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2018年1月28日 (日)

2018年1月27日(土)

きのう(1/27)は深夜1時過ぎに横浜から帰宅。そのため、きのうの日記を今日(1/28)書く。

「Jazz Spot DOLPHY」は、老舗のシャズ喫茶(ジャズバーという雰囲気)。たくさんの著名なミュージシャンがライブ演奏している店だ。この店のたたずまい、雰囲気が私は好きだ。
山崎ハコさんのライブには年に数回しか行かないのだが、ここでのライブには行きたかったので、早々と予約していた。

開店時刻の18時半を過ぎて店にはいると、すでにお客でいっぱい。ステージに近い前方のテーブル席では、飲んだり食べたりのグループもいる。私は、かろうじて残っていた、いちばん後ろの補助椅子(丸椅子)になんとか座った。最後列をよいことに、ライブ中はずっと立ってステージをみつめていた。ざっと数えて、60~70人ぐらいは入っていただろうか。私よりも遅れてきた人は、なんと、カウンターの中に案内されていた。文字どおりの満席。

ステージ下手に小ぶりのグランドピアノがあり、その上にギターケースがふたつ置いてあるのが微笑ましい。上手に楽屋というか控室があり、ステージにはハコさんのギターと安田さんの譜面台しか見えないが、すでにライブの雰囲気が盛りあがっている。

定刻19時半をすこし過ぎて開演。第一部は山崎ハコさんのソロ・ステージ。休憩をはさんで第二部が安田裕美さんのギター伴奏でのふたりのステージ。終わったのは午後10時40分頃だった。

私はライブ中にメモをとらないので、演奏曲目は憶えていないのだが、新旧のオリジナル曲とカヴァー曲をとりまぜ、15曲ぐらいだったろうか。いずれ、だれかがセットリストをネットにあげてくれるだろう。

その昔、デビュー後しばらくのあいだ、大きなホールで演奏していた頃、ハコさんは寡黙で、消え入るような声で曲名を紹介するぐらいだった。客席もシーンと緊張していたものだ。
いろいろあって事務所のくびきから解き放たれてから(さまざまな苦労があったはずだが)、ハコさんは自由にしゃべるようになった。

昨夜のライブでも、地元(大分から上京して長らく住んでいた、第二の故郷ともいえる横浜)だったせいもあるのだろう、いろいろな話をしてくれた。

曲が生まれたいきさつ、録音当時のエピソード、歌にこめる思い、など。めずらしく、セットリストが書かれたメモを確認しながら、曲が誕生した年と収録アルバムの名前をていねいに紹介していた。私が持っている古いレコードのジャケットの絵、何度も聴きかえした私自身の思い出がよみがえる。
ライブではほとんど歌ったことがなかったという曲も、いくつか歌ってくれた。

1981年のLP「幻想旅行」に収録されている「雪の道」を、第一部の二曲目だったか三曲目だったかに歌ってくれたのが、うれしい。4年前の大雪の日、同じ店でのライブで、何かリクエストは、というハコさんの問いかけに「雪の道!」と言ってみたのだが、急なことで準備できていなかったらしく、途中までしか歌えなかったことがあったのだ。

1978年のLP「流れ酔い唄」に収録されている「夜明け前」という曲は同時録音だったそうだが、ドラマーのつのだ・ひろさんが涙を流しながらドラムをたたいていたという、有名なエピソードも、ハコさんの口から語られた。

第二部、安田裕美さんの美しいギター伴奏を得て演奏された曲も、すばらしかった。
1980年のLP「歩いて」に収録されている「夢」という優しい曲調の歌が、テレビ・アニメ「ドラえもん」の挿入歌として使われた、というエピソードは、はじめて知った。私はこの歌が大好きだった。

おなじく第二部で演奏された、いつものカヴァー曲「りんご追分」「横浜ホンキートンク・ブルース」にも、感動。
細かいことだが、ハコさんは”Blues”を”ブルーズ”と、しっかり発音する。こういったことに厳しいピーター・バラカンさんが褒めてくれそうだが、これは余談。

最後は、「今日からは」というなつかしい歌(これも「流れ酔い唄」に収録)でしめくくり、アンコールは「気分を変えて」一曲だった。

ところで、私が座っていた(立っていた)この店の壁には、あのEric Dolphyのモノクロ写真のパネルが二枚(フルートを演奏しているのと、アルトサックス演奏のもの)、かけられていた。私が大好きなジャズ奏者だ。横浜のこの店の名前「ドルフィー」も、ここからきているはず。
彼が「LAST DATE」というアルバムに残した肉声がある。

“When you hear music, after it's over, it's gone in the air. You can never capture it again.”
(音楽は演奏とともに中空に消え去ってしまい、二度とそれを取り戻すことはできない)

演奏された音楽は、一度きりのもの。
昨夜の演奏も一度きりのもので、取り戻すことはできないが、その感動はいつまでも心のなかにとどまることだろうな、なんてことを思った夜だった。
(1/28 10:20記)

【追記】
もう一曲、印象に強く残ったのが、1984年のアルバム「てっせんの花」に収録されている「水車の都」だ。もちろん、他にもたくさん歌ってくれたのだが、宙に消えてしまって、つかまえるのが難しい。ただ、「いいライブだったな」という強い思いは、いつまでも消えないだろう。「夢」という歌も、第一部だったのかもしれない。やはり、簡単な曲名のメモぐらいはとっておけばよかったか。

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