カテゴリー「西牟田靖」の3件の記事

2010年10月10日 (日)

【読】西牟田靖さんのもう一冊

なかなか本が読めない毎日だけれど。
(近ごろは目がかすんで……)

西牟田靖さんの本を図書館でみつけ、借りてきて読んでいる。

Nishimuta_kokkyo西牟田 靖 『誰も国境を知らない』
  ― 揺れ動いた「日本のかたち」をたどる旅 ―
 情報センター出版局
 2008年10月7日発行
 390ページ 1700円(税別)

― カバーより ―
僕たち日本人は、この国の真の姿(リアル)をどこまで知っているだろうか?
歴史の流れのなかで、日本という国の膨張・収縮により時代に翻弄されてきた特別な場所=北方領土、竹島、尖閣列島、沖ノ鳥島、与那国島、対馬、そして小笠原諸島、硫黄島……。あの戦争の果ての線引きによって定められてきた「この国のかたち」を見つめ直すために、僕は、日本列島の周縁に位置する「国境の島々」を訪ねる旅を始めた――。

ふつうの人にはなかなか行けない離島、とくに「北方領土」(国後島、色丹島)への旅。
驚くべき行動力だ。
「日本」の現在の「領土」に、こんな場所があったのか、という発見。

― 目次より ―
一 北方領土Ⅰ  [渡航を禁じられた島]
    函館~サハリン~国後島
二 沖ノ鳥島  [国家が守る見えない島]
    東京~父島~沖ノ鳥島
三 竹島Ⅰ  [民族的聖地への上陸記]
    釜山~鬱陵島~竹島
四 対馬  [隣国と向き合う交流の島]
    対馬~釜山/釜山~対馬
五 硫黄島  [国家に裏切られた島]
    東京~父島~硫黄島
六 小笠原諸島  [日米の間で揺れ続けた島]
    東京~父島~母島
七 与那国島  [国境の手前でもがく島]
    基陵~那覇~与那国島
八 竹島Ⅱ  [奪われた島をめぐる記憶]
    七類~隠岐
九 北方領土Ⅱ  [歴史が止まったままの島]
    国後島~色丹島~根室
十 尖閣諸島  [政治的な秘境となった島]
    那覇~香港/那覇~魚釣島

― 本書の著者略歴より ―
西牟田 靖 にしむた・やすし
1970年大阪生まれ。神戸学院大学卒業。8カ月間の会社勤めの後、地球一周の船旅へ。以降、ライターとして活動を始める。「深夜特急」の経緯をたどる香港からロンドンまでのバス旅、北インド、北ベトナム取材、タリバン支配下のアフガニスタン潜入、空爆停止直後のユーゴスラビア突入、旧大日本帝国エリア踏破など、世界各地に挑戦的な旅を続けてきた。訪れた国は50以上、国内外を含め訪れた離島は100を超える。4年をかけアジア太平洋地域に日本の元領土を踏破した旅の記録を『僕の見た「大日本帝国」』(小社刊)として上梓、真摯に歴史と対峙するその姿勢と大胆な行動力で高い評価を得た。本書の旅には5年の歳月が費やされた。旅にこだわり、現場にこだわり、実感にこだわり、イデオロギーにとらわれず事象に向き合うことを武器とする新世代のノンフィクション作家である。

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2010年9月28日 (火)

【読】こんなニッポンがあった

こんなニッポンがあったことを、あなたは知っていますか?
こんなニッポンがあったことを、あなたは信じられますか?

――というキャッチフレーズの二冊と、もう一冊。
このところ、こんな本を読んでいる。


Nishimuta_teikoku_2西牟田 靖 『僕の見た「大日本帝国」』
  ― 教わらなかった歴史と出会う旅 ―
 情報センター出版局 2005年2月25日発行
 402ページ 1600円(税別)

― カバーより ―
サハリン(樺太)の南半分、台湾、韓国、北朝鮮、ミクロネシア(旧南洋諸島)、それにくわえて中国東北部(旧満州)。/明治の半ばから昭和二十年の終戦前後までの時代、それらの国・地域は「大日本帝国」と称していた日本の統治下に置かれていたという共通項を持つ。/……僕は、大日本帝国の領土だった各地に「日本の足あと」を探す旅を始めた――。

よくもここまで歩きまわったものだと思う。
著者の行動力と偏見のない姿勢、現地の人々とのごく自然な交流に、頭がさがる。


Nishimuta_shashin_teikoku西牟田 靖 『写真で読む 僕の見た「大日本帝国」』
 情報センター出版局 2006年2月26日発行
 241ページ 1600円(税別)

上の著作の姉妹編。
写真が豊富(400点以上)で、著者が訪れた国・地域の歴史背景についてもよく調べて書かれている。
その意味ではとても勉強になる。

この二冊、ひさびさに出会ったヒット作。
著者の立場は「右」にも「左」にも偏らず、じつに自然体で好感がもてる。

内容を詳しく紹介できないが、図書館にあると思うので興味をもたれた方は内容をご覧いただきたい。
私は大型古書店でみつけて、安く入手した。


Kishimoto_kunashiri_shikotan岸本葉子 『禁じられた島へ 国後・色丹の旅』
 凱風社 1992年4月30日発行
 205ページ 1340円(税別)

著者についてはよく知らないが、これも好感のもてる本。
北海道のすぐ東にある国後島、色丹島がサハリン州(旧ソ連、現ロシア)に属するというのが私には驚きだったが、考えてみるとそうかもしれない。
もちろん、「北方四島」は歴史的には日本の「領土」といえる。
だから、日本政府はこれらの島々に渡るビザを発行しない。
著者も、サハリンまでのビザしか取れず、国後・色丹にはソ連(当時)で申請し、サハリンから国後までは飛行機、国後から色丹まではヘリコプターで渡る。
残留日本人とその子孫を訪ねる旅である。
これらの島々に、現在どのような人々がどのように暮らしているのか、それがよくわかる好著だ。

同じ著者の 『さよならニナーダ』(凱風社・1991年) というサハリン訪問記もあり、機会があれば読んでみたいと思う。
この人の本も、図書館にたくさん置いてあった。

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2009年2月 8日 (日)

【読】写真で読む 「大日本帝国」

古本屋でこんな本をみつけた。
いい内容だと思う。

Nishimuta_shashin_teikoku『写真で読む 僕の見た「大日本帝国」』
 西牟田 靖
 情報センター出版局 2006/2/26発行
 1600円(税別)
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000031670971&Action_id=121&Sza_id=C0

<こんなニッポンがあったことを、あなたは信じられますか?
明治の半ばから昭和20年の終戦前後までの時代、「大日本帝国」と称していた日本の統治下に置かれていたという共通項を持つ、サハリン(樺太)の南半分、台湾、韓国、北朝鮮、ミクロネシア(旧南洋群島)、中国東北部(旧満洲)。
戦後半世紀以上たった今日でも、古くからかつて日本の領土だったそれらの国・地域には、日本語、日本建築、鳥居、神社、日本精神、残された日本人……と、さまざまな形で日本統治時代の痕跡=「日本の足あと」が残っている。
彼の地に残る「日本の足あと」は、僕らに何を訴えるのか?
四年におよぶ旅の中で、僕が出会った「大日本帝国」のすべて――。>
(本書カバー裏 より)

同じ著者の
『僕の見た「大日本帝国」 教わらなかった歴史と出会う旅』
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000031497454&Action_id=121&Sza_id=GG
という本の続編(写真編)らしい。

■著者紹介 (e-honのサイトより転載)
西牟田 靖 (ニシムタ ヤスシ)
1970年大阪生まれ。神戸学院大学卒業。8カ月間の会社勤めの後、地球の丸さを感じるための地球一周の船旅へ。以降、ライターとして活動を始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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