カテゴリー「こんな本を手に入れた」の385件の記事

2024年4月16日 (火)

【読】原武史『一日一考 日本の政治』

面白そうだったので購入、そのまま本棚に眠っていた新書。
読みやすそうだったので、読んでみることにした。

原武史 『一日一考 日本の政治』
 河出新書 (2021/6/20) 398ページ

https://amzn.to/4aMpFEe

―Amazonの紹介文―
<歴史の深い闇に埋もれた言葉は、私たちの日常を読み解く鍵になる。公表時に話題にされても忘れ去られた名言、無名の人たちが残していた言葉、一つの出来事に対して異なる見解を示す文章……一日ひとつ、366人の言葉と今の体制のつながりを通して、この国の政治とは何か、考える。>

新書としては分厚い本だが、
「うるう年の2月29日を含む1年366日の1月1日から12月31日まで、1日ごとに政治とは何かを考えるための文章や言葉を配置し、それぞれの文章や言葉に対する筆者の解説を加えたもの」(はじめに)
とあるように、1ページ1項目で読みやすそう。

ちなみに、1月1日の項では、阿満利麿(あま・としまろ/1939-/宗教学者)の文章がとりあげられている。
阿満利麿という人物は、知らなかった。
この阿満利麿の文章を引用したあと、筆者の原武史さんは、こう解説している。

<1946(昭和21)年元日、昭和天皇は詔書により自らを「現御神」とする「架空ナル」観念を否定し、いわゆる人間宣言を行った。だが阿満利麿は言う。大部分の国民は、天皇が「神」だろうが「人間」だろうが、依然として崇拝の対象にしている。それは自分たちの生に究極的な意味を与える存在を、日常生活と同じ時間と空間のなかに求めたいという願望があるからだ。この願望がある限り天皇制はなくならないどころか、天変地異などで自分たちの生が危険にさらされたときほどその崇拝は強まることになる。> (P.16)

天皇や皇室に詳しく、たくさんの論考がある原武史さんらしい、鋭い指摘だと思う。

この本に出てくる人物、私の知っている人は少ないが、あたらしい発見がありそうで、楽しみな本だ。

(2024/4/16 記)

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2023年12月28日 (木)

【読】探し続けていた本

探し続けていた本を手に入れた。

船戸与一さんが、若い頃、早稲田大学探検部の一員としてアラスカ・エスキモーを調査したときのレポート。

『アラスカ・エスキモー』
早稲田大学ベーリング・アラスカ遠征隊
(佐藤政信・原田健司・小島臣平)
朝日新聞社 昭和43年(1968年)2月29日
定価 340円

※原田健司=船戸与一さんの本名

船戸さんは昭和19年(1944年)生まれだから、この本の刊行時は23歳か24歳だったはず。

「日本の古本屋」というサイトに、探している本として出しておいたところ、ようやくみつかった。
あきらめずに探すものだ。
うれしい。

20231228-105508 20231228-105535

20231228-105621

Wikipediaより
早稲田大学在学中は探検部(第三期生)に所属した。先輩には西木正明、後輩には高野秀行がいる。アラスカのエスキモーを訪問し、本名で共著『アラスカ・エスキモー』を刊行した。

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2023年9月17日 (日)

【読】図書館にリクエストしたのはいいけれど(いつか読みたい本)

市内の図書館にリクエストしておいた本が、立て続けに届いた。

さて、読みかけの本もあって、すぐには読めない。

はじめの二冊は、図書館に入れてくれたので、いつでも読める。
三冊目は、都立図書館からの借用。
二週間で返却しなければいけないのだが、とにかく分厚い(本文528ページ)。
分厚いが、いちばん興味深い本だ。

いずれも、あの戦争にまつわる本。

NHKスペシャル取材班 『ビルマ 絶望の戦場』
 岩波書店 (2023/7/28) 298ページ

加藤拓 『「特攻」のメカニズム』
 中日新聞社 (2023/7/29) 215ページ

フレデリック・テイラー 『一九三九年 誰も望まなかった戦争』
 白水社 (2022/3/10) 528ページ

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2023年8月10日 (木)

【読】イラク水滸伝(高野秀行)

この、高野秀行さんの新刊。
売れているらしい。
7月26日に発売されて、ひと月たたないうちに2刷になったと聞いている。

『イラク水滸伝』 高野秀行
出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋 (2023/7/26)
発売日 ‏ : ‎ 2023/7/26
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 480ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4163917292
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4163917290

地元の図書館にリクエストしてあったのだが、なかなか入らず。
先日、書店に立ち寄ったとき、我慢できずに衝動買いしてしまった。

まだ四分の一も読んでいないが(分厚いのだ)、すこぶる面白い。
高野さんの文章は、読む者をひきつける。

― Amazonサイトより ―

権力に抗うアウトローや迫害されたマイノリティが逃げ込む
謎の巨大湿地帯〈アフワール〉
―――そこは馬もラクダも戦車も使えず、巨大な軍勢は入れず、境界線もなく、迷路のように水路が入り組み、方角すらわからない地。

中国四大奇書『水滸伝』は、悪政がはびこる宋代に町を追われた豪傑たちが湿地帯に集結し政府軍と戦う物語だが、世界史上には、このようなレジスタンス的な、あるいはアナーキー的な湿地帯がいくつも存在する。
ベトナム戦争時のメコンデルタ、イタリアのベニス、ルーマニアのドナウデルタ……イラクの湿地帯はその中でも最古にして、“現代最後のカオス”だ。

・謎の古代宗教を信奉する“絶対平和主義”のマンダ教徒たち
・フセイン軍に激しく抵抗した「湿地の王」、コミュニストの戦い
・水牛と共に生きる被差別民マアダンの「持続可能な」環境保全の叡智
・妻が二人いる訳とは?衝撃の民族誌的奇習「ゲッサ・ブ・ゲッサ」
・“くさや汁”のようなアフワールのソウルフード「マスムータ」
・イスラム文化を逸脱した自由奔放なマーシュアラブ布をめぐる謎……etc.

想像をはるかに超えた“混沌と迷走”の旅が、今ここに始まる――
中東情勢の裏側と第一級の民族誌的記録が凝縮された
圧巻のノンフィクション大作、ついに誕生!

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2023年5月12日 (金)

【読】池澤夏樹=個人編集 世界文学全集

今日、図書館の書架をなんとなく眺めていて、読んでみようと思い立ち、借りてきた本。

池澤夏樹個人編集=世界文学全集 Ⅰ-08
『アフリカの日々/ディネセン・やし酒飲み/チュツオーラ』
河出書房新社 (2008/6/20) 560ページ

これまで、池澤夏樹さんが書いた本をたくさん読んできたが、彼が編集した文学全集も、いい。

日本文学全集と世界文学全集が、河出書房新社から出版されている。

名作を網羅する文学全集の編集方針をあえて避けて、独自の視点で収録作品を選んでいるところが池澤さんらしい。
日本文学全集なら、古事記や源氏物語に代表される古典をベースに、ユニークな作家・作品群。
漱石・鴎外はあっても、太宰治などは、ハナから除外している。
中上健次や石牟礼道子、吉田健一、須賀敦子といった、どちらかというと地味な作家に、それぞれ一巻をあてたり、堀辰雄・福永武彦・中村真一郎を一巻に集めているところなど、憎いではないか。

池澤夏樹=個人編集 日本文学全集 全30巻|シリーズ|河出書房新社
https://www.kawade.co.jp/np/search_result.html?ser_id=87453

世界文学全集は、古典的な名作を避けて、現代の問題作品を網羅している。

池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第1集|シリーズ|河出書房新社
https://www.kawade.co.jp/np/search_result.html?ser_id=87400

池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第2集|シリーズ|河出書房新社
https://www.kawade.co.jp/np/search_result.html?ser_id=87401

池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集|シリーズ|河出書房新社
https://www.kawade.co.jp/np/search_result.html?ser_id=87402

装幀も洗練されている。
一冊ずつカバーが色分けされていて、カラフル。

なにしろ膨大な全集なので、私が所蔵しているのは三冊だけ。
(たぶん、本棚の奥に眠っているハズ)。

 

図書館から、たまに借りてきて読む程度だが、一生ものの全集。
「一生もの」というのは、死ぬまで読み続ける本がある「有難さ」ということだが。

内容はほとんど覚えていないものの、強烈な印象が残っているのが、これ。
ずいぶん前に、図書館から借りて読んだ。
(『アブサロム、アブサロム!』は、同じ訳を別の単行本で読んだ記憶が)

池澤さんは、全集を編む過程のハナシを、別の本で披露している。
これらも手元にある。
まだ、きちんと読んでいないけれど。

 

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2023年4月25日 (火)

【読】池澤夏樹さんの新刊『また会う日まで』

池澤夏樹さんの新刊が出た。

700ページを超える大作で、値も張る(税込3600円)。
このところ本代が嵩んでいるので、本屋では眺めるだけ。
地元の図書館にリクエストしたところ、それほど待たずに借りられた。

池澤夏樹 『また会う日まで』
 朝日新聞出版 (2023/3/7) 728ページ

Amazonより

海軍軍人、天文学者、クリスチャンとして、明治から戦後までを生きた秋吉利雄。
この三つの資質はどのように混じり合い、競い合ったのか。著者の祖母の兄である大伯父を主人公にした伝記と日本の近代史を融合した超弩級の歴史小説。
『静かな大地』『ワカタケル』につづく史伝小説で、円熟した作家の新たな代表作が誕生した。朝日新聞大好評連載小説の書籍化。
(目次から)
終わりの思い 海軍兵学校へ 練習艦隊 第七戒 海から陸へ、星界へ 三つの光、一つの闇 チヨよ、チヨよ ローソップ島 ベターハーフ 潜水艦とスカーレット・オハラ 緒戦とその先 戦争の日常 立教高等女学校 笠岡へ 終戦/敗戦 希望と失意 主よ、みもとに コーダ

かつて『静かな大地』を読んで、深く感銘を受けた。
たしか、単行本で二度、その後、文庫版で再読した。

池澤さんの先祖を題材にして、「開拓」時代の北海道が舞台の小説。

このブログでも、「静かな大地」というカテゴリーを作って、あれこれ書いたほど、入れ込んだ作品だ。

 

静かな大地: やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/cat20103693/index.html

※池澤さんの『静かな大地』というタイトルは、花崎皋平(はなざき・こうへい)『静かな大地 松浦武四郎とアイヌ民族』に倣っている(花崎氏の許諾をえているはず)。私のブログ記事でも、花崎氏の本や松浦武四郎について、たくさん触れている。

【読】長い物語: やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2005/10/post_570d.html

この新作『また会う日まで』も、池澤さんの祖母の兄(大伯父)・秋山利雄が描かれているようだ。
まだ、はじめの70ページほどを読み始めたばかりなので、秋吉利雄という人の生涯を追うのは、これから。

池澤さんの文章が好きなので(『静かな大地』は、かなり凝った文体だったが)、この小説は楽しめそうだ。

ネタバレになりそうだが、新聞の書評を紹介しておこう。

今週の本棚:湯川豊・評 『また会う日まで』=池澤夏樹・著 | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20230318/ddm/015/070/008000c

池澤夏樹が3作目の歴史小説「また会う日まで」で描いた大伯父の3つの顔 現在と重なる日本の戦中史:東京新聞 TOKYO Web
https://www.tokyo-np.co.jp/article/242514

 

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2023年1月 2日 (月)

【読】北方謙三版「水滸伝」に嵌る

年末に観た「新宿梁山泊」の芝居がきっかけで(劇団名に刺激されて)、大作「水滸伝」を読み始めた。
民間説話がベースになっている物語なので、定本といったものはない。
わが国では、吉川英治の「新・水滸伝」、柴田錬三郎の「われら梁山泊の好漢」といった翻案があり、原典(中国語版)を忠実に翻訳したものも多数あるようだ。
中国語版も、七十回本、百回本、百二十回本と、さまざまなバージョンがあるという。

若い頃、平岡正明や竹中労に関心を持っていた時期があり(今でも関心はある)、その影響から「水滸伝」を手に取ったことも。

ただ、読むことはできなかった。

いい機会だ。
北方謙三版「水滸伝」は、ブックオフなどで安く簡単に手に入るので、試しに読み始めたところ、これが面白くてたまらない。
集英社文庫で全19巻の大長編。
その第1巻の文庫解説が北上次郎(目黒孝二の別名)。
この北方版「水滸伝」の魅力を余すところなく紹介している。

の後、年末から年始にかけて第3巻まで読み進めて、いまは第4巻。

ちなみに、第2巻の解説は大沢在昌、第3館は逢坂剛。
錚々たるハードボイルド畑の作家たちが、北方版を絶賛している。

 

北方謙三版は、原典のテキストをベースにしながら、それを大胆に解体し、あらたな小説として作りあげている。

北上次郎の解説によると、
<二百数十年に渡って語り継がれてきた民間説話なので、中国語版は「ヘンな物語」> なのだそうで。
<人物のキャラクターがはっきりしないし、バランスも悪く、物語として壊れているといってもいい> とまで。

中国語版原典を翻訳しただけの版に手を出さなくてよかったと思う。
(若い頃、読もうと思ったのも駒田信二訳の、このてのものだった)

ただ、この北方版でも登場人物の多彩さ、人数の多さ、地名の煩雑さは障害になっている。
文庫の各巻冒頭に、登場人物一覧と当時の中国の簡単な地図が載っているが、なかなか頭にはいってこない。

第3巻あたりで、ようやく主要な人物の名前が区別できるようになった。

そんな悩みを抱えていたところ、同じ作者(北方謙三)が著した「読本」があることを知り、文庫の新本を年末に注文した。
書店が営業を始める頃には届くことだろう。

さらに、平岡正明が書いたこんな本も発見。
こちらはすでに絶版のようなので、中古を発注。
まもなく手元に届く。

『中国 水滸伝・任侠の夢 (世界・わが心の旅)』
単行本 – 1996/4/1
日本放送出版協会

平岡 正明 (著), 黄 波 (著)

「水滸伝」への思い強く、「水滸伝」を行動する男である著者が、乱世を生きた好漢の末裔が住む山東省へ旅立つ。徹底的に現地を取材した水滸伝研究書でもある。世界・わが心の旅シリーズ。

昨年、たて続けに読んだ「ゴールデンカムイ」(コミック、全31巻)のときのように、この小説に嵌りそうな予感。

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2022年3月21日 (月)

【読】五木さんの桐野夏生評

桐野夏生の小説が好きで、このところ古本の文庫を買っては読んでいる。

新刊の単行本は、図書館から借りたり(予約待ち行列ができているが)、待ちきれずに買ったこともある。
今日も市内のブックオフで手当たり次第に読んでいない文庫を集めて、レジに持って行ったところ、12冊で4100円。
できるだけ100円(税抜き)の棚から買いたいのだが、400~500円ぐらいのものが8冊。

20220321-130915

しばらく楽しめそうだ。

読んだ本をダブって買ってしまわないように、リストも作っている。
〇印が手元にあってまだ読んでいないもの。
●印が読み終えたもの。

読み終えた本は、どんどんブックオフに持って行っている。

・ファイアボール・ブルース―逃亡(1995年1月 集英社)
 【改題】ファイアボール・ブルース(1998年5月 文春文庫)
●OUT(1997年7月 講談社 / 2002年6月 講談社文庫【上・下】)
・錆びる心(1997年11月 文藝春秋 / 2000年11月 文春文庫 / 2006年1月 大活字文庫【上・下】)
 所収作品:虫卵の配列 / 羊歯の庭 / ジェイソン / 月下の楽園 / ネオン / 錆びる心
〇ジオラマ(1998年11月 新潮社 / 2001年10月 新潮文庫)
 所収作品:デッドガール / 六月の花嫁 / 蜘蛛の巣 / 井戸川さんについて / 捩れた天国 / 黒い犬 / 蛇つかい / ジオラマ / 夜の砂
●柔らかな頬(1999年4月 講談社 / 2004年12月 文春文庫【上・下】)
・光源(2000年9月 文藝春秋 / 2003年10月 文春文庫)
・玉蘭(2001年3月 朝日新聞出版 / 2004年2月 朝日文庫 / 2005年6月 文春文庫)
・ファイアボール・ブルース2(2001年8月 文春文庫)
・リアルワールド(2003年2月 集英社 / 2006年2月 集英社)
〇グロテスク(2003年6月 文藝春秋 / 2006年9月 文春文庫【上・下】)
〇残虐記(2004年2月 新潮社 / 2007年8月 新潮文庫)- 週刊アスキー連載。連載時タイトルは「アガルタ」。桃源郷としての「アガルタ」を全く知らないままタイトルとして採用したとのこと
〇I'm sorry, mama(2004年11月 集英社 / 2007年11月 集英社文庫)
・魂萌え!(2005年4月 毎日新聞社 / 2006年2月 新潮文庫【上・下】)・
・冒険の国(2005年10月 新潮文庫)
●アンボス・ムンドス(2005年10月 文藝春秋 / 2008年11月 文春文庫)
 所収作品:植林 / ルビー / 怪物たちの夜会 / 愛ランド / 浮島の森 / 毒童 / アンボス・ムンドス
〇メタボラ(2007年5月 朝日新聞社 / 2010年7月 朝日文庫【上・下】 / 2011年8月 文春文庫)
●東京島(2008年5月 新潮社 / 2010年5月 新潮文庫)
●女神記(2008年11月 角川書店 / 2011年11月 角川文庫)
〇IN(2009年5月 集英社 / 2012年5月 集英社文庫)
●ナニカアル(2010年2月 新潮社 / 2012年10月 新潮文庫)
・優しいおとな(2010年9月 中央公論新社 / 2013年8月 中公文庫)
・ポリティコン(2011年2月 文藝春秋【上・下】 / 2014年2月 文春文庫【上・下】)
〇緑の毒(2011年8月 角川書店 / 2014年9月 角川文庫)
〇ハピネス(2013年2月 光文社 / 2016年2月 光文社文庫)
〇だから荒野(2013年10月 毎日新聞社 / 2016年11月 文春文庫)
〇夜また夜の深い夜(2014年10月 幻冬舎 / 2017年10月 幻冬舎文庫)
・奴隷小説(2015年1月 文藝春秋 / 2017年12月 文春文庫)
 所収作品:雀 / 泥 / 神様男 / REAL / ただセックスがしたいだけ / 告白 / 山羊の目は空を青く映すか Do Goats See the Sky as Blue?
〇抱く女(2015年6月 新潮社 / 2018年8月 新潮文庫)
●バラカ(2016年3月 集英社 / 2019年2月 集英社文庫【上・下】)
・猿の見る夢(2016年8月 講談社 / 2019年7月 講談社文庫)
●夜の谷を行く(2017年3月 文藝春秋 / 2020年3月 文春文庫)
〇デンジャラス(2017年6月 中央公論新社 / 2020年6月 中公文庫)
〇路上のX(2018年2月 朝日新聞出版 / 2021年2月 朝日文庫)
・ロンリネス(2018年6月 光文社 / 2021年8月 光文社文庫)
・とめどなく囁く(2019年3月 幻冬舎)
●日没(2020年9月 岩波書店)
●インドラネット(2021年5月 KADOKAWA)
●砂に埋もれる犬(2021年10月 朝日新聞出版)
・燕は戻ってこない(2022年3月4日 集英社)

【小説 村野ミロシリーズ】
・顔に降りかかる雨(1993年9月 講談社 / 1996年7月 講談社文庫 / 2017年6月 講談社文庫【新装版】)
・天使に見捨てられた夜(1994年6月 講談社 / 1997年6月 講談社文庫 / 2017年7月 講談社文庫【新装版】)
〇水の眠り灰の夢(1995年10月 文藝春秋 / 1998年10月 文春文庫 / 2016年4月 文春文庫【新装版】)
〇ローズガーデン(2000年6月 講談社 / 2003年6月 講談社文庫 / 2017年8月 講談社文庫【新装版】))
収録作品:ローズガーデン / 漂う魂 / 独りにしないで / 愛のトンネル
・ダーク(2002年10月 講談社 / 2006年4月 講談社文庫【上・下】)

【ロマンス小説】
・愛のゆくえ(1984年12月 サンリオニューロマンス)
・熱い水のような砂(1986年2月 サンリオニューロマンス)
・真昼のレイン(1986年7月 サンリオニューロマンス)
・夏への扉(1988年1月 双葉社) ※桐野夏子名義
・夢の中のあなた(1989年3月 双葉社) ※桐野夏子名義
・ジュニア小説(野原野枝実名義)
・恋したら危機!(1989年8月 MOE文庫)
・あいつがフィアンセだ!(1989年8月 MOE文庫)
・小麦色のメモリー(1989年8月 MOE文庫)
・トパーズ色のband伝説(1989年10月 MOE文庫)
・恋したら危機! パート2(1989年12月 MOE文庫)
・媚薬(1990年3月 MOE文庫)
・恋したら危機! パート3(1990年5月 MOE文庫)
・急がないと夏が… プールサイドファンタジー(1990年7月 MOE文庫)
・セントメリークラブ物語1 セントメリーのお茶会にどうぞ(1990年10月 MOE文庫)
・セントメリークラブ物語2 銀の指輪は冷たく輝く(1991年1月 MOE文庫)
・ガベージハウス、ただいま5人(1991年3月 コバルト文庫)
・涙のミルフィーユボーイ(1992年1月 コバルト文庫)
・ルームメイト薫くん 1-3(1993年-94年 偕成社)

ところで、1999年刊行の『柔らかな頬』は、同年7月の第121回直木三十五賞を受賞している。

当時の選考委員だった五木寛之さんが、この作品をどう評価しているのか興味があった。
そういえば、こんな本が手元にあった。

『ぼくが出会った作家と作品 五木寛之選評集』 東京書籍 2010年刊

 

五木さんは、1978年(第79回)から2010年(第142回)まで、直木賞選考委員を勤めていたはず。

直木賞選考委員リスト
https://prizesworld.com/naoki/sengun/

この本から、第121回直木賞の五木さんの選評を抜き出してみる。
ちなみにこの回の受賞作は二作で、佐藤賢一『王妃の離婚』桐野夏生『柔らかな頬』だ。

 

<今回は天童荒太さんの「永遠の仔」を最後まで推したのだが、意外なほど不評で、桐野夏生さんの「柔らかな頬」と、佐藤賢一さんの「王妃の離婚」に圧倒的な支持が集り、二作受賞の運びとなった。(中略)
桐野夏生さんの「柔らかな頬」は、以前、候補になりながら受賞しなかった「OUT」とくらべて、新人の小説としての野心に欠けると思った。「OUT」は文字通り良俗的世界からブレイクアウトすることを志した作品である。制度としての直木賞のラインからはじき出されたところにこそ、「OUT」の真の栄光があったのではあるまいか。私は胸中にウメガイを抱いているかのように見えるこの作家が、ふたたび「OUT」の世界を描いて「平地人を戦慄せしめ」るであろうことを、ひそかに期待している。賞などというものは取ってしまえばこっちのものだ。あとは勝手にわが道をゆけばいいのである。(後略)>

いかにも五木さんらしいと思う。

「ウメガイ」とは、「サンカ」と呼ばれた人たちが持ち歩いた刀剣。
シンボル的な意味合いを持つ道具らしい。

「平地人を戦慄せしめ(よ)」は、有名な柳田国男の「遠野物語」序文に出てくるフレーズ。

 

『風の王国』『戒厳令の夜』を読むと、五木さんの 「サンカ」への関心・思い入れが、うかがい知れる。

桐野夏生さんは、五木さんのこの選評を目にしていると思うが、五木さんが言うように「良俗的世界からブレイクアウト」する人々を描き続けている。そこがこの作家の魅力だと思う。

 

 

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2019年12月28日 (土)

【読】今年も総集編(2019年・読書編 -2-)

「読書編 -1-」に書ききれなかった、今年読んで印象に残った本の続き。

ノーマ・フィールド

たしか、『戦争をよむ 70冊の小説案内』(中川成美/岩波新書)で知った、ノーマ・フィールドという女性。
うまく紹介できないので、ウィキペディアから転載する。

<ノーマ・フィールド(Norma M. Field, 1947年 - )は、アメリカ合衆国の日本研究者、シカゴ大学名誉教授。
第二次世界大戦後の東京で、アメリカ人の父と日本人の母の子として生まれる。1974年、インディアナ大学で東アジア言語文学の修士号を取得。1980年に来日し研究。1983年、プリンストン大学で同博士号取得。シカゴ大学に奉職し、東アジア学科教授をへて名誉教授。
夏目漱石の『それから』の英訳(And Then)に続き、『源氏物語』論である『憧憬の輝き』(Splendour of Longing)で注目された。
1988年の再来日の折に昭和天皇の死去に至る日々を体験。ルポルタージュ『天皇の逝く国で』を著し、この著書の日本語訳によって日本でも一般に知られるようになった。>

学者ではあるが、その著作からは、誠実な人柄が伝わって来て、好感が持てる。

ノーマ・フィールド/大島かおり訳 『天皇の逝く国で [増補版]』 みすず書房
ノーマ・フィールド/岩崎稔/成田龍一 『ノーマ・フィールドは語る 戦後・文学・希望』 岩波ブックレット781
ノーマ・フィールド 『いま、<平和>を本気で語るとは 命・自由・歴史』 岩波ブックレット990
ノーマ・フィールド/大島かおり訳 『祖母のくに』 みすず書房
ノーマ・フィールド/大島かおり訳 『へんな子じゃないもん』 みすず書房

上にあげた岩波新書で紹介されていたのが『天皇の逝く国で』
天皇裕仁(昭和天皇)が死去(崩御)したときの日本の状況(自粛ムード)と、天皇制に静かに異議を唱えた三人への取材、それに自らの体験を織り交ぜて論述している。

アマゾンより。
<「自粛」「常識」という社会の抑圧に、抵抗できるか。/登場人物は体制順応という常識に抗った三人の日本人。/沖縄国体で日の丸を焼いた知花昌一、殉職自衛官の夫の靖国神社合祀に反対した中谷康子、天皇の戦争責任を明言して狙撃された長崎市長の本島等。/あれから20年余、増補版のために書かれた新たなあとがきを付す。>

『祖母のくに』『へんな子じゃないもん』の二作は、幼少期、日本で育った著者のおもいでが、温かく綴られていて、よかった。
この三冊は、すっかり気に入ったので、図書館に返却した後で、古本をネットで購入したほど。

 

なお、ノーマ・フィールドについては、このブログにも8月に書いている。
お読みいただけると、うれしい。

【読】ノーマ・フィールド - やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2019/08/post-c2c768.html

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2018年1月10日 (水)

【雑】紅梅、ほころぶ

きのう、気温が16度ぐらいまであがって、春のような陽気だった。
今日は、晴れているものの、南風が強い。

南側のベランダから見える紅梅が、早くもほころんできたのか、上から見ると薄紅色がきれいだ。

撮影 2018/1/10 東京都東大和市

20180110142133

例年、この時期には咲き始めるのだったか、憶えていないけれど……。

ブログの過去記事を見てみると、一昨年の1月19日には、その数日前に積もった雪に、紅梅の薄紅が映える写真が掲載されていた。
そんなこともあったのだなあ。

【雑】冷え込み: やまおじさんの流されゆく日々
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-26f5.html

今日の午前中は、市の健康センターで胃がん検診。
指定時刻より30分以上早く着いたので、市の中央図書館で時間をつぶした。
平日なのに、思ったよりもたくさんの利用者がいた。

図書館では、今読み続けているイザベラ・バード関連の本を、また二冊借りた。

 

金坂清則訳 『新訳 日本奥地紀行』(平凡社東洋文庫)は、今読み続けている『完訳 日本奥地紀行』(金坂清則訳・東洋文庫、全4巻)の別バージョン。

英国でか「完全版」の後に発行された「簡略版」の新訳。
完全版と比べてみると、ダイジェスト版でカットされている部分がわかって、興味ぶかい。

金坂氏の長年のバード研究に傾ける情熱がうかがえる。
これまでの別の訳者による翻訳への批判も容赦ないが、いやみな感じはない。

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