【読】西牟田靖さんのもう一冊
なかなか本が読めない毎日だけれど。
(近ごろは目がかすんで……)
西牟田靖さんの本を図書館でみつけ、借りてきて読んでいる。
西牟田 靖 『誰も国境を知らない』
― 揺れ動いた「日本のかたち」をたどる旅 ―
情報センター出版局
2008年10月7日発行
390ページ 1700円(税別)
― カバーより ―
僕たち日本人は、この国の真の姿(リアル)をどこまで知っているだろうか?
歴史の流れのなかで、日本という国の膨張・収縮により時代に翻弄されてきた特別な場所=北方領土、竹島、尖閣列島、沖ノ鳥島、与那国島、対馬、そして小笠原諸島、硫黄島……。あの戦争の果ての線引きによって定められてきた「この国のかたち」を見つめ直すために、僕は、日本列島の周縁に位置する「国境の島々」を訪ねる旅を始めた――。
ふつうの人にはなかなか行けない離島、とくに「北方領土」(国後島、色丹島)への旅。
驚くべき行動力だ。
「日本」の現在の「領土」に、こんな場所があったのか、という発見。
― 目次より ―
一 北方領土Ⅰ [渡航を禁じられた島]
函館~サハリン~国後島
二 沖ノ鳥島 [国家が守る見えない島]
東京~父島~沖ノ鳥島
三 竹島Ⅰ [民族的聖地への上陸記]
釜山~鬱陵島~竹島
四 対馬 [隣国と向き合う交流の島]
対馬~釜山/釜山~対馬
五 硫黄島 [国家に裏切られた島]
東京~父島~硫黄島
六 小笠原諸島 [日米の間で揺れ続けた島]
東京~父島~母島
七 与那国島 [国境の手前でもがく島]
基陵~那覇~与那国島
八 竹島Ⅱ [奪われた島をめぐる記憶]
七類~隠岐
九 北方領土Ⅱ [歴史が止まったままの島]
国後島~色丹島~根室
十 尖閣諸島 [政治的な秘境となった島]
那覇~香港/那覇~魚釣島
― 本書の著者略歴より ―
西牟田 靖 にしむた・やすし
1970年大阪生まれ。神戸学院大学卒業。8カ月間の会社勤めの後、地球一周の船旅へ。以降、ライターとして活動を始める。「深夜特急」の経緯をたどる香港からロンドンまでのバス旅、北インド、北ベトナム取材、タリバン支配下のアフガニスタン潜入、空爆停止直後のユーゴスラビア突入、旧大日本帝国エリア踏破など、世界各地に挑戦的な旅を続けてきた。訪れた国は50以上、国内外を含め訪れた離島は100を超える。4年をかけアジア太平洋地域に日本の元領土を踏破した旅の記録を『僕の見た「大日本帝国」』(小社刊)として上梓、真摯に歴史と対峙するその姿勢と大胆な行動力で高い評価を得た。本書の旅には5年の歳月が費やされた。旅にこだわり、現場にこだわり、実感にこだわり、イデオロギーにとらわれず事象に向き合うことを武器とする新世代のノンフィクション作家である。
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