カテゴリー「あの戦争」の219件の記事

2026年9月 2日 (水)

【読】2026年8月に読んだ本(読書メーター)

今月になって、松本清張の作品を読むのは、いったん中断。
気になっていた所蔵本(積読本)を2冊読んだ。

8月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2109
ナイス数:95

西郷札 3版 (カッパ・ノベルス 松本清張短編全集 1)西郷札 3版 (カッパ・ノベルス 松本清張短編全集 1)感想
これも図書館の書庫でみつけたシリーズの一冊。有名な「西郷札」「或る『小倉日記』伝」を読みたくて借りてみた。この二作は、どちらもさすが。時代小説三作「啾々吟」「戦国権謀」「白梅の香」は、私にはピンとこなかった(時代小説に馴染みがないせいか)。「くるま宿」(明治時代の話)、「火の記憶」「情死傍観」は、それなりに面白かった。この短編シリーズには松本清張自身による「あとがき」(出版時)があって、それも興味深い。
読了日:08月01日 著者:松本 清張

戦い続けた男の素顔: 宮部みゆきオリジナルセレクション (松本清張傑作選)戦い続けた男の素顔: 宮部みゆきオリジナルセレクション (松本清張傑作選)感想
選者が宮部みゆきさんなので、期待して読んだ。巻末の宮部さんによる解説が面白い。宮部さんによれば「松本清張自身の出自や若い頃の勤労体験などを素にした私小説的な趣を持つ作品」が選ばれている。松本清張「初心者」の私には、こんな色合いの小説も書いていたのかと、なかなか興味深い。清張自身は、自分の半生を私小説にして描くことを嫌ったようだが(巻末解説:香山二三郎)、それでもこの一冊に収められた小説群に、若い頃の清張の影がうかがえるような気がする。このシリーズの残り二冊も、がんばって読んでみたい。
読了日:08月17日 著者:松本 清張,宮部 みゆき

悪党たちの懺悔録: 浅田次郎オリジナルセレクション (松本清張傑作選)悪党たちの懺悔録: 浅田次郎オリジナルセレクション (松本清張傑作選)感想
浅田次郎選のこの傑作集も面白かった。浅田次郎さんが書いているように、松本清張の文章は、けっして名文とは思えず、使っている言葉に首を傾げることも。それでも、読む者を引き付ける文章力・構成力は、さすがだ。この傑作選シリーズは中・短編ばかりが収録されているが、有名な長編も、この先、読んでいきたい。このシリーズの未読はあと一冊。
読了日:08月19日 著者:松本 清張,浅田 次郎

松本清張小説セレクション 第3巻 ゼロの焦点松本清張小説セレクション 第3巻 ゼロの焦点感想
言わずと知れた松本清張の長編ミステリーの傑作。これは読んでおかなくてはと、図書館から借りて一気に読了。清張がミステリーに手を染めてからの三作目という(巻末の阿刀田高による解説)。さすがに見事なストーリー展開だが、主人公の女性(結婚早々、夫の失踪にあう)が、探偵のように、その後の事件の顛末に巻きこまれながら真相を追っていく、その推理に、多少の無理が感じられたのだけが引っかかった。だが、終盤、悲劇的な結末に向かう描写は圧巻。映画化されて話題になったようだが、私は未見。まったく予備知識なく読んだのがよかった。
読了日:08月21日 著者:松本 清張

暗闇に嗤うドクター: 海堂尊オリジナルセレクション (松本清張傑作選)暗闇に嗤うドクター: 海堂尊オリジナルセレクション (松本清張傑作選)感想
新潮社刊のシリーズ「松本清張傑作選」全6冊もこれですべて読了。選者・海堂尊氏を私は知らなかったが、元医師の作家。この巻に集められた「医療小説」(海堂氏によれば「医学小説」とは微妙に違うという)は、なかなかに面白いものばかりだった。清張の多彩な作風をあらためて知った。清張には旧日本軍で衛生二等兵の経歴があることも知り、なるほどと思った。この巻はシリーズ6冊の中でもピカイチかも。そのなかでも「草」という中編がよくできていると思うが、海堂氏が指摘しているように、この傑作のタイトルは何とかならなかったのだろうか。
読了日:08月24日 著者:松本 清張,海堂 尊

ヨシアキは戦争で生まれ戦争で死んだ (講談社文庫 お 108-1)ヨシアキは戦争で生まれ戦争で死んだ (講談社文庫 お 108-1)感想
懇意にさせていただいているドキュメンタリー写真家・小松由佳さんが強く推奨していた本。購入したままだったが、ようやく読むことができた。<戦後数多く生まれた、日本人女性と米兵との混血孤児。その一人ヨシアキは米国人家庭の養子となり…>(本書カバー)その後”アメリカ人”としてベトナム戦争で若くして戦死。彼が幼くして預けられた日本の施設や、アメリカに渡ってからの彼を取り巻く人々との触れ合いが淡々と描かれている。著者の夫(テレビプロデューサー)故・面高昌義氏の遺志を継いで書かれたノンフィクションの好著。
読了日:08月26日 著者:面髙 直子

どうせ死ぬなら北極でどうせ死ぬなら北極で感想
少し前に買ってあった贔屓の作家・極地旅行家(本書肩書)の角幡唯介さんの新刊。雑誌「ビーパル」連載エッセイ2018年から2023年掲載分。コロナ禍から遠く離れたグリーンランドでの体験(犬橇の試み)に始まり、第二子誕生(私は知らなかった)などご家族のこと、日本の世相へのやんわりとした批判、等々。いつもながら、やや理屈っぽいと私には感じられるものの、説得力ある文章が好ましい。この前に読んだ(図書館本)『エベレストには登らない』の姉妹作。北海道に移住して犬橇狩猟生活をしたいという願いは、その後どう進展したのか。
読了日:08月31日 著者:角幡 唯介

読書メーター

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2024年10月20日 (日)

【読】20巻+別巻1の全集

10年以上も前のこと。
当時住んでいた小平の新刊書店に通って、発売のたびにコツコツと買い集めた全集が、手元にある。

コレクション 戦争×文学 (戦争と文学)

https://lp.shueisha.co.jp/war-lite/top.html

2011年6月から2013年9月にかけて、集英社から刊行。

集英社「戦争×文学」│刊行リスト

https://lp.shueisha.co.jp/war-lite/list/index.html

完結後に発売されたムックまで買っている。

戦争と文学スペシャル (集英社ムック)
 2015/7/29 集英社

https://amzn.to/4fazDBl

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いま、私の本棚から本があふれ返っている。
「断捨離」という言葉は好きではないが、老い先長くないので、身辺整理しておかなければ、なんちゃって。
もしものときには、まとめて古本屋さんに持って行ってもらえばいいのだけれど。

本棚の奥(入りきらなくなったので前後二列で収納している)、つまり、見えないところに並んでいるこの全集。
いつか読みたいと思いつつ、まともに読み通したのは下の一冊だけかも。

『コレクション 戦争と文学 7 日中戦争』

https://amzn.to/3UjspmO

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ところで、この全集を買い集めていた当時のブログ記事があるのをみつけた。
”帯付き”にこだわっていたんだなぁ。
なつかしい。
震災のあった年のことだ。

【読】たかが、帯。されど: やまおじさんの流されゆく日々
 2011/11/15
https://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-bee2.html

読みたい本が、どんどん溜まる一方だ。

 

 

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2024年10月19日 (土)

【雑】ブログの書き直しは続く

このブログの過去記事を見直して、修正を加えている。
今日も、また、カテゴリー「あの戦争」の216件の記事を、こつこつと修正していた。

あの戦争: やまおじさんの流されゆく日々
https://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/cat20645692/index.html

カテゴリー別に過去記事を見直して、小さめのフォント(11ポイント)を12ポイントにしたり、Amazonリンクを貼りなおしたり。
Amazonは、以前、画像付きのリンクが提供されていたのだが、いまや、その画像は表示されなくなっている。

それにしても、同じようなことを、毎日のように書き続けていたもんだ。
読み直してみると、面白い記事もあれば、つまらないものも多い。
こんな本を読んだんだ、と、すっかり忘れていることも。

いずれ、私が死んだら、こんなブログはこの世から消滅するのだが、生きているうちは、誰かが読んでくれるかもしれないので、きれいにしておきたい。

目が疲れるなぁ。

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2023年11月13日 (月)

【読】「パレスチナ 戦火の中の子どもたち」(古居みずえ)

古居みずえさんが作った映画
『ぼくたちは見た ガザ・サムニ家の子どもたち』
 2011年 古居みずえ監督 (86分)
の関連本(ブックレット)が図書館にあったので、借りてきた。

『パレスチナ 戦火の中の子どもたち』
岩波ブックレット 2015/6/26 古居 みずえ (著)

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<世界の注視を集めた2014年夏のイスラエル軍のガザ侵攻時、何が起こっていたのか。
この6年にみたび戦火を経験した子どもたちは、日々をどう生きているのか。
事態は悪化し、「安全なところはどこにもない」(著者)――。
悲劇が繰り返される土地・パレスチナに20年以上通うジャーナリストが伝える現地の声。写真多数。>
(Amazonより)

この本の冒頭に、次のことばが書かれている。

<パレスチナを訪ねて二十数年が過ぎたが、パレスチナの状況は一向に変わらないどころか、よりひどくなっている。特にこの六年の間に、三度も戦争が起こった。/ガザ攻撃のたび、イスラエルとハマスが対等に戦っているように思わせるメディア記事が多く出る。しかしながら両者の間には圧倒的な差があるし、その背景から語られることはない。/ガザ地区はヨルダン川西岸とともに、六七年間、イスラエルの軍事占領下にある……>

先日の大塚での上映会の後、古居さんと後藤さんが「75年間」といっていたのは、この本が出版されてから8年がたっているからだ。

75年間といえば、私が生きてきた年数を超えている。

ずっしりと重いものが、のしかかってくる。

以下、大塚での上映会で配布された資料より。

1914年 第一次世界大戦始まる(~1919年)
1915年 フサイン・マクホン協定(アラブ人に独立国家を約束)
1916年 サイクス・ピコ協定(英仏の中東分断支配密約)
1917年 バルフォア宣言(パレスチナにユダヤ人の国民的郷土建設を支持)
1933年 ナチス政権発足
1939年 第二次世界大戦始まる(~1945年)
1947年 国連、パレスチナ分割決議
1948年 イスラエル建国、第1次中東戦争
1956年 第2次中東戦争
1967年 第3次中東戦争
1973年 第4次中東戦争(10月6日奇襲攻撃開始。ヨムキプール戦争)

「バルフォア宣言」とは、Wikipediaによれば……

バルフォア宣言(バルフォアせんげん、英語: Balfour Declaration、ヘブライ語: הצהרת בלפור‎)とは、第一次世界大戦中の1917年11月2日に、イギリスの外務大臣アーサー・バルフォアが、イギリスのユダヤ系貴族院議員であるロスチャイルド男爵ウォルター・ロスチャイルドに対して送った書簡で表明された、イギリス政府のシオニズム支持表明。この宣言をアメリカシオニスト機構に伝えるようロスチャイルド卿に依頼した。
バルフォア宣言では、イギリス政府の公式方針として、パレスチナにおけるユダヤ人の居住地(ナショナルホーム)の建設に賛意を示し、その支援を約束している。しかし、この方針は、1915年10月に、イギリスの駐エジプト高等弁務官ヘンリー・マクマホンが、アラブ人の領袖であるメッカ太守フサイン・イブン・アリーと結んだフサイン=マクマホン協定(マクマホン宣言)と矛盾しているように見えたことが問題になった。すなわち、この協定でイギリス政府は、オスマン帝国との戦争(第一次世界大戦)に協力することを条件に、オスマン帝国の配下にあったアラブ人の独立を承認すると表明していた。フサインは、このイギリス政府の支援約束を受けて、ヒジャーズ王国を建国した。
一方でパレスチナでの国家建設を目指すユダヤ人に支援を約束し、他方でアラブ人にも独立の承認を約束するという、このイギリス政府の三枚舌外交が、現在に至るまでのパレスチナ問題の遠因になったといわれる。……

歴史の根は深い。
ヨーロッパの大国に翻弄されてきたパレスチナの地を、どうすれば(どうなれば)よいのか。
簡単に答えられるはずもないが、同時代を生きる私にも、無縁なはなしではない。

大塚での上映会で後藤監督が言われていたこと――
「ナチスがユダヤ人を迫害したとき、ドイツ人は何をしていたのか? ――このことばは、そっくり今の私たちに返ってくる」
「いつまでも、傍観者でいていいのか?」
このことを、いつも忘れないでいたい。

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2023年11月12日 (日)

【演】ガザの戦争と沖縄戦(2本の映画)

ごく最近観た2本の映画のこと。
どちらも、劇場ではなく、ホールでの自主上映会。

『ぼくたちは見た ガザ・サムニ家の子どもたち』
 2011年 古居みずえ監督 (86分)

http://whatwesaw.jp/

1400人という多くの犠牲を出した、2008年から09年にかけてのイスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区への攻撃。
本作の監督であるジャーナリスト・古居みずえは、攻撃直後に現地に入り、300人以上の子どもたちが犠牲になっていたことに大きなショックを受け取材を始める。
ガザ南部の農業地帯ゼイトゥーンに住むサムニ家の子どもたちは、一族が一度に29人も殺されるという、過酷な事件を経験していた。 (公式サイトより)

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今年10月、ハマースによるイスラエル攻撃に端を発した戦闘(戦争といっていい)。※注
イスラエル軍によるガザへの「報復攻撃」が続いている。
報復というよりも、これまで繰り返してきたガザ地区への攻撃を強化して、ガザを支配下に置こうとしているように思えてならない。
このタイミングで、12年前に発表されたこの映画を観る機会があって、よかった。

14、5年前、イスラエル軍の攻撃でたくさんの肉親を目の前で失った、ガザの「サムニ家」の子どもたちに密着取材。
子どもたちの口から、悲惨な体験が語られる。
いま、ガザで起きていることは、これよりもっとひどいものだと思うと、胸が痛い。

この映画のことは、小松由佳さんと古居みずえさんとのトークイベントをオンラインで視聴して(10月19日)知った。

https://yukakomatsu.jp/

大塚の「シネマハウス大塚」という、ちいさな上映施設(ふだんはレンタルスペースとして使われているという)で、3日間上映されることを知り、最終日の11月8日(水)に観ることができた。

シネマハウス大塚
https://www.facebook.com/cinemahouseotsuka

上映後、古居監督と、主催者で館長の後藤和夫さんとのトークがあった。

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『丸木位里 丸木俊 沖縄戦の図 全14部』
 2023年 河邑厚徳監督 (88分)

https://sakima.jp/movie/

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河邑監督の『鉛筆と銃 長倉洋海の眸』(写真家 長倉洋海さんを描いた映画)を、9月23日、東京都写真美術館で観たばかり。

映画「鉛筆と銃 長倉洋海の眸」公式サイト
http://www.pan-dora.co.jp/enpitsutojyuu/

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その映画の上映会で、今回の作品のちらしも配布されていて、観たいと思っていた。
「ねりま沖縄映画祭」11月11日(土)の上映会(江古田の武蔵大学キャンパス)で観ることができた。

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「原爆の図」は、2015年2月に沖縄本島の佐喜眞美術館を訪ねて、実物を見たことがある。
14作全部ではなかったかもしれず、いちばん大きな絵(4m×8m)に衝撃を受けた。
もうひとつ、忘れられないのは、たまたま見学に来ていた中学生か高校生の団体の女生徒が、絵の前で泣きじゃくっていたこと。

11月11日の上映後、司会の永田浩三さん(武蔵大学教授)と、河邑厚徳監督のトークショーがあった。

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河邑監督のことばで、胸に響いたことがある。
「明治以降、日本の歴史は戦争の連続だったが、自分たちの土地が地上戦の舞台になったことがない。唯一、沖縄を除いて。」
「ガザの細長い地形は、沖縄島と似ている。どこにも逃げるところがない。」

私たち「本土」に生まれ育った人間には(私は北海道生まれだが、沖縄から見れば「本土」の一部だろう)、どこか、戦争の記憶・捉え方がちがっているのではないか。
空襲・空爆で被害を受けたことだけが強く刻まれていて、日本の軍隊が国外へ出張って地上戦を繰り広げたことや、沖縄の地上戦の惨状に対しては、決定的に鈍感なところがないか。
頭ではわかっているつもりでも、肌感覚としての実感が貧弱なのではないか。

頭でわかることと、映像や音楽によっのて揺り動かされる感情の部分とは、ちがう。
そこが映画や音楽(この映画でも三線にのせた島唄が効果的に使われていた)ならではの「ちから」ではないか。
そういう意味のことも、監督が話されていた。

【自分のためのメモ】
チビチリガマとシムクガマ。
読谷村の集団自決があった「チビチリガマ」、対照的に集団自決することなく非難した人たちが助かった「シムクガマ」。
このふたつが、「沖縄戦の図」に描かれている。
「シムクガマ」には、ハワイからの帰国者がいて、「米兵は手向かいしない限り殺さないのでガマを出るように」と、避難していた島民を説得したため、「玉砕」を避けられたという。
この話、私は勉強不足で知らなかった。
河邑監督の映画と、上映後のトークで、このことを知った。
憶えておきたい。

Wikipedia チビチリガマ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%93%E3%83%81%E3%83%AA%E3%82%AC%E3%83%9E

Wikipedia シムクガマ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A0%E3%82%AF%E3%82%AC%E3%83%9E

読谷村史 第五巻 資料編4 『戦時記録』 上巻 下巻
https://yomitan-sonsi.jp/sonsi/index.htm

【2023.11.14補足】
※注 について。

「ハマースによるイスラエル攻撃に端を発した戦闘」と書いたが、これは正確ではない。
イスラエル軍によるガザ包囲(実際に分離壁で包囲されている)は、ずっと以前から続いており、イスラエルによるガザ(パレスチナ)への締め付けは、今に始まったことではない。
過去の戦争・紛争も、ある日突然始まったわけではないことは、歴史をみればわかる。
このあたりの報道が、どうにもおかしい。

11月14日、ラジオ番組に、写真家の高橋美香さんが出演して、パレスチナの現状を的確・冷静に(静かな怒りをこめて)話していらっしゃる。
YouTubeでも聴ける。

『パレスチナのちいさないとなみ』
【ゲスト:高橋美香】2023年11月14日(火)
大竹まこと 小島慶子 高橋美香【大竹メインディッシュ】
https://youtu.be/SljgBusVf0w?si=RFbpGuUg68-MKCKF

 

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2023年9月17日 (日)

【読】図書館にリクエストしたのはいいけれど(いつか読みたい本)

市内の図書館にリクエストしておいた本が、立て続けに届いた。

さて、読みかけの本もあって、すぐには読めない。

はじめの二冊は、図書館に入れてくれたので、いつでも読める。
三冊目は、都立図書館からの借用。
二週間で返却しなければいけないのだが、とにかく分厚い(本文528ページ)。
分厚いが、いちばん興味深い本だ。

いずれも、あの戦争にまつわる本。

NHKスペシャル取材班 『ビルマ 絶望の戦場』
 岩波書店 (2023/7/28) 298ページ

https://amzn.to/4g3mF9A

加藤拓 『「特攻」のメカニズム』
 中日新聞社 (2023/7/29) 215ページ

https://amzn.to/49p2twl

フレデリック・テイラー 『一九三九年 誰も望まなかった戦争』
 白水社 (2022/3/10) 528ページ

https://amzn.to/3ZKHUr3

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2022年1月 1日 (土)

【読】2021年12月に読んだ本(読書メーター)

2021年12月に読んだ本。
3冊しか読み切れなかった。

半藤一利さんの『B面昭和史 1926-1945』平凡社ライブラリーを、年またぎで読み続けている。
なかなか進まない。

12月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:774
ナイス数:53

特攻隊振武寮 帰還兵は地獄を見た (朝日文庫)特攻隊振武寮 帰還兵は地獄を見た (朝日文庫)感想
鴻上尚史著『不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか』を読んで、この本を知った。旧日本陸軍航空特攻隊第二十二振武隊に所属、生還した元特攻兵大貫健一郎さんの貴重な証言。2007年10月放映NHKスペシャル「学徒兵 許されざる帰還~陸軍特攻隊の悲劇~」のプロデューサー渡辺考氏の冷静沈着な解説によって、当時の状況がよくわかる。大貫さんの記憶には間違いもあるかもしれないが、この本から見えてくるのは「特攻の真実」だ。立場によって違いもあるだろうが、多くの戦友を特攻で失った当事者の声は貴重。語り継がれるべきだろう。読了日:12月07日 著者:大貫健一郎,渡辺 考


回想のすすめ - 豊潤な記憶の海へ (中公新書ラクレ (695))回想のすすめ - 豊潤な記憶の海へ (中公新書ラクレ (695))感想
五木さんのこの手の新書がたくさん出ているものの、人生訓めいたものは、読む気にならなかった。が、本書は読んでみようと思った。人間の記憶は、かけがえのない資産だという(とくに老年になってからは)。この考え方には同意。ただ、本書の初めの方は同じことの繰り返しの感があって、どうかなと思う。第三章、五木さんが過去に対談・インタビューした人々の回想は、きわめて興味深い(五木さんの対談・インタビュー集は過去に多数出版されている)。第四章「薄れゆく記憶」で説く「みずからボケの達人を目指す」という考え方はいいかもしれない。
読了日:12月10日 著者:五木 寛之


半藤一利 語りつくした戦争と平和半藤一利 語りつくした戦争と平和感想
今年2021年1月に亡くなった半藤一利さんが遺した講演、対談を集めたもの。あらためて、すごい人だったと思うし、その業績から学ぶものは多い。田口ランディさんとの対談で「護憲派の正義で人を責める言葉が腹立たしい」というランディさんの発言に、ハッとする。この本のいいところは、随所に挿入されている「まとめ年表・図版」。図書館にリクエストして入れてもらい借りて読んだのだが、手元に置いておいてもいいかなと思って自分でも購入した。『B面昭和史 1926-1945』平凡社ライブラリーも同時に購入。
読了日:12月13日 著者:

読書メーター

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2021年12月27日 (月)

【読】2021年 ぼちぼちいこうか総集編(今年読んだ本)その2

今年読んだ本のリストの続き。
書名の前の日付は、読了日。
図書館から借りた本が、ほとんど。
家にある山積みの本が、なかなか読めない。

■ノンフィクション、エッセイ、評論類■

今年も世界中を震撼させた疫病関連。
けっこうまとめて読んだ。
『臨床の砦』はフィクション。現役の医師の作品で、臨場感あふれる力作。
東海林さだおさんの本は、ご愛敬。

■ 1/2 稲葉剛・小林美穂子・和田静香 編 『コロナ禍の東京を駆ける 緊急事態宣言下の困窮者支援日記』 岩波書店 (2020/11/26) 186ページ
■ 1/9 大野 和基 編 『コロナ後の世界』 文春新書1271 (2020/7/20) 202ページ
■ 1/13 朝日新聞社 編/養老孟司 他 『コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線』 朝日新書781 (2020/8/11) 200ページ
■ 1/18 村上陽一郎 編 『コロナ後の世界を生きる――私たちの提言』 岩波新書1840 (2020/7/17) 205ページ
■ 1/29 西浦博/(聞き手)川端裕人 『理論疫学者・西浦博の挑戦 新型コロナからいのちを守れ!』 中央公論新社 (2020/12/10) 292ページ
■ 6/10 東海林さだお 『マスクは踊る』 文藝春秋 (2021/1/30) 237ページ
■ 7/30 夏川 草介 『臨床の砦』 小学館 (2021/4/28) 206ページ
■ 9/12 牧田寛 『誰が日本のコロナ禍を悪化させたのか?』 扶桑社 (2021/8/24) 311ページ

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下に並べた本も、おもしろかった。

■ 2/3 なぎら健壱 『高田渡に会いに行く』 駒草出版 (2021/1/16) 332ページ
■ 2/11 春間豪太郎 『草原の国キルギスで勇者になった男』 新潮社 (2020/10/30) 279ページ
■ 2/13 椎名誠 『ぼくがいま、死について思うこと』 新潮社 (2013/4/25) 190ページ
■ 2/15 椎名誠 『遺言未満、』 集英社 (2020/12/21) 253ページ
■ 2/23 鈴木理生(すずき・まさお) 『江戸の町は骨だらけ』 ちくま学芸文庫 (2004/8/10) 275ページ

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大好きな高野秀行さん。
その高野さんが紹介していた、高野さんの友人でスーダン出身の盲目の人が書いた『わが盲想』が、たいへんおもしろかった。

■ 8/8 高野秀行・清水克行 『世界の辺境とハードボイルド室町時代』 集英社インターナショナル (2015/8/31) 314ページ
■ 8/10 高野秀行 『辺境メシ ヤバそうだから食べてみた』 文春文庫 (2020/11/20) 325ページ
■ 9/30 高野秀行 『移民の宴 日本に移り住んだ外国人の不思議な食生活』 講談社文庫 (2015/9/15) 397ページ
■ 10/9 モハメド・オマル・アブディン 『わが盲想』 ポプラ文庫 (2015/2/5) 297ページ

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今年、惜しくも亡くなった小三治さんの本。
続編も入手したが、まだ読んでいない。

■ 8/2 柳家小三治 『ま・く・ら』 講談社文庫 (1998/6/15) 419ページ

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その他、今年出会った、すてきな本の数々。
『ひらけ!モトム 大学生のぼくが世田谷の一角で介助をしながらきいた、団塊世代の重度身体障害者・上田さんの人生』に描かれた、上田要(もとむ)さんは、それほどのお付き合いはないものの、よく存じあげている方。いい本です。

■ 1/22 岩下紘己 『ひらけ!モトム 大学生のぼくが世田谷の一角で介助をしながらきいた、団塊世代の重度身体障害者・上田さんの人生』 出版社ジグ (2020/9/15) 223ページ
■ 3/20 内澤旬子 『内澤旬子の島へんろの記』 光文社 (2020/11/30) 366ページ
■ 4/13 鹿子裕文 『へろへろ 雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々』 ナナロク社 (2015/12/15) 283ページ
■ 5/5 鹿子裕文/絵・モンドくん 『はみだしルンルン』 東京新聞 (2021/1/31) 201ページ
■ 5/9 馬場悠男 『「顔」の進化』 講談社 (2021/1/20) 270ページ
■ 5/11 鹿子裕文 『ブードゥーラウンジ』 ナナロク社 (2020/1/1) 447ページ
■ 11/19 頭木弘樹編 『絶望図書館――立ち直れそうもないとき、心に寄り添ってくれる12の物語』 ちくま文庫 (2017/11/10) 363ページ

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「あの戦争」「憲法」「天皇制」などは、私の生涯にわたる(おおげさだが)読書テーマ。
『西瓜とゲートル』は、いい本です。

■ 1/11 江橋崇 『日本国憲法のお誕生 その受容の社会史』 有斐閣 (2020/11/3) 218ページ
■ 9/14 大澤真幸・木村草太 『むずかしい天皇制』 晶文社 (2021/5/30) 349ページ
■ 10/13 一ノ瀬俊也 『軍隊マニュアルで読む日本近現代史 日本人はこうして戦場へ行った』 朝日文庫 (2021/4/30) 233ページ
■ 10/16 吉田裕 『日本軍兵士 ――アジア太平洋戦争の現実』 中公新書2465 (2017/12/25) 228ページ
■ 11/14 鴻上尚史 『不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか』 講談社現代新書 (2017/11/20) 292ページ
■ 11/23 桑原茂夫 『西瓜とゲートル オノレを失った男とオノレをつらぬいた女』 春陽堂書店 (2020/8/15) 237ページ
■ 11/25 保坂正康 『「特攻」と日本人』 講談社現代新書1797 (2005/7/20) 227ページ
■ 12/7 大貫健一郎・渡辺孝 『特攻隊振武寮 帰還兵は地獄を見た』 朝日文庫 (2018/8/30) 358ページ
■ 12/13 保坂正康(監修) 『半藤一利 語りつくした戦争と平和』 東京新聞 (2021/11/30) 190ページ

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半藤一利さんの「昭和史」ものを、引き続き読んでいるところ。

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(おしまい)

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2019年12月28日 (土)

【読】今年も総集編(2019年・読書編 -2-)

「読書編 -1-」に書ききれなかった、今年読んで印象に残った本の続き。

ノーマ・フィールド

たしか、『戦争をよむ 70冊の小説案内』(中川成美/岩波新書)で知った、ノーマ・フィールドという女性。
うまく紹介できないので、ウィキペディアから転載する。

<ノーマ・フィールド(Norma M. Field, 1947年 - )は、アメリカ合衆国の日本研究者、シカゴ大学名誉教授。
第二次世界大戦後の東京で、アメリカ人の父と日本人の母の子として生まれる。1974年、インディアナ大学で東アジア言語文学の修士号を取得。1980年に来日し研究。1983年、プリンストン大学で同博士号取得。シカゴ大学に奉職し、東アジア学科教授をへて名誉教授。
夏目漱石の『それから』の英訳(And Then)に続き、『源氏物語』論である『憧憬の輝き』(Splendour of Longing)で注目された。
1988年の再来日の折に昭和天皇の死去に至る日々を体験。ルポルタージュ『天皇の逝く国で』を著し、この著書の日本語訳によって日本でも一般に知られるようになった。>

学者ではあるが、その著作からは、誠実な人柄が伝わって来て、好感が持てる。

ノーマ・フィールド/大島かおり訳 『天皇の逝く国で [増補版]』 みすず書房
ノーマ・フィールド/岩崎稔/成田龍一 『ノーマ・フィールドは語る 戦後・文学・希望』 岩波ブックレット781
ノーマ・フィールド 『いま、<平和>を本気で語るとは 命・自由・歴史』 岩波ブックレット990
ノーマ・フィールド/大島かおり訳 『祖母のくに』 みすず書房
ノーマ・フィールド/大島かおり訳 『へんな子じゃないもん』 みすず書房

上にあげた岩波新書で紹介されていたのが『天皇の逝く国で』
天皇裕仁(昭和天皇)が死去(崩御)したときの日本の状況(自粛ムード)と、天皇制に静かに異議を唱えた三人への取材、それに自らの体験を織り交ぜて論述している。

アマゾンより。
<「自粛」「常識」という社会の抑圧に、抵抗できるか。/登場人物は体制順応という常識に抗った三人の日本人。/沖縄国体で日の丸を焼いた知花昌一、殉職自衛官の夫の靖国神社合祀に反対した中谷康子、天皇の戦争責任を明言して狙撃された長崎市長の本島等。/あれから20年余、増補版のために書かれた新たなあとがきを付す。>

『祖母のくに』『へんな子じゃないもん』の二作は、幼少期、日本で育った著者のおもいでが、温かく綴られていて、よかった。
この三冊は、すっかり気に入ったので、図書館に返却した後で、古本をネットで購入したほど。

なお、ノーマ・フィールドについては、このブログにも8月に書いている。
お読みいただけると、うれしい。

【読】ノーマ・フィールド - やまおじさんの流されゆく日々
https://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2019/08/post-c2c768.html

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【読】今年も総集編(2019年・読書編 -1-)

今年の振り返りで、読書編。

毎年、年間100冊読破が目標なのだが、今年も完全に読んだのは70冊ばかり。
まあ、たくさん読めばいいというものでもないのだ、などと、これも毎年の言い訳。

これは面白かった、と、私が感じた本をあげておこうか。

◆小説・ノンフィクション◆
エンタメ系が多い。
面白い小説に出会えた年だった。

深緑野分 『ベルリンは晴れているか』 筑摩書房

第二次世界大戦末期のベルリン、ナチス・ドイツの崩壊直後が舞台の小説。
今年はじめに読んだので、内容はうろ覚え。
アマゾンの紹介文をあげておく。

<総統の自死、戦勝国による侵略、敗戦。何もかもが傷ついた街で少女と泥棒は何を見るのか。1945年7月。ナチス・ドイツが戦争に敗れ米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。ソ連と西側諸国が対立しつつある状況下で、ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が、ソ連領域で米国製の歯磨き粉に含まれた毒により不審な死を遂げる。米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、彼の甥に訃報を伝えるべく旅出つ。しかしなぜか陽気な泥棒を道連れにする羽目になり―ふたりはそれぞれの思惑を胸に、荒廃した街を歩きはじめる。最注目作家が放つ圧倒的スケールの歴史ミステリ。>

池澤夏樹 『砂浜に坐り込んだ船』 新潮社

池澤夏樹さんは、大好きな作家。
図書館の単行本で読んだ。
池澤さんの著作をまめに追いかけているわけでもないので、たまたま図書館でみつけて借りてきた。

これも、アマゾンの紹介文を。
(以下、アマゾンからの転載部分は<>で括った)

この短編集は、北海道が舞台なのが、うれしい。

<石狩湾で坐礁した、五千トンの貨物船。忽然と砂浜に現れた非日常的な巨体に魅せられ、夜、独り大型テレビでその姿を眺めていると、「彼」の声がした。友情と鎮魂を描く表題作と、県外の避難先から消えた被災者の静かな怒りを見つめる「苦麻の村」、津波がさらった形見の品を想像力のなかに探る「美しい祖母の聖書」ほか、悲しみを乗り越える人々を時に温かく時にマジカルに包み込む全9編。>

角幡唯介 『漂流』 新潮社
角幡唯介 『極夜行』 文藝春秋
角幡唯介 『極夜行前』 文藝春秋

これも私の好きな角幡唯介さんの本。
ひとつ目は小説風のノンフィクション。
宮古島の西隣、伊良部島の佐良浜の漁師が主人公。
ここには、昨年11月、小旅行してきたので、臨場感があった。

<奇跡の生還から8年。マグロ漁師を再び海に向かわせたものは何だったのか? 1994年冬、沖縄のマグロ漁師・本村実は、フィリピン人らと共に救命筏で37日間の漂流の後、「奇跡の生還」を遂げた。だが8年後、本村は再び出港し二度と戻らなかった。九死に一生を得たにもかかわらず、なぜ再び海に出たのか? 沖縄、グアム、フィリピンなどで関係者らの話を聞き、漁師の生き様を追った渾身の長編ノンフィクション。>

『極夜行』『極夜行前』の二作は、探検家 角幡さん自身の探検記。
何か月も太陽の光が射さない「極夜」を、犬ぞりで走破しようと悪戦苦闘する姿に感動。

<探検家の角幡唯介氏は、グリーンランド北西部にある地球最北のイヌイット村、シオラパルクに拠点を置き、極夜の中、グリーンランドとカナダの国境付近を四ヶ月かけて探検した。/角幡氏を極夜へと駆り立てたのは、イヌイットの言い伝えで「お前は太陽から来たのか。月から来たのか」と、今から二百年前、初めて部族以外の人間に出会ったイヌイットが発した言葉だという。この一言が角幡氏の心の琴線に触れた。「極夜の世界に行けば、真の闇を経験し、本物の太陽を見られるのではないか」 >

真藤順丈 『宝島』 講談社

第160回直木賞受賞作。
図書館では貸出待ち行列ができていたため、自腹で購入。
期待を裏切らず、血沸き肉躍る面白さ。
”本土復帰”を控えたアメリカ統治下の沖縄。
そこで「戦果アギャー」(戦果をあげる者)と呼ばれた、米軍基地からの略奪者たちが描かれ、沖縄の姿が真に迫ってくる。
上質のエンタメ小説。
沖縄の歴史を見直すとばぐちにもなる。

私にとっては、昨年読んだ馳星周『弥勒世』に匹敵する、今年読んだ最高傑作。

服部小雪 『はっとりさんちの狩猟な毎日』 河出書房新社
服部文祥 『百年前の山を旅する』 山と渓谷社

服部小雪さんは、服部文祥さん(冒険家というのか)の奥さま。
服部家の、世間とはちょっとズレている生活(狩猟とか、屠畜とか)がユーモラスに描かれている。
挿絵もいい。まるで絵本のような。
『百年前の山を旅する』は、だいぶん前に購入したまま読んでいなかった。
”サバイバル登山”を標榜している服部文祥さんの、ワイルドな登山記。
山好きな私には、たまらなかった。

葉真中顕(はまなか・あき) 『凍てつく太陽』 幻冬舎

図書館本。
この作家を読むのは初めて。
終戦間際の北海道(室蘭あたり)を舞台に、アイヌの青年(特高警察官)と同僚をめぐり、ミステリアスな展開。
結末のどんでん返しは、まさに、ネタバレ注意。
謎解きの面白さがあったが、タネを知ってしまったので、再読できない。
これも、私のおすすめ。

中島京子 『夢見る帝国図書館』 文藝春秋

今年の新刊。
たしか、新聞の書評で知って、読んでみようと思った。
図書館本。

<「図書館が主人公の小説を書いてみるっていうのはどう?」
作家の〈わたし〉は年上の友人・喜和子さんにそう提案され、帝国図書館の歴史をひもとく小説を書き始める。もし、図書館に心があったなら――資金難に悩まされながら必至に蔵書を増やし守ろうとする司書たち(のちに永井荷風の父となる久一郎もその一人)の悪戦苦闘を、読書に通ってくる樋口一葉の可憐な佇まいを、友との決別の場に図書館を選んだ宮沢賢治の哀しみを、関東大震災を、避けがたく迫ってくる戦争の気配を、どう見守ってきたのか。/日本で最初の図書館をめぐるエピソードを綴るいっぽう、わたしは、敗戦直後に上野で子供時代を過ごし「図書館に住んでるみたいなもんだったんだから」と言う喜和子さんの人生に隠された秘密をたどってゆくことになる。・・・>

しんみるする、意外な結末。

帚木蓬生(ははきぎ・ほうせい) 『三たびの海峡』 新潮文庫
帚木蓬生 『逃亡(上)(下)』 新潮文庫

この作家も、私は初めて。
(現代の人気作家に、あまり馴染みがなかったのだろう)

『三たびの海峡』は、三國連太郎主演の映画で有名らしい(私は観ていない)。
かなり前に出版された小説。
朝鮮半島からの徴用工(強制連行)が主人公。
九州の炭鉱で実際にあったことに、驚く。
知らなかったことが多すぎる。

Facebookにこの本のことを書いたところ、FB友達から教えてもらったのが『逃亡』という小説。
これも、戦後すぐ、中国からの引き揚げ、元憲兵の逃避行が描かれていて、重い内容だった。

<1945年8月15日、日本敗戦。国内外の日本人全ての運命が大きく変わろうとしていた――。香港で諜報活動に従事していた憲兵隊の守田軍曹は、戦後次第に反日感情を増す香港に身の危険を感じ、離隊を決意する。本名も身分も隠し、憲兵狩りに怯えつつ、命からがらの帰国。しかし彼を待っていたのは「戦犯」の烙印だった……。「国家と個人」を問う日本人必読の2000枚。柴田錬三郎賞受賞。 >

馳星周 『蒼き山嶺』 光文社
馳星周 『美ら海、血の海』 集英社文庫
馳星周 『約束の地で』 集英社
馳星周 『神(カムイ)の涙』 実業之日本社

12月になって、馳星周さんの小説を立て続けに読んだ。
昨年読んだ『弥勒世(みるくゆー)』に圧倒されて、この作家に興味をもった。
ただ、作品のテーマ・味わいが多岐にわたっていて、食指が動かない作品も。

そのなかでも、扱っているテーマが、山岳、沖縄戦、アイヌといった作品を選んで読んだのだった。
(『約束の地』だけは、家族、家庭内暴力、痴呆などを扱った、現代的な重い内容だったが)

『蒼き山嶺』
北アルプスの白馬連山を舞台にした山岳小説。
それなりに面白かったが、主人公の超人的なパワー(雪山を人と荷物を背負って延々と歩く)は、ちょっと現実離れしていはしないか。
鼻白む感あり。

『美ら海、血の海』
沖縄戦で血のにじむ体験をした、鉄血勤王隊の少年が主人公。
沖縄戦の地獄の様相が鬼気迫る。
歴史を正しく認識するためにも、こういう小説が読まれるといいと思う。
沖縄戦についてはノンフィクションの記録も多いが、小説(フィクション)ならではの真実がある、というのが私の持論。

『約束の地で』
上に書いたとおり。
登場人物たちが連鎖する、5つの連作短編。
身に迫る。

『神(カムイ)の涙』
題名から連想されるように、北海道の道東地方が舞台。
アイヌの老人(木彫作家、元猟師)と孫娘、そこに、木彫りの弟子になりたいと訪ねてきた青年。
この三人の意外な関係、青年の過去が、だんだんと明かされてくる。
ストーリーにひねったところはない。
ストレートに胸に響く内容。

 

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