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2008年2月24日 (日)

【読】大江戸事情

石川英輔さんという人の、「大江戸○○事情」 シリーズがおもしろいので、何冊か手に入れた。
中古があればBOOK OFFで、なければ新刊書店、それでもなければ近くの図書館と、探してみた。
残念なことに、版元品切れ重版未定となっているものが多い。

「読みたいときに本は無し」

図書館で借りてくるのがいちばん経済的でいいのだが、手元においておきたいものもある。
調べたいとき、すぐに見られるから。
図書館から借りると、二週間という貸出期限に、どうしても心理的に追われる。
(もちろん、次の予約がはいっていなければ延長できるのだが)

じぶんでも驚いたとこに、同一著者とは知らずに、こんな本を読んでいた。
著者名をまったく気にしないで、内容の面白さだけで購入、拾い読みしていた本だった。
こういうことも、ある。

石川英輔 『ニッポンのサイズ』 淡光社 2003.8.31

Ishikawa_nippon_size_2この本がとてもいい。
冒頭、1メートルの長さをどのように決めたか、などという話があって興味深い。

1790年、フランスで、メートル法の度量衡を決める作業が始まった。 
当時のフランスの科学者は、それまでの人間のサイズを基準にした、伝統的な寸、インチ、尺、フィートのような長さをもとにすることをやめて、なんと地球の大きさを基準にしようとしたのだ。

 

つまり、地球の子午線全周の四千万分の一の長さを1メートルにすると決めた。
北極から赤道までの距離を1万キロメートル、その一千万分の一を1メートルとするという、途方もない基準だ。

 ※ 子午線 : 地球上の同一経度の地点を結んだ仮想的な線。経線(けいせん)ともいう。
  南極点と北極点を結ぶ大円の半円。
  子午線という名称は子の方角(北)から午の方角(南)に伸びる線を意味する。
   ― Wikipediaより ―

子午線の長さといっても、実際に北極から赤道までを測量することはできないので、パリを通る子午線沿いに、フランス最北部のダンケルクと、ほぼ同じ経度にあるスペインのバルセロナまでの間で、精密な三角測量を繰り返し、その結果にもつづいて、1799年、長さ1メートルの白金のものさしを作ったという。

その後、測量技術が進化するにしたがって、地球の正確な大きさがわかってきて、北極から赤道までの長さは、今では1万1.9キロメートルということになっているそうだ。

ばかなことをしたものである。
おかげで、1メートルという長さが、人間の感覚とかけはなれたものになってしまった。

それに比べて、伝統的な長さの単位が、いかに理にかなったものか・・・というようなことが書かれていて、とてもおもしろい本だ。

「大江戸○○事情」 シリーズは、下のようなラインアップだ。
(ここにあげた以外にも、たくさん出版されている)

 講談社文庫 http://shop.kodansha.jp/bc/bunko/

『大江戸えねるぎー事情』
『大江戸テクノロジー事情』
『大江戸リサイクル事情』
『大江戸えころじー事情』
『大江戸生活事情』
『大江戸生活体験事情』
(田中優子氏との共著)

『大江戸ボランティア事情』 (田中優子氏との共著)

『大江戸 泉光院旅日記』 は、文化文政の六年間にわたり、日本全国を歩き回った僧・泉光院の見聞記を紹介した力作。

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