【読】独学のススメ、ブログの効用
どういうきっかけで知った本か忘れてしまったが、図書館から借りてきたこの本が面白い。
礫川全次(こいしかわ・ぜんじ)
『独学の冒険 ――消費する情報から知の発見へ』
批評社 2015/10/31発行 219ページ 1,700円(税別)
Amazonには書影が載っていないので、私がよく利用しているe-honサイトから画像を拝借。
著者は1949年生まれの「在野史家」と、巻末著者略歴にある。
自分のブログの過去記事と読書記録を見直して、わかった。
2014年10月から11月にかけて、この人の本を続けて読んでいた。
礫川全次 『異端の民俗学 ―差別と境界をめぐって』
河出書房新社 2006/4/20発行 210ページ (図書館から借りて)
礫川全次 『戦後ニッポン犯罪史』
批評社 2000/6/10発行 332ページ (図書館から借りて)
礫川全次 『日本人はいつから働きすぎになったのか ―<勤勉>の誕生』
平凡社新書744 2014/8/12発行 254ページ (購入)
他にもたくさん、興味ぶかい本を出版している人だ。
2014年10月19日の東京新聞書評ページに掲載されていた記事と写真を見て、ますます好きになった。
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さて、今読んでいる 『独学の冒険』 だが、独学入門、独学のすすめ、といった内容。
独学とはなにか。
まえがきによると、「自分ひとりの意思に基づき、基本的に自分ひとりの力に頼っておこなう学問」 という。
「学問」といわれると、私などは腰が引けてしまうが、自分ひとりを頼みに、何かしらの探求を続けること、と解釈すれば、私なども独学の徒のはしくれと言えそうだ。
この本でとりあげられている独学の先達の顔ぶれも興味ぶかい。
柳田國男、家永三郎、千葉徳爾、佐藤忠男、清水文弥、南方熊楠、中山太郎、佐々木喜善、橋本義夫、谷川健一、吉本隆明、杉本つとむ。
はじめて見る名前も多いが、読みすすむうちに、いずれ、どういう人たちかはわかるはず。
あとがきにも書かれているが、「独学」と「在野学」の関係が微妙だ。
独学とは対照的なアカデミズムの世界に身を置きながら、独学的な発想で研究を続けた例として、家永三郎があげられている。
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本書巻頭のQ&Aが面白い。
そのなかで、ブログの効用が述べられている。
・ 毎日更新することで、文章の練習になる (同感)
・ 研究日誌になる (私のブログは「研究」には程遠いが)
・ 未知の人々と交流する媒体になる (コメントを通して・・・私にも経験あり)
・ ひとつの「ファイル」になる (アーカイブ=書庫としてのブログ)
・ 出版の代わりになりうる
最後の効用だが、これまた興味ぶかいブログが紹介されていて、参考になった。
さっそく、ブックマークに追加。
著者自身も、ブログを書いている。
部落学序説 (吉田向学)
http://blog.goo.ne.jp/eigaku
巫研 Docs Wiki
http://docs.miko.org/index.php/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8
日本巫女史
http://docs.miko.org/index.php/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%B7%AB%E5%A5%B3%E5%8F%B2
礫川全次のコラムと名言
http://blog.goo.ne.jp/514303
なるほど、ブログに連載することで、ネット上での出版ができるとも言える。
ときどき面倒になることもあるブログ投稿。
できるだけ続けていこうと思う。
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