カテゴリー「浅川マキ」の21件の記事

2016年12月31日 (土)

【楽】2016年総集編 今年聴いた音楽 ~その3~

今年2016年、手に入れたCD。

浅川マキの紙ジャケットアルバムが、たくさん再発された。
2月、マキさんを追悼するイベント(国立「ギャラリービブリオ」)に参加したのがきっかけで、彼女のアルバムをあらためて聴いてみたくなった。

私が二十代の頃、よく聴いたマキさんの懐かしい歌の数々が収められている。
この先も、聴きつづけることだろう。

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「浅川マキ ライヴ 夜」 のジャケット写真に写っているのは、若き日の萩原信義さんだろう。


MOTEL(須藤もん&対馬照) のライブで、いわゆる”対バン”(同日出演)の人たちの、いい音楽を聴いた。

井上としなり さん、スーマー さん、タケQ(スワンピータケシ&杉本 “Q” 仁美) さん、など。

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上左 : 井上としなり 「井上としなり」
上右 : スワンピータケシ 「ROOTS & IMMIGRANT SOUL」
下左 : スーマー 「寒弾」(かんびき)
下右 : スーマー 「drifted leaves」

井上としなり さん

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スワンピータケシ&杉本 “Q” 仁美 さん

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2016年12月30日 (金)

【楽】2016年総集編 今年聴いた音楽 ~その1~

大掃除をざっと済ませて、今年のブログのまとめにとりかかる。
明日は、もう大晦日なんだな。

今年も、友人夫妻のMOTEL(須藤もん&対馬照)と、西川郷子さん、山崎ハコさんのライブが中心になった。

■2月 2016/2/5
国立 「ギャラリービブリオ」 イベント 浅川マキ特集

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【遊】国立「ギャラリービブリオ」でのイベント: やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-e1a5.html

ここで、浅川マキのプロデューサーだった寺本幸司さんと、マキさんの伴奏をつとめた萩原信義さんに出会い、Facebookで友達になっていただいた。

■3月 2016/3/20
中目黒 「楽屋」 星ノ飛ブ夜 (西川郷子・小沢あき・関根真理)

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【楽】星ノ飛ブ夜 中目黒「楽屋」: やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/post-d128.html

同日出演の「山猫合奏団」をはじめて知り、高山正樹さん(俳優)と知り合いになった。
その縁で、高山さんが主催するイベント(狛江市”M.A.P.”)に参加するようになった。
いい出会いだった。

山猫合奏団は、音楽付きの朗読と言えばいいのか。
耳で聴く芝居のようで、面白かった。
最後に一曲だけ、西川郷子さんと山猫合奏団が共演。
これもすばらしかった。

■4月 2016/4/16
長坂 「パーム・スプリング」 MOTEL・井上としなり

【遊】長坂でのライブと清里(清泉寮): やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2016/04/post-0b12.html

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八ケ岳山麓にある小さな店でのライブに行った。

近くの清泉寮に、はじめて泊まり、熊本地震のニュースを聞いたことは、これからも忘れられないだろう。

■5月 2016/5/17
「渋谷区文化総合センター大和田」 山崎ハコ  (バスデイライブ)

【楽】渋谷で、ハコさんのバースデイライブ: やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2016/05/post-958b.html

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山崎ハコさんのライブには、できるだけ行くようにしているが、今年はこのコンサートがはじめて。

いいホールで、いい音楽をたっぷり聴かせてもらった。
やっぱり、ハコさんはいい。

九州に住む、ハコさんのファン仲間のひとりと、ネット上でのやりとりを続けていたのだが、その方とはじめて会うことができた。
開演前のロビーで、先方から声をかけてくださったのだ。
うれしかった。

(続きは、明日にでもまた・・・)

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2016年5月21日 (土)

【楽】あきる野へ、浅川マキを聴きながら

からりと晴れた土曜日。
最高気温25度ぐらいだったが、暑かった。


きのうまで、私が所属する地元の団体の仕事で忙しかった。
仕事といっても、ボランティア的なものだったが、準備と本番でけっこうたいへんだった。

その前は、小平の団体の会報作りで、慌しい日々が続いていた。

すべてが終わり、ようやく一段落。

今日は、車で買い物やら、図書館やら、もろもろの用事を済ませた。

ひさしぶりに、あきる野まで片道16キロほど走って、パンを買いに。

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手作りパン工房スリール
http://www.sourire.jp/

わざわざ車で出かけるだけのことはあるパン屋。
大量のパンを購入。


往復の車の中で聴くために、最近購入した浅川マキの二枚組ベストアルバムを持っていった。

浅川マキ 「Long Good- bye」

全32曲。
若い頃よく聴いた歌もたくさんあり、大音量で聴きながら、いっしょに口ずさんでいた。
いいなあ、マキさん。

【収録曲】
 ディスク1
1. 夜が明けたら
2. ちっちゃな時から
3. 赤い橋
4. 放し飼い
5. あなたなしで
6. ガソリン・アレイ
7. それはスポットライトではない
8. かもめ
9. 裏窓
10. 淋しさには名前がない
11. 少年
12. にぎわい
13. セント・ジェームス病院
14. こころ隠して
15. こんな風に過ぎて行くのなら
16. マイ・マン
 ディスク2
1. TOO MUCH MYSTERY
2. コントロール
3. めくら花
4. ふしあわせという名の猫
5. ナイロン・カバーリング
6. If I’m on the late side
7. 大砂塵
8. Blue Spirit Blues
9. ちょっと長い関係のブルース
10. POSSESSION OBSESSION
11. アメリカの夜
12. 朝日樓(朝日のあたる家)
13. あの娘がくれたブルース
14. 暗い日曜日
15. ジンハウス・ブルース
16. INTERLUDE


あきる野に向かう前、団地のなかで初夏の草花を見た。
ヤマボウシが咲き、アジサイが色づきはじめた。

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一週間前に故障した複合プリンターが、修理から戻ってきた。

購入金額と同じぐらいの修理費がかかったが、今あるインクのことを考えると、新しい機種に買い換える気にならなかった。

もう四年も使っている、使い勝手のよいプリンターなのだ。
あと数年は使いたい。
できるだけ、物を大切にしたい気持ちもある。








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2016年2月 6日 (土)

【遊】国立「ギャラリービブリオ」でのイベント

昨夜、バスと電車を乗り継いで国立へ。

国立駅北口に、「ギャラリービブリオ」というギャラリーがある。

国立駅前の「おうちギャラリー」 - GALLERY BIBLIO (ギャラリービブリオ)
http://www.gbiblio.jp/

 国立市中1-10-38
 レンタル画廊、貸会議室 運営、 企画展の実施、各種イベント企画

私は、ここを経営している十松(とおまつ)さんという方と知り合いになっている。
岡崎武志さん(書評家・ライター)に、一昨年の6月、講演をお願いしたのが縁だった。

【参考】
6月7日 岡崎武志さん講演会: 小平図書館友の会ブログ
(2014年)
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/kltomonokai/2014/06/67-ed58.html


その、岡崎武志さんが企画するイベント、「中川フォークジャンボリー」が、昨夜あった。

イベントの詳細は、ビブリオギャラリー店主(十松さん)のブログに書かれているので、ご参照を。

「浅川マキの夜」中川フォークジャンボリー〈6〉 ~~随時更新~~
  - 蕃茄庵日録(ばんかあん。国立駅前・ギャラリービブリオ店主のブログ)
http://d.hatena.ne.jp/banka-an/20151214

中川フォークジャンボリー ~浅川マキの夜~
 - 蕃茄庵日録(ばんかあん。国立駅前・ギャラリービブリオ店主のブログ)
http://d.hatena.ne.jp/banka-an/20160205

「中川フォークジャンボリー ~浅川マキの夜~」終了
  - 蕃茄庵日録(ばんかあん。国立駅前・ギャラリービブリオ店主のブログ)
http://d.hatena.ne.jp/banka-an/20160206

岡崎武志さんのブログ記事にも昨夜の様子が。

2016-02-06 - okatakeの日記
http://d.hatena.ne.jp/okatake/20160206


浅川マキの特集というので、これは行かなくちゃと思った。
この連続イベント「中川フォークジャンボリー」に参加するのは初めて。

撮影 2016/2/5(金)

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木造家屋のビブリオギャラリーの一室が会場。
上の写真は開演前の様子。

デジカメを持って行ったのだが、開演後の写真は遠慮した。
他の人がパチパチ撮っていたので、撮影お断りではなかったのだが……。

このイベント、「中川フォークジャンボリー」という題名がミソ。

毎回、中川五郎さんをが出演することから、「中津川」ならぬ「中川……」という洒落なのだろう。

昨夜は、岡崎武志さんの司会で、浅川マキさんにゆかりのある、寺本幸司(てらもと・ゆきじ)さんと萩原信義さんがゲストだった。

寺本幸司さんは、音楽プロデューサーとして浅川マキ、りりィ、桑名正博、南正人、下田逸郎、イルカなどを手がけた方だという。
私は初めてお目にかかった。

萩原信義さんは、浅川マキに見いだされて、マキさんと演奏をともにしたギタリストだ。
1971年の大晦日、新宿紀伊国屋ホールでのライブに、私も友人と二人で行ったのだが、このときも萩原さんがステージにいらした。
このときのライブの模様はLPになっていて、最後のメンバー紹介で萩原さんの名前も出ていたことから、私の頭の中に残っていた。

前半一時間は、岡崎さんの司会で、中川五郎さんを含めてお三方のトークショー。
浅川マキの逸話を、たくさん聞くことができた。

短い休憩をはさんで、後半はライブ。
萩原さんの弾き語り、その後、ゲストの女性シンガー(YO-ENさん)と二人で数曲。
どれも浅川マキのナンバーというのが、うれしい。

女性シンガー退場後、マンドリン奏者(後で矢野敏広さんというお名前を知った)が加わり、最後に中川五郎さんがギターとバンジョーで加わり、三人で楽しい演奏を聴かせてくれた。

午後7時から二時間ほどのイベントだったが、行ってよかった。
ステージ写真を撮ればよかった……。


そうそう。
上の写真に写っている時代物のステレオは、なんと真空管。
浅川マキのLP(最近イギリスで発売されたもの)を聴かせていただいたが、いい音だった。

 

会場で配られた、3月5日の東中野ポレポレ坐でのイベントのパンフレットが下。
寺本幸司さんと小室等さんが出演する。

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2015年11月18日 (水)

【楽】こんな風に過ぎて行くのなら

私の好きな浅川マキの一曲。

「こんな風に過ぎて行くのなら」 作詞・作曲 浅川マキ

なぜだか今日は、この歌を思いだす。

じぶんの病気のことなど、できるだけ書かないようにしていたのだが……。

一生治らないと覚悟を決めていた18年越しの持病(ウィルス性感染症)が、つい最近できた特効薬でみるみる治ってきた。
半年間、毎日飲み続けなければいけないのだが、これまで出ていた薬とちがって副作用が全く無いといっていい。

よかった、と思う。
すくなくとも、いつか癌に進行するだろうという漠然とした不安から解放された。

ただ……そうすると「残りの人生、どんな風に過ごそうか」――そんなことを思いながら雨の中、車を走らせて帰ってきた。

日々、「こんな風に過ぎて行く」のだろうが、そろそろ人生のエンディングまでのことに思いを馳せる。

あまり書かないほうがいい、プライベートなことだが、今夜は書いてみたい気分になった。

【2015/12/18追記】
YouTubeにアップされていた音源へのリンクを掲載していましたが、「一般社団法人日本レコード協会から著作権侵害の申し立てがあったため削除しました」とのこと。そのため、この記事中の同サイトへのリンク部分を削除しました。

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2014年12月25日 (木)

【楽】阿佐ヶ谷「LOFT A」 山崎ハコさんライブ

今日も晴天。

昨夜はクリスマス・イブ。
阿佐ヶ谷の「LOFT A」で、山崎ハコさんのライブを聴いてきた。
私にとっては、2月の横浜「Dolphy」、5月の「スイートベイジル」に続いて、今年三度目だった。

ハコさんのライブは、やっぱりいいなあ。
胸の奥に響く音楽を、ひさしぶりに聴いて幸せだった。

201412240002201412240001

休憩をはさんで二部構成。
声もよく出ていて、張りのある歌声が聴けた。
安田裕美さんのギター伴奏も、あいかわらず素晴らしいものだった。

昨夜は、はじめて聴くカバー曲が二曲あった。

浅川マキ 「前科者のクリスマス」
 寺山修司 作詞/山本幸三郎 作曲
(アルバム「浅川マキの世界」に収録されている)

Asakawamakinosekai

ハコさんは、これまでもよく、浅川マキさんの「かもめ」をカバーしている。
きっとマキさんが好きにちがいない。
浅川マキさんのファンでもある私には、うれしいかぎりだ。

もう一曲、アンコールの一曲目にハコさんひとりで弾き語り。
忌野清志郎(RCサクセション)が日本語歌詞で歌っていたジョン・レノンの「イマジン」だ。

「カバーズ」というRCサクセションのアルバムに収録されていたと思う。
このアルバムも私の愛聴盤。

忌野さんの日本語歌詞が掲載されているサイトがあった。

イマジン - RCサクセション - 歌詞 : 歌ネット
http://www.uta-net.com/user/phplib/Link.php?ID=141691

会場のライブハウスは、私同様、年配のファンでぎっしり。
遠方からかけつけた人もいる。
ハコさんファンの多さに驚き、うれしく思った。

ハコさんには、来年もたくさん歌ってほしい。

ハコさんの最新アルバム「歌っ子」

このアルバムからも、三曲歌ってくれた。
「空の舟」「歌っ子」、そして、昨年末公演の芝居「グッドバイ」でハコさんが歌っていた「夜のパラソル(日傘)」。

YouTubeに、ハコさん自身の演奏動画があった。

アンコールの最後は、「飛・び・ま・す」と「気分を変えて」で、会場の熱い拍手を受けた。

夜の10時をまわっていたので、サイン会と打ち上げパーティーには参加しないで帰ってきた。
国分寺から西武線に乗り換え、最寄駅からタクシーで帰宅。
11時半になっていた。

【参考】
山崎ハコさん公認 ファンサイト 「山崎ハコの世界」
http://hako.esy.es/index.html

手前味噌ですが、10年ほど前まで作っていた個人サイトに、マキさんやハコさんのことも書いています。
更新が途絶えていますが……よろしければ、ご覧ください。

晴れときどき曇りのち温泉
http://yamaoji.web.fc2.com/

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2013年3月 3日 (日)

【楽】昨夜のライブ(山崎ハコ at DOLPHY) その2

2013年3月2日(土) JAZZ SPOT DOLPHY
 横浜市中央区宮川町2-17-4
山崎ハコ(vo/g)&安田裕美(g) デュオ

セット・リストは、私のメモでは、こうだ。

「ヨコハマ・アンバランス」 (アルバム「風の色」1983 収録曲)
「さすらい」 (アルバム「飛・び・ま・す」1975 収録曲)
「ヨコハマ」 (アルバム「流れ酔い歌」1978 収録曲)
「かもめ」 (浅川マキのカヴァー)
「灰色の街」 (松田優作のカヴァー) 安田裕美伴奏

休憩

「ソーダ水」 (映画「東京ソーダ水」主題歌)
「ざんげの値打もない」 (北原ミレイのカヴァー、阿久悠トリビュート・アルバム「歌鬼」2008 収録)
「リンゴ追分」 (美空ひばりのカヴァー、アルバム「未・発・表」2009 収録)
「昨夜(ゆうべ)の男」 (淡谷のり子のカヴァー)
「横浜ホンキートンク・ブルース」 (カヴァー、アルバム「未・発・表」2009 収録)
「お年頃」 (アルバム「縁」2012 収録曲)
「縁(えにし)」 (同上)

アンコール
BEETLE (映画「東京ソーダ水」エンディングテーマ曲、アルバム「未・発・表」2009 収録曲)

【参考サイト】
ドキュメンタリー映画 『東京ソーダ水』/ Tokyo Soda Water
http://www.tokyo-soda.com/

後半、安田さんの伴奏は2曲目からだったと思う。

ここ数年、カヴァー曲を次々とこなしていく、その前向きな姿勢が好きだ。
今回、浅川マキの名曲「かもめ」を歌ってくれたのが、うれしい。
淡谷のり子の歌は、知る人の少ない曲で、私もまったく知らなかった。

午後10時までのライブ。
半分ぐらいはハコさんのトークで、これがまた、会場との一体感があってよかった。
今回も、いろんな話を聞くことができた。


今後の山崎ハコさんのライブ予定(会場で配布されたチラシ)。

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詳細は、山崎ハコさんの公式ファン・サイトをご覧いただきたい。

山崎ハコの世界
http://www31.ocn.ne.jp/~hako/

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2010年5月12日 (水)

【楽】【読】浅川マキとビリー・ホリデイ

今年1月に急逝した浅川マキさんが遺したエッセイ集 『こんな風に過ぎて行くのなら』 を読んだ。

連休明け、ひさしぶりに五日間勤務の週のなかば、くたびれ気味だったから、きっと読みやすい本をこころが求めていたのだろう。
きのうから一日ちょっとで読むことができた。

Asakawa_maki_book2_2浅川マキ 『こんな風に過ぎて行くのなら』
  ― ASAKAWA MAKI 1971-2003 ―
 石風社 2003/7/15発行
 211ページ 2000円(税別)

♪ こんな風に過ぎて行くのなら
  いつかまた
  何処かで誰かに出会うだろう
  何もかも隠してくれる
  夜の帳(とばり)をくぐり抜ければ
  今夜ほど寂しい夜はない
  そうさ
  今夜は世界中が雨だろう ♪
 (浅川マキ作詞・作曲 「こんな風に過ぎて行くのなら」)

この人の文章は、お世辞にも上手とは言えないが、味がある。
一読して思ったのは、こういう生き方をしていたら早死にするだろうな、ということだった。
マキさんは公演先のホテルで倒れているのを発見され、死因は急性心不全だった。
彼女が敬愛していたビリー・ホリデイを彷彿させる。
あるいは、ジャニス・ジョプリンの死にかたを思いおこさせる。

この本のはじめの方に、ビリー・ホリデイに触れた文章がある。
とても興味深かった。


「ビリーなら今頃どっかの港町」
 ― 初出 『奇妙な果実』(晶文社)書評 「構造」1971年6月号 経済構造社 ―

<ビリー・ホリデイの「身軽な旅」のレコードをかけながら、十四年ぶりに再版された、ビリー・ホリデイの自伝『奇妙な果実』(油井正一・大橋巨泉訳 晶文社)を、こうして手に持って、薄暗い部屋で、わたしは何やら、どうしようもない気持になって来るようだ。
 ビリー・ホリデイのはなしはもうよそう。
 何度もそう思いながらね。> (本書 P.25)

という書き出しではじまる、17ページほどのエッセイだ。

晶文社から出版された 『奇妙な果実』 という本は、私も持っている。
だが、この最初の翻訳の邦題が 『黒い肌』(1957年刊、訳者は同じ)というものだったことと、目次の内容が微妙にちがっていたことを、マキさんの本ではじめて知った。

<いつの春にか、十五の父と十三の母、死人の腕の中に、女郎屋の音楽、浮気な小娘、強姦の傷手、カトリック修道院、過ぎしひのまぼろし、従姉の無残な死、大都会の迷い子、女中奉公、ブロードウェイの娼婦生活、いやらしい黒人客、ウェルフェア島の監獄、希望に燃えて、歌手への第一歩、禁酒法下のナイトクラブ――十四年前に発行された初版(『黒い肌』訳者同じ)の方には、そんな目次があった。> (本書 P.28-29)

なんとも生々しいというか、おどろおどろしいというか。
黒づくめのイメージが強い浅川マキと、ビリー・ホリデイの暗い生涯が、なんとなくオーバーラップしてくる。


『奇妙な果実』 という邦題は、よく知られている、ビリー・ホリデイが歌った 「奇妙な果実」(Strange Fruit)に依っている。
「人種差別とリンチによって殺された黒人が木に吊るされている、残酷でおぞましいアメリカ南部の景色」(Wikipediaより)を歌った、とても暗い歌だ。
たしか、マキさんもレコーディングしているはず。


私が若い頃、友人にすすめられて買った本。
長いあいだずっと本棚にあったような気がする。
たぶん、通読していないと思う。
何度かの引っ越しのときにも手放すことなく、てもとに残ったこの本を、いま読んでみようと思う。

Lady_sings_the_blues『奇妙な果実 ビリー・ホリデイ自伝』
 油井正一・大橋巨泉 訳
 晶文社 1971/2/27 初版発行
 309ページ 1200円

 原題 "LADY SINGS THE BLUES" (1956年出版)
     Billie Holiday and William Dufty
 晶文社から日本語訳新装版がでている(1998年刊)
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000028365860&Action_id=121&Sza_id=C0

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2010年3月13日 (土)

【楽】北山修と「赤い橋」

毎週土曜の朝、TBS 永六輔の番組を聴いている。
今日のゲストは、北山修。

TBSラジオ
 http://www.tbs.co.jp/radio/

土曜ワイド ラジオTOKYO 永六輔その新世界
 http://www.tbs.co.jp/radio/rokuchan/


北山修が作詞し、浅川マキが歌った「赤い橋」という歌が話題になり、一番だけ彼女の歌がラジオから流れた。

マキさんも「橋をわたった」けれど、歌われている「橋」は、街と街の外とを結ぶ橋、この世とあの世を隔てる橋。
「橋 bridge」は「端 edge」でもある……。
歌の世界は、聴く人によって受けとりかたがちがう。
作詞者も、さまざまな想いをこめてつくったのだろう。

北山修の本業は精神科医。
この人のおしゃべりを聞いていると、元気がでてくる。
こういう精神科医なら、相談してみたい気持ちになる。


Maki浅川マキの世界
 東芝EMI TOCT-6556 (CD)
 オリジナル(LP)発売 1970/9/5

 赤い橋
  作詞:北山修 作曲:山本幸三郎






♪ 不思議な橋が この町にある
   渡った人は 帰らない
   みんな何処へ行った
   橋を 渡ってから
   いつか きっと 私も渡るのさ …… ♪

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2010年2月19日 (金)

【雑】Tombe la neige

今年の二月は、例年になく寒いように思う。
雪が何度か降った。
きのうの朝も、雪がつもった。
その日のうちに、とけてしまったけれど。


Maki  ♪ Tombe la neige
    あなたは来ない
    Tombe la neige
    心は 暗い
    絶え間なく 降り続ける
    綿のような 白い涙 …… ♪

  「雪が降る」  訳詞 安井かずみ 作曲 アダモ 歌 浅川マキ


2010/2/18(木) 朝 6:36 小平市

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