カテゴリー「宮部みゆき」の10件の記事

2008年3月19日 (水)

【雑】錦糸町「山田家」の人形焼

すこし前、このブログに書いた、錦糸町にある人形焼のお店。
「山田家」

【読】宮部みゆき 再読 (2) 
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/2_8577.html

そこで、人形焼を買ってきた。
じつは、以前に一度だけ買ったことがあったのだが、それは人にあげるためだった。
だから、じぶんたちが食べるために買ったのは、これが初めてだ。

Yamadaya_ningyouyaki1Yamadaya_ningyouyaki2Yamadaya_ningyouyaki3Yamadaya_ningyouyaki4








ご覧のように、パッケージがしゃれているのだ。
この店の紙箱や包装紙にも、同じ絵が描かれている。

Yamadaya_ningyouyaki5本所七不思議  置いてけ堀

 太公望が帰ろうとすると
 オイテケ オイテケと呼ぶ
 その途中で 魚(うお)が
 必ずなくなってしまう

「置いてけ堀」は、今、この店があるあたりだったという。
宮部みゆきさんの連作時代小説集 『本所深川ふしぎ草紙』 の中にも、「置いてけ堀」 という短編がある。
小説では、釣人に 「おいてけ」 という生き物の正体が、じつは・・・という面白さがあった。

この小説の書き出しは、こうだ。

「どうやらあれは崖涯(がんぎ)小僧のしわざらしい」
ざわざわとしたなかに、ひときわ大きな声が耳をついて、おしずは振り向いた。
両国橋の東づめにある麦飯屋の昼どきである。・・・

じつにみごとな書き出しだと思う。
にくい、と思う。
さすが、である。

ちなみに、宮部みゆきさんもファンだという、「山田家」さんの人形焼は、とても美味しい。

今日、私が買ったのは、餡入り8個(たぬき)と餡なし6個(もみじ)を詰め合わせたもの。
手提げ箱入りで、840円(税込)。
同じ値段で、餡入りばかり10個入りも選べる。
その場で袋に詰めてくれた。
たぬきの形の餡入りタイプは、こし餡がたっぷり入っている。

人気の店らしく、夜の7時半過ぎだというのに(そろそろ閉店の雰囲気だった)、私の他にも二人、お客があった。
江戸東京博物館にも入っていることを、パッケージを見てはじめて知った。
くせになりそうな人形焼だ。


人形焼・瓦煎餅 山田家
http://www.e-sumida.gr.jp/yamadaya/

江戸東京博物館
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/


Miyabe_fukagawa_2











【2008.3.20追記】
きのう買ってきた人形焼の形をよく見たら、じつはこうなっていたので、訂正。
山田家さんのサイトにも写真が載っている。
狸(あん入り)、三笠山(あん入り)、太鼓(あん入り)、紅葉(あんなし)、の四種類。
狸が大きくて、餡の量も多い。

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2008年2月12日 (火)

【読】江戸に学ぶ(続)

一昨日から読んでいるこの本が、とても面白い。

Tanaka_yuuko_ooedo_volunteer『大江戸ボランティア事情』
 石川英輔・田中優子 著 (講談社 1996年)

目次はこんな感じ。
序章 ボランティアのいない社会
長屋暮らし/お師匠さまの学校/火消しと町の暮らし/旅はなさけ/村の民主主義/大家さんは大忙し/連は楽しいからみ合い/ご隠居さんの活躍/終章とあとがきをかねた対談

どのページにも、江戸時代の書籍から転載された挿絵があって、たのしい。
この本で引用されている、二冊の書物が興味ぶかい。

『日本その日その日 Japan Day by Day』 平凡社 東洋文庫
 エドワード・S・モース (大森貝塚の発見者として有名、明治10年来日)

『九峰修行日記』 三一書房 「日本庶民生活資料集成 第二巻」
 野田泉光院 (日向佐土原=現・宮崎県佐土原町=の安宮寺という山伏寺の住職、全国を旅した)
 ※ 石川英輔 著 『泉光院江戸旅日記 -山伏が見た江戸期庶民のくらし-』 講談社 1994年

江戸時代の都市民、農民の生活像がだんだん見えてきた。
そういえば、以前読んだ、『浅草弾左衛門』 (塩見鮮一郎) という長大な小説にも、当時の人々の生活が生き生きと描かれていた。

江戸時代は面白い。

『浅草弾左衛門』 塩見鮮一郎 批評社

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文庫も出ている。
小学館文庫 全6冊。

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宮部みゆきの時代ものも、面白い。

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さらに、船戸与一 『蝦夷地別件』 (新潮社版ハードカバーと新潮文庫)

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2008年1月20日 (日)

【読】宮部みゆき 再読 (6)

宮部みゆき 『初ものがたり』 (新潮文庫)
私にしてはめずらしく、2日で読み終えてしまった。

Miyabe_hatsu「回向院の親分」 こと、岡っ引きの茂七が主人公の捕物帳。
じつに感動的で、おもしろかった。
特上の時代小説。

『本所深川ふしぎ草紙』 でも、この茂七親分が脇役で登場していた。
同書の解説(池上冬樹)にこう書かれている。

<なお、本書で脇役として活躍する「回向院の親分」こと岡っ引きの茂七は、七月(1995年)に出たばかりの『初ものがたり』(PHP研究所)で主役をはっている。 そう、こちらはまぎれもない捕物帳スタイルで、快調な仕上がり、ことに興味深いのは、まるで池波正太郎の時代小説のように食べ物の話が出てくることで、これが池波と同じように、実に食欲をそそる料理ばかり。 作者に、鬼平のパスティーシュを書かせたら面白いだろうなあ、と思わせるほどで、もっともっと茂七シリーズを読みたくなる。>
(新潮文庫 『本所深川ふしぎ草紙』 解説 1995年7月)

『初ものがたり』 は、当初、PHP研究所から単行本が、その後、PHP文庫で文庫化され、さらに新潮文庫に収録されたもの。
新潮文庫には、宮部みゆき自身による 「新潮文庫のためのあとがき」 がある(解説はついていない)。
その中で、著者の宮部はこう書いている。

<(前略) 本書では、登場する様々な食べ物に、「ちょっと美味しそうだな」と感じていただければ、さらに幸せです。 蛇足ながら、作中に登場する料理は、みな、実際につくって食べることができるものです。
(中略) ご一読いただけましたら一目瞭然ですが、本作品集 『初ものがたり』 は、いかにも 「まだまだ続きますよ」 という体裁をとった作品集でありながら、事実上この一冊で作品の刊行が停まっているという、たいへん中途半端な形になってしまっているものですから、…(後略)>
(新潮文庫 『初ものがたり』 著者あとがき 1999年9月)

というわけで、いくつかの謎を残しながら終わっている小説。
主人公の茂七にからむように登場する稲荷寿司屋台のおやじや、「日道」と呼ばれる透視能力を持つ(?)十歳の坊やなど、その後どうなるのか気になるところだ。

とりあえず、宮部みゆきの時代小説再読は、いったん終わりにするつもり。
まだまだ何冊も用意してあるのだけれど、船戸与一が気になる。
 

【参考】
宮部みゆきに関しては、いろいろ研究書めいた本も出ている。
それほど、多作で、多様な顔を持った作家、ということなのだろう。

Miyabe_marugotoMiyabe_bokutachi『まるごと宮部みゆき』
 朝日新聞社 2002年 朝日文庫 2004年
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022577657
『僕たちの好きな宮部みゆき』
 宝島社 2003年 宝島文庫 2006年
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4796635564

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2008年1月18日 (金)

【読】宮部みゆき 再読 (5)

きまぐれな私にしては、よく続いていると思う。
宮部みゆきの時代小説、5冊目。

Miyabe_edogoyomiMiyabe_hatsu『初ものがたり』 (新潮文庫 1999年)

<鰹、白魚、鮭、柿、桜……。江戸の四季を彩る「初もの」がからんだ謎また謎。本所深川一帯をあずかる「回向院の旦那」こと岡っ引きの茂七が、子分の糸吉や権三らと難事件の数々に挑む。>
(カバー裏のコピー)

江戸の食べ物がよく描かれていて、興味ぶかい。
江戸時代の食べ物は、現代の和食とほとんど違わないことに少し驚く。
握り鮨や、稲荷寿司、二八蕎麦など、もうこの頃には江戸庶民が気軽に食べていたのだ。
もちろん銭がないと食べられないから、貧乏人には縁のない食べ物だったが。

『幻色江戸ごよみ』 の最後の一話は、今朝の通勤電車の中で読み終えた。
第十二話 「紙吹雪」。切ない話だった。
現代では考えにくいことだが(司法制度ができあがってしまっているから)、昔は、仇討ちというものがあったのだ。
この「紙吹雪」は、公認の仇討ちではないが、親の仇を討つために三年間、仇敵の高利貸しの家に女中奉公して目的を果す十六歳の娘の話だ。
こんなふうに生きて死んでいった人たちが、たくさんいたのだと思う。

けっして明るい話ではないが、読後、人間を信じたい気持になってくる。
これが宮部みゆき作品の力(ちから)だ。
 

じつは、船戸与一の新刊(『満州国演義 3』)をはやく読みたいのだけれど、乗りかかった舟だから、この 『初ものがたり』 を読みおえてしまおう、と思う。

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2008年1月17日 (木)

【読】宮部みゆき 再読 (4)

今年にはいってから、宮部みゆきの時代小説を順に読み返している。
4冊目の 『幻色江戸ごよみ』 (新潮文庫)の終盤にさしかかっていて、あと一話と半分を残すのみ。

Miyabe_edogoyomi前回(1月15日)、「一月から十二月までの江戸の季節のうつり変わりを背景にしているようだ」 と書いたが、それぞれの月に因んだ話でもない。
全十二話で構成されているため、てっきり月ごとの話かと思ったのは私の早とちりだった。
江戸の季節が感じとられ、当時の庶民(長屋ぐらしの人々が多い)の生活感があふれている。

悲しい話、つらい話もいくつかある。
健気に懸命に生きようとして、どんなにあがいても不幸から脱け出せない人もいる。
どの時代も、生きることは不条理そのものである。
それにしても、現代とは比べものにならない衣食住環境で、みんな頑張っていたんだなあ、と頭がさがる。
私など、当時生まれていたら、とっくのとうに飢え死にしていたか、犯罪に走っていたかもしれない。

江戸という当時の大都市では、貧富の差が大きく、富裕な商家もあれば、子どもを借金のかたに丁稚奉公に出さなくては生きていけない長屋の住人もいた。
犯罪も多かっただろう。 現代ほどではなかったにしても。
 

ところで、この連作の中では、第十話 「神無月」 の出来がすばらしい。
文庫版巻末解説(繩田一男)から引用する。

<第十話「神無月」。 年に一度、神無月の夜、病弱な娘のために盗みを働く・・・(以下略)>
注)あらすじを書いてしまうと、未読の方の楽しみを奪ってしまうので詳しく書かない。

<たとえていえば、「神無月」を読んでいて感じるのは、宮部みゆきが、一文字、一文字、細心の注意を払って筆を運ぶ際に生じる息づかいのようなものであろう。>

まったく同感だ。
この「神無月」の原文の一部を紹介しよう。

<夜も更けて、ほの暗い居酒屋の片隅に、岡っ引きがひとり、飴色の醤油樽に腰を据え、店の親父を相手に酒を飲んでいる。>  「神無月」 (一)の冒頭

<夜も更けて、九尺二間の裏長屋のほの暗い部屋の片隅に、男がひとり、瓦灯(かとう)の明かりひとつを頼りに縫物をしている。>  「神無月」 (二)の冒頭

この計算されつくしたみごとな文章に、思わず舌をまく。
宮部みゆき、おそるべし。

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2008年1月15日 (火)

【読】宮部みゆき 再読 (3)

Miyabe_ohatsu_iwa宮部みゆき 『震える岩 霊験お初捕物控』 を読み終えた。
後半、がぜん面白くなって、いっきに読んだ。
主人公のお初は一種の超能力者で、他人には見えないものが見え、聞こえないものが聞こえてしまう。
その能力が不思議な事件を解決していく力になるのだが、お初にとって、じぶんの能力は大きな負担になっている。
超能力者ではあるが、優しく、気丈なこころを持った娘であり、そこが好ましい。
本編の謎解きもよくできているが、お初という主人公の魅力がこの小説を支えている。

 

Miyabe_edogoyomi続いて読み始めたのが、1994年に刊行された 『幻色江戸ごよみ』 (新人物往来社刊)。
新潮文庫から1998年に出ている。
12編の連作からなる。
まだはじめの2編しか読んでいないが、一月から十二月までの江戸の季節のうつり変わりを背景にしているようだ。
江戸の庶民がせいいっぱい生きる姿が、胸を打つ。
つらい話もあるが、現代のわれわれにも通じる 「人の情」 があふれている。
ミステリーじたての長編もいいが、こういう短編集にこそ宮部みゆきの才能がいかんなく発揮されているように思う。



【参考】
大沢在昌、京極夏彦、宮部みゆきが所属する、大沢オフィスの公式ホームページ
大極宮 (たいきょくぐう)
http://www.osawa-office.co.jp/

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2008年1月11日 (金)

【読】宮部みゆき 再読 (2)

Miyabe_fukagawa宮部みゆき 『本所深川ふしぎ草紙』 (新潮文庫)
傑作である。
巻末の解説(池上冬樹)に面白いことが書いてあった。
錦糸町駅前の人形焼屋のことだ。

<この小説のモチーフは (作者が吉川英治文学新人賞のスピーチで述べていたので、書いてもいいかと思うが) 作者が贔屓にしている錦糸町駅前の人形焼きの店 「山田屋」 の包み紙にある(余談になるが、この店の人形焼きは作者からいただいたことがあるが、餡がぎっしりつまっていて実に美味い)。 「山田屋」 のある所は昔、「本所七不思議」 のひとつである "置いてけ堀" (中略) の場所らしく、それで店の包み紙に 「本所七不思議」 の絵が描いてあるのである。>

この店の前を、私は毎日通っているのだ。
人形焼も一度買ったことがあるが、包装紙には気づかなかった(紙袋で買ったからかもしれない)。
そういえば、宮部みゆきの居所があのあたりだと聞いたことがある。

この連作(七話からなる)は、上のように、「本所七不思議」 がモチーフになっている。
片葉の芦/送り提灯/置いてけ堀/落葉なしの椎/馬鹿囃子/足洗い屋敷/消えずの行灯

 

Miyabe_ohatsu_iwa宮部みゆき 『震える岩 霊験お初捕物控』 (講談社文庫)
今日から読み始めた。
前回(何年も前だが)読んだときの印象が強く残っている長編だ。
文庫で400ページあり、読み応えじゅうぶん。
「捕物控」 とあるが、いわゆる捕物帳とはひと味ちがう。

カバーの文句をひいて、内容を紹介すると ――
<ふつうの人間にはない不思議な力を持つ 「姉妹屋」 のお初。 南町奉行の根岸肥前の守に命じられた優男の古沢右京之介と、深川で騒ぎとなった 「死人憑き」 を調べ始める。 謎を追うお初たちの前に百年前に起きた赤穂浪士討ち入りが……。 「捕物帳」 にニュー・ヒロイン誕生! 人気作家が贈る時代ミステリーの傑作長編。>

お初は、『かまいたち』 に収められている 「迷い鳩」「騒ぐ刀」 に登場した、魅力的な娘である。
この後、続編として 『天狗風 霊験お初捕物控 <二>』 がある。
こちらも、文庫で560ページの長編。

宮部みゆきの小説を読んでいると、気持がなごむ。
悪い奴も出てくるのだけれど(善人の顔をしていて、途中から仮面の下のあくどい素顔が見えてくる人物が多く登場する)、最後に、人間を信じたくなるような 「救い」 が用意されていて、後味がとてもいのだ。

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2008年1月 9日 (水)

【読】宮部みゆき 再読

今年は、無理をしないでじっくり本を読もうと思う。
年末から読んでいた本は、とうとう途中で投げだしてしまった。
興味ぶかい内容ではあったのだけれど、根気が続かなかった。

Nakamura_offside『増補 オフサイドはなぜ反則か』 中村敏雄 著
 平凡社ライブラリー 415  2001.11.9
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4582764150

この本は、また機会があったら続きを読もう。


そんなわけで、もっと読みやすい小説を読むことに。
宮部みゆきの時代小説を、古いものから順に読みなおしている。
宮部みゆきは大好きで、最近のものを除いて、ほとんど読んでいる。
下の二冊も、ずいぶん前に読んでいるはずだが、あらためて読みなおしても新鮮だ。

Miyabe_kamaitachiMiyabe_fukagawa宮部みゆき
『かまいたち』 新潮文庫 1996.10.1
 (単行本 新人物往来社 1992年1月)
『本所深川ふしぎ草紙』
 新潮文庫 1995.9.1
 (単行本 新人物往来社 1991年4月)

『かまいたち』 の方が発行は遅いが、宮部みゆきの初期作品を集めたもので、彼女の小説の原点と言えるだろう。
四つの短編が収録されている。
「かまいたち」「師走の客」「迷い鳩」「騒ぐ刀」
いずれも、宮部みゆきの優しさがあふれていて感じがいい。
著者あとがきによれば、「迷い鳩」「騒ぐ刀」の二作は、デビュー前の1986年、87年に初稿が書かれたという。

<本篇を御一読いただければ、上記の二作が同一キャラクターによる連作の形式をとっているということが、すぐにお分りいただけると思います。 ただ、この二作の初稿を書き上げた当時、私はまだまったくのド素人でして、将来作家になれる見通しなど一ミリもない時でありましたから、今思えば、ずいぶんと図々しいことをやったものです。> (あとがき)

いやいや、とんでもない。
デビュー前から力(ちから)のあったことがよくわかる。
この二作に登場する、歴史上の人物、根岸肥前守鎮衛(やすもり)という人物が興味ぶかい。
『耳袋(耳嚢)』の作者である。
この『耳袋』も、いつか読んでみたい。

【平凡社のサイトから】
http://www.heibonsha.co.jp/catalogue/
耳袋1(平凡社ライブラリー)
根岸鎮衛=著 鈴木棠三=編
品切  HL判  528頁  2000.05
ISBN978-4-582-76340-9 C0395 NDC分類番号 914
江戸後期に佐渡奉行から南町奉行を歴任した著者が見聞きし書きとめた随筆集。狐狸妖怪譚あり、庶民の悲喜劇あり、現代人に通じる不思議な話大好きの江戸人の姿が浮かび出る。



『本所深川ふしぎ草紙』
(全七話)のうち、三話まで読んだところだが、第一話 「片葉の芦」 で、早くもジーンときてしまった。
宮部みゆきの 「やさしさ」 と書いたけれど、現代もの、時代ものを問わず、この人の小説の主人公たちは、なにかしらのハンディ、弱さを持った者たちだ。
ときに、超能力を持っていたりもするが、そこにも 「超能力」 を持つ者の悲しさ、孤独がある。
彼らにそそぐ作者の限りないやさしさが、どの作品からも感じられる。
ミステリーじたての物語が多いが、最後に 「救い」 のあるところがいい。

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2007年12月23日 (日)

【読】宮部みゆき

宮部みゆきの小説が好きで、ずいぶん読んだものだ。
現代小説と時代小説、どちらも好きだ。
ここ数年、新刊を読むことをやめてしまったし、ずっと前に読んだものも本を手放してしまったので、手元には一冊もなかった。

宮部みゆきの時代ものが読みたくなったので、まとめて古本屋(BOOK OFF)で買ってきた。
半分ぐらいは、以前、読んでいるはずだが、記憶があいまい。
読んだのは、だいぶん前だから。

Miyabe_miyuki_bunko文庫だけでも、これ以外にまだ出ているはずだ。
「霊験お初捕物控」シリーズは、強く印象に残っている。
(『震える岩』 『天狗風』)
現代ものでは、『火車』 『龍は眠る』 『レベル7』 『理由』 『模倣犯』 など、夢中になって読んだっけ。
二・二六事件を舞台にした 『蒲生邸事件』 も面白かったな。
この人の小説には、人間的な温かみがある。
人の情、というのかな。
そこがいい。

なかなか時間がとれないのだけれど、味わいなおしてみようかな、と思っている。

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2007年12月 7日 (金)

【遊】江戸東京博物館 (3)

日曜日に遊びにいった、江戸東京博物館の続き。
まるで宮部みゆきの時代小説に出てきそうな、江戸の庶民の生活。

宮部みゆきは、現代小説もいいが、江戸庶民の哀歓をみごとに描く時代小説もいいのだ。

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