【山】山小屋の煙
気がつけば、いつのまにか秋風がここちよい季節である。
この時期、不思議なことに薪ストーブの煙の匂いが懐かしい。
八ヶ岳南端、標高2400メートルの場所にある山小屋へ通いつめた時期がある。いまにも倒れそうな木造の古い小屋だった。
小屋主さんの人がらを慕う常連客が多く、その中から「居候」と称して小屋の仕事の手伝いをしながら滞在する、ボランティアのような連中が何人もいた。ぼくもその一員としてひんぱんに通っていたのである。
登山口から数時間登りつめていくと、小屋まであと数十メートルというところで、煙の匂いがただよってくる場所があった。ああ、もうすぐ小屋だなと思いながら登っていくと、とつぜん小屋の姿が目に飛びこんでくる。
煙突からかすかに煙が出ていて、人の気配が感じられる嬉しさといったら、なかった。
小屋に着くと、小屋番さんが出迎えてくれてお茶を出してくれる。残雪の頃や秋口、薪ストーブのぬくもりは殊にありがたかった。
あの小屋の思い出は、薪ストーブの煙の匂いとしてぼくの中に残っているんだなぁ、と思う今日この頃である。
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コメント
『煙の匂い』の思い出、私もあります。夕方家路を急ぐ時にふっと漂ってきたりしました。薪を燃やす匂いって郷愁を呼びますね。今はダイオキシン発生のため、燃やす事禁止ですから寂しいです。
ここの文を読ませてもらって、確認しました。やまおじさんは、やはりずっとやまおじさんだったのですね。
投稿: bluestar | 2005年9月28日 (水) 16時12分