« 【雑】ブログの書き直しは、まだまだ続く | トップページ | 【雑】なんと、19年… »

2024年11月 1日 (金)

【読】2024年10月に読んだ本(読書メーター)

10月の読書メーター
読んだ本の数:7 →6
読んだページ数:2023
ナイス数:99

痕跡本の世界: 古本に残された不思議な何か (ちくま文庫 ふ 49-1)痕跡本の世界: 古本に残された不思議な何か (ちくま文庫 ふ 49-1)感想
1979年生まれ、犬山で古書店を営む(私からみると)若い人の文庫オリジナル(一部、Webマガジン連載)。古本愛あふれる好著。巻末に岡崎武志さんの推薦文というオマケも。古本に残された書き込みなど、前所有者の痕跡が遺された「痕跡本」の魅力。古本好きにもいろいろあるが、この視点は面白い。私も、図書館本にあった書き込み(村上春樹本に著者への悪口が)をみつけて、消しゴムで消したことがある。もちろん、図書館本への書き込みはアウトだが、古書店に出る痕跡本は面白い。書き込み以外にも、こんな痕跡が、という発見あり。
読了日:10月04日 著者:古沢 和宏

台所に敗戦はなかった ――戦前・戦後をつなぐ日本食 (ちくま文庫 う-47-1)台所に敗戦はなかった ――戦前・戦後をつなぐ日本食 (ちくま文庫 う-47-1)感想
タイトルに惹かれて買って読んでみた。私は知らなかったが、人気の”食文化研究家”による2015年刊行の文庫化。さすが、ちくま文庫。いい本だ。魚柄仁之助=ウオッカ+ジン、という洒落たペンネーム。語り口がいい。戦前戦後の古い主婦雑誌の付録料理本などに載っていたレシピ例が、多数、図版掲載されていて面白い。実際にレシピどおりに作ってみて、その味を論評しているのもすごい。コンビニやスパーで手軽に手に入る食品ばかり食べている我が身が恥ずかしい。とくにペットボトル飲料。とても、この本のレシピをまねてみようとは思わないが。
読了日:10月13日 著者:魚柄 仁之助

バカ老人たちよ!  (夕日新書03) (夕日新書 03)バカ老人たちよ!  (夕日新書03) (夕日新書 03)感想
図書館から借りて、ひさしぶりに読んだ勢古さんの近刊。少し散漫な印象も受けたが、いつものように、紹介されている書物や映画などのエピソードがいい。沢木耕太郎『天路の旅人』に描かれている西川一三氏の魅力など、私も同感。小津安二郎「東京物語」の話も、いい。堤未果さんのエピソード(『堤未果のショックドクトリン』に記載)も。 堤未果さんのこの本は読んでいなかったので興味がわく。
読了日:10月20日 著者:勢古浩爾

フォト・ジャーナリストとは?―撮れなかった1枚の写真 (岩波ブックレット (No.100))フォト・ジャーナリストとは?―撮れなかった1枚の写真 (岩波ブックレット (No.100))感想
1987年刊行のずいぶん古いブックレットだが、吉田ルイ子というこの人を思い出して、図書館にあったのを借りて読んでみた。最近、SNSでこの人の名前を見て(ある写真家の投稿で)、かつて持っていて手放した『ハーレムの熱い日々』(ちくま文庫から復刊、2014/8/10)を買い直した。20代のときに読んで感銘を受けたはずだが、内容を忘れているので再読したい。”フォトジャーナリスト”という呼び名は、この人が最初かも。そういえば、私が敬愛している長倉洋海さんも、そう名乗っている。北海道出身というのも長倉さんと同じだな。
読了日:10月21日 著者:吉田 ルイ子

ひとでなしひとでなし感想
分厚い長編をなんとか読破。購読紙(東京新聞)連載当時、たまに見る程度だった。この著者についてほとんど知らなかったが、SNSで取り上げられているのを見て知った。著者の分身とも思える”イツキ”の小学生時代から成人するまで――1976年から2016年の世相・世界情勢が、まるでパラレルワールドのように背景として描かれている。不思議な小説世界。9.11は未遂テロとされ、オウムを連想させる集団があらわれたり。3.11とコロナのパンデミック、ウクライナ侵攻などはリアル。イツキをとりまく登場人物たちが個性的できわだつ。
読了日:10月28日 著者:星野 智幸

それでも読書はやめられない: 本読みの極意は「守・破・離」にあり (NHK出版新書 615)それでも読書はやめられない: 本読みの極意は「守・破・離」にあり (NHK出版新書 615)感想
ブックガイドを期待していたが、タイトル通りの内容。編集部から「老後の残された人生でなにを読むのか」というテーマを与えられた(P.251)そうだ。勢古さんが言いたいのは「ただ単純に『ああおもしろかった』と思えるような自由な読書の楽しさを強調したい」(P.144)に尽きる。同感だ。なにも無理して難しい本を読もうとしなくてもいいのだ。第3章で勢古さんが読もうとして匙を投げた難解な「名著」がずらりと挙げられているが、書名と内容の一部を見ただけで、私もうんざりする。名うての書評家をバッサリ切り捨てるあたりは、爽快。
読了日:10月29日 著者:勢古 浩爾

読書メーター

※読み終えてない一冊がカウントされていた(読書メーターで間違えて読了登録してしまった)。
岡崎武志『上京する文學』(ちくま文庫)再読中。月またぎで、まだ読んでいる途中。まあ、いいか。 (2024.11.1)

| |

« 【雑】ブログの書き直しは、まだまだ続く | トップページ | 【雑】なんと、19年… »

【読】読書日誌」カテゴリの記事

こんな本を読んだ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 【雑】ブログの書き直しは、まだまだ続く | トップページ | 【雑】なんと、19年… »