたいと訪ねてきた青年。
この三人の意外な関係、青年の過去が、だんだんと明かされてくる。
ストーリーにひねったところはない。
ストレートに胸に響く内容。

 

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2017年12月30日 (土)

【読】2017年に読んだ本

常日頃、読んだ本をPCのメモ帳に記録している。
そうしないと、いつ頃どんな本を読んだのか、すぐに忘れてしまうから。

今年(2017年)一年間に読んだ本は82冊。
毎年、100冊ぐらいは読みたいと思っていても、そうそうたくさん読めるものではない。
集中して読めば、もっとたくさん読めるのだけれど。

今年、印象に残った本をあげてみたい。

※読書メーターというSNSを利用して、感想などを書いています。
 よろしければ、ご覧ください。
https://bookmeter.com/users/466409/books/read

【木村友祐さんの本】

三年ほど前に読んだ『イサの氾濫』(白﨑映美さん主演の芝居「まつろわぬ民」のモチーフになった小説)。
この作者である木村友祐さんの本を何冊か読み、感銘を受けた。

『野良ビトたちの燃え上がる肖像』 新潮社 (2016)
『海猫ツリーハウス』 集英社 (2010)
『聖地Cs』 新潮社 (2014)

いずれも図書館から借りて読んだ。

  

今年、新刊がでたというので、さっそく図書館にリクエストした。

【長倉洋海さんの本】

たくさんの写真集や書籍を出版している長倉洋海さん。
今年は、図書館から借りてきたり、手持ちの本を、まとめて読んだ。

『私のフォト・ジャーナリズム ―戦争から人間へ』 平凡社新書 558 (2010)
『フォト・ジャーナリストの眼』 岩波新書 223 (1992)
『ワタネ・マン ―わたしの国アフガニスタン』 偕成社 (2002)
『北の島 グリーンランド』 偕成社 (2011)
『南の島 カピンガマランギ』 偕成社 (2011)
『アフガニスタン ぼくと山の学校』 かもがわ出版 (2014)
『アフガニスタン 敗れざる魂 ―マスードが命を賭けた国』 新潮社 (2002)
『若き獅子マスード アフガン1983-1988』 河出書房新社 (1989)
『地を這うように 長倉洋海全写真1980-95』 新潮社 (1996)
『獅子よ瞑れ アフガン1980-2002』 河出書房新社 (2002) 大判写真集
『子どもたちのアフガニスタン』 岩波ブックレット559 (2002)
『人間が好き アマゾン先住民からの伝言』 福音館書店 (1996)

 

【池澤夏樹さんの本】

池澤夏樹さんは、私が愛読する作家のひとり。
過去の作品を図書館から借りて読んだ。

『双頭の船』 新潮社 (2013)
『骨は珊瑚、眼は真珠』 文藝春秋 (1995)
『アトミック・ボックス』 毎日新聞社 (2014)
『キトラ・ボックス』 角川書店 (2017)

『アトミック・ボックス』と『キトラ・ボックス』の連作がよかった。

 

池澤さん個人編集の日本文学全集が面白そう。
これは近くの図書館で揃えてくれているので、いつか全巻読破に挑戦したい、なんて思っている。
一冊だけは自分で購入した。

『日本語のために』 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集 30) 河出書房新社 (2016)

【村上春樹さんの新作】

図書館では予約待ちで、いつになったら借りられるのかわからないため、ブックオフで古書を購入して読んだ。読みおえた本は、図書館に寄贈。

それなりに面白かったが、私は、彼の中編・短編のほうがいいと思う。

『騎士団長殺し 第一部 顕れるイデア編』 新潮社 (2017)
『騎士団長殺し 第二部 遷ろうメタファー編』 新潮社 (2017)

 

【岡崎武志さんの新刊】

出版記念イベントで、サインしていただいた。
この本で佐野洋子さんの面白さに目ざめ、何冊か佐野さんの本も読んだ。

『人生散歩術 ―こんなガンバラナイ生き方もある』 芸術新聞社 (2017)

【佐野洋子さんの本】

佐野洋子/西原理恵子/リリー・フランキー 『佐野洋子対談集 人生の基本』 講談社 (2011)
佐野洋子 『右の心臓』 小学館文庫 (2012)
佐野洋子 『シズコさん』 新潮社 (2008)
佐野洋子 『がんばりません』 新潮文庫 (1996)

 

【印象に残った新書】

小熊英二 『生きて帰ってきた男 ―ある日本兵の戦争と戦後』 岩波新書1549 (2015)
平岡昭利 『アホウドリを追った日本人 ―一攫千金の夢と南洋進出』 岩波新書1537 (2015)
金坂清則 『イザベラ・バードと日本の旅』 平凡社新書754 (2014)

  

【イザベラ・バードをめぐって】

イザベラ・バードの研究家・金坂清則さんのきれいな写真集。

この金坂さんが『完訳 日本奥地紀行』(全4巻)を翻訳している。
図書館から借りて読んでいるが、活字の小さいのが、つらい。
これは年越しになる。

イザベラ・バード/金坂清則(訳注) 『完訳 日本奥地紀行1 横浜―日光―会津―越後』 平凡社東洋文庫819 (2012)

目が悪くなる前に、これからも本を読み続けたい。
楽しみとして。

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2017年12月29日 (金)

【雑】2017年の思い出 (2)

今年2017年、一年の振り返りの二回目。

 

イベントや芝居、ライブなど、たくさん行ったな。

 

4/1(土)
吉祥寺の「キチム」というライブスペースで、宮里千里さんのイベントがあった。
池澤夏樹さんがゲスト出演というので、でかけた。
久高島のイザイホーの音源が紹介され(CDにもなっていて、会場で購入)、池澤さんとのトークショーもあった。

 

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4/9(日)
神保町の「楽屋」で、西川郷子さんのバンド「星ノ飛ブ夜」と、「山猫合奏団」(高山正樹さん他)のジョイントライブがあった。
この二組のバンド(ユニット)の共演は、聴きごたえがある。

 

「星ノ飛ブ夜」の三人(ボーカル、ギター、パーカッション)に、「山猫合奏団」のピアノとチェロが加わると、音に厚みができて、すばらしいハーモニーとなる。

 

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4/11(火)
国分寺の「クラスタ」で、浜田隆史さんのライブ。
はじめて浜田さんのステージを見ることができた。
浜田さんのCDを何枚か購入。
写真は撮らなかった。

 

浜田隆史/オタルナイ・レコードのホームページ
http://www.geocities.jp/otarunay/

 

4/16(金)~4/18(火)
旅行会社のツアーで、二泊三日の久米島旅行。
沖縄本島と石垣島、竹富島には行ったことがあるが、久米島は初めて。
同じホテルに二泊し、島内は観光バスでまわった。

 

詳しいことは、このブログにも書いた。ご覧いただけるとうれしい。

 

【遊】久米島紀行2017 (その1): やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2017/04/2017-1-90f6.html

 

【遊】久米島紀行2017 (その2): やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2017/04/2017-21-32ca.html

 

【遊】久米島紀行2017 (その3): やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2017/05/2017-3-5ed3.html

 

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5/3(水)
道志村へ移住した友人のイベントを見に、車ででかけた。

 

道志村移住支援センター
https://www.do-shift.com/

 

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5/6(土)
世田谷の「バールぽろん」という店で、西川郷子さんのバンド「星ノ飛ブ夜」のライブ。
こぢんまりしたバーのカウンターで、アンプラグド(マイクなし)の演奏を楽しんだ。

 

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5/7(日)
稲城の「城山体験学習館」へ。
写真家・高橋美香さんの写真展と、スライドトーク。

 

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高橋美香さんの著作。

 

 

 

5/13(土)・5/14(日)
恵比寿の「東京都写真美術館」へ。
写真家・長倉洋海さんの写真展と、トークイベント。

 

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5/13(土)・5/14(日)
同じ日の夜は、渋谷の「渋谷文化総合センター 大和田伝承ホール」で、二日間連続の山崎ハコさん「バースデイライブ」へ。
ハコさんも、今年還暦を迎えたが、ますますパワフルだ。

 

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5/20(土)
昼は、渋谷の「アップリンク」で高田渡さんのドキュメンタリー映画を観る。
夜は、高円寺の「コクテイル書房」という古本酒場で、岡崎武志さんのイベント「トリオ・ザ・ポエム」に参加。岡崎さんが出版した詩集の記念イベントだった。
私には珍しく、「コクテイル」の二階で開催された打ち上げにも参加。

 

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岡崎武志さんのブログ okatakeの日記
http://d.hatena.ne.jp/okatake/

 

6/3(土)
高円寺の劇場「座・高円寺」へ、白﨑映美さん主演の芝居「まつろわぬ民」(風煉ダンス)を見にいった。
三年前、仙川でこの芝居の初演を観た。今回は、内容も変わっての再演。

 

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風煉ダンス まつろわぬ民2017特設ページ
http://furen-dance.info/matu2017/matu_top.html

 

6/24(土)
狛江(喜多見)の「M.A.P.」へ、西川郷子さんと“イサジ式”(こういう芸名)さんのライブ「ニシカワ MEETS フォーク」を聴きに。
この二人の組み合わせは、はじめて聴いたが、味のある、いい音楽だった。

 

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