カテゴリー「船戸与一」の77件の記事

2016年2月17日 (水)

【読】難しい問題――『帝国の慰安婦』を読みおえて

図書館から借りてきて、苦労しながら読み終えた本。
どう書こうか、迷う内容だったが、読書記録として書いておこう。

例によって、どこで知り、なぜ読もうと思ったのか、不明。
新聞の書評で知ったのかもしれない。
気になる本だったのだろうが、まるで憶えていないことが、われながら怖い。

図書館にリクエストしたところ、購入してくれたのか貸出中だったのかも忘れたが、しばらく待たされ、ある日、到着メールが届いた。
私の後にも予約がはいっているので、早々に返却しよう。

朴裕河(パク・ユハ) 『帝国の慰安婦 植民地支配と記憶の闘い』
 朝日新聞出版 2014/11/30発行 324ページ 2,100円

― Amazonより ―
<性奴隷か売春婦か、強制連行か自発的か、異なるイメージで真っ向から対立する慰安婦問題は、解決の糸口が見えないままだ。/大日本帝国植民地の女性として帝国軍人を慰安し続けた高齢の元朝鮮人慰安婦たちのために、日韓はいまどうすべきか。/元慰安婦たちの証言を丹念に拾い、慰安婦問題で対立する両者の主張の矛盾を突くいっぽう、「帝国」下の女性という普遍的な論点を指摘する。/2013年夏に出版された韓国版はメディアや関連団体への厳しい提言が話題になった。/本書は著者(『和解のために』で大佛次郎論壇賞受賞)が日本語で書き下ろした渾身の日本版。>

― e-honサイトより ―
[目次]
第1部 慰安婦とは誰か―国家の身体管理、民間人の加担
 強制連行か、国民動員か
 「慰安所」にて―風化する記憶
 敗戦直後―朝鮮人慰安婦の帰還
第2部 「植民地」と朝鮮人慰安婦
 韓国の慰安婦理解
 記憶の闘い―韓国篇
  韓国支援団体の運動を考える
 韓国憲法裁判所の判決を読む
 “世界の考え”を考える
第3部 記憶の闘い―冷戦崩壊と慰安婦問題
 否定者を支える植民地認識
 九〇年代日本の謝罪と補償を考える
 ふたたび、日本政府に期待する
 支援者たちの可能性に向けて
第4部 帝国と冷戦を超えて
 慰安婦と国家
 新しいアジアのために―敗戦七〇年・解放七〇年

デリケートで複雑な問題だから、迂闊に、ああだこうだと書くことができない。
私には、確固とした意見もないし。

ただ、私が持っているイメージというか認識の根底に、船戸与一の長編小説 『満州国演義』 に描かれている旧満州国の情景がある。

人によってこれほど「記憶」が対立する問題――旧日本軍による“強制性”の有無が争点になっているのだろうが――については、自分の目でよくよく調べてみないといけない、と思う。

その一方で、あんがい、文学作品に描かれていることが、(フィクションとはいえ)事実に近いようにも思う。
船戸さんの小説を持ちだしたのも、そんなきもちからだ。


今回読んだこの本、著者(朴さん)の主張にはうなずける点もあったが、引用している参考文献などの信憑性が、私には判断できなかった。
とにかく引用が多く、読みにくかった。

巻末の「あとがき」がわかりやすく、著者の言いたいことがまとめられている。
変則的な読み方かもしれないが、「あとがき」を最初に読むといいのかもしれない。

巻末の参考文献一覧に、読んでみたいものがたくさんあり、役にたった。
図書館で探してみようと思う。

柄谷行人 『世界史の構造』 岩波書店 2010年
千田夏光 『“声なき女” 八万人の告発 従軍慰安婦』 双葉社 1973年
谷川美津枝 『青年将校と慰安婦』 みやま書房 1986年
長沢健一 『漢口慰安所』 図書出版社 1983年
古山高麗雄 『二十三の戦争短編小説』 文藝春秋 2001年
村松武司 『遥かなる故郷――ライと朝鮮の文学』 皓星社 1979年
森崎和江 『からゆきさん』 朝日新聞社 1976年
山崎朋子 『サンダカン八番娼館』 筑摩書房 1972年
吉行淳之介 編 『幻の女たち』 立風書房 1972年
『コレクション戦争と文学 7 日中戦争』 (田村泰次郎「蝗」) 集英社 2011年

最後の全集は全巻手元にあるのだが、まだ読めずにいる。

コレクション/戦争×文学||文学全集|BOOKNAVI|集英社
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/zen_list.cgi?siries_isbn=X78-4-08-157001-0&siries_kanren_isbn=&mode=2

             

ちなみに、「従軍慰安婦」ということばが使われ始めたのは、千田夏光の著作からだという。

https://kotobank.jp/word/%E5%BE%93%E8%BB%8D%E6%85%B0%E5%AE%89%E5%A9%A6-686270#E4.B8.96.E7.95.8C.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E4.BA.8B.E5.85.B8.20.E7.AC.AC.EF.BC.92.E7.89.88
世界大百科事典
<じゅうぐんいあんふ【従軍慰安婦】
 十五年戦争期に,戦地・占領地で日本軍の監督下に置かれ,軍人・軍属の性交の相手をさせられた女性。当時は〈軍慰安所従業婦〉などと呼ばれたが,戦後,千田夏光《従軍慰安婦》などにより,この用語が普及した。その本質は軍性奴隷である。総数は8万とも20万ともいわれる。日本軍が慰安婦制度を監督・統制していたのは周知の事実だったが,重大な人権侵害・性犯罪だとする認識が広まるのは,1991年に韓国人被害者が名乗り出てからである。>


ネット検索すると、うんざりするほど「従軍慰安婦」がいた/いなかったという、不毛な議論が繰り広げられているが、そういった議論には興味がない。

旧日本軍が関与して、意図的に、軍(兵士たち)のまわりに「慰安施設」を置いたことは確か。
さらに、軍と連携して、女衒業者が女性たちを集めていたことも、まちがいないはず。
「特務」のような、軍の影の機関も関わっていたと思われる。
(このあたり、船戸さんの小説などにリアルに描かれている)

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2015年9月30日 (水)

【読】やっぱり買ってしまうんだなあ

船戸与一さんの遺作、長編歴史小説。
『満州国演義』が文庫化されて、三冊目がでた。

新潮文庫、全九巻。
単行本と同じ冊数で、順次発売される。

四巻目から六巻目まで、2016年1月から3月、七巻目から九巻目まで、2016年6月から8月発売予定。

単行本を持っているのに、また文庫で揃えようとしている私。
これがファンの性(さが)なのか。

文庫だと、各巻末の解説が楽しみではある。
一巻目 『風の払暁』 解説:馳 星周
二巻目 『事変の夜』 解説:志水辰夫
三巻目 『群狼の舞』 解説:北方謙三

   

船戸与一|新潮社
https://www.shinchosha.co.jp/writer/2721/

(1944-2015)山口県生れ。早稲田大学法学部卒業。1979(昭和54)年『非合法員』で小説家としてデビュー。1985年『山猫の夏』で吉川英治文学新人賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。1989(平成元)年『伝説なき地』で日本推理作家協会賞を受賞。1992年『砂のクロニクル』で山本周五郎賞を受賞。2000年『虹の谷の五月』で直木賞を受賞。2014年、ミステリー文学発展への貢献により、日本ミステリー文学大賞を受賞した。主な作品に『夜のオデッセイア』『猛き箱舟』『炎 流れる彼方』『蝦夷地別件』『龍神町龍神十三番地』『緋色の時代』『夢は荒れ地を』『河畔に標なく』『新・雨月 戊辰戦役朧夜話』「満州国演義」シリーズ全9巻などがある。

もしもこの先、長期入院でもすることがあれば、この文庫を病院に持ち込むかもしれない。
そんなことを夢想するなら、他にも持っていきたい本がある。

夢枕獏さんの『神々の山嶺』だ。
映画化されて、来年三月に公開されるという。
この映画は観てみたい。

 

映画『エヴェレスト 神々の山嶺』公式サイト 岡田准一主演。世界的大ベストセラー映画化!
http://everest-movie.jp/

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2015年7月25日 (土)

【読】船戸与一インタビュー

今日も朝から暑い。
ベランダ側の窓を開け放って扇風機をまわしているが、汗がじとーっと吹きだす。

図書館から借りてきた半藤一利さんの文庫を読了。
この時期、新刊書店でも図書館でも、あの戦争関連の本が並ぶ。
そのなかの一冊。

半藤一利 『十二月八日と八月十五日』
 文春文庫 2015/6/10発行 219ページ

文庫書下ろしだが、半藤氏の多くの著作からの寄せ集め。
あの戦争の開戦の日(昭和16年12月8日)と、終戦の詔勅の日(昭和20年8月15日)。
当時の人たち(主に作家や政治家といった知識人)の日記などを紹介している。
よくまとめられている。

12月8日、真珠湾とフィリピン米軍航空基地(クラークフィールド)への奇襲に始まる太平洋戦争開戦の日の世相。
真珠湾奇襲成功の報に日本人の多くが狂喜したことが、よくわかる。
日米開戦を誰もが熱狂的に支持したのである。
良いも悪いもない。
そういう時代だったのだということを、忘れないようにしたい。


この四月に惜しくも亡くなった船戸与一さんの、インタビューが載っている雑誌を買って読んだ。

『ジャーロ No.53』 光文社
 2015/3/25発行

ジャーロ|雑誌|光文社
http://www.kobunsha.com/shelf/magazine/past?magazinenumberid=2976

祝・日本ミステリー文学大賞受賞!
船戸与一 社会を、時代を突き通す刃の輝き
●書下ろし特別短編「稲妻の秋」
●ロング・インタビュー
「もう善悪論で言ってもしょうがない時代に来てる」
インタビュアー/井家上隆幸    
●船戸与一 作品リスト

船戸さんが、『満州国演義』と並行して、もうひとつの作品を準備していたことを知る。
未完と思われるその作品が気になる。
『侠骨の譜 千乗坊国次遺文』というものらしい。

船戸さんの書いたもののなかには今では手に入らないものも多い。
船戸与一全集を、どこかで出版してくれないなあ?

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2015年5月 4日 (月)

【読】全巻通読、「満州国演義」

今年の二月中頃から、三か月近くかけて全九巻を読み終えた。
われながら、よくやったと思う、なんちゃって。

この卷の最期、物語全体のエピローグにあたる数ページは、胸にずしんと響く、せつないエピソードだった。

船戸さんが遺してくれた、貴重な最後の作品。

船戸与一 『満州国演義』 新潮社

『満州国演義 1 風の払暁』 2007/04/20発行 383ページ
  昭和3年~ 事変まで
『満州国演義 2 事変の夜』 2007/04/20発行 415ページ
  昭和5年~満州事変、上海事変
『満州国演義 3 群狼の舞』 2007/12/20発行 420ページ
  昭和7年~ 満州国建国
『満州国演義 4 炎の回廊』 2008/06/20発行 462ページ
  昭和9年~ 二・二六事件
『満州国演義 5 灰塵の暦』 2009/01/30発行 470ページ
  昭和11年~ 南京大虐殺
『満州国演義 6 大地の牙』 2011/04/28発行 428ページ
  昭和13年~ 大戦前夜
『満州国演義 7 雷の波濤』 2012/06/22発行 478ページ
  昭和15年~ 太平洋戦争開戦
『満州国演義 8 南冥の雫』 2013/12/20発行 430ページ
  昭和17年~
『満州国演義 9 残夢の骸』 2015/2/20発行 472ページ (本文457ページ)
  昭和19年~昭和21年

               

こうして並べてみると、壮観だ。

全巻読破し終えたいま、ぼーっとしている。

【出版社のサイトから】
船戸与一『残夢の骸―満州国演義9―』|書評/対談|新潮社

[船戸与一『満州国演義』全九巻完結記念特集]
〈正史〉と〈叛史〉をつむぐ、すさまじい力業
  井家上隆幸(いけがみ・たかゆき) 書評家
http://www.shinchosha.co.jp/shinkan/nami/shoseki/462310.html より

下に一部を転載したが、この井家上さんの書評には「ネタバレ」あり。
上のリンクから全文をご覧になる方は、注意。

<原稿枚数は四百字原稿用紙で七千枚超か。昭和三年六月四日の高級参謀河本大作らによる満州軍閥の支配者・張作霖爆殺(満州某重大事件)に始まり、昭和二十一年五月の広島で閉じる〈大叙事詩〉『満州国演義』全九巻が完結した。>

<膨大な資料を渉猟していくなかで、船戸与一が指弾する、辻政信や瀬島龍三ら陸大出参謀の官僚的優秀さと視線の狭隘さ、失敗してもおよそ責任といった言葉とは無縁の厚顔さは、あの十八年の(全部とはいわない)一年でも体験していれば腑に落ちるというか。
 あるいは船戸与一の〈昭和史観〉を〈自虐史観〉と謗る向きもあるだろう。だがこれは、「認定された客観的事実と小説家の想像力。このふたつはたがいに補足しあいながら緊張感を持って対峙すべき」(あとがき)〈昭和史〉であり、〈自虐史観〉なんぞとは無縁である。>

【参考サイト】 船戸与一インタビュー
船戸与一さん「満州国演義」完結 : 本よみうり堂 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20150303-OYT8T50180.html

<週刊誌での連載開始から10年、原稿用紙にして約7500枚。
 「満州国」の成立から敗戦による消滅までの激動の時代を描ききった船戸与一さん(71)の「満州国演義」が、2月刊の第9巻『残夢の骸むくろ』(新潮社)で完結した。日本ミステリー文学大賞にも決まった作家に心境を聞いた。……>

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2015年5月 3日 (日)

【雑】夏じたく

今日も、最高気温26度の夏日。

まだ仕舞っていなかったホットカーペットを干して、片づけた。
灯油ストーブは、先月中頃に仕舞った。

整理箪笥の引き出しに残っていた冬物を、半袖のシャツに入れ替えた。

大型連休だが、定年退職後の私には関係なくなった。
在職中は連休を利用して、春山やキャンプに行ったものだが、それも遠い思い出。

外出もせずに、家で本を読んで過ごす。

船戸与一 『満州国演義』(全九巻)の最終巻を、半分近くまで読みすすんでいる。

昭和20年(1945年)にはいり、徹底抗戦(一億総特攻!)の声もむなしく、敗戦濃厚。
ソ連の侵攻に備えるべき、という意見が黙殺され、ソ連による講和斡旋工作にジタバタする。

戦艦大和が沖縄に向かう途中で撃沈され、硫黄島や沖縄守備隊も全滅。
米軍による苛烈な本土空襲が続き、松代大本営構想も頓挫。
そんな時代がありありと描かれる。

一巻目のプロローグで描かれていた、慶応四年八月の、会津若松での悲惨なエピソードの謎が解き明かされた。

さて、この先、どんな幕切れをむかえるのだろうか。

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2015年4月29日 (水)

【読】「満州国演義」、いよいよ最終巻へ

今日も初夏の陽気。
最高気温23度。

船戸与一 『満州国演義』 の8巻目を読み終えて、いよいよ最終巻にとりかかったところ。

船戸与一 『満洲国演義9 残夢の骸』
 新潮社 2015/2/20発行 472ページ 2,200円(税別)

第8巻の終わり、ついに敷島四兄弟の次男、敷島次郎の身に重大な異変が……。
そして、最終巻。
昭和19年(1944年)、帝国は、ますます勝ち目のない戦争の泥沼に……。

― Amazon 内容紹介より ―
<満州帝国が消えて70年――日本人が描いた“理想の国家”がよみがえる! 今こそ必読の満州全史。権力、金銭、そして理想。かつて満州には、男たちの欲望のすべてがあった――。事変の夜から十四年が経ち、ついに大日本帝国はポツダム宣言を受諾する。己の無力さに打ちのめされながらも、それぞれの道を貫こうとあがく敷島兄弟の行く末は……敗戦後の満州を描くシリーズ最終巻。中毒読者続出の人気大河ロマン、堂々完結。>

Amazonのカスタマーレビューに、私が知っている方のレビューが載っていた。

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2015年4月22日 (水)

【読】船戸与一さん逝く

午前中から午後3時まで、市内某所で仕事をしていたところ、友人がメールで教えてくれた。

肺癌で闘病生活を続けていた、船戸与一さんが亡くなった。

直木賞作家:船戸与一さん死去71歳…「虹の谷の五月」 - 毎日新聞
2015年04月22日 14時16分
http://mainichi.jp/select/news/20150422k0000e040215000c.html

<……15年2月には大作「満州国演義」シリーズの第9巻「残夢の骸(むくろ)」を出し完結させた。09年から胸腺がんで闘病していた。>

病を押して、よくぞ 『満州国演義』 全九巻を完結してくれたと思う。

手術をせずに放射線治療を続けていたと聞く。
八巻目と九巻目を執筆(書下ろし)していた頃は、そうとう辛かったことだろう。

覚悟はしていたが、淋しい。

 

それにしても……ちょうど私が、この長大な小説を一巻目から通読している最中。
昨夜から未読の八巻目を読みはじめたところだった。

考えすぎかもしれないが、因縁めいたものを感じる。

【追記】
ネットで調べていたら、こんな記事もあった。
賞を受賞していたことは知らなかった。

「満州国演義」完結…日本ミステリー文学大賞、船戸与一さん : カルチャー : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
2015年03月18日 08時25分
http://www.yomiuri.co.jp/culture/news/20150312-OYT8T50049.html

<「これで小説を書くのをやめるというわけでもない。山をひとつ登って、下りてきたというだけで、次の山に登らないというわけでもない。生きている限りはね」。戊辰戦争の新たな一面を描く新作の準備を進めているという。>

戊辰戦争を題材にした小説は既刊だが、新作を準備していたのだろうか……。

   

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2015年4月20日 (月)

【雑】メールの修復

朝から小雨が降り続き、昼から強い風が吹き荒れている。

ようやく春らしい気温になってきた。

http://www.tenki.jp/forecast/3/16/4410/13220.html

20150420_weathermap

午前中、近くの眼科医へ。

右目の眼圧が高め。
視野検査の結果、気になる箇所があると言われて、一か月後に再検査することになった。
あちこち、身体に不具合がでてきたが、大きな病気でなければ良しとしよう。

眼科医からの帰り道、セルフの洗車場で車を洗う。
春の風で、青空駐車場の車の窓が、埃だらけだったので。


きのうから、メールソフトの修復でPCに向かいっぱなしだった。

どうやら、過去の送受信済みメールをPC内に貯めこみすぎていたらしい。
メールソフトが、すぐに固まるようになってしまった。

長時間かけて、なんとか修復できたものの、保存していた過去のメールのいくつかを失った。
まあ、それほど重要なメールはないのだけれど。
貧乏性というのか、古いメールをとっておく癖が治らない。


船戸与一 『満州国演義 7 雷の波濤』 を少しずつ読んでいたのだが、ようやく残り50ページまでごきつけた。

― Amazonより ―
 内容紹介
<バルバロッサ作戦、始動――日本有史以来の難局を、いったい誰が乗り越えられるのか。昭和十六年。ナチス・ドイツによるソビエト連邦奇襲攻撃作戦が実施された。ドイツに呼応して日米開戦に踏み切るか、南進論を中断させて開戦を回避するか……重要な岐路に立つ皇国を見守る敷島四兄弟がさらなる混沌に巻き込まれていくなか、ついにマレー半島のコタバルに戦火が起きる。「マレー進攻」に至る軌跡を描く待望の最新刊!

この長大な歴史小説も、あと2巻で通読完了する。
私にしては、よく辛坊して読み続けたものだと思う。

2015/2/18~2/21 船戸与一 『満洲国演義1 風の払暁』 新潮社 (2007/4/20) 383ページ 【再読】
2/21~2/27 船戸与一 『満洲国演義2 事変の夜』 新潮社 (2007/4/20) 414ページ 【再読】
2/28~3/5 船戸与一 『満洲国演義3 群狼の舞』 新潮社 (2007/12/20) 417ページ 【再読】
3/6~3/14 船戸与一 『満洲国演義4 炎の回廊』 新潮社 (2008/6/20) 460ページ 【再読】
3/14~3/20 船戸与一 『満洲国演義5 灰塵の暦』 新潮社 (2009/1/30) 469ページ 【再読】
3/22~4/7 船戸与一 『満洲国演義6 大地の牙』 新潮社 (2011/4/30) 425ページ 【再読】
4/14~ 船戸与一 『満洲国演義7 雷の波濤』 新潮社 (2012/6/20) 477ページ 【再読】

いま読んでいる第7巻までは、再読(一部、再々読)。
第8巻と9巻は、買ってからはじめて読む。

 

いま読んでいるところは、いよいよ「大東亜戦争」(アジア太平洋戦争)に突入する、戦中の日本。
「ハリマオ」と呼ばれた谷豊が間接的に登場している。

― Wikipedia より ―

<谷 豊(たに ゆたか、1911年11月6日 - 1942年3月17日)は、昭和初期にマレー半島で活動した盗賊。ムスリム名「モハマッド・アリー・ビン・アブドラー」。現在の福岡県福岡市南区出身で、マレーシアに渡った後に盗賊となり「ハリマオ」として一躍知られる存在となった。その後、日本陸軍の諜報員となって活動する。>

敷島四兄弟を狂言回しとして、最初から最後まで、この四人の眼を通して時代が描かれているこの小説。

歴史上の人物を直接描くことを巧妙に避け、新聞記事や架空の人物――実在しなかったが、それに似た人物はいただろうと思わせるリアリティーがある――の発言を通して描く手法がとられている。

フィクションを交えながらも、個々の史実はしっかり押さえているはず。
あの戦争を知るには、恰好の史料でもある。

敷島四兄弟。
 ― 『満州国演義 7』 帯 「登場人物一覧」 より ―
敷島太郎……敷島家の長男で満州国国務院外務局政務処長。
敷島次郎……敷島家の次男。満州で馬賊を率いていたが、今は放浪の身。
敷島三郎……敷島家の三男。関東憲兵隊大尉。
敷島四郎……敷島家の四男で、満映娯民映画企画課脚本班に勤務。

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2015年4月14日 (火)

【読】戦争小説集

小雨降る肌寒い日。

コープへ買い物にでたついでに、近所の新刊書店に寄り、ネット注文してあった本を受けとる。

こんな面白そうな本があったのだ。
私の好きな作家が並んでいる。

とりあえず、ツンドク本になりそうだが……。

『永遠の夏 戦争小説集』 末國善己 編
 実業の日本社文庫 614ページ 880円(税別)

― Amazonより ―
内容紹介
戦後70年特別編集。
戦争は終わったのか? 14人の作家が描いた魂の記録。

 

1945年、日本は降伏を決し、第二次世界大戦が終わった。
ノモンハン事件から、真珠湾攻撃、南洋戦線、従軍慰安婦、抗命事件、硫黄島、疎開先の女学生、広島原爆、外地脱出、沖縄基地問題まで、戦争を題材にした名作を収録。
文学だから描けた「本当の戦争」がここにある。
大岡昇平、小松左京、坂口安吾ほか強力作家陣による「文庫オリジナル戦争小説集」。
誰もが強く、弱かった……戦争を生きた人々の思いとは?
[編者解説/ 末國善己]

 

【収録作品】
■柴田哲孝 「草原に咲く一輪の花 ─異聞ノモンハン事件─」
■坂口安吾 「真珠」
■大岡昇平 「歩哨の眼について」
■田村泰次郎 「蝗」
■古処誠二 「糊塗」
■帚木蓬生 「抗命」
■城山三郎 「硫黄島に死す」
■山田風太郎 「潜艦呂号99浮上せず」
■皆川博子 「アンティゴネ」
■徳川夢声 「連鎖反応 ─ヒロシマ・ユモレスク─」
■島尾敏雄 「出孤島記」
■五木寛之 「私刑の夏」
■目取真俊 「伝令兵」
■小松左京 「戦争はなかった」


しばらく中断していた船戸与一『満州国演義』の続き(第7巻)を読みはじめている。
この卷までは、以前にいちど読んでいるので、再読。

時代は1940年(昭和15年)に移っている。
読んでいるうちに、この卷の展開を思いだしてきた。

各巻の巻頭に付けられている地図が、この卷ではアジア全体に広がっている。

船戸与一 『満洲国演義7 雷の波濤』 (いかずちのはとう)
 新潮社  2012/6/20発行 477ページ 2,000円(税別)

― Amazonより ―
昭和十六年。ナチス・ドイツによるソビエト連邦奇襲攻撃作戦が実施された。ドイツに呼応して日米開戦に踏み切るか、南進論を中断させて開戦を回避するか…敷島四兄弟が岐路に立つ皇国に見たものとは。「非常事態」の名の下、暴き出される人間の性。加速する満州クロニクル、ついに終焉へのカウント・ダウン開始。

この小説では、旧日本軍の「特務機関」の働きが詳細に描かれている。
たいへん興味ぶかい。
船戸さんは、膨大な史料を読みこんでいるようだ。
(最終巻=第9巻の巻末に参考文献一覧が掲載されている)

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2015年4月 7日 (火)

【読】ようやく三分の二まで読んだ、船戸与一「満州国演義」

小雨が降る肌寒い日。
灯油を補充しておいてよかった。

明日はもっと寒くなるらしい。
昼間の予想気温は4度に満たず、みぞれか雪が舞うかもしれないという。

20150407_weather_report


三月下旬から読み続けていた、船戸与一『満州国演義 6』を、今日ようやく読み終えた。
二週間以上かかった。
途中、チャリティ古本市やらで忙しく、まったく本を読む時間のない日が続いた。

全9巻の大河小説、その三分の二まで進んだわけだ。

船戸与一 『満州国演義 6 大地の牙』
新潮社 2011/4/30発行 425ページ 2,000円(税別)

<国難に直面したとき、人々が熱望するのはファシズム。昭和十三年、日中戦争が泥沼化する中、極東ソ連軍が南下。石原莞爾の夢が破れ、甘粕正彦が暗躍する満州に、大国の脅威が立ちはだかる―“大戦前夜”の満州を描く、入魂の書下ろし七五〇枚。> ―Amazon―

「ノモンハン事件」やら、汪兆銘政権の樹立、欧州での独ソ不可侵条約締結、ドイツ軍のポーランド侵攻、ソ連のフィンランド侵攻、といった第二次世界大戦前夜が描かれている。

あらためて興味深かったのは、東北抗日連軍の楊靖宇が、間接的に登場することだ。

この小説では、歴史上の実在人物が直接登場することはなく、登場人物(フィクション)たちの眼や口を通して描かれている。
船戸与一流の小説作法だ。

主人公のひとりである敷島三郎(関東軍憲兵大尉)が楊靖宇討伐に加わるのだが、二人が出会うことはないまま、楊靖宇は日本軍と満州国軍の討伐隊によって殺される。

楊靖宇の最期については、ずっと前に読んだ澤地久枝 『もうひとつの満洲』 にも描かれていた。(過去記事参照)
なかなか魅力的な人物だ。
船戸さんのこの小説でも、その最期の様子が(登場人物の眼を通して)細かく描かれている。

【過去記事】
2009年3月9日
【読】読了 『もうひとつの満州』(澤地久枝): やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-84a8.html

【参考サイト】

楊靖宇(ようせいう)とは - コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E6%A5%8A%E9%9D%96%E5%AE%87-404837

楊靖宇
http://china-redtour.com/hito/youseiu.html
 (中国近現代史の旅 日本人のための中国歴史観光ガイド
 http://china-redtour.com/index.html  より)

鉄の戦士―楊靖宇
http://japanese.cri.cn/81/2005/07/19/1@45230.htm
 (China Radio Internationalより)

 <楊靖宇は、東北抗日連合軍の創設者であり指導者であった。本名は馬尚徳、1905年、河南省確山県に生まれる。学生時代は、反帝国主義愛国運動に積極的に参加。1926年、中国共産主義青年団に入団。1927年4月、確山の農民暴動において指導者として参与。同6月、中国共産党に入党。1931年「9・18」事変ののち、中共ハルビン市道外区委書記、市委書記、満州省委軍委代理書記を兼任。1932年秋、南満州に派遣され、中国工農紅軍第32軍南満遊撃隊を編成。政治委員となり、盤石紅を遊撃根拠地の中心とした。1939年、東南満地区における秋冬期反「討伐」作戦では、部隊を率いて濛江一帯転戦。最後はただ一人、5昼夜にわたって敵と渡り合った。
 彼は想像を絶するほどの持久力で、弾が尽きるまで戦い続け、1940年2月23日、吉林濛江三道庶?子にて壮絶な最期を遂げた。残忍な日本軍によって頭をかち割られ、腹も切り裂かれていた。彼の胃には枯れ草や木の皮、綿の実が入っているばかりで、食糧を口にしていなかったことが分かった。彼を讃え、1946年、東北民主連合軍通化支隊は「楊靖宇支隊」と改名。濛江県も「靖宇県」となった。>

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