【読】2024年1月に読んだ本(読書メーター)
北方謙三『チンギス紀』全巻読了。
1月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:3016
ナイス数:129
チンギス紀 十 星芒の感想
2023年の暮れから読み始めて、ようやく読了。年末年始は他の本を読んでいた。その間、能登半島の地震、羽田空港の航空機事故といった大きな出来事が発生、不穏な年始となった。この巻から巻頭の地図が大きく変わった。モンゴルの領域が一つになり、西の方は遠くカスピ海まで載っている。現在の中央アジアだ。チンギスが金国と縁を切って攻め入る。ジャムカの遺児マルガーシ、ホラムズ・シャー国の皇子ジャラールッディーンといった若者が活躍し始める。メルキト族のアインガもチンギスの許へ。物語はさらに広がりを見せて、この後が楽しみだ。
読了日:01月06日 著者:北方 謙三
チンギス紀 十一 黙示の感想
モンゴル軍と金国軍の本格的な戦いでチンギスの息子ジョチとトルイが将軍として活躍する。西域でも大きな動きが。南宋に逃れたタルグダイとラシャーン、その養子トーリオが、この後、どのように絡んでくるのか楽しみ。チンギスが、ついに梁山湖を訪ねる。大水滸伝三部作との(物語上での)繋がりが少しずつ明らかになっていくのが、たまらない。
読了日:01月07日 著者:北方 謙三
チンギス紀 十二 不羈の感想
西域が動きだす。ホラズム・シャー国の皇子ジャラールッディーンとマルガーシの動きが気になる。タルグダイがとうとう死んでしまったが、養子のトーリオが、物語に大きく絡んで来そうな予感。チンギスが50歳になり、今後は孫たちの世代が活躍するのか。予断を許さない展開に。
読了日:01月09日 著者:北方 謙三
チンギス紀 十三 陽炎の感想
金軍の残党、完顔遠理のしぶとさに、テムゲが討たれて重傷を負うという、意外な展開が巻末に待っていた。テムゲの部下、好漢ボロクルが戦死。こうして一人ずつテムジンの配下が死んでいくのか。西域では、いよいよホラズム・シャー国との決戦が始まる。長い物語も佳境にはいってきた。残り4巻。楽しみだ。
読了日:01月14日 著者:北方 謙三
チンギス紀 十四 萬里の感想
西域での戦いの膠着状態が続いていて、地名・人名が飛び交い、何度も巻頭の地図と人名一覧を見るのがまどろっこしい。いっぽう、南方ではトーリオが小梁山・岳都にからんできて、岳飛伝との繋がりがいよいよもって強くなってきた。巻末、チンギス軍の好漢ムカリとマルガーシとの一騎打ちがこの巻の山場。チンギス軍の将軍たち(なかでもチンギスの係累)が消えていくのは、話の流れとしても、さびしい。残り3巻。
読了日:01月17日 著者:北方 謙三
チンギス紀 十五 子午の感想
いよいよ終盤の山場。テンポよく戦の描写が続き、息つく暇もない。強敵ホラズム・シャー国軍との決着が、残り2巻でどのようになるのか。期待が高まる。この巻では、ボオルチュとテムルン(チンギスの妹)の息子ボロタイルの人物造形が際立っている。いいやつなのだ。チンギスの副官ソルタホーンの人柄にも魅かれる。ホラズムの”婆さん”(太后)トルケンと、カンクリ族の女隊長・華蓮も個性的で不気味だ。
読了日:01月20日 著者:北方 謙三
チンギス紀 十六 蒼氓の感想
ホラズムの大軍がモンゴル軍によって、ほぼ壊滅状態に。それにしても30万の大軍の戦場など、想像がつかない。大軍どうしの戦の様子はイメージが難しい。これは大水滸伝を通して感じてきたことだ。ボロルタイや、チンギスの宿敵マルガーシが率いる隊の動きは、読む者に迫ってくるのだが。この巻では、チンギスが危うくマルガーシの手にかかりそうになって、ハラハラした。矢で射殺さずに見逃されたジャラールッディーンの行く末は? 残り1巻。いよいよ大団円か。この物語の最後までチンギスは生き残るのか?
読了日:01月24日 著者:北方 謙三
チンギス紀 十七 天地の感想
ついに通読完了。この最終巻には、哈敦(ハトン)の裏切り(反乱)という、思わぬ展開が用意されていた。そして、黒水城というあたらしい舞台。そこを拠点とする大軍との最終戦。マルガーシとの一騎打ち。相打ちに近いが、マルガーシは死に、チンギスも重傷を負って、ついに…。うまく終わらされたと、作者のたくらみに嵌った感がある。これで「水滸伝」に始まった大きな円環が閉じた。壮大なロマンだったが、史実上のチンギス・カンと、その後継者についても知りたくなった。
読了日:01月25日 著者:北方 謙三
イスラエル軍元兵士が語る非戦論 (集英社新書)の感想
『国のために死ぬのはすばらしい?』に続けて読んだ、ダニーさんの新刊。非武装中立論、原発廃止を真っ向から主張し、講演などの実践を通して平和を訴え続ける姿勢には、頭が下がる。この本では、ナチスのユダヤ人迫害のことも詳しく書かれている。また、イスラエルの内部事情も、当事者ならではの詳しさで。「声をあげる」ことのたいせつさを、突きつけられた思い。
読了日:01月27日 著者:ダニー・ネフセタイ,永尾 俊彦
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