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2026年6月 1日 (月)

【読】2026年5月に読んだ本(読書メーター)

5月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:4953
ナイス数:161

藪枯らし純次 (徳間文庫)藪枯らし純次 (徳間文庫)感想
船戸与一後期(2008年)の傑作。伝奇ミステリーの色が濃厚。再読のはずだが、すっかり内容を忘れていて、最後まで夢中になって読んだ。この作品は横溝正史の世界を連想させるが、そこは船戸さん。戊辰戦争、郷里の山口(萩藩)の歴史的事件や今に続く怨念をからませるところなど、この作品と同時期(2007年頃)に執筆された『満州国演義』の導入部や『新・雨月 戊辰戦役朧夜話』(2010年)を思い起こさせる。やはり国内(五島列島)を舞台にした作品『龍神町龍神十三番地』(1999年)があるが、それよりもずっとよく出来ている。
読了日:05月02日 著者:船戸 与一

夜来香海峡 (講談社文庫 ふ 30-16)夜来香海峡 (講談社文庫 ふ 30-16)感想
これもたぶん再読。2009年、大作『満州国演義』執筆中に取材し書かれたものだと、巻末の解説(井家上隆幸)で知った。この時期の船戸さんの傑作だと思う。『流沙の塔』『緋色の時代』で描かれた世界情勢と重なる世界。井家上さんの解説では、この時期の船戸ワールドの魅力が的確に指摘されている。<これほどまでにおもしろくて、現代史と世界と真っ向から格闘している小説はまれである>と。ただ一点、主人公が尊敬する老人が、なぜあれほどまで死に急いだのか、説得力に欠ける気が。イタリア車マセラッティを偏愛するヤクザの兄貴が魅力的。
読了日:05月04日 著者:船戸 与一

ダークネスダークネス感想
ひさしぶりの桐野作品。図書館予約待ち行列に並び、発売後10か月、ようやく順番がきた。一気に読了。「村野ミロ」シリーズの本当の完結編のはずだが、最後のクライマックス後、ミロがどうなるのかが気になる。その意味では消化不良。ミロシリーズ第一作(タイトルは忘れたが)からすべて読んでいたので、この作品でのミロの背景を何とか思い出した。シリーズを読んでいないと、ちと厳しいかも。ハルオとミロを取り巻く新しい(前作から20年後の)人間関係が波乱に満ちていて、最後までどうなるのか期待を持たせる。桐野夏生の筆力に脱帽。
読了日:05月06日 著者:桐野 夏生

朝日のようにさわやかに (新潮文庫)朝日のようにさわやかに (新潮文庫)感想
タイトルに惹かれて読んでみた。名前だけは見知っていたが、はじめて読む作家。収録作のタイトル「朝日のようにさわやかに」「あなたと夜と音楽と」は共にジャズのスタンダードナンバーで期待していたが、ジャズ小説ではなかった。さまざまなテイストの短編とショートショート14編。面白いものもあり、そうでもないものも。SF風の「冷凍みかん」はよかった。この多作の作家、長編が多いようだが、この短編集に限っての印象では、村上春樹の短編を彷彿とさせた(個人的な印象)。直木賞受賞作と受賞後第一作ぐらいは、いつか読んでみたい気も。
読了日:05月08日 著者:恩田 陸

八日目の蝉 (中公文庫 か 61-3)八日目の蝉 (中公文庫 か 61-3)感想
ずーっと読みたいと思っていたこの作品。映画化された人気作だが、内容についての予備知識なしで初読。古本で手に入れた中公文庫の解説が池澤夏樹さっだのは拾い物(いかにも池澤さんらしい優れた解説)。<心を震わせるラストまでページを繰る手が止まらない!>(カバー帯の惹句)が大げさでなく、ぐいぐい引き込まれながら読了。<最後の海の場面の抑制された美しさまで、読者は波瀾のストーリーを先を追って読み続けるだろう。>(巻末解説:池澤夏樹) タイトル『八日目の蝉』に込められた寓意が胸に染みる。さすが角田さん。手練れだ。
読了日:05月09日 著者:角田 光代

世界は終わりそうにない (中公文庫 か 61-5)世界は終わりそうにない (中公文庫 か 61-5)感想
船戸与一さんとの対談が収められているのを見て購入。全部読んでみた。対談タイトルは「旅とボクシングとハードボイルド」(週刊ポスト2014.1.17号掲載)。映画化された『八日目の蝉』の成島出監督との対談も興味深い。小説が映画化されても観ることが少ないのだけれど(たいていがっかりするので)、この映画は観てみようと思い、ネットでレンタルして視聴。角田さんは、映画には映画の良さがあることをよくわかっている。この雑文集(?)には、角田さんが他人の著作に寄せた書評や解説文、吉本ばなな、三浦しをんらとの対談も収録。
読了日:05月12日 著者:角田 光代

新・雨月 上 ~戊辰戦役朧夜話~ (徳間文庫)新・雨月 上 ~戊辰戦役朧夜話~ (徳間文庫)感想
ずっと以前、単行本で読んだものを文庫(3分冊)で再読中。戊辰戦役での複雑怪奇な動き。主要登場人物(架空の人物と思われる)以外の実在の人物たちの名前が多くて覚えられず、ストーリー展開になかなか付いていけないが、面白い。大作『満州国演義』執筆中の2010年に単行本刊行。『満州国演義』の冒頭エピソードに繋がる、会津での西軍の狼藉がこれから展開されるのか? 船戸与一”落ち穂拾い”も、この作品で区切りをつけたい。『蝦夷地別件』と『満州国演義』は何度も読んでいるので、これでひと通りの読み直しが終わるはず。
読了日:05月17日 著者:船戸 与一

新・雨月 中 ~戊辰戦役朧夜話~ (徳間文庫)新・雨月 中 ~戊辰戦役朧夜話~ (徳間文庫)感想
虚実ないまぜの船戸与一らしい幕末時代小説。山県狂介(有朋)、榎本釜次郎(武揚)、西郷吉之助(隆盛)、板垣退助、土方歳三、大村益次郎、木戸孝允といった、よく知られた幕末~明治の人物が実名で登場。キーマンとなる長州の間諜・物部春介とその連れのモモ、長岡の元博徒・布袋の寅蔵らが、じつに生き生きしている。が、登場人物が多すぎて、あいかわらず混乱しながら読んできた。いよいよ下巻。船戸与一が独自の史観で会津戦争の終焉をどう描くのか、楽しみではある。
読了日:05月20日 著者:船戸 与一

新・雨月 下 ~戊辰戦役朧夜話~ (徳間文庫)新・雨月 下 ~戊辰戦役朧夜話~ (徳間文庫)感想
下巻にはいって戊辰戦争終焉に向けての西軍・東軍の戦いの構図がようやく見えてきた。第七章、架空の登場人物・物部春介の口を借りて、船戸さんの戊辰戦争感が語られるあたり、興味深い。終章でこの戦争の主要人物たち(実在)のその後が詳しく述べられているのも勉強になる。解説(前田哲男)で船戸さんの”叛史史観”を展開されているのも、船戸ファンにはたまらない。これまで半年以上をかけて続けてきた”船戸作品落ち穂拾い”も、これが最後。あとは、豊浦志朗名義のいくつかのルポルタージュを読んでみたい。
読了日:05月23日 著者:船戸 与一

なぜ、地形と地理がわかると幕末史がこんなに面白くなるのか (歴史新書)なぜ、地形と地理がわかると幕末史がこんなに面白くなるのか (歴史新書)感想
船戸与一『新・雨月 戊辰戦役朧夜話』を読み終えた後、戊辰戦争当時の複雑な動きを知りたくて図書館から借りてきた。まさに激動の時代。今でも名前がよく知られている幕末・明治の人物たちの行動が、少しはわかった気がする。気になったのは、明治以降の呼称のはずの「藩」「幕府」があたりまえのようの使われていること(他の書物でも一般的に使われてはいるのだが、コメントがあって然るべきかと)。このことは、別の本で調べて確かめてみたい。
読了日:05月26日 著者:


涙がでるほど心が震える すばらしいクラシック音楽涙がでるほど心が震える すばらしいクラシック音楽感想
ネットで知り、気になっていた本。図書館から借りて読んでみた。バッハからモーツァルト、ベートーベン、ブラームスら有名な10人のクラシック音楽の作曲家がとりあげられていて、なかなか面白かった。なかでも上にあげた4人の章が私の興味を引いた。たまにはこういう本もいい。
読了日:05月28日 著者:車田和寿

([か]1-1)古本道場 (ポプラ文庫 か 1-1)([か]1-1)古本道場 (ポプラ文庫 か 1-1)感想
単行本を持っていたはずなのだが、探しても見当たらなかった。読んだのか読まなかったのか、たぶん処分してしまったらしい。単行本、文庫版ともに惜しくも絶版。文庫の古本をネット購入。じつにさわやかな読後感。この師匠(岡崎さん)にして、この弟子(角田さん)。岡崎さんはもとより、角田さんの本への愛情が伝わってくる。国外の古本屋も探ってきた角田さんの、本への思いが胸を打つP.230の文章「本は、人という生きものに絶対的に近しい。……」が、いいなあ。文庫ならではの「文庫版あとがき」と石田千さんによる解説も、また、いい。
読了日:05月29日 著者:角田 光代,岡崎 武志

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