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2026年2月の2件の記事

2026年2月21日 (土)

【読】船戸与一さんを読み直す

このメインブログ、ずっと投稿が滞っている。

毎月はじめに「読書メーター」
https://bookmeter.com/
という読書記録サイトに、一か月分のまとめ(読書記録)を掲載するようにしてはいるが……。

その一方で「note」
https://note.com/iriyamahiro
という使いやすいブログサイトを、2024年12月13日を皮切りに、使うようになった。
おもに音楽と本のことを書いている。

さて、船戸与一さんの本のこと。
(どうしても”さん”付けで呼びたい人だ)

1979年3月のデビュー作『非合法員』に始まり、1980年代の未読作品を読んでみようと思い立った。
それがエスカレートして、全作品を読み直すという大それた試みを継続中。
全作品といっても、何度も読み返した『蝦夷地別件』と、全9巻の大作(絶筆となった)『満州国演義』は除くことにした。
(この2作は、私のなかでは”別格”扱いなのだ)

初読作品もあれば、再読も多いが、「船戸作品の落穂拾い」と勝手に命名している。
再読作品も、はじめて読んだのが20年も前なので、ほとんど内容を憶えておらず、読むたびに新鮮だ。

ちなみに、”ブ”(ブックオフ)では、船戸さんの旧作はほとんど見つからず、”密林”(Amazon)のお世話になった。
さらに、近隣図書館に文庫版があれば、借りてきて読んでいる。
文庫版にこだわるのは、巻末の解説を読みたいからだ。

※船戸与一さんの作品リストは、この投稿の末尾にあげておく。


「note」に、その読書記録を書き続けている。
いまのところ4回投稿している。

船戸与一作品を読み直す(1)|やまおじさん
2026.1.4

https://note.com/iriyamahiro/n/nec257960082d

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船戸与一作品を読み直す(2)|やまおじさん
2026.1.23

https://note.com/iriyamahiro/n/nddc3a7a278ea

__20260221185701

船戸与一作品を読み直す(3)|やまおじさん
2026.2.5
https://note.com/iriyamahiro/n/n216e33e15297

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船戸与一作品を読み直す(4)|やまおじさん
2026.2.16
https://note.com/iriyamahiro/n/neeccbfe35b9a

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以下、メモとして更新している「船戸作品リスト」

船戸与一作品 2026.2.21現在

〇 手元にある
◎ 購入(2025~2026年)
☆ 図書館本

● 読んだ ■ 読んだ(2025年~)
▲ 読んだはず
△ 読んだかどうかわからない
★ とくにいいと思った作品

南米三部作
『伝説なき地』(でんせつなきち)は、船戸与一による小説。 1988年に講談社のレーベルである"推理特別書下ろし"の収録作として上下2巻で刊行された。先に発表された『山猫の夏』『神話の果て』と併せて”南米3部作”と呼ばれることがあるが、いずれも独立した作品であり登場人物や舞台に関連性はない。

小説
■〇『非合法員』1979/03 講談社、1984/02 徳間文庫、1996/06 講談社文庫、2015/10 小学館文庫 ■2025/4/18読了
■◎『祖国よ友よ』1980/10 フタバノベルス 双葉社、1986/05 角川文庫、1992/10 徳間文庫 ■2025/12/24読了
  【収録作】祖国よ友よ / 爆弾の街 / どしゃぶり行路 / 北溟の宿
■◎『群狼の島』1981/06 フタバノベルス 双葉社、1985/12 角川文庫、1992/04 徳間文庫 ■2025/12/27読了
■◎★『夜のオデッセイア』1981/07 トクマノベルス 徳間書店、1985/04 徳間文庫、1997/12 ハードカバー 徳間書店 ■2025/12/30読了(徳間文庫)
■◎『蛮賊ども』1982/04 カドカワノベルズ 角川書店、1986/11 角川文庫、1993/04 徳間文庫 ■2026/1/1読了(徳間文庫)
■〇★『血と夢』1982/10フタバノベルズ 双葉社、1988/04 徳間文庫、1997/01 講談社文庫、2001/12 (増補新版) 徳間文庫 ■2026/1/5読了(徳間文庫増補新版)
■◎★『銃撃の宴』 1984/06 徳間文庫(徳間文庫封切り版)
  【収録作】白い蒸気の夜 / 居留区の秋 / 帰郷者 / 灰色の猟犬 / 老いぼれ殺し / まだらの疾風 / 鬼百合の宿 ■2026/1/7読了
■◎★★『山猫の夏』 1984/08 講談社、1987/08 (上下巻) 講談社文庫、1995/11 (新装版) 講談社文庫、2014/05 小学館文庫 ■2025/11/24読了
■◎★★『神話の果て』1985/01 双葉社、1988/05 (上下巻) 講談社文庫、1995/11 (新装版) 講談社文庫 ■2025/11/27読了
■◎『カルナヴァル戦記』1986/04 講談社、1989/06 講談社文庫、2016/11 (新装版) 講談社文庫 ■2025/12/17読了
  【収録作】カルナヴァル戦記 / ガリンペイロ / ジャコピーナ街道 / おタキ / バンデイラ / ふたつの町にて / アマゾン仙次 ※2025/12/17読了
■〇★★『猛き箱舟』1987/04 (上下巻) 集英社、1990/07~08 (1~4) 集英社文庫、1997/05 (上下巻) 集英社文庫 ■2026/1/13集英社文庫上巻読了 1/15下巻読了
■〇★★『伝説なき地』1988/06 (上下巻) 講談社、1991/06 (上下巻) 講談社文庫、1995/10 (上下巻) 徳間文庫、1995/11 (新装版) 講談社文庫、2003/06 (上下巻) 双葉文庫 ■2025/11/30読了(双葉文庫上巻) ■2025/12/2読了(双葉文庫下巻)
■◎★『緑の底の底』1989/10 中央公論社 、1992/11 (表題作のみ文庫化) 中公文庫、2000/07 徳間文庫 ■2025/12/20読了
  【収録作】緑の底の底 / メビウスの時の刻 ※2025/11/25購入 BOOK OFF \495 徳間文庫
■◎★★『炎 流れる彼方』1990/07 集英社、1993/07 (上下巻) 集英社文庫、1997/11 (新装版) 集英社文庫 ■2026/1/18上巻読了 ■2026/1/21下巻読了
■◎★★★『砂のクロニクル』1991/11 毎日新聞社、1994/12 (上下巻) 新潮文庫、2014/05 (上下巻) 小学館文庫 ■2026/1/25上巻読了 ■2026/1/29下巻読了
■◎★『黄色い蜃気楼』1992/09 双葉社、1995/09 双葉文庫 ■2025/12/22読了
■◎『メビウスの時の刻』1993/09 (単行本『緑の底の底』の収録作の文庫化) 中公文庫
●〇★★★★『蝦夷地別件』1995/05 (上下巻) 新潮社、1998/06 (上中下巻) 新潮文庫、2012/01 (上中下巻) 小学館文庫
■☆★『蟹喰い猿フーガ』1996/01 徳間書店、1999/04 徳間文庫 ■2026/2/5読了
■☆『かくも短き眠り』1996/06 毎日新聞社、2000/04 角川文庫、2004/03 集英社文庫 ■2026/2/11読了
■◎『蝕みの果実』1996/10 講談社、1999/10 講談社文庫 ■2026/1/9読了
  【収録作】セレクション・ブルウ(86.7) / からっ風の街(87.11) / 黄金の眼(88.10) / コリア・タウン(93.7) / 梟の流れ(93.12) / 斑らの蝶(95.7) / ミセス・ジョーンズの死(96.4)
■◎★『午後の行商人』1997/10 講談社、2000/09 講談社文庫 ■2026/2/1読了
■☆★★『流沙の塔』1998/04 (上下巻) 朝日新聞社、2000/10 (上下巻) 朝日文庫、2002/11 (上下巻) 新潮文庫、2006/04 (上下巻) 徳間文庫 ■2026/2/13 新潮文庫上巻読了 ■2026/2/17 新潮文庫下巻読了
●☆『海燕ホテル・ブルー』1998/08 角川書店、2001/09 角川文庫、2005/02 徳間文庫
●◎『龍神町龍神十三番地』1999/12 徳間書店 、2002/11 徳間文庫 ※Amazon購入(徳間文庫)
●☆『虹の谷の五月』2000/05 集英社、 2003/05 (上下巻) 集英社文庫
●〇『新宿・夏の死』2001/05 文藝春秋、2004/05 文春文庫、2012/08 小学館文庫
  【収録作】夏の黄昏 / 夏の渦 / 夏の流れ / 夏の残光 / 夏の雷鳴 / 夏の夜雨 / 夏の曙 / 夏の星屑 
 ※2025/11/25購入 BOOK OFF \605 小学館文庫
●◎『緋色の時代』2001/12 (上下巻) 小学館、2004/09 (上下巻) 小学館文庫、2008/02 (上下巻) 徳間文庫 ※Amazon購入2026/2/2,2/9(小学館文庫2004)
●☆『夢は荒れ地を』2003/06 文藝春秋、2006/06 文春文庫、2012/10 集英社文庫
●☆『三都物語』2003/09 新潮社、2006/07 新潮文庫
●〇『金門島流離譚(Asia noir)』 2004/03 毎日新聞社、2007/01 新潮文庫
  【収録作】金門島流離譚 / 瑞芳霧雨情話
●☆『降臨の群れ』2004/06 集英社、2007/08 (上下巻) 集英社文庫
●〇『蝶舞う館』2005/10 講談社 、2008/10 講談社文庫、2012/12 集英社文庫 ※Amazon購入(集英社文庫2012)
●〇『河畔に標なく』2006/03 集英社、2009/07 集英社文庫
●〇★★★★『満州国演義』2007/04~2015/02 新潮社、2015~2016 新潮文庫 
 「風の払暁」2007/04 新潮社、2015/07 新潮文庫
 「事変の夜」2007/04 新潮社、2015/08 新潮文庫
 「群狼の舞」2007/12 新潮社、2015/09 新潮文庫
 「炎の回廊」2008/06 新潮社、2015/12 新潮文庫
 「灰塵の暦」2009/01 新潮社、2016/01 新潮文庫
 「大地の牙」2011/04 新潮社、2016/02 新潮文庫
 「雷の波涛」2012/06 新潮社、2016/05 新潮文庫
 「南冥の雫」2013/12 新潮社、2016/06 新潮文庫
 「残夢の骸」2015/02 新潮社、2016/07 新潮文庫 【2015/4/22死去】
●◎『藪枯らし純次』2008/01 徳間書店、2011/03 徳間文庫 ※Amazon購入(徳間文庫)
●☆『夜来香(イエライシャン)海峡』2009/06 講談社、2012/04 講談文庫
●◎『新・雨月 戊辰戦役朧夜話』2010/02 (上下巻) 徳間書店、2013/01 (上中下巻) 徳間文庫 ※Amazon・e-hon購入(徳間文庫上中下巻)

その他
●〇『諸士乱想 トーク・セッション18』1994/05 ベストセラーズ、1998/03 徳間文庫
『棋翁戦てんまつ記』1995/03 (共著) 集英社、2018/03 集英社文庫
△〇『国家と犯罪』1997/04 小学館、2000/03 小学館文庫
●〇『満州国演義』に見る中国大陸』あるむ(愛知大学東亜同文書院ブックレット) 2008/

船戸与一名義以外の著作
豊浦志朗『硬派と宿命:はぐれ狼たちの伝説』世代群評社、1975年
〇豊浦志朗『叛アメリカ史』ブロンズ社、1977年;筑摩書房、1989年 ISBN 4-480-02310-0
〇原田建司(佐藤政信、小島臣と共著)『アラスカ・エスキモー』朝日新聞社、1968年

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2026年2月 1日 (日)

【読】2026年1月に読んだ本(読書メーター)

昨年12月から、船戸与一の「落ち穂ひろい」と称して、古い作品から読み続けている。

そろそろ既読の作品の再読にかかっているが、過去に読んだはずの作品も、その内容をほとんど憶えていなかったので、新鮮。

1991年の『砂のクロニクル』を読み終えて、今は、1997年の『午後の行商人』を読んでいる。

1996年『蟹喰い猿フーガ』、『かくも短き眠り』、1998年『流沙の塔』以降は、図書館に文庫本があるようなので、今後、借りてきて読んでみたい。

1月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:5131
ナイス数:154

蛮賊ども (角川文庫 ふ 2-3)蛮賊ども (角川文庫 ふ 2-3)感想
昨年から続いている船戸作品”落穂拾い”(未読だった初期作品を読む)の12冊目。1980年のアフリカ・ジンバブエ(旧ローデシア)が舞台。当時のアフリカの政治状況が複雑で、それが地の文で説明されているのが、ややうっとうしい。登場人物が多岐にわたっていて複雑だが、ダイナミックな展開は、さすが船戸さん。文庫解説(井家上隆幸)で紹介されている大岡昇平編『ミステリーの仕掛け』に、豊浦志朗名義で書かれた「ハードボイルド試論」が掲載されていると知り、読んでみたくなり古本を注文。船戸与一の世界にどっぷりと浸かっている。
読了日:01月01日 著者:船戸 与一

シロくんとパレスチナの猫シロくんとパレスチナの猫感想
パレスチナ難民キャンプに何度も足を運んできた写真家・高橋美香さんの写真絵本。ガザについての報道の陰で忘れられがちなヨルダン川西岸地区の難民キャンプへのイスラエルの侵攻。そればかりか、パレスチナ人が住む土地を奪い、”入植地”を拡大し続けているイスラエルの非道。この本では、美香さんの愛猫”シロ”くんの目を通して、美香さんがパレスチナで体験した近年のパレスチナの人々と猫たちの姿が描かれている。けっして”声高”ではないが、イスラエルの非道を訴える好著。
読了日:01月02日 著者:高橋 美香

血と夢 増補新版 (徳間文庫 ふ 3-13)血と夢 増補新版 (徳間文庫 ふ 3-13)感想
無薬莢弾丸の自動小銃は、いまや現実に存在するらしい。元自衛官で個人的事情から金を必要としている主人公(かなりナイーブな男)が国際的な謀略に巻き込まれていくハードボイルド小説。2001年徳間文庫版のこの「増補新版」には、著者によるアフガニスタンの当時の状況解説(ムジャヒディン取材記)が付いているので、大いに参考になる。また、巻末解説を、船戸さんから依頼を受けた写真家・長倉洋海さんが書いていて(長倉さんが追い続けていたマスード将軍のこと)、それもうれしい。この小説でも船戸さんの冒険小説の定番=主人公は死ぬ。
読了日:01月05日 著者:船戸 与一

銃撃の宴 (徳間文庫 140-2)銃撃の宴 (徳間文庫 140-2)感想
船戸与一さんの初期作品を追い続け、これが14冊目。アメリカ合衆国(アラスカを含む)を舞台にした七つの短編。文庫書き下ろしらしい。どの作品も意表をつく結末が用意されていて面白い。なかでも「灰色の猟犬」の思いがけない結末には感心した。巻末の北上次郎氏による文庫解説では、船戸作品の魅力が的確に指摘されている(解説文など読まなくていいという意見もあるが、この人の解説は好きだ)。そろそろ初読作品がなくなってきたが、『蝕みの果実』(短編集、1996/10講談社)は既読かもしれない。読んでみよう。他の既読作品も。
読了日:01月07日 著者:船戸 与一

蝕みの果実 (講談社文庫 ふ 30-13)蝕みの果実 (講談社文庫 ふ 30-13)感想
1986年から96年にわたって雑誌連載された短編7編。第4短編集。著者自身によると「舞台がアメリカ合衆国」「主要登場人物が何らかのスポーツに関係している」という共通項を持つ。ずいぶん前に読んだかもしれないが、例によって憶えておらず、新鮮だった。船戸さんのストーリーテリングが冴えている。なかでも、野球選手を扱った「セレクション・ブルー」、陸上競技者たちの「ミセス・ジョーンズの死」が秀逸。他の5編も、いい。船戸作品の”落ち穂拾い”は、まだまだ続く。次は、1987年の傑作長編『猛き箱舟』(再読)にとりかかる。
読了日:01月09日 著者:船戸 与一

猛き箱舟 上 (集英社文庫)猛き箱舟 上 (集英社文庫)感想
文庫上下巻それぞれ600ページにもなる大作の上巻を読了。ずいぶん前に単行本で読んだ朧げな記憶があるが、内容はおとんど憶えておらず、新鮮だった。頼りなげな”チンピラ”ともいえる香坂正次が過酷な体験を通して大きくなっていくドラマともいえる。プロローグ、南アルプスで射殺される隻腕の男との繋がりが気になる。非情さの塊のような”グリズリー”(隠岐浩蔵)が不気味。文庫解説(佐々木譲氏)がこの上巻にも付いているのは珍しい。さすがに佐々木譲さんらしい的確な分析でおおいに参考になる。
読了日:01月13日 著者:船戸 与一

猛き箱舟 下 (集英社文庫)猛き箱舟 下 (集英社文庫)感想
初期の傑作長編。単行本で読んだ憶えもかすかにあるが、記憶の彼方。あらためて新鮮だった。多彩な登場人物たちの予測不能な運命に、夢中になって読み進んでいった。ただ、結末は作品のまとまりとしてどうなのか。若干の不満が残った。それでも私にとっては『蝦夷地別件』に並ぶ船戸作品のベストと言える。文庫下巻の解説は逢坂剛氏。ハードボイルド系の作家らしい的確な船戸評は、おおいに参考になる。逢坂氏があげている『叛アメリカ史』、手元にあって未読だと思う。他の船戸さんの小説をひと通り読み終えたら、開いてみたい。
読了日:01月15日 著者:船戸 与一

凪の人 山野井妙子凪の人 山野井妙子感想
山岳関係の本が好きで、この本を知り、すぐに図書館から借りて一気に読んだ。著者は自身も海外の山に登るほどで、山野井夫妻と中国の山にも行ったらしい。妙子さんからよほどの信頼を寄せられていなければ、これほど内容の濃い”評伝”は書けなかったろう。妙子さんの登山歴を含む人生は「表立った歴史だけを見ると、けっして凪いではいなかった」(本書エピローグ)が、その人柄はまさに「凪の人」。なんとも魅力的な人だ。泰史さんも凄いクライマーだが、それを支える”姉さん女房”の妙子さんも凄い。彼女も今年、古希を迎えると知り、驚いた。
読了日:01月17日 著者:柏 澄子

炎流れる彼方 上 (集英社文庫 ふ 7-5)炎流れる彼方 上 (集英社文庫 ふ 7-5)感想
舞台が広大なアメリカ合衆国のためなのか、カラット突き抜けるような明るさを感じる。すこし前に読んだ『夜のオデッセイア』を思い出す。盛りを過ぎたボクサー”ムーニー”とその家族、それに主人公の”ラッキー”の魅力的な4人が、この後、ポンコツ車で北米大陸を移動していく予感。ところで、船戸与一は格闘技にも造詣が深いという話を読んだ記憶がある。少林寺拳法の技や、ボクシングの試合の描写に迫力がある。謎をはらんだまま、下巻へ。1990年発表、デビュー後11年目の長編傑作。
読了日:01月18日 著者:船戸 与一

炎流れる彼方 下 (集英社文庫 ふ 7-6)炎流れる彼方 下 (集英社文庫 ふ 7-6)感想
この小説、ずいぶん前に読んだかもしれないが、憶えていない。下巻にはいって物語が大きく展開。結末にいたっては読者の予想だにしないことになる。船戸ワールドらしく登場人物たちの大半は死んでしまう。ひとり残った主人公の視点から物語が語られる。文庫を選んで船戸作品を読み続けているのは解説を読みたいためだ。この文庫の解説・野崎六助氏は知らない人だったが、日本推理作家協会所属の小説家・評論家らしい。この解説の船戸論も興味深い。なるほど、『夜のオデッセイア』の系列に連なる「ロード・アドヴェンチャー・ノヴェル」だった。
読了日:01月21日 著者:船戸 与一

砂のクロニクル〈上〉 (新潮文庫)砂のクロニクル〈上〉 (新潮文庫)感想
ずいぶん前に単行本で読んだはずだが、内容をまるで憶えていなかった。評判どおりの傑作。プロットが巧みで、物語作者としての船戸さんの力量が感じられる。1980年代、イラン・イラク戦争後の複雑な中東情勢を舞台に、クルド人ゲリラたちの独立闘争が描かれる。主要な登場人物たちの因縁にみちた絡み合いにわくわくしながら、この上巻を読み終えた。この当時、私にとっては遠い世界のことだったが(関心が薄かった)、現代につながる、抑圧され続ける民族の”叛史”を描き続けた作者は、私には魅力的だ。船戸作品を追う読書は、とうぶん続く。
読了日:01月25日 著者:船戸 与一

砂のクロニクル〈下〉 (新潮文庫)砂のクロニクル〈下〉 (新潮文庫)感想
20年も前、船戸作品を読み始めた頃、単行本で読んだはずの長編小説。単行本が上梓された1991年時点で、この小説が船戸さんの最高傑作だったと、今にして思う。この文庫の解説は辺見庸氏。「正史」に対して「外史」という言葉を使っているが、船戸さん一流のすぐれた「叛史」だ。舞台となる国・地域のスケールの大きさ、多彩な登場人物たちの魅力、結末に向かってなだれ込むような部物語の展開。どれをとっても船戸作品の金字塔といえよう。複雑な登場人物一覧がKindle版(サンプル)で見ることができる。文庫版には簡単な地図しかない。
読了日:01月29日 著者:船戸 与一

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