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2019年12月28日 (土)

【読】今年も総集編(2019年・読書編 -3-)

2019年総集編の読書編の最後は、コミック。

ふだん、コミックを読むことは、ほとんどない。
だが、このコミックだけは、読みたいと思った。

漫画週刊誌に今でも連載しているはず。
私は、単行本の19巻目まで入手。
この後も買い続けることだろう。

野田サトル 『ゴールデンカムイ 1~19』 ヤングジャンプコミックス(YJC)

18巻目まで読了。

ウィキペディアより。
<『ゴールデンカムイ』は、野田サトルによる日本の漫画。明治末期の北海道・樺太を舞台にした、金塊をめぐるサバイバルバトル漫画。『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて、2014年38号(2014年8月21日発売)から連載中[3]。累計発行部数はコミックス第18巻の発売時点で1000万部を突破している。>

 

コミックなので、誇張した表現なのだが、内容はアイヌの民俗・風習をしっかり押さえている。

監修しているのが、アイヌ学者の中川裕さん。
この人が、このコミックを引きながらアイヌ文化について、詳しく解説している本がある。
この本も読みごたえのある良書。

中川裕 『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』 集英社新書

 

以下、アマゾンより転載。

【本書の主な内容】
・「カムイ」とはそもそも何なのか?
・世にも恐ろしい魔物たちの伝説
・アイヌは子どもの名前をどのように決めるのか
・超特急! アイヌ語入門
・『ドラゴンボール』そっくり!? アイヌの英雄物語「ユカ(ラ)」徹底解説
・家庭で作れるアイヌ料理
・大人気! 「オソマ」と「チタタ(プ)」にまつわる裏話
・「ゴールデンカムイ」 あの名シーンの背景
・アイヌ語監修の仕事と創作秘話 ほか

【目次】
序章 アイヌ文化に人々を惹きつける「ゴールデンカムイ」の魅力
第一章 カムイとアイヌ
第二章 アイヌの先祖はどこから来たか?
第三章 言葉は力
第四章 物語は知恵と歴史の宝箱
第五章 信仰と伝説の世界
野田サトル先生描き下ろし オリジナル漫画
第六章 「ゴールデンカムイ」のグルメワールド
第七章 「ゴールデンカムイ」名シーンの背景
第八章 アシリパたちの言葉 アイヌ語とは
終章 アイヌ語監修というのは何をやっているのか?
付録 「ゴールデンカムイ」をより楽しむためのブックガイド

【著者略歴】
中川 裕(なかがわ ひろし)
1955年神奈川県生まれ。
千葉大学文学部教授。東京大学大学院人文科学研究科言語学博士課程中退。
1995年、『アイヌ語千歳方言辞典』(草風館)を中心としたアイヌ語・アイヌ文化の研究により、金田一京助博士記念賞を受賞。
野田サトル氏による漫画「ゴールデンカムイ」では、連載開始時から一貫してアイヌ語監修を務める。

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【読】今年も総集編(2019年・読書編 -1-)

今年の振り返りで、読書編。

毎年、年間100冊読破が目標なのだが、今年も完全に読んだのは70冊ばかり。
まあ、たくさん読めばいいというものでもないのだ、などと、これも毎年の言い訳。

これは面白かった、と、私が感じた本をあげておこうか。

◆小説・ノンフィクション◆
エンタメ系が多い。
面白い小説に出会えた年だった。

深緑野分 『ベルリンは晴れているか』 筑摩書房

第二次世界大戦末期のベルリン、ナチス・ドイツの崩壊直後が舞台の小説。
今年はじめに読んだので、内容はうろ覚え。
アマゾンの紹介文をあげておく。

<総統の自死、戦勝国による侵略、敗戦。何もかもが傷ついた街で少女と泥棒は何を見るのか。1945年7月。ナチス・ドイツが戦争に敗れ米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。ソ連と西側諸国が対立しつつある状況下で、ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が、ソ連領域で米国製の歯磨き粉に含まれた毒により不審な死を遂げる。米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、彼の甥に訃報を伝えるべく旅出つ。しかしなぜか陽気な泥棒を道連れにする羽目になり―ふたりはそれぞれの思惑を胸に、荒廃した街を歩きはじめる。最注目作家が放つ圧倒的スケールの歴史ミステリ。>

池澤夏樹 『砂浜に坐り込んだ船』 新潮社

池澤夏樹さんは、大好きな作家。
図書館の単行本で読んだ。
池澤さんの著作をまめに追いかけているわけでもないので、たまたま図書館でみつけて借りてきた。

これも、アマゾンの紹介文を。
(以下、アマゾンからの転載部分は<>で括った)

この短編集は、北海道が舞台なのが、うれしい。

<石狩湾で坐礁した、五千トンの貨物船。忽然と砂浜に現れた非日常的な巨体に魅せられ、夜、独り大型テレビでその姿を眺めていると、「彼」の声がした。友情と鎮魂を描く表題作と、県外の避難先から消えた被災者の静かな怒りを見つめる「苦麻の村」、津波がさらった形見の品を想像力のなかに探る「美しい祖母の聖書」ほか、悲しみを乗り越える人々を時に温かく時にマジカルに包み込む全9編。>

 

角幡唯介 『漂流』 新潮社
角幡唯介 『極夜行』 文藝春秋
角幡唯介 『極夜行前』 文藝春秋

これも私の好きな角幡唯介さんの本。
ひとつ目は小説風のノンフィクション。
宮古島の西隣、伊良部島の佐良浜の漁師が主人公。
ここには、昨年11月、小旅行してきたので、臨場感があった。

<奇跡の生還から8年。マグロ漁師を再び海に向かわせたものは何だったのか? 1994年冬、沖縄のマグロ漁師・本村実は、フィリピン人らと共に救命筏で37日間の漂流の後、「奇跡の生還」を遂げた。だが8年後、本村は再び出港し二度と戻らなかった。九死に一生を得たにもかかわらず、なぜ再び海に出たのか? 沖縄、グアム、フィリピンなどで関係者らの話を聞き、漁師の生き様を追った渾身の長編ノンフィクション。>

『極夜行』『極夜行前』の二作は、探検家 角幡さん自身の探検記。
何か月も太陽の光が射さない「極夜」を、犬ぞりで走破しようと悪戦苦闘する姿に感動。

<探検家の角幡唯介氏は、グリーンランド北西部にある地球最北のイヌイット村、シオラパルクに拠点を置き、極夜の中、グリーンランドとカナダの国境付近を四ヶ月かけて探検した。/角幡氏を極夜へと駆り立てたのは、イヌイットの言い伝えで「お前は太陽から来たのか。月から来たのか」と、今から二百年前、初めて部族以外の人間に出会ったイヌイットが発した言葉だという。この一言が角幡氏の心の琴線に触れた。「極夜の世界に行けば、真の闇を経験し、本物の太陽を見られるのではないか」 >

 

真藤順丈 『宝島』 講談社

第160回直木賞受賞作。
図書館では貸出待ち行列ができていたため、自腹で購入。
期待を裏切らず、血沸き肉躍る面白さ。
”本土復帰”を控えたアメリカ統治下の沖縄。
そこで「戦果アギャー」(戦果をあげる者)と呼ばれた、米軍基地からの略奪者たちが描かれ、沖縄の姿が真に迫ってくる。
上質のエンタメ小説。
沖縄の歴史を見直すとばぐちにもなる。

私にとっては、昨年読んだ馳星周『弥勒世』に匹敵する、今年読んだ最高傑作。

 

服部小雪 『はっとりさんちの狩猟な毎日』 河出書房新社
服部文祥 『百年前の山を旅する』 山と渓谷社

服部小雪さんは、服部文祥さん(冒険家というのか)の奥さま。
服部家の、世間とはちょっとズレている生活(狩猟とか、屠畜とか)がユーモラスに描かれている。
挿絵もいい。まるで絵本のような。
『百年前の山を旅する』は、だいぶん前に購入したまま読んでいなかった。
”サバイバル登山”を標榜している服部文祥さんの、ワイルドな登山記。
山好きな私には、たまらなかった。

 

葉真中顕(はまなか・あき) 『凍てつく太陽』 幻冬舎

図書館本。
この作家を読むのは初めて。
終戦間際の北海道(室蘭あたり)を舞台に、アイヌの青年(特高警察官)と同僚をめぐり、ミステリアスな展開。
結末のどんでん返しは、まさに、ネタバレ注意。
謎解きの面白さがあったが、タネを知ってしまったので、再読できない。
これも、私のおすすめ。

 

中島京子 『夢見る帝国図書館』 文藝春秋

今年の新刊。
たしか、新聞の書評で知って、読んでみようと思った。
図書館本。

「図書館が主人公の小説を書いてみるっていうのはどう?」
作家の〈わたし〉は年上の友人・喜和子さんにそう提案され、帝国図書館の歴史をひもとく小説を書き始める。もし、図書館に心があったなら――資金難に悩まされながら必至に蔵書を増やし守ろうとする司書たち(のちに永井荷風の父となる久一郎もその一人)の悪戦苦闘を、読書に通ってくる樋口一葉の可憐な佇まいを、友との決別の場に図書館を選んだ宮沢賢治の哀しみを、関東大震災を、避けがたく迫ってくる戦争の気配を、どう見守ってきたのか。/日本で最初の図書館をめぐるエピソードを綴るいっぽう、わたしは、敗戦直後に上野で子供時代を過ごし「図書館に住んでるみたいなもんだったんだから」と言う喜和子さんの人生に隠された秘密をたどってゆくことになる。・・・

しんみるする、意外な結末。

 

帚木蓬生(ははきぎ・ほうせい) 『三たびの海峡』 新潮文庫
帚木蓬生 『逃亡(上)(下)』 新潮文庫

この作家も、私は初めて。
(現代の人気作家に、あまり馴染みがなかったのだろう)

『三たびの海峡』は、三國連太郎主演の映画で有名らしい(私は観ていない)。
かなり前に出版された小説。
朝鮮半島からの徴用工(強制連行)が主人公。
九州の炭鉱で実際にあったことに、驚く。
知らなかったことが多すぎる。

 

Facebookにこの本のことを書いたところ、FB友達から教えてもらったのが『逃亡』という小説。
これも、戦後すぐ、中国からの引き揚げ、元憲兵の逃避行が描かれていて、重い内容だった。

1945年8月15日、日本敗戦。国内外の日本人全ての運命が大きく変わろうとしていた――。香港で諜報活動に従事していた憲兵隊の守田軍曹は、戦後次第に反日感情を増す香港に身の危険を感じ、離隊を決意する。本名も身分も隠し、憲兵狩りに怯えつつ、命からがらの帰国。しかし彼を待っていたのは「戦犯」の烙印だった……。「国家と個人」を問う日本人必読の2000枚。柴田錬三郎賞受賞。

 

馳星周 『蒼き山嶺』 光文社
馳星周 『美ら海、血の海』 集英社文庫
馳星周 『約束の地で』 集英社
馳星周 『神(カムイ)の涙』 実業之日本社

12月になって、馳星周さんの小説を立て続けに読んだ。
昨年読んだ『弥勒世(みるくゆー)』に圧倒されて、この作家に興味をもった。
ただ、作品のテーマ・味わいが多岐にわたっていて、食指が動かない作品も。

そのなかでも、扱っているテーマが、山岳、沖縄戦、アイヌといった作品を選んで読んだのだった。
(『約束の地』だけは、家族、家庭内暴力、痴呆などを扱った、現代的な重い内容だったが)

『蒼き山嶺』
北アルプスの白馬連山を舞台にした山岳小説。
それなりに面白かったが、主人公の超人的なパワー(雪山を人と荷物を背負って延々と歩く)は、ちょっと現実離れしていはしないか。
鼻白む感あり。

『美ら海、血の海』
沖縄戦で血のにじむ体験をした、鉄血勤王隊の少年が主人公。
沖縄戦の地獄の様相が鬼気迫る。
歴史を正しく認識するためにも、こういう小説が読まれるといいと思う。
沖縄戦についてはノンフィクションの記録も多いが、小説(フィクション)ならではの真実がある、というのが私の持論。

『約束の地で』
上に書いたとおり。
登場人物たちが連鎖する、5つの連作短編。
身に迫る。

『神(カムイ)の涙』
題名から連想されるように、北海道の道東地方が舞台。
アイヌの老人(木彫作家、元猟師)と孫娘、そこに、木彫りの弟子になりたいと訪ねてきた青年。
この三人の意外な関係、青年の過去が、だんだんと明かされてくる。
ストーリーにひねったところはない。
ストレートに胸に響く内容。

 

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2019年8月23日 (金)

【読】朝鮮戦争・朝鮮分断の起源

8月12日から、途中、中断もあったが、読み続けている本。
たしか、地元の図書館にリクエストして入れてもらった、新刊。

西村秀樹 『朝鮮戦争に「参戦」した日本』 三一書房 (2019/6/25) 319ページ

 

朝鮮戦争当時、大阪で発生した「吹田枚方事件」を詳細に追跡した内容だが、朝鮮戦争、それ以前の(日本敗戦後の)朝鮮半島の南北分断に至った歴史経緯が、綿密に検証されている。
第二部 朝鮮戦争と日本 第五章 なぜ朝鮮は分断されたのか、なぜ日本は分断されなかったのか P.84~P.105

その内容を忘れないように、テキストファイルに文字入力してみた。
ほぼ原文の書き写し(できるだけ箇条書きになるよう心掛けたが)。

歴史認識が喧伝される昨今、いわゆる慰安婦問題、徴用工問題の遠因を考えるために、公正な歴史認識が必要だと思う。
私も知らなかったことが多く、自身の歴史認識の整理が、少しはできたかな、と思う。

以下、長文。

西村秀樹 『朝鮮戦争に「参戦」した日本』 三一書房 (2019/6/25) 319ページ 【東大和市立図書館】
2019/8/12~

第二部 朝鮮戦争と日本
第五章 なぜ朝鮮は分断されたのか、なぜ日本は分断されなかったのか P.84~105

■朝鮮戦争の二つの要素
・国際的要素・・・第二次世界大戦末期からの朝鮮半島をめぐる米ソの勢力抗争
・国内的要素・・・統一朝鮮国家の指導権をめぐる半島内部の対立
二つの要素が交錯、融合した典型的な「国際内戦」
戦後日本の針路に決定的な影響を与えた (神谷不二『朝鮮戦争』中公文庫・1990)

■ドイツの東西分割・・・戦前の領土の四分の一の面積がポーランドに編入
「ある日、私のクラスの学生が手を上げて、どうして挑戦は45年に分割されたのか、なぜ日本はドイツのように分割されなかったのか」
「そのときは言葉を失ってしまった。その方が『正当な』解決策であったのだ。日本人はこんなことを聞きたくないと思うが、朝鮮よりも日本を分割する方が正当な処置であったはずだ。
(ブルース・カイングス『朝鮮戦争の起源』シアレヒム社・1989-91)

■なぜ朝鮮が分断されたのか
アメリカ政府の軍部は、日本を四分割する計画をもっていた。 (五百旗頭真『米国の日本占領政策』中央公論新社・1985)
このプランにアメリカ国務省が反対、日本の領土は三分割された。
・連合国軍最高司令官兼アメリカ太平洋陸軍総司令官マッカーサー元帥による北海道、本州、四国、九州の占領
・アメリカ太平洋方面(海)軍総司令官ニミッツ提督による琉球列島、小笠原諸島の占領
・ソ連極東軍総司令官ワシレフスキー元帥による「北方領土」(樺太、千島)の占領
(竹前栄治『占領戦後史』岩波書店・1980/1992)

■米国は日本の朝鮮支配を承認していた
黒船来航(1853)~日米和親条約締結(1854)
明治維新(1868)
日清戦争(1894-95) 朝鮮半島の支配権をめぐる清との戦争
日露戦争(1904-05) 中国・遼東半島、満州鉄道の利権をめぐるロシアとの戦争
アメリカが帝国主義路線に踏み出した時期
・キューバに対する覇権争いと独立をめぐるスペインとの戦争(1898)に勝利
・同時期、国王フェリペ二世ゆかりの島国スペイン領フィリピンでの米比戦争を鎮圧
 フィリピンを植民地として支配、宗主国となる
桂=タフト協定(秘密協定・1905/7)
セオドア・ルーズヴェルトの特使・陸軍長官タフトがフィリピンに向かう途中、日本を訪れ、当時の総理大臣兼外務大臣・桂太郎と面談、秘密協定を結ぶ
(1)日本はアメリカのフィリピン当地に同意し、同地に何らの野心もない
(2)極東平和のため日英米三国の好意ある理解が必要
(3)アメリカは、韓国(大韓帝国)に対する日本の保護監督権を承認する
「この協定は、この直後締結された日英同盟改訂、日露講和条約とともに日本の韓国保護国化を列強が保証したものであった」
(『岩波日本史辞典』)

■乙巳(いっし)条約と韓国
乙巳条約(第二次日韓協約)・・・韓国の外交権を奪って保護国とし、総督府を置く(1905)
アメリカはソウルの公使館を閉鎖(1905/11)
以後、36年間、アメリカは日本の朝鮮支配を承認、朝鮮独立運動へのサポートを抑制
韓国併合、植民地化(1910)
※「併合」=二つ以上のものをあわせて一つにすること。(類語として)統合・合併・合一・合体・合する
(三省堂『現代新国語辞典』)
外務省の政務局長倉知鉄吉が「其語調の余り過激ならざる文字」を目的に新たに作った言葉。
「この新語はオーストリア・ハンガリー帝国のように対等の連邦国家のように誤解する人もいたが、韓国が全然廃滅に帰して(大日本)帝国の領土の一部となる意を明かす」ためだと覚書に記載。(倉知鉄吉は、当時の対韓政策の原案を作成)

■韓国併合条約
カタチの上では、韓国の皇帝が日本の天皇に併合を申し出て、日本の天皇がこれを受け入れた「任意」を装っているが、実態は、日本が軍隊・警察をつかって徹底的に弾圧した結果だ
ソウルの西大門(ソデムン)刑務所跡地にある「歴史館」には、かつての政治犯が受けた扱いが展示されている
西大門刑務所歴史館 | 観光-ソウルナビ https://www.seoulnavi.com/miru/24/

■朝鮮は日本の鏡
黒船来航(砲艦外交)~鎖国から開国へ~明治維新
日本は中国(清国)の冊封国朝鮮の支配を意図
征韓論(1873)・・・ベクトルが逆の砲艦外交で開国させる(江華島事件・1875)
日清戦争、日露戦争も原因は朝鮮、満州=中国東北部
日清戦争、三国干渉
遼東半島を清国に返還、ロシアが大連・旅順の租借権などを獲得、満州に軍隊駐留
日露戦争
日本海戦でからくもロシア艦隊を破る
日ロ双方の事情(日本:財政上の問題、ロシア:革命運動の激化)から、セオドア・ルーズヴェルトの斡旋を受け入れ、ポーツマス講和条約締結
結果、朝鮮の植民地化、遼東半島の租借権、満州の鉄道利権を手に入れる
明成(ミョンソン)皇后(=閔妃)暗殺事件(1895)

■「満州国」
韓国併合をアメリカは承認
満州事変(1931)
満州国樹立(1932)
リットン調査団報告
国際連盟脱退
日中戦争始まる(1937)
「大東亜戦争」(1941)

■ソヴィエト連邦の対日政策
社会主義国ソヴィエト連邦を仮想敵国とし、ソ連との距離感に悩む
ナチスドイツのポーランド侵攻(1939/9)、オランダ、フランスへの侵攻
ナチスドイツ、ソ連との相互不可侵条約締結(1939/8)、英仏との戦闘に専念
ナチスドイツ、ソ連に侵攻、条約破棄(1941/6)
ソ連、「満州国」に滞在する「関東軍」(万里の長城の東に位置する山海関から東エリアを「関東」という)の兵力を警戒、日本と日ソ中立条約締結(1941/4)、ナチスドイツとの戦争に専念
ソ連、英米に対して、早く西ヨーロッパに兵力を上陸させてナチスドイツを東西から挟み撃ちすることを望む
英米軍の上陸は遅れる
ソ連、英米がナチスとソ連という全体主義国家の共倒れを狙っているのではないかと疑う
英米を主力とする連合国のシチリア島上陸(1943/7)、イタリア本土上陸(1943/9)
フランスのノルマンディー上陸(1944/6)
ヨーロッパ第二戦線ができるまで、ソ連はナチスとの単独戦争を余儀なくされ、レニングラード攻防戦などで膨大な死傷者を出す

■カイロ会議
ミッドウェー海戦(1942/6)
ガダルカナル戦(1942/11)
英米首脳、中華民国総統・蒋介石をカイロに招き、対日政策を話し合う首脳会談=カイロ会議(1943/11)
チャーチルは蒋介石招聘に疑義を抱くも、フランクリン・ルーズヴェルトは中華民国が日本と抜け駆けで講和条約を結ぶことを警戒
英米首脳、カイロからテヘランを往復、テヘランでスターリンと会談、第二次大戦後のヨーロッパについて議論、カイロに戻る
英米中三首脳のカイロ宣言(1943/12/1)
この中で朝鮮について言及「朝鮮人民の奴隷状態に留意し、朝鮮をやがて自由かつ独立のものとする」
「やがて」という制約条件の背景・・・英米が挑戦を信託統治にする考え(独立はその後)
イギリスは植民地インドの問題を抱え、独立に反対した

■ヤルタ会談
クリミア半島(ロシア・ロマノフ王朝のリゾート地、黒海北部)の保養地ヤルタに、ルーズヴェルト、チャーチル、スターリンが集まる(1945/2)
主たる議題:ヨーロッパの重要問題、とりわけポーランド問題
対日参戦については米ソだけで話し合う(チャーチルは外される)
「ナチスドイツ降伏後、ソ連は二、三か月のうちに対日戦争に参戦」が同意される
スターリンは、日露戦争で失った樺太南半分、満州での既得権益にとどまらす、外モンゴル(当時のモンゴル人民共和国)の現状維持、千島列島の獲得までルーズヴェルトに要求
ヤルタ会談の後、ルーズヴェルトが病死(1945/4/12)
副大統領のトルーマンが第33代大統領に就任(選挙を経ていない大統領という後ろめたさを本人は抱えていた)

■日本はソ連へ和平工作を依頼 (なんという間抜けさかげん)
日本の敗色濃厚
ソ連外相モロトフ、モスクワの中ソ日本大使・佐藤尚武を呼び出し、日ソ中立条約を延長しない旨通告(1945/4/4)
期限切れまでは現状維持と伝える
東京では総理大臣が変わり、鈴木貫太郎に(昭和天皇の信任が厚く、海軍大将、枢密院議長)(1945/4/5)
アメリカの知日派、鈴木内閣誕生を、日本が「無条件降伏」まではいかないまでも、戦争終結の準備を始めたと受け止める
(武田清子『天皇観の相克』岩波現代文庫)
ソ連、ヤルタ会談での米国の同意に基づき、対日参戦の準備に入る
「シベリアでソ連赤軍が軍備力を増強」との情報は、日本のスパイ網にかかり、東京に報告が上がっていた
(にもかかわらず、日本は間抜けなことに、当時の陸軍は連合国との和平仲介をソ連に求める)
ナチスドイツ降伏(1945/5/7)
ソ連、対日参戦準備を本格的に始める
昭和天皇、ソ連への特使派遣を決定(1945/7/9)―元総理大臣・近衛文麿
中ソ日本大使・佐藤尚武、外相モロトフに会えずじまい
(日本の外交ベタ、ソ連の外交巧者ぶりが際立つ)
ソ連、「日本が戦争を終結したがっている」という重大かつ貴重な情報を日本そのものから入手、英米に伝えた

■ポツダム宣言
ソ連、日本からの和平交渉依頼に対し邪険にふるまう中、スターリンとモロトフがモスクワ出発(1945/7/14)
目的地はドイツのベルリン郊外、ポツダム、連合国首脳会議に出席するため
ルーズヴェルト病死を受けて急遽大統領に就任したトルーマン、弁護士出身で外交に疎かった
就任間もない時期(1945/4/25)、原子爆弾開発の秘話を聞き、驚く
「一発で一つの都市全体を破壊できる爆弾」と、陸軍長官から聞かされ
原爆実験がネバダ砂漠で成功したとの報告をトルーマンが受け取る(ポツダム会談開始の前日、1945/7/16)
第二次世界大戦の終結は秒読み段階
問題は、日本をいかに降伏させるか
アメリカ軍の沖縄上陸作戦
次なる本土決戦は南九州から上陸する作戦(1945/11目標)の準備にとりかかる
トルーマンの手元には「原爆カード」、ソ連の対日参戦カード
あとは「天皇」をどうするか

■トルーマンの代理署名
ポツダム宣言に署名したのはトルーマンだけ
イギリス、中華民国の代表はトルーマンが代理署名した
(スターリンは宣言に当初参加せず、署名もしていない)
(小此木征夫『朝鮮分断の起源』慶應義塾大学法学研究会)
チャーチル、ドイツ降伏後二か月経って行われたイギリス総選挙で保守党敗北、首相に資格を実質的に失う
労働党党首アトリーが次席代表として参加
中華民国の蒋介石は、ポツダムにも招かれず、トルーマンは中国と無線で了解を求め、同意を得た
トルーマンが蒋介石の代わりに署名
しかも、中華民国の正式名称を使わず、単にチャイナと表記

■天皇、原爆、朝鮮分断
米英中三か国、日本に「無条件降伏」を要求(1945/7/26)
ポツダム宣言にスターリンが署名していない理由:この日の段階でソ連はまだ対日戦争に公式に参加していないからとの公式声明
トルーマンは、スターリンに弦悪の存在を耳打ち
スターリンは、すでにアメリカ国内のソ連の協力者の情報から原爆開発の経過を知っていたという
ポツダムでのトルーマンとの会談後、スターリンは軍部に対し対日参戦をそれまでの8月下旬から早め、すぐに攻撃開始できるよう繰り上げを命令

■日本降伏「秒読み」
通例、外交文書は大使館を通して直接通告するもの
第二次大戦中といえども、日本はヨーロッパに永世中立国スイスとスウェーデン日本大使館を設置したままだから、通告すればよさそうなものだが
連合国はポツダム宣言を日本に直接通告しなかった
サンフランシスコからのラジオ短波で放送、日本が傍受
日本が軍事的に連合国に圧倒的に負けている段階で、いかに天皇制を守るか日本の指導者層は苦闘

■米国内部の相克
アメリカは、1940年代初頭から日本研究
日米戦争後の日本の政治体制をめぐって、アメリカ政府内部で「知日派」と「知中国派」との意見対立が続く
蒋介石、中国を侵略する大日本帝国の軍国主義と天皇制がわかちがたく軍国日本の両輪を形作っている、戦後の日本は天皇制をなくすべきだと強く主張
アメリカ国務省内部の「知中国派」は、天皇制廃止を望む
「知日派」の代表ジョセフ・グルーは天皇制存続を主張(「天皇利用」説)
天皇の威光を利用した方が、日本軍の武装解除、戦後の統治がしやすいと考えた
トルーマンに対し、天皇制存続をほのめかせば日本の降伏は早まると説得
(グルーは、日米開戦時の駐日アメリカ大使、武田清子と逆の日米捕虜交換船でアメリカに帰国、国務省次官として活躍)
(武田清子:日本の思想史家、戦前からアメリカに留学、日米開戦に伴い日米捕虜交換船で帰国、『天皇観の相剋』という研究所あり)
相剋:対立するものが互いに相手に勝とうと争うこと

■日本政府の逡巡
日本国内の論点:連合国側が「国体護持」=天皇制を残すのか、共和制移行を要求するのか、その見極めだった
ポツダム宣言には天皇制存続を保全する文言なし
日本の降伏、原爆、ソ連の参戦、天皇制存続が互いに絡み合う
1945/7/26、ポツダム宣言を日本の外務省、陸軍、海軍が別々に短波傍受、翻訳
同盟通信(のちの共同通信)が「リスボン発同盟通信電報」を配信、新聞にはベタ記事掲載
日本政府内部では、ポツダム宣言に天皇制存続保全の文言がないことから、政府内部で厳しい論議
結局「コメントしない」と「黙殺」することを決めた
その「黙殺」を新聞社、通信社は「拒絶」と報道、連合国は日本がポツダム宣言を「拒否」したと判断
日本政府指導部の逡巡が大きな悲劇と朝鮮半島分断をもたらした

■原爆投下
1945/8/6、マリアナ諸島テニアン島にある米軍の空軍基地から、新型爆弾を載せた爆撃機B29が飛び立ち、午前8時15分、広島の中心部上空で爆弾が炸裂
当時の広島の人口約35万人、うち14万人が一発の新型爆弾で死亡
犠牲者の中には在日朝鮮人やアメリカ軍捕虜数十人も含まれている
陸軍は調査団を派遣、広島赤十字病院のレントゲン写真がすべて感光していたことから、新型爆弾が原子爆弾だと判断
同じ日、スターリンは、赤軍に対し三日後(8/9)、対日戦の参戦を命令
ポツダム宣言の「黙殺」あるいは「拒否」がアメリカに原子爆弾投下、ソ連の対日参戦の大義名分を与えた

■分断は30分で決定
日本政府が天皇保障を連合国側から取り付けようと逡巡しているこの数日のタイブラグで、ソ連赤軍は怒涛の進軍
8/9午前零時(ロシア東部時間)、満州侵攻作戦を開始
満蒙国境の越境、朝鮮には日本海側の豆満江の渡河作戦と、日本海側の港・清津などへの上陸作戦(8/13)、南樺太への侵攻を実施、わずか数日のうちに赤軍は朝鮮半島を南下
はじめの作戦では京城(ソウル)をめざす予定だったが、原爆を二度までも落としたアメリカ軍の実力と真意を測りかね、京城へは先遣隊派遣にとどめた

■アメリカの戸惑い
ソ連軍の満州国と朝鮮への進軍開始(8/9)を受け、8/10深夜から翌日未明にかけ、アメリカ政府の国務・陸軍・海軍三省調整委員会は、二人の若い陸軍大佐に対し、朝鮮分割案を作るように指示
二人は、北緯38度線による分割プランを提出
理由は「アメリカ側に首都(ソウル)を含めるため」
作業時間はわずか30分だった
(ブルース・カミングス『現代朝鮮の歴史』明石書店)
「二人は朝鮮半島の中央部のくびれ付近を横切る線に目を止めた。北緯38度線だ。こうして地図にダーツを投げつけるより少々複雑といった程度の手順を経て、二人は分割案を持参した」
(デイビッド・ハルバースタム『ザ・フィフティーズ』新潮社)
立案者二人のうちの一人は、ケネディ政権で国務長官を務めたディーン・ラスク(当時、大佐)
ラスクは「地図は朝鮮の地形が明確に見て取れるナショナル・ジオグラフィック誌のものだった」と証言した
(饗庭孝典『朝鮮戦争』日本放送出版協会)
ハルバースタム:「アメリカには正しい判断のできる朝鮮半島の専門家がいなかった」(前掲書)
朝鮮民族の分断は、アメリカとソ連に大きな責任があり、日本がポツダム宣言受諾のタイミングを間違えたという意味で、日本の責任も小さくない
日本は受益者となり、朝鮮は新たな苦難を強いられた
ソ連は、この朝鮮分割案をすんなりと受け入れたが、立案者のラスクは「ちょっと驚いた」と証言した

■朝鮮分断は38度線か39度線か
境界線以北の日本軍はソ連に、南側は米軍に降伏し、武装解除することに
日本軍のうち対ソ戦を受け持つ関東軍と、朝鮮半島を受け持つ朝鮮軍の境界が北緯38度線だったという説があったが、そうではなかった
敗戦間際、日本軍はエリア再編を実施、関東軍と朝鮮軍の境界は北緯39度線だった
(宮田節子『朝鮮軍概略史』不二出版)

■国連信託統治案
アメリカは、フィリピンがそうであるように、ウィルソンの民族自決主義をそのまま適用するのではなく、国連の信託統治方式を採用する方針だった
その期間は40年~50年
その背景には、イギリスが植民地インドをかかえ独立に反対していたから
朝鮮半島でソ連赤軍が南下を開始した8/9の段階で、アメリカ軍は沖縄に軍隊を進めたばかり、南朝鮮は空白だった

■第一回目の御前会議
1945/8/8、モスクワでは外相モロトフが駐ソ日本大使館の大使佐藤尚武を呼び出し、宣戦布告、日ソ断絶
だが、日本大使館から東京の外務省への連絡は、ソ連当局の妨害でつながらなかった
東京での第一回御前会議(8/9)
三日前には広島原爆投下、8/9当日未明にはソ連の対日参戦、御前会議の最中、午前11時過ぎ、長崎に二つ目の新型爆弾(原子爆弾)投下
午前会議:昭和天皇、首相・鈴木貫太郎、外務大臣・東郷茂徳、陸軍大臣・阿南惟幾、海軍大臣・米内光政ら
8/10未明、ポツダム宣言を受諾することには全員同意したものの、受諾条件でもめる
・外務大臣の一条件案(天皇の地位存続のみを条件)
・陸軍大臣の四条件案(天皇の地位存続保障のほか、戦争責任者日本側処断など)
昭和天皇の聖断がないと結論を国民を含め軍部が受け入れないだろう―内大臣・木戸幸一らが事前に準備
キーパーソンは木戸、総理の鈴木貫太郎は「聖断」方式を採用
昭和天皇の「聖断」によって外務大臣案が採用された
この回答は、スウェーデンとスイスの日本大使館を経由して連合国に通知
連合国側は外務大臣案が求める天皇の地位保障に対して、「日本の政体は日本国民が自由に表明する意思のもとに決定される」(米国務長官バーンズ)と返答

■終戦の詔勅
二度目の御前会議(8/14、皇居御文庫)
その日の夜遅く「敗戦の詔書」を決定
「米英支蘇の共同宣言を受諾」(ソ連はポツダム宣言後に対日参戦したので、8/14の段階では日本と戦っている連合国の主要メンバーは四か国)
昭和天皇が直接日本国民、とりわけ日本軍兵士に降伏した事実を告げないと武装解除がスムーズに進まないとの理由で、昭和天皇が直接ラジオを通して呼びかけることが決まる
この日深夜遅く、NHK職員が皇居に出向き、昭和天皇が決まったばかりの「終戦の詔書」を朗読、その声をレコード盤に録音
(このレコード盤をめぐって近衛部隊が蜂起した「宮城事件」が発生)
日本政府は、14日夜、国民に対し「翌日正午に重大放送を放送すること」を臨時放送、新聞各社に対して翌日の朝刊を正午以降に配布することを命じた
(参謀本部や陸軍省の記者クラブを通して、全国新聞社はポツダム宣言受諾を一日早く知ったことになる)
当時、東京朝日新聞の記者だった武野武治(むの・たけじ)は、この夜を最後に出社しなくなった
(戦争責任をとった、ただ一人のジャーナリストと言われた)

■光復節
日本が負けた日はいつか?
・8/14説 昭和天皇が「終戦の詔書」に署名した日付、皇居で御前会議が開かれ「終戦の詔書」がまとまった日
・8/15説 玉音放送の日(ソウルとピョンヤンで日本が負け民族復権したことを祝う=光復節)
・9/2節 ミズーリ号上で連合国に対し降伏文書に署名調印した日

■玉音放送
8/15正午、玉音放送がはじまる
「忍び難きを忍ぶ」という文言は、明治天皇が日露戦争の後の三国干渉を受諾した際からの引用

■直接統治か間接統治か
日本の降伏にともない、連合国最高司令官一般命令第一号によって、朝鮮は北緯38度線以北ではソ連軍が、以南ではアメリカ軍が、それぞれ日本軍の武装解除にあたることに
アメリカ軍にとって、朝鮮人は「敵国人」なのか「解放された人民なのか、微妙な問題
アメリカ政府内部で議論していたものの、結論が出る前に日本が降伏
アメリカの朝鮮半島政策は後手後手にまわった
日本の植民地支配を36年間もの長きにわたって受け、朝鮮総督府や日本軍で朝鮮半島出身者が日本のお先棒として実直に働いている実情を見て、アメリカは判断に迷い、結論を出しかねた
(韓国国内でのちに「親日派」の扱いが問題になる根拠もこうした実情に起因)
フィリピンにいたアメリカ軍最高司令官マッカーサーが神奈川県厚木飛行場に到着(8/30)
マッカーサー日本来訪の数日前、日本を統治する方式が、アメリカ軍による直接統治から、従来の日本政府を仲介しての関節統治方式に変更
沖縄にいたアメリカ軍中将ホッジ率いる第24軍は、ソ連軍に遅れること一か月後の9/8、仁川に上陸
ホッジは、日本本土でマッカーサーがとった統治方式そのままに、従来の日本人の朝鮮総督府を利用しての間接統治を目指した
ホッジの記者会見には、朝鮮総督府の総督・阿部信行が同席、日本人官吏をそのまま留用すると言明したとたん、朝鮮人から猛反発を受け、三日後、しぶしぶ阿部を解任
アメリカは南朝鮮の民衆の心をつかむことに、スタート直後に失敗した

■軍政下
なぜトルーマンは、グルーの助言を受けて、天皇制存続をポツダム宣言に入れなかったのか
もしそうしていたら、日本政府はただちに宣言を受け入れ、原爆やソ連の対日参戦もなかったのでは?
トルーマンが天皇保障の文言を入れなかった理由は、トルーマンが見据えていたのはすでに確定的な対日勝利よりも、さらなる将来のソ連との対立(のちに「冷戦」と名付けられる)を重視し、有利に展開するため、原爆の威力をソ連に見せつけるためだったなど、いろいろな解釈を研究者はする
朝鮮分断とは「帝国主義」と「冷戦」が生み出した鬼っ子なのだ
本当の悲劇は5年後に訪れる―朝鮮戦争勃発

(了)

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2019年8月18日 (日)

【読】ノーマ・フィールド

3月の終わりに投稿してから、5か月近く、このブログから離れてしまっていた。
毎日、日記ブログは書いてきたのだけれど。

ノーマ・フィールド(Norma M. Field)という人を、最近知った。

― Wikipedia より ―
<ノーマ・フィールド(Norma M. Field, 1947年 - )は、アメリカ合衆国の日本研究者、シカゴ大学名誉教授。
第二次世界大戦後の東京で、アメリカ人の父と日本人の母の子として生まれる。1974年、インディアナ大学で東アジア言語文学の修士号を取得。1980年に来日し研究。1983年、プリンストン大学で同博士号取得。シカゴ大学に奉職し、東アジア学科教授をへて名誉教授。
夏目漱石の『それから』の英訳(And Then)に続き、『源氏物語』論である『憧憬の輝き』(Splendour of Longing)で注目された。
1988年の再来日の折に昭和天皇の死去に至る日々を体験。ルポルタージュ『天皇の逝く国で』を著し、この著書の日本語訳によって日本でも一般に知られるようになった。>

私は、ある新書で、この人の『天皇の逝く国で』という本を知り、図書館から借りて読んだのがきっかけ。

中川成美 『戦争をよむ―70冊の小説案内』 岩波新書 (2017/7/20)

<克明な心理描写をまじえて戦争と人間の真実に分け入る小説作品は、戦争のリアルを伝える大切な語り部だ。物語のなかに封じ込められた、戦時下を生きる人びとの細やかな感覚と日々の葛藤と苦しみ、そして悲しみ。記憶の風化とともに失われていく、かつての時代の手がかりを求めて、戦争の文学を再読する。>

 

ノーマ・フィールド/大島かおり訳 『天皇の逝く国で [増補版]』 みすず書房 (2011/10/28)

<「自粛」「常識」という社会の抑圧に、抵抗できるか。
登場人物は体制順応という常識に抗った三人の日本人。
沖縄国体で日の丸を焼いた知花昌一、殉職自衛官の夫の靖国神社合祀に反対した中谷康子、天皇の戦争責任を明言して狙撃された長崎市長の本島等。
あれから20年余、増補版のために書かれた新たなあとがきを付す。
ノーマ・フィールドは、アメリカ人を父に、日本人を母に、アメリカ軍占領下の東京に生まれた。
高校を出てアメリカヘ渡り、現在はシカゴ大学で日本文学・日本近代文 化を講じる気鋭の学者である。
彼女は、昭和天皇の病いと死という歴史的な瞬間に東京にいた。そして天皇の病状が刻々報道され、自粛騒ぎが起こるなかで、日本人の行動様式と心性、そしてそこにさ まざまな形で顕在化したあまたの問題に想いを巡らせた。
登場人物は、〈体制順応という常識〉に逆らったために、ある日突然〈ふつうの人〉でなくなってしまった三人――沖縄国体で「日の丸」を焼いた知花昌一、殉職自衛隊員の夫の護国神杜合祀に抗した中谷康子、天皇の戦争責任発言で狙撃された本島長崎市長――と、もう一組、著者自身とその家族である。
かれらの市民生活の日常にそって、問題は具体的に考えられる。
基地内のアメリカン・スクールに通い、大方の日本人の知らない〈戦後〉を生き、いまも〈太平洋の上空に宙づりの状態〉にある著者が、みずからの個人史に重ねて描いた現代日本の物語。
[初版1994年2月/増補版(始まりの本)2011年11月発行] >

 

この本に打ちのめされ、図書館にあった他の本、ブックレットも読んでみた。

ノーマ・フィールド/岩崎稔/成田龍一 『ノーマ・フィールドは語る 戦後・文学・希望』
 岩波ブックレット781 (2010/4/7)
ノーマ・フィールド 『いま、<平和>を本気で語るとは 命・自由・歴史』
 岩波ブックレット990 (2018/12/5)
ノーマ・フィールド/大島かおり訳 『祖母のくに』
 みすず書房 (2000/5/12) 204ページ
ノーマ・フィールド/大島かおり訳 『へんな子じゃないもん』
 みすず書房 (2006/3/10) 253ページ

なかでも、次の2冊は、彼女の思想がぎゅっと濃縮されている良書だったので、図書館の本を読んだ後で、『天皇の逝く国で』とあわせて3冊、Amazonで中古本(古本)を購入してしまった。

  

ノーマ・フィールド:みすず書房
https://www.msz.co.jp/book/author/13912.html

ノーマ・フィールドは、1947年、米軍の軍属だったアメリカ人の父と、日本人の母とのあいだに生まれた。
進駐軍が日本を占領していた時期。
祖母の家に、両親、叔母たちといっしょに暮らし、米軍基地内の学校までスクールバスで通学。のちにアメリカンスクールに進学。
父親は、妻(ノーマの母)と娘を置いて、アメリカに帰国してしまう(両親は離婚)。

国籍はアメリカ、住まいの周囲は日本人ばかり。
学校ではアメリカの子どもたちと過ごしながら、アメリカ人と見られない。
そんな環境で育ったために、日本人でもアメリカ人でもない(あるいは両方)という意識が身についてしまう。

若くからアメリカに移住し、アメリカ人と結婚。
アメリカと日本のあいだを往復する。

上にあげた3冊の単行本には、幼い頃、彼女と暮らした祖母、母、叔母たちの回想と、日本という祖国へ向ける厳しく、あたたかいまなざしが詰まっている。
なかでも、『祖母のくに』『へんな子じゃないもん』には、脳溢血で倒れた後の祖母を見舞う毎日が、あたたかい筆致で綴られていて、感動的。

こういう著者との出会いは、得難いものだ。

【追記】
彼女の最近の写真を貼り付けようと思ったが、著作権に触れそうなので、下記リンク先の記事を参照願いたい。

「国家主義は史実を曲げる」 日本研究者187人声明:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASH574JV5H57UHBI017.html

有料会員限定記事 ※
ニューヨーク=中井大助、真鍋弘樹 2015年5月8日08時41分

※途中まで読めるし、ノーマ・フィールドの写真も見られる。
 魅力的な女性だ。

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2018年12月27日 (木)

【読】ぼちぼちいこうか総集編(2018年・読書編)

今年、2018年一年間に読んだ本のうち、強く印象に残ったものを書きだしてみる。

読んだ本の記録をPCに残しているが、今年は60冊ちょっとしか読めなかった。
夢中になって次々と読んでいた時期と、本から離れていた時期、といった具合で、まちまちだ。

■文庫10冊シリーズ 読破

池内紀・川本三郎・松田哲夫編 『日本文学100年の名作』 1~10
 新潮文庫 2014年9月~2015年5月発売

発売当時、毎月一冊ずつ購入して全巻揃っていたが、読まないまま本棚で眠っていた。
一念発起、2月から9月まで半年かけて読み継いだ。

『日本文学100年の名作 第1巻 1914-1923 夢見る部屋』
 新潮文庫 (2014/9/1) 490ページ
『日本文学100年の名作 第2巻 1924-1933 幸福の持参者』
 新潮文庫 (2014/10/1) 500ページ
『日本文学100年の名作 第3巻 1934-1943 三月の第四日曜日』
 新潮文庫 (2014/11/1) 514ページ
『日本文学100年の名作 第4巻 1944-1953 木の都』
 新潮文庫 (2014/12/1) 502ページ
『日本文学100年の名作 第5巻 1954-1963 百万円煎餅』
 新潮文庫 (2015/1/1) 555ページ
『日本文学100年の名作 第6巻 1964-1973 ベトナム姐ちゃん』
 新潮文庫 (2015/2/1) 543ページ
『日本文学100年の名作 第7巻 1974-1983 公然の秘密』
 新潮文庫 (2015/3/1) 555ページ
『日本文学100年の名作 第8巻 1984-1993 公然の秘密』
 新潮文庫 (2015/4/1) 503ページ
『日本文学100年の名作 第9巻 1994-2003 アイロンのある風景』
 新潮文庫 (2015/5/1) 510ページ
『日本文学100年の名作 第10巻 2004-2013 バタフライ和文タイプ事務所』
 新潮文庫 (2015/5/1) 639ページ

馴染みの作家、名前だけ知っていて読んだことがなかった作家、まったく知らなかった作家など、幅広い作品が収録されていて、面白かった。

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これまで読んだことのなかった作家の他の作品も、図書館で借りて読んでみた。

道尾秀介 『光媒の花』 集英社 (2010/3/30) 258ページ
木内昇 『茗荷谷の猫』 平凡社 (2008/9/25) 238ページ

 

現代作家にも、すばらしい書き手がいることを知ったのも、収穫だった。

■沖縄への関心

今年もまた、沖縄に関する本を読んだ。
どれも、図書館で借りてきた本。

沖縄タイムス社編集局 編著 『これってホント!? 誤解だらけの沖縄基地』
 高文研 (2017/3/25) 236ページ
行田稔彦(こうだ・としひこ) 『いまこそ、沖縄 ~沖縄に親しむ50問50答』
 新日本出版社 (2014/2/25) 173ページ
嬉田京子 『戦場が見える島・沖縄―50年間の取材から』
 新日本出版社 (2015/9/20) 158ページ
藤原書店編集部編 『「沖縄問題」とは何か――「琉球処分」から基地問題まで』
 藤原書店 (2011/2/28) 273ページ
アレン・ネルソン/國弘正雄 『沖縄に基地はいらない――元海兵隊員が本当の戦争を語る』
 岩波ブックレット444 (1997/12/19) 55ページ
金城実・松島泰勝 『琉球独立は可能か』 解放出版社 (2018/2/11) 310ページ
馳星周 『弥勒世(みるくゆー) 上』 小学館 (2008/2/25) 611ページ
馳星周 『弥勒世(みるくゆー) 下』 小学館 (2008/2/25) 589ページ
松島泰勝 『琉球 奪われた骨』 岩波書店 (2018/10/10) 264ページ
川満彰 『陸軍中野学校と沖縄戦』 吉川弘文館 (2018/5/1) 229ページ

   

フィクションだが、馳星周『弥勒世(みるくゆー) 上・下』が強烈だった。
また、松島泰勝『琉球 奪われた骨』は、琉球だけでなく北海道でもアイヌの遺骨が学者によって盗掘されたことを知っていたので、強く揺さぶられる内容だった。

金城実・松島泰勝 『琉球独立は可能か』は、ふたりの考え方の微妙な違いはあるものの、熱い思いが伝わってきた。
空想的かもしれないが、琉球も北海道も、独立を考えていいと思う。
元々、ヤマトとの支配の届かない、別の土地だったのだから……。

■イザベラ・バード 『日本奥地紀行』

金坂清則(訳注)で読む。
ただし、全4巻中、3巻目まで。
「完訳」とうたっているだけあって、翻訳にあたっての考証が半端ではない。

『イトウの恋』は、イザベラ・バードの従者だった”イトウ”をモデルにした小説。
以前から気になっていた小説だが、読んでみると面白かった。

イザベラ・バード/金坂清則(訳注) 『完訳 日本奥地紀行1 横浜―日光―会津―越後』
 平凡社東洋文庫819 (2012/3/21) 391ページ
イザベラ・バード/金坂清則(訳注) 『完訳 日本奥地紀行2 新潟―山形―秋田―青森』
 平凡社東洋文庫823 (2012/7/10) 439ページ
イザベラ・バード/金坂清則(訳注) 『完訳 日本奥地紀行3 北海道・アイヌの世界』
 平凡社東洋文庫823 (2012/11/16) 415ページ

中島京子 『イトウの恋』 講談社 (2005/3/5) 276ページ

   

■あの戦争

先の大戦(アジア・太平洋戦争)への関心は、ずっと続いている。
このところ目に余るほど顕在化してきた、戦争美化、戦争責任の忌避、といった風潮に抵抗するために、もっともっと「あの戦争」の実相を知りたい。

全部で20巻(他に別巻)もある膨大なシリーズ、『コレクション 戦争と文学』を買い揃えたのは、今から5年前だったか。
ようやく、そのうちの一巻を読破した。
全巻読破まで、まだまだ先は長い……。

鈴木明 『「南京大虐殺」のまぼろし』 文藝春秋 (1973/3/10) 274ページ
北村稔 『「南京事件」の探求』 文春新書207 (2001/11/20) 197ページ
笠原十九司 『「百人斬り競争」と南京事件』 大月書店 (2008/6/20) 282ページ
石川達三 『生きている兵隊 【伏字復刻版】』 中公文庫 (1999/7/18) 214ページ
吉田裕 『日本軍兵士――アジア・太平洋戦争の現実』
 中公新書2465 (2017/12/25) 228ページ

『コレクション 戦争と文学 7 日中戦争』 集英社 (2011/12/10) 743ページ

 

■印象に残った本

興味のおもむくまま読んだ雑多な本の中から、印象に残った本。
小説あり、エッセイあり、ノンフィクションあり。

木村友祐 『幸福な水夫』 未來社 (2017/12/15) 189ページ
池澤夏樹 『知の仕事術』 インターナショナル新書 001(集英社) (2017/1/17) 221ページ
河治和香 『がいなもん 松浦武四郎一代』 小学館 (2018/6/13) 317ページ
五木寛之 『七十歳年下の君たちへ こころが挫けそうになった日に』
 新潮社 (2018/7/30) 190ページ
篠原勝之 『戯れの魔王』 文藝春秋 (2018/11/20) 189ページ
植田絋栄志(うえだ・ひさし) 『冒険起業家 ゾウのウンチが世界を変える。』
 ミチコーポレーション (2018/10/23) 396ページ
斎藤美奈子 『日本の同時代小説』 岩波新書1746 (2018/11/20) 269ページ

      

(2018/12/27記)

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2018年1月 8日 (月)

【読】イザベラ・バード『日本奥地紀行』を読む

昨年末から少しずつ読みすすめている。

イザベラ・バード 『完訳 日本奥地紀行』(全4巻)
 金坂清則 訳注 平凡社東洋文庫 (2012年)

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一冊が3000円もする本なので、図書館から借りている。

<イザベラ・バードの明治日本への旅の真実に鋭く迫る初版からの完訳決定版。正確を期した翻訳と丹念な調査に基づく巨細を究めた徹底的な注で、初めてわかる諸発見多数。>
(Amazonより)

「完訳」とうたっているのは、これまで日本で出版されてきたこの紀行の翻訳書が、どれも不完全なものだったという、訳者(金坂清則氏)の主張による。

19世紀の終わりにイギリスで出版された原著には3種類あり、簡略版(ダイジェスト版)を翻訳した高梨健吉訳『日本奥地紀行』(平凡社東洋文庫、のち平凡社ライブラリー)が広く読まれてきた。

私も、この紀行を最初に知ったのは高梨版だが、いかんせん、原著初版本(2分冊)からそうとうにカットされた部分が多い簡略版の訳本だった。

この翻訳書によって、バードの旅じたいが長いあいだ誤解を受け続けてきた、という金坂氏の指摘は、いちいちもっともなものだった。

『イザベラ・バードと日本の旅』(金坂清則著、平凡社新書、2014年)には、長年、バード研究を続けてきた金坂氏の見解が詳しく書かれていて、勉強になった。

また、「原典初版本に基づく、新訳による完全版」と銘打った、時岡敬子氏の訳 『イザベラ・バードの日本紀行(上・下)』(講談社学術文庫、2008年)に対しても、金坂氏は手厳しい批判をくわえている。

 

これは私も購入して手元にあり、まだ読んでいなかったが、この機会にすこし開いてみた。

たしかに、直訳調が気になり、日本が舞台なのに意味不明が訳が目立つ。

金坂氏の東洋文庫版(完訳)は、過剰なほどの訳注があり、バードの記述(英語)をできるだけ日本語(の名称・表現)に訳そうとする姿勢がうかがわれる。

今読んでいる箇所を例にとると、「第十九報 仏教」(これまで、第何信と訳されていたものを金坂氏は第何報」としている)。
バードが新潟の寺で目にした光景の描写の一部を比べてみる。

(時岡訳)
・・・「永遠なる仏陀よ、救いたまえ」と低く唱える祈りの文句が大きな波音のように寺院内に広がり、こうしてさらに二時間集会礼拝はつづけられました。・・・

(金坂訳)
・・・集まっている人々[会衆]が口々に「南無阿弥陀仏(エターナル・ブッダ・セイブ)」と呟く低い声がいくつもの水の流れのごとくにお堂の中を流れた。そのあとは勤行が二時間にわたって続いた。・・・

ちなみに、「南無阿弥陀仏」と訳されている部分の原文は、"Eternal Buddha, save"であり、これを「南無阿弥陀仏」と訳した理由を、金坂氏は訳注で詳しく述べていて、納得できる。

きりがないのでこれぐらいにしておくが、イザベラ・バードの観察の鋭さが、金坂氏のていねいな訳によって伝わってくる。
彼女(バード)の、植物に関する知見はそうとうなものだ。

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2017年12月30日 (土)

【読】2017年に読んだ本

常日頃、読んだ本をPCのメモ帳に記録している。
そうしないと、いつ頃どんな本を読んだのか、すぐに忘れてしまうから。

今年(2017年)一年間に読んだ本は82冊。
毎年、100冊ぐらいは読みたいと思っていても、そうそうたくさん読めるものではない。
集中して読めば、もっとたくさん読めるのだけれど。

今年、印象に残った本をあげてみたい。

※読書メーターというSNSを利用して、感想などを書いています。
 よろしければ、ご覧ください。
https://bookmeter.com/users/466409/books/read

【木村友祐さんの本】

三年ほど前に読んだ『イサの氾濫』(白﨑映美さん主演の芝居「まつろわぬ民」のモチーフになった小説)。
この作者である木村友祐さんの本を何冊か読み、感銘を受けた。

『野良ビトたちの燃え上がる肖像』 新潮社 (2016)
『海猫ツリーハウス』 集英社 (2010)
『聖地Cs』 新潮社 (2014)

いずれも図書館から借りて読んだ。

  

今年、新刊がでたというので、さっそく図書館にリクエストした。

【長倉洋海さんの本】

たくさんの写真集や書籍を出版している長倉洋海さん。
今年は、図書館から借りてきたり、手持ちの本を、まとめて読んだ。

『私のフォト・ジャーナリズム ―戦争から人間へ』 平凡社新書 558 (2010)
『フォト・ジャーナリストの眼』 岩波新書 223 (1992)
『ワタネ・マン ―わたしの国アフガニスタン』 偕成社 (2002)
『北の島 グリーンランド』 偕成社 (2011)
『南の島 カピンガマランギ』 偕成社 (2011)
『アフガニスタン ぼくと山の学校』 かもがわ出版 (2014)
『アフガニスタン 敗れざる魂 ―マスードが命を賭けた国』 新潮社 (2002)
『若き獅子マスード アフガン1983-1988』 河出書房新社 (1989)
『地を這うように 長倉洋海全写真1980-95』 新潮社 (1996)
『獅子よ瞑れ アフガン1980-2002』 河出書房新社 (2002) 大判写真集
『子どもたちのアフガニスタン』 岩波ブックレット559 (2002)
『人間が好き アマゾン先住民からの伝言』 福音館書店 (1996)

 

【池澤夏樹さんの本】

池澤夏樹さんは、私が愛読する作家のひとり。
過去の作品を図書館から借りて読んだ。

『双頭の船』 新潮社 (2013)
『骨は珊瑚、眼は真珠』 文藝春秋 (1995)
『アトミック・ボックス』 毎日新聞社 (2014)
『キトラ・ボックス』 角川書店 (2017)

『アトミック・ボックス』と『キトラ・ボックス』の連作がよかった。

 

池澤さん個人編集の日本文学全集が面白そう。
これは近くの図書館で揃えてくれているので、いつか全巻読破に挑戦したい、なんて思っている。
一冊だけは自分で購入した。

『日本語のために』 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集 30) 河出書房新社 (2016)

【村上春樹さんの新作】

図書館では予約待ちで、いつになったら借りられるのかわからないため、ブックオフで古書を購入して読んだ。読みおえた本は、図書館に寄贈。

それなりに面白かったが、私は、彼の中編・短編のほうがいいと思う。

『騎士団長殺し 第一部 顕れるイデア編』 新潮社 (2017)
『騎士団長殺し 第二部 遷ろうメタファー編』 新潮社 (2017)

 

【岡崎武志さんの新刊】

出版記念イベントで、サインしていただいた。
この本で佐野洋子さんの面白さに目ざめ、何冊か佐野さんの本も読んだ。

『人生散歩術 ―こんなガンバラナイ生き方もある』 芸術新聞社 (2017)

【佐野洋子さんの本】

佐野洋子/西原理恵子/リリー・フランキー 『佐野洋子対談集 人生の基本』 講談社 (2011)
佐野洋子 『右の心臓』 小学館文庫 (2012)
佐野洋子 『シズコさん』 新潮社 (2008)
佐野洋子 『がんばりません』 新潮文庫 (1996)

 

【印象に残った新書】

小熊英二 『生きて帰ってきた男 ―ある日本兵の戦争と戦後』 岩波新書1549 (2015)
平岡昭利 『アホウドリを追った日本人 ―一攫千金の夢と南洋進出』 岩波新書1537 (2015)
金坂清則 『イザベラ・バードと日本の旅』 平凡社新書754 (2014)

  

【イザベラ・バードをめぐって】

イザベラ・バードの研究家・金坂清則さんのきれいな写真集。

この金坂さんが『完訳 日本奥地紀行』(全4巻)を翻訳している。
図書館から借りて読んでいるが、活字の小さいのが、つらい。
これは年越しになる。

イザベラ・バード/金坂清則(訳注) 『完訳 日本奥地紀行1 横浜―日光―会津―越後』 平凡社東洋文庫819 (2012)

目が悪くなる前に、これからも本を読み続けたい。
楽しみとして。

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2017年6月29日 (木)

【読】村上春樹『騎士団長殺し』を読む

蒸し暑い日が続く梅雨の真っ盛り。

ひと月あまり、ブログから遠ざかっていた。
ちかごろは手軽なFacebookに、ちょこちょこと書いていたため、ブログはほったらかしだった。

一年前の今ごろは、村上春樹の小説をまとめて読んでいた。
7月に『女のいない男たち』を読み終えて、ひと区切りついたのだった。

今年2月末、満を持して、という感じで彼の新作長編小説が発売された。
『騎士団長殺し』という奇妙なタイトル、書店に並んだ二冊の本の装幀、読み応えのありそうな厚み。
気にはなっていたが、なかなかお金を払って買おうという気にならなかった。

私がよく行く近所の新刊書店の並びにブックオフがある。
そこの書棚に、この本が並んでいたので、迷った末に購入。
定価の30%オフだった。

村上春樹
 『騎士団長殺し 第一部 顕れるイデア編』
  新潮社 2017/2/25 505ページ
 『騎士団長殺し 第二部 遷ろうメタファー編』
  新潮社 2017/2/25 541ページ

 

じつに面白い小説だった。

欲を言えばきりがないが、村上春樹らしい物語世界。
夢中になって一週間ほど、のめりこんでいた。

読み終えた本は、近くの図書館に寄贈。
この人気作家の新刊は、予約待ちが何十人もいるので、副本に加えてもらった。
図書館は喜んで受け取ってくれた。

この小説の前に、気になっていた村上春樹がらみの本を二冊読んだ。
こちらは、図書館ですぐ借りることができた。

川上未映子・村上春樹
 『みみずくは黄昏に飛びたつ』 新潮社 2017/4/25 345ページ

川上未映子という人は名前しか知らなかったが、この芥川賞作家による村上春樹のロング・インタビュー。
ちょうど『騎士団長殺し』が上梓された直後で、この小説の生い立ちを、実際に読む前に知ってしまったわけだ。
それでも、小説を読むうえで不都合(いわゆる”ネタバレ”による興味喪失)はなかった。

村上春樹が好きな人には、おすすめ。

村上春樹
 『職業としての小説家』 スイッチ・パブリッシング 2015/9/17 313ページ

村上春樹が講演スタイルで自作や小説家としてのスタンスを語っている。
なかなか興味深い内容。

村上春樹は読者によって好き嫌いが分かれる作家のようだ。
もう読むのはやめた、という人もいる。
が、私は好きだ、というか、嫌いではない。
何度も読み返すほど熱心なファンではないが。

これからも新刊がでれば読むことだろうし、まだ読んでいない対談やエッセイは、ひまを見つけて読もうと思う。

小澤征爾との対談も文庫本で持っていて、いつか読もうと、置いてある。

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2017年3月17日 (金)

【読】ようやく読んだ「火花」

一昨年買って、そのままにしていた文藝春秋(2015年9月号)で、又吉直樹の「火花」を読んだ。

Bunshun201509

文章は、うまいと思えないが、緊迫感があっておもしろかった。
読みすすめるうちに、この人のリズム感のようなものに慣れてくる。
ただ、この雑誌で85ページという分量は、ちょっと長すぎる気も。

第153回芥川賞を同時受賞した、羽田圭介の「スクラップ・アンド・ビルド」も、ついでに読んでしまおう。

そして、この雑誌はチャリティ古本市に出してしまおうか。
他の記事にも読みたいものがありそうなので、迷っている。

借りていた本を返却しに行った図書館で、新着コーナーをのぞいてみる。

おもしろそうな本を発見。
さっそく借りてきた。
7cmの厚さがあって、ちょっとした辞書並み。
広辞苑クラスだ。
きっと、購入時は箱にはいっていたのだろう。

Shoyou_taizen_1Shoyou_taizen_2_2

『書評大全』 共同通信社文化部(編集)/三省堂
 2015/4/15発行 16,500円(税別)

― Amazonより ―
内容紹介
<共同通信の署名入り配信がスタートした1998年3月から2014年3月末まで、16年間の膨大な「書評データ」を一冊に凝縮。/掲載書名約5、000点、評者約1、600人。/書名、著者・編者、訳・監訳者、写真家、評者、出版社索引、そして楽しめるキーワード索引付き。/図書館の必備レファレンスとしても有益な、空前の“書評から見る文化史大事典” >

これは、すごい。

索引が詳しく、充実している。
気になる書評家や著者を探して、読んでみたい。

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2017年2月23日 (木)

【読】長倉洋海さんと「アフガニスタン山の学校」

高橋美香さんという、若い写真家(フォト・ジャーナリスト)を知ったのは、昨年のこと。

 

パレスチナに何度も足を運び、現地の家族の一員のように暮らしながら、写真を撮り続けている人だ。

 

”自然体” といえばいいのか、飾らない人がらで、すっかりファンになってしまった。

 

彼女のスライド・トーク・イベントには、これまで二度ほど参加し、二冊の著書と一冊の写真集を買い求め、サインしていただいた。

 

  

 

【高橋美香さんのブログ】
 世界の笑顔に出会いたい - Yahoo!ブログ
 http://blogs.yahoo.co.jp/mikairvmest

 

その高橋美香さんが敬愛するフォト・ジャーナリストが長倉洋海さん。

 

私も、だいぶん前に 『ヘスースとフランシスコ―エル・サルバドル内戦を生きぬいて』 を読んで感銘を受け、すっかりファンになってしまった。

 

 

最近知ったのだが、長倉さんは私と同年代(私の方が一年先に生まれている)。
しかも、北海道の釧路のご出身だという。
そんなこともあって、いっそう親しみを感じている。

 

来月18日、東中野で長倉さんのスライド・トークがあるという。
美香さんのイベントでちらしをいただいて知った。

 

 

 

20170318_event_2

アフガニスタンを『食べて』『見て』もっと知ろう
 場所:東京 東中野・驢馬駱駝(ろまらくだ)
 主催:「アフガニスタン山の学校支援の会」
 開催日:2017年3月18日(土)
 開催時間:13:30-16:30

 

「アフガニスタンを『食べて』『見て』もっと知ろう」3/18東中野 | 西遊旅行
 http://www.saiyu.co.jp/newspaper/event/afghanistan_kick_off_2017/

 

アフガニスタン山の学校支援の会
 http://www.h-nagakura.net/yamanogakko/

 

参加申し込みした。
高橋美香さんも、この「アフガニスタン山の学校支援の会」の運営委員。
当日、会場で会えるだろう。
なんといっても、はじめてお会いする長倉さんのスライド・トークが楽しみだ。

 

長倉洋海さんの本は何冊か持っているものの、読んでいなかったものもあったので、ここ数日、読み続けている。

 

 

 

写真はもちろんのこと、文章からも、あたたかい人がらが伝わってきて、いいなあと思う。

 

写真集や最近の著作を図書館から借りてきて読んでいる。

 

   

 

私の地元の図書館には長倉さんの本がたくさん収蔵されていて、ありがたい。

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