【読】世界を読み解く
・・・とまあ、おおげさなタイトルだが。
池澤夏樹 『世界文学を読みほどく』 を読み終えた。
とても奥深い本で、こんなに楽しい読書体験は久しぶりだ。
11/2に紹介したように、著者が選んだ世界の10大傑作について、大学生を相手にした講義録。
副題「スタンダールからピンチョンまで」とあるが、トマス・ピンチョンというアメリカの現代作家のことは、初めて知った。
この本の帯のキャッチ。
「世界の10大傑作がこんなにわかる。小説を通して見ると、世界のこともこんなにわかる。」とある通り、池澤夏樹の〝世界観〟が、この人独特の切り口、語り口で繰り広げられている。
取りあげられている19世紀・20世紀の欧米の長編小説10編は、著者の言葉によると
<非常に面白いけれども、実際に読むのにはいささかの忍耐を要します>というものが多いが、<美味しい果物は皮が厚いというか、殻が硬いというか、そうそうすぐには食べられません>ということだ。
『カラマーゾフの兄弟』 『魔の山』 『ユリシーズ』 『百年の孤独』 など、娯楽小説を気軽に読むようなわけにはいきそうもない。気合いが必要なんだろうなぁ。でも、いっちょう読んでみようか、という気になる。
小説を題材にした世界論、といった内容が、ぼくにはたまらなく面白かった。
池澤さんはインターネットを道具として使いこなしている人だが、この本でも「ブログ」の可能性にふれているところがあって、これまた興味深かったし、勉強にもなった。
近ごろオススメの一冊。
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コメント
本屋になくて、まだ手に入れていませんがアマゾンで買おうと思っています。「百年の孤独」は柳田邦男の「犠牲」でも印象的に取り上げられている作品。宮崎の焼酎の商品名にもなり、飲んだことがあります。ここに取り上げられた作品を読み、それを理解するためにはそれこそ「千年の孤独」が必要なんでしょうね。世界は、本や活字だけでは読み解けないでしょう。
投稿: 玄柊 | 2005年11月12日 (土) 09時44分
まあ、人間は不可解、世界像も揺らぐ時代ということでしょうが、それでも何とかして〝知りたい〟という欲求は抑えがたいもの。
池澤さんのこの本には、さまざまなヒントが詰め込まれていました。
『百年の孤独』は、ずっと気になっていた本なので、ここらで挑戦してみようかな、と。
投稿: やまおじさん | 2005年11月12日 (土) 11時44分