【読】Book Cover Challenge 6冊目
今朝は、とんでもなく朝早く目が覚めて、そのまま起きてしまった。
昨夜のうちから準備していた、FacebookのBook Cover Challenge 6冊目。
好きな本の表紙だけをアップする、このシリーズ。
とはいっても、書きたいことがいっぱいある。
それは、Facebookのコメントとして投稿している。
今回も、次のように長い説明。
いまや古典といってもいい、早逝した知里幸惠さんの『アイヌ神謡集』(岩波文庫)。
文字を持たないアイヌ民族が伝承してきたカムイ・ユカラ(神謡と呼ばれる)をローマ字表記し、日本語に訳した偉業。
「青空文庫」で全文を読むことができる。
https://www.aozora.gr.jp/cards/001529/files/44909_29558.html
1.シマフクロウ神が自らをうたった謡「銀の滴降る降るまはりに」 Kamuichikap Kamui yaieyukar, "Shirokanipe ranran pishkan"
2.キツネが自ら歌った謡「トワトワト」 Chironnup yaieyukar, "Towa towa to"
3.キツネが自ら歌った謡「ハイクンテレケ ハイコシテムトリ」 Chironnup yaieyukar, "Haikunterke Haikoshitemturi"
4.兎が自ら歌った謡「サムパヤ テレケ」 Isepo yaieyukar, "Sampaya terke"
5.谷地の魔が自ら歌った歌「ハリツ クンナ」 Nitatorunpe yaieyukar, "Harit kunna"
6.小狼の神が自ら歌った謡「ホテナオ」 Pon Horkeukamui yaieyukar, "Hotenao"
7.梟の神が自ら歌った謡「コンクワ」 Kamuichikap Kamui yaieyukar, "Konkuwa"
8.海の神(シャチ)が自ら歌った謡「アトイカ トマトマキ、クントテアシ フム フム!」 Repun Kamui yaieyukar, "Atuika tomatomaki kuntuteashi hm hm !"
9.蛙が自らを歌った謡「トーロロ ハンロク ハンロク!」 Terkepi yaieyukar, "Tororo hanrok hanrok !"
10.小オキキリムイが自ら歌った謡「クツニサ クトンクトン」 Pon Okikirmui yaieyukar, "Kutnisa kutunkutun"
11.小オキキリムイが自ら歌った謡「此の砂赤い赤い」 Pon Okikirmui yaieyukar, "Tanota hurehure"
12.獺が自ら歌った謡「カツパ レウレウ カツパ」 Esaman yaieyukar, "Kappa reureu kappa"
13.沼貝が自ら歌った謡「トヌペカ ランラン」 Pipa yaieyukar, "Tonupeka ranran"
彼女の日本語訳では、「サケヘ」という繰り返し(合いの手のようなもの)が省略されている。
たとえば、有名な第一話「梟の神が自ら歌った謡『銀の滴降る降るまわりに』」の冒頭
“Shirokanipe ranran pishkan, konkanipe
ranran pishkan.” arian rekpo chiki kane
petesoro sapash aine, ainukotan enkashike
chikush kor shichorpokun inkarash ko
teeta wenkur tane nishpa ne, teeta nishpa
tane wenkur ne kotom shiran.
「銀の滴降る降るまわりに,金の滴
降る降るまわりに.」という歌を私は歌いながら
流に沿って下り,人間の村の上を
通りながら下を眺めると
昔の貧乏人が今お金持になっていて,昔のお金持が
今の貧乏人になっている様です.
"pishkan"が、その「サケヘ」だ。
第二話「狐が自ら歌った謡『トワトワト』」でも、幸惠さんのアイヌ語(ローマ字)部分では
Towa towa to
Shineanto ta armoisam un nunipeash kusu
sapash.
トワトワト
ある日に海辺へ食物を拾いに
出かけました.
と、サケヘの"Towa towa to"は、冒頭のみ。
カムイ・ユカラは、本来、節をつけて歌(謡)われていたものだ。
あまり知られていないが、その復元を試みた、すばらしいCDがある。
本書とあわせて聞いてみると、カムイ・ユカラの奥深さに触れられると思う。
「アイヌ神謡集」をうたう
中本ムツ子 うた/片山龍峯 復元
片山言語文化研究所/草風館 2003年
中本ムツ子さんも片山龍峯さんも、故人となられた。
片山龍峯さんは、このCDにあわせて『アイヌ神謡集』のアイヌ語を詳しく解説した本も書かれた。
「アイヌ神謡集」読みとく
片山龍峯 編著/草風館 2003年
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784883231331
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