カテゴリー「沢木耕太郎」の16件の記事

2023年7月31日 (月)

【読】沢木耕太郎さんと山崎ハコさん

角幡唯介さんの書くものが好きで、よく読んでいる。

まだ読み始めたばかりの、この本に、沢木耕太郎さんとの対談が掲載されている。

角幡唯介 『旅人の表現術』 集英社文庫 (2020/2/25) 335ページ
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驚いたことに、沢木耕太郎さんが山崎ハコさんのデビュー・アルバムに言及している。

対談の前後の脈略を無視して、その部分だけを下にあげる。

「歩き、読み、書く ノンフィクションの地平」(上掲書 P.74)
 初出:「考える人」 2012年秋号[No.42]
 2012年10月4日刊行(新潮社)

沢木
(前略)
一九七〇年代にデビューした山崎ハコさんという女性歌手がいます。最初のアルバムが素晴らしい出来で、でも二枚目、三枚目はなかなかヒットしない。山崎さんがあるときこう言っていました。「それは当たり前だと気づきました。だって十七歳の全人生が最初の一枚にはこもっていたんです。そのあとの一年、二年をこめたものより一枚目がいいに決まってる。そう思えるようになりました」
(後略)

この、ハコさんの言葉を、沢木さんはどこで聞いたのだろうか。
(「あるときこう言っていました」)
とても気になる。

ネット検索などではみつからない。
沢木さんの対談集かインタビュー集などに載っているのだろうか?
それとも、何かの機会でハコさんと話したのか?

妙に説得力のある、ハコさんの言葉なのだが…。

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2023年5月 1日 (月)

【読】2023年4月に読んだ本(読書メーター)

4月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:4143
ナイス数:187

楊令伝 7 驍騰の章 (集英社文庫)楊令伝 7 驍騰の章 (集英社文庫)感想
全15巻のちょうど折り返し前の巻。童貫が率いる宋官軍と梁山泊軍が、ついに対決を始める。めまぐるしい野戦の描写にはイメージがわかず、ついていけないが、戦闘のすさまじさは伝わってくる。最終章に、あっと驚く展開が。呼延灼がついに…。そして楊令が抱え続けるこころの闇があらわになる。その壮絶さ。ひさしぶりに読書で落涙した。
読了日:04月02日 著者:北方 謙三

楊令伝 8 箭激の章 (集英社文庫)楊令伝 8 箭激の章 (集英社文庫)感想
宋官軍と梁山泊軍との激しい戦闘が続く。花飛麟と扈三娘の「悲恋」、扈三娘と張清の戦死、など山場はあったが、戦はまだまだこれから。姚平と牛坤という若者が登場し、この先の役割が気になる。
読了日:04月03日 著者:北方 謙三

 


楊令伝 9 遥光の章 (集英社文庫)楊令伝 9 遥光の章 (集英社文庫)感想
最初の章は『楊令伝』の中間部のハイライトだろう。『水滸伝』からずっと、梁山泊軍に立ちはだかってきた宋禁軍の総帥・童貫との決戦。躍動感あふれる戦闘の描写。そして、ついに決着が…。感動的な章だ。さらに物語は、遠く日本や西域にまで広がっていく。この後の壮大なスケールが期待される。
読了日:04月05日 著者:北方 謙三

 

楊令伝 10 坡陀の章 (集英社文庫)楊令伝 10 坡陀の章 (集英社文庫)感想
梁山泊をとりまく情勢がめまぐるしく変動していく。楊令が率いる梁山泊も、遠く日本、西域(西夏)との交易に取り組んでいく。大きな戦はない(梁山湖への襲撃はあるが)。続編の主役となるだろう岳飛が魅力的。かつての楊令を髣髴とさせる。あとは、史進があいかわらず面白い人物。この先、梁山泊、金国、南宋、西夏のからみあいが楽しみだ。
読了日:04月10日 著者:北方 謙三


天路の旅人天路の旅人感想
分厚く読み応えのある本を一気に(といっても三日かかったが)読了。西川一三という魅力的な人物の足跡と人となりが、沢木さんらしい丹念な取材(取材を始めてから書き上げるまで25年)とケレン味のない読みやすい文章で、みごとに描かれている。一年のうち364日、店を休まず、岩手でひっそり生きた西川一三。<西川は、若き日、アジアの大陸に在って、多くを求めることなく、ひとりのラマ僧として、ただ旅を生きた。同じように、岩手の地でも、多くを求めることなく、一店主として、ただ日々を生きることを望んだ。>…こういう人もいたのだ。
読了日:04月13日 著者:沢木 耕太郎


楊令伝 11 傾暉の章 (集英社文庫)楊令伝 11 傾暉の章 (集英社文庫)感想
宋が実質的に滅び、南宋が国として立ち上がりつつあるのか。南宋時代の中国を記述した歴史書には岳飛の名があったので、実在の人物だったのだろう(楊令は作者の想像上の人物だろうが)。虚実あい混じった物語が、いよいよ佳境に。西域や日本との梁山泊の交易が興味ぶかい。残り4巻。『岳飛伝』への道は長い。この巻の解説(書評家・吉田伸子)、北方謙三へのオマージュに満ちていて、微笑ましい。
読了日:04月17日 著者:北方 謙三


十円玉の話 (ことばとえ 3)十円玉の話 (ことばとえ 3)感想
小平市在住の画家・牧野伊三夫さんの絵本。縁あって、6月に私が所属する小平市の図書館友の会で講演をしていただくことに。牧野さんの本は何冊か手元にあるが、これは図書館本。わずか29ページの絵本だが、牧野さんの味わい深い絵が見飽きない。同じ出版社(あかね書房)から今年発刊された牧野さんの『塩男』も読んでみたい。図書館にリクエスト中。
読了日:04月21日 著者:牧野伊三夫


楊令伝 12 九天の章 (集英社文庫)楊令伝 12 九天の章 (集英社文庫)感想
南宋という国が実体を持ち始める。西夏と金国の内部も複雑をきわめる。梁山泊の西への交易隊が金軍の一部に襲われるという意外な展開。物語が動き始める予感がする巻。あらためて思うのだが(前作の水滸伝でもそうだったが)、北方謙三が紡ぎだす物語では女性や少年たちが、じつに生き生きと描かれている。この巻では韓成と郤妁とのロマンスに人間臭さを感じる。王定六と鮑旭の死が悲しい。楊令と幹部たちとの”国”に対する考え方の違いが表面化してくる(呉用・宣賛・武松・公孫勝との激論が面白い)。岳飛と張俊の動きも気になる。
読了日:04月22日 著者:北方 謙三

楊令伝 13 青冥の章 (集英社文庫)楊令伝 13 青冥の章 (集英社文庫)感想
この巻で俄然、面白い展開に。国とは何か、民とは? 北方謙三が「大水滸伝」三部作で問いかけ続けるのは、そういうことかと。蕭珪材と岳飛との一騎打ちが圧巻。蕭珪材との戦に勝ったものの、大きな迷いに悩む岳飛が梁山泊を訪れ、楊令・花飛麟・張平と焚火を囲み、胸襟を開いて語りあうシーンが感動的。ずっと昔、楊令の一撃を馬を落ちながらもかわした子どもが、まだ少年だった岳飛だったのだが(楊令に「子どもか」と無視されたことを岳飛は忘れない)、楊令は覚えていないという設定も、いい。そして、南宋に取り込まれていく李英、危うし。
読了日:04月24日 著者:北方 謙三

また会う日までまた会う日まで感想
分量・内容ともに重厚な小説。作者自身の縁者(大伯父)の話なので力がはいっている。過去の作品『静かな大地』に通じる。主人公・秋吉利雄は敬虔なクリスチャンであり、天文学者でありながら海軍軍人という稀有な人物。彼の周辺(兄弟姉妹・二人の妻・子どもたち・軍や職場の同僚など)の人々がたくさん登場する。作者の父・福永武彦(主人公の甥にあたる)や作者・池澤夏樹自身も登場。大正から昭和20年の敗戦にかけての戦争の諸相が、海軍軍人の眼を通して描かれている点(そこには作者の歴史観・戦争観が垣間見える)も興味深い。
読了日:04月30日 著者:池澤 夏樹

塩男 (あじわう絵本 2)塩男 (あじわう絵本 2)感想
近隣にお住いの画家・牧野伊三夫さんの、こころあたたまる絵本。新作。なんども眺めて味わいたいような。
読了日:04月30日 著者:牧野伊三夫

読書メーター

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2012年11月28日 (水)

【読】沢木耕太郎の「無名」を読む

9年前に出版された、沢木耕太郎の 『無名』 を、近くの図書館から借りてきて読んだ。
この春まで、古本屋で手に入れたこの本が私の手元にあったのだが、読まないまま3月の古本市にだしてしまった。
なぜ、今になって読んでみようという気もちになったのだろう。
それはたぶん、この夏、私自身が母を亡くしたからだろう。

沢木耕太郎 『無名』
 幻冬舎 2003年9月15日発行
 254ページ 1,500円(税別)
 文庫版 幻冬舎文庫 2006年8月 560円(税込)

https://amzn.to/3U3YTkG

89歳で亡くなった父親を綴ったこの本は、私自身の体験と重なるところもあって、強い感銘を受けた。
何度か目頭が熱くなった。

もちろん、沢木さんの体験と私の体験は大きくちがっている。
片や父親、片や母親。
死に至る経緯や、肉親の死に向きあう姿勢、等々。

それでも、老齢の肉親を見送る悲しみが伝わってきて、印象深い読書となった。

<一合の酒と一冊の本があれば、それが最高の贅沢。そんな父が、ある夏の終わりに脳の出血のため入院した。混濁してゆく意識、肺炎の併発、抗生物質の投与、そして在宅看護。病床の父を見守りながら、息子は無数の記憶を掘り起こし、その無名の人生の軌跡を辿る―。生きて死ぬことの厳粛な営みを、静謐な筆致で描ききった沢木作品の到達点。>  ― Amazonサイトより ―

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2012年11月 1日 (木)

【読】沢木耕太郎 「ポーカー・フェース」

昨年11月に、沢木耕太郎さんのこんな本が出ていたことを知った。
さっそく近くの図書館から借りてきて読んでいる。

沢木耕太郎 『ポーカー・フェース』
 新潮社 2011年11月発行
 296ページ 1600円(税別)

https://amzn.to/3BB9TQo

沢木耕太郎さんの書いたものが好きで、一時期、ずいぶん読んだものだ。
この本に似た味わいのエッセイ集である、『バーボン・ストリート』、『チェーン・スモーキング』も私の愛読書だった。
もう、手もとにはないけれど。

本のタイトルが、なぜ「ポーカー・フェイス」ではなく、「ポーカー・フェース」なのか。
そのワケはあとがきに書かれていて、いかにも沢木さんらしい、と、ニヤリ。

全部で13話、味わいぶかいエッセイがつまっているのだが、私は、まんなかあたりの「恐怖の報酬」をまっ先に読んだ。
というのは、そこに、私が敬愛するクライマー、山野井泰史・妙子夫妻の逸話が書かれていたから。
(この本を知ったのも、山野井さんに関するネット記事からだった)

以前(二年ほど前)、このブログにも書いたのだが、沢木さんは『凍』というノンフィクションで山野井夫妻を描いていて、これにはずいぶんと感銘を受けたのだった。

2010年6月2日(水) 【山】【読】沢木耕太郎 「凍」
https://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-f010.html

2010年6月3日 (木) 【山】【読】沢木耕太郎 「凍」 (文庫版)
https://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-1aad.html

2010年6月4日 (金) 【山】【読】沢木耕太郎 「凍」 読了
https://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-c039.html

それはさておき、沢木さんのエッセイは、とてもいい。
私の感覚では、まるで美味しい葡萄を食べた後のように、さわやかな充足感がある。

なぜ「葡萄」なのかといえば、私は下戸なので。
人によっては美味しいワインのような、という形容がいいのかもしれない。

『ポーカー・フェース』は読みやすい本なので、明日にでも読み終えてしまいそうだ。
読書の秋というけれど、たしかに秋は本が読める―― 気がする。

 

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2011年11月19日 (土)

【山】【読】読了 「いのち五分五分」

山野井孝有(やまのい・たかゆき) 著
 『いのち五分五分』 山と渓谷社(2011年7月発行)

https://amzn.to/3XR1mjv

本日読了。
クライマー 山野井泰史さん、妙子さん夫妻と二人をとりまく人びとが描かれている。
著者は、山野井泰史さんのお父さん。
1932年生まれ、13歳で軍需工場に動員され、グライダー特攻訓練を受けた、戦中世代。
毎日新聞の労組で本部書記長を務めた経歴もある。

孤高のクライマーと呼びたいような泰史さんと、よきパートナーである妙子さん(旧姓・長尾妙子)を見守るあたたかい気持ちが伝わってくる。

とくに印象に残った一節がある。
山野井夫妻の、つつましく、モノを大切にする生活ぶりを象徴するエピソードだ。

 <泰史と妙子の奥多摩の家の電気製品のほとんどが友人の廃品だ。テレビもビデオデッキも、電気釜も。…(略)…
 泰史、妙子の車はワンボックス4WD7人乗りのマニュアル車だ。山に行くときにはこれで寝泊まりをしてきた。…(略)…ようやくオートマチック、走行距離10万キロ、価格は5万円の「古車」に買い替えた。今は19万キロだ。2010年4月に奥多摩に行くと、泰史がこの車の屋根にパテを埋め込んでいた。雨漏りがするという。昨年、泰史たちと伊豆旅行した時には屋根にガムテープを貼っていたのを思い出す。
 妙子は言う。
「『エコ減税だ』『エコ補助金だ』と言って、新車、薄型テレビ、冷蔵庫を売りつけているが、新製品を作るのに必要な鉄など大量の材料を作るために二酸化炭素を出す。電池に使うリチウムは貴重な資源だ。エコカーを作る時と中古車を破棄する時、どちらも二酸化炭素を出すのだ。さらに、エコ商品を購入できる人たちは恵まれた人たちだ。この恵まれた人たちに『税金』を使うのは納得できない。年収200万円以下の人たちはまったく無縁なのだ」>

 <さらに妙子はこんなことも話してくれた。先日、信号待ちで止まっていると横に車が止まった。いきなり「今はエコだぞ、その車はなんだ!」と怒鳴られたという。燃費の悪い二人の「古車」とエコカーと、どちらが最終的に環境に配慮しているのだろうか。>

 (第4章 泰史のパートナー・妙子 P.103-105 「妙子とエコロジー」 より)

二人は、奥多摩の古い家を借り、自給自足的な生活を続けながら、自分たちが納得できるクライミングを続けている。
「定職を持たない」「登山のために企業から支援を受けない」――これが二人の基本姿勢だという。
その生き方は一途で、「山」を最優先させるものだが、けっして人づき合いを避けることはない。
二人の他人を思いやる心は、この本の随所に描かれている。
まったく、頭がさがる。

山野井泰史・妙子夫妻を描いた『凍』の著者・沢木耕太郎さんが、二人と深い交際を結んでいるのもうなずける。
毎年、12月上旬には、奥多摩の家で「餅つき望年会」が行なわれる。
沢木さんや、夫妻と関係の深い人たちが集まるその会では、山野井夫妻の畑でとれた野菜や手作りのこんにゃくが振る舞われ、鍋を囲んで参加者全員がその年の反省と翌年の抱負を語り合うという。
うらやましい。

これから先、私の身の上につらいことがあったら、こういう人たちのいることを思い出そう。
きっと、勇気づけられることだろう。

【山野井泰史・妙子夫妻を描いた本】

沢木耕太郎 著 『凍』

丸山直樹 著 『ソロ―単独登攀者・山野井泰史』

【山野井泰史さんの著作】
 山野井泰史 著 『垂直の記憶―岩と雪の7章』

【参考サイト】
 山野井通信 (株式会社エバニューのサイト内)
  http://www.evernew.co.jp/outdoor/yasushi/yasushi1.htm
  最新号
   http://www.evernew.co.jp/outdoor/yasushi/yasushi4.htm
 Facebook内 山野井泰史ファンページ
  https://www.facebook.com/pages/%E5%B1%B1%E9%87%8E%E4%BA%95%E6%B3%B0%E5%8F%B2Yasushi-Yamanoi/193753620643484?sk=wall&filter=2

蛇足で、個人的なことだが……
山野井(長尾)妙子さんといっしょに、グランドジョラス北壁ウォーカー稜を冬期初登(女性)した笠松美和子さんを、正月の南アルプスの山小屋で(と記憶しているが)、お見かけしたことがある(冬山ガイドをされていた)。
その後、中央アルプス宝剣岳で遭難死している。
笠松さんの死後、妙子さんと友人の寺沢玲子さんが、笠松さんのお母さんを誘って北海道旅行をしたというエピソードも、この本に書かれていた。

Wikipedia 登山家一覧 (笠松美和子さんが載っていた)
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BB%E5%B1%B1%E5%AE%B6%E4%B8%80%E8%A6%A7

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2010年12月21日 (火)

【読】2010年 こんな本を読んだ

西暦2010年も残すところ10日ばかりとなった。
今年もまた 「こんな本を読んだ」 の総集編を書いてみよう。

毎年、年間100冊は読みたいと思い続けて幾星霜。
今年は今のところ88冊目。
なかなか100冊は読めないなあ。

あいかわらず、乱読と言えば言えるし、傾向が偏っているとも言える。

■人類のルーツをめぐって

Lucy_no_hiza年始から、なぜかこんな本を集中して読んでいた。
『ルーシーの膝』 が面白かった。

・ニコラス・ウェイド 『5万年前』 イースト・プレス(2007年)
・馬場悠男 『ホモ・サピエンスはどこから来たか』 KAWADE夢新書(2000年)
・イヴ・コパン/馬場悠男・奈良貴史訳 『ルーシーの膝』 紀伊國屋書店(2002年)
・崎谷満 『DNAでたどる日本人10万年の旅』 昭和堂(2008年)

「われわれは、何処から来たのか? 何であるか、そして何処へ行くのか?」 (ゴーギャン)
ヒトという生き物は、なんと面白いものか。

Goodall_reason_for_home_23月。
星野道夫 『アフリカ旅日記 ゴンベの森へ』 メディアファクトリー(1999年) を再読したことがきっかけで、星野さんと親交のあったジェーン・グドールの本に出会い、感動した。

・ジェーン・グドール 『森の旅人』 角川書店(2000年)
・三井誠 『人類進化の700万年』 講談社現代新書(2005年)
・ブライアン・サイクス 『イヴの七人の娘たち』 ソニー・マガジンズ(2001年)

このテーマへの興味は尽きない。
これからも、いろいろ知りたいと思う。

■船戸与一ワールド

Funado_ugetsu_1今年読んだ船戸与一さんの小説は、6作(8冊)。
意外と少なかったが、読み落としていた近作を読むことができてよかった。

最新作 『新・雨月』 と、二年前の 『藪枯らし純次』 が読みごたえあり。
今は、初期の船戸小説を読みかえしたい気分だ。
『満州国演義』 の続編は、はたして出版されるのだろうか。
気になるところだ。

『降臨の群れ』 集英社(2004年) 年をまたいで読んだ
『新・雨月 戊申戦役朧夜話』 上/下 徳間書店(2010年)
『緋色の時代』 上/下 小学館(2002年)
『藪枯らし純次』 徳間書店(2008年)
『金門島流離譚』 毎日新聞社(2004年)
『夜来香海峡』 講談社(2009年)

■「あの戦争」 をめぐって

このテーマは、たぶん、これから先もずっと私につきまとうだろう。
フィクション、ノンフィクションをまじえて、今年もたくさん読み、思うところが多かった。
浅田次郎の小説に出会えたことも、今年の収穫。

Asada_manchurian_report ・加藤陽子 『戦争の近現代史』 講談社現代新書(2002年)
・三國一朗 『戦中用語集』 岩波新書(1985年)
・西牟田靖 『僕の見た「大日本帝国」』 情報センター出版局(2005年)
・岸本葉子 『禁じられた島へ 国後・色丹の旅』 凱風社(1992年)
・西牟田靖 『写真で読む 僕の見た「大日本帝国』 情報センター出版局(2006年)
・西牟田靖 『誰も国境を知らない』 情報センター出版局(2008年)
・安島太佳由/吉田裕 『歩いてみた太平洋戦争の島々』 岩波ジュニア新書(2010年)
・安島太佳由 『日本の戦跡を見る』 岩波ジュニア新書(2003年)
・早川タダノリ 『神国日本のトンデモ決戦生活』 合同出版(2010年)
・畑谷史代 『シベリア抑留とは何だったのか―詩人・石原吉郎のみちのり―』 岩波ジュニア新書(2009年)
・澤地久枝 『昭和・遠い日 近いひと』 文春文庫(2000年)
・多田茂治 『石原吉郎「昭和」の旅』 作品社(2000年)
・水島吉隆 『写真で読む昭和史 太平洋戦争』 日本経済新聞社 日経プレミアムシリーズ(2010年)
・松本健一 『畏るべき昭和天皇』 毎日新聞社(2007年)
・松本健一 『日本のナショナリズム』 ちくま新書(2010年)
・武田知弘 『教科書には載っていない! 戦前の日本』 彩国社(2009年)
・浅田次郎 『終わらざる夏』 上/下 集英社(2010年)
・浅田次郎 『マンチュリアン・レポート』 講談社(2010年)
・浅田次郎 『中原の虹』 全四巻 講談社(2006年/2007年)

■勢古浩爾ワールド

Seko_miyuki 勢古浩爾さんの本は、これで、あらかた読み尽くした。
ちょっとマンネリ化してきたように感じるが、あと何冊か読んでいない本をどうしようか。
手に入りにくい初期の著作(中島みゆき論)を入手して読めたのが、よかった。
『定年後のリアル』 は身につまされた。

『負けない』 ちくまプリマー新書(2009年)
『自分に酔う人、酔わない人』 PHP新書(2007年)
『日本を滅ぼす「自分バカ」』 PHP新書(2009年)
『中島みゆき・あらかじめ喪われた愛』 宝島社(1994年)
『定年後のリアル』 草思社(2010年)
『ビジネス書大バカ事典』 三五館(2010年)

■関野吉晴と長倉洋海

すっかりファンになってしまったこの二人の本。
長倉洋海さんの本は、まだ読んでいないものが手もとに何冊かある。
『グレートジャーニー』 シリーズも、ぶ厚い本がまだ二冊。
長倉さんの写真集(下の画像)は、高価なので(4800円)、図書館から借りた。

Nagakura_chi_o_kakeru・長倉洋海 『地を駆ける』 平凡社(2009/10/8初版)
・関野吉晴 『グレートジャーニー 人類5万キロの旅13 チベットの聖なる山へ』
 
小峰書店(2003年)

・関野吉晴 『インカの末裔と暮らす アンデス・ケロ村物語』 文英堂(2003年)
・関野吉晴 『新グレートジャーニー 日本人の来た道1 北方ルート シベリアの旅』 小峰書店(2006年)
・関野吉晴 『新グレートジャーニー 日本人の来た道2 北方ルート サハリンの旅』 小峰書店(2006年)
・関野吉晴 『グレートジャーニー 人類5万キロの旅』 全5巻 角川文庫(2010年)

■山野井泰史さんとの出会い

今年いちばんのヒットは、これかもしれない。
山好きの私なのに、去年までほとんど知らない人だったのだから。
山野井さんの本(下の画像)は、はじめ図書館から借りて読み、その後、じぶんで買って再読した。

Yamanoi_iwatoyuki_1・山野井泰史 『垂直の記憶 岩と雪の7章』 山と渓谷社(2004年)
・沢木耕太郎 『凍』 新潮社(2005年)
・丸山直樹 『ソロ 単独登攀者 山野井泰史』 山と渓谷社(1998年)

東京新聞(夕刊)連載の、山野井さんのエッセイ風読み物 「この道」 もよかった。
新聞連載といえば、池澤夏樹さんの連載小説 『氷山の南』 を読み通すことができたのも、私にしては珍しいことだった。

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2010年6月 9日 (水)

【山】【読】再読、山野井泰史さん

一週間前にいちど読んだのだけれど、図書館に返す日まで間があるので、もう一度読んでいる。
こんなことははじめてだ。

一度目にはわからなかったことが、二度目のいま、よくわかる。
沢木耕太郎さんの 『凍』、丸山直樹さんの 『ソロ』 と、たて続けに二冊、山野井夫妻を描いた本を読んだせいもあるのだろう。

Yamanoi_iwatoyuki_1山野井泰史 『垂直の記憶 岩と雪の7章』
 山と渓谷社 2004年刊
 244ページ 1500円(税別)

https://amzn.to/4eP6Gef

 

 


いっそ買ってしまおうか。
おそらく、この先、何度読みかえしてもあらたな感銘を受けるだろう。
躍動感があり、すーっとはいってくる文章が、とてもいい(編集者の力量もあるのだろう)。

あらためて、この本に記されている七つの登攀を、章題とともにあげておこう。
(本書目次、巻末 「山野井泰史 年譜」 を参考にした)
もちろん、年譜には、この他にも数多くの登攀経歴が載っている。

第1章 八000メートルの教訓 ―― ブロード・ピーク
  1991年 26歳 パキスタン、ブロード・ピーク(8047m)登頂
      キャシードラル南壁、敗退  
第2章 ソロ・クライミングの蘇生
―― メラ・ピーク西壁とアマ・ダブラム西壁

  1992年 27歳 ネパール、メラ・ピーク西壁ダイレクトルート単独、敗退
      冬季アマ・ダブラム西壁新ルートより単独初登
  1993年 28歳 パキスタン、ガッシャブルム4峰(7925m)東壁に単独、敗退
      パキスタン、ガッシャブルム2峰(8034m)登頂
第3章 ソロの新境地 ―― チョ・オユー南西壁
  1994年 29歳 マッターホルン北壁登頂
      チベット、チョ・オユー(8201m)南西壁新ルートより単独初登
第4章 ビッグウォール ―― レディーズ・フィンガー南壁
  1995年 30歳 パキスタン、レディーズ・フィンガー(5.10c A3+)南壁初登
第5章 死の恐怖 ―― マカルー西壁とマナスル北西壁
  1996年 31歳 ネパール、マカルー(8463m)西壁単独、敗退
  1997年 32歳 チベット、ガウリシャンカール(7134m)北東稜、敗退
  1998年 33歳 ネパール、クスム・カングル(6367m、80度、5.9)
      東壁新ルートより単独初登
      ネパール、マナスル(8163m)北西壁、敗退
第6章 夢の実現 ―― K2南南東リブ
  2000年 35歳 パキスタン、K2(8611m)南南東リブから単独初登
第7章 生還 ―― ギャチュン・カン北壁
  2002年 37歳 チベット、ギャチュン・カン(7952m)北壁第2登

各章のうしろに、「コラム」があり、本文の厳しい登攀記録とは対照的に、両親や夫人のこと、山に対する考え方など、ほんわかとした内容のエッセイが掲載されている。
いい話がたくさんあるのだが、それはまたあらためて紹介しようかと思う。

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2010年6月 5日 (土)

【山】【読】山野井泰史さんを描いたもうひとつのノンフィクション

世界的なクライマー 山野井泰史さんを描いたノンフィクション。
近くの図書館にあったので、今日借りてきた。

Maruyama_solo丸山直樹 『ソロ 単独登攀者 山野井泰史』
 山と渓谷社 1998年
 286ページ 1500円(税別)

https://amzn.to/3Nkje1f

 



著者の丸山直樹さんは、大学山岳部で山登りを経験しているフリーランスの記者(本書執筆当時)。
山野井さんが書いた 『垂直の記憶 岩と雪の7章』(山と渓谷社)にも名前がでてきて、山野井さんとも親しいらしい。

沢木耕太郎さんの本を読んだ後では、この人の文章はすこし読みにくい感じがするのだが(私も他人のことは言えない)、おもしろそうだ。

タイトルの「ソロ」は、山野井さんの単独登攀スタイル(アルパイン・スタイルによるソロ)に焦点をあてていることによる。

<山野井泰史――言うまでもなく現時点における日本最強のアルパイン・クライマーである。「日本」と限定するよりは、「世界最強のソロ・クライマー」と言っても過言ではないだろう。小学校五年生のとき、偶然テレビで見た劇映画『モンブランへの挑戦』がきっかけで岩登りに取り憑かれ、以来二十年近く、とりわけ高校卒業後の十三年間を、すべてクライミングに費やしてきた。定職はない。富士山頂測候所への冬季歩荷(ぼっか)(徒歩による物資の荷揚げ)である強力(ごうりき)で主な生活費を稼ぎ出し、東京都・奥多摩の山間に建つ、築六十年の借家に妻とともに住む。妻の妙子(旧姓長尾)もまた、ヒマラヤを数多く登っている屈指の女性クライマーである。>
(本書 プロローグ「自分という極限」 P.9-)

アルパイン・スタイルとは、ヨーロッパ・アルプスでおこなわれてきた単独または少人数による登山スタイル。できるだけ短い日数で一気に登る。
日本で我々が一般ルートをたどて山に登るスタイルがそうだ。

これに対して、ヒマラヤのような巨大で難しい山の場合、これまではポーラー・メソッド(極地法)、あるいはシージ・タクティス(包囲法)と呼ばれるスタイルが一般的だった。
ベース・キャンプを築き、大量の物資を運んで、そこからいくつも前進キャンプをつくって荷物をデポし、隊員の高度順化をはかりながら、最後のアタック・キャンプからコンディションのいい隊員だけが頂上をアタックする。
ルートにはロープをフィックスして、できるだけ安全に必要な物資を上にあげられるようにする。
ルートもできるだけ難しいところを避ける。ノーマル・ルートと呼ばれ、稜線をたどることが多い。
金と時間のかかる、いわば物量作戦だが、そうでもしなければ登頂が困難だったのだ。

この方法で世界のおもだった高峰が登り尽くされたあと、より難しいルートが開拓され、さらには無酸素・短期日でいっきに登ることが始められた。
強靭な肉体と体力、トレーニングによって、重い酸素ボンベなど使わずに速く登ることができれば、このアルパイン・スタイルの方が効率がいいにきまっている。

山野井さんの登攀は、そのアルパイン・スタイルの究極にあるもので、もちろん酸素ボンベなど持たず、一人かせいぜい三人ぐらいでヒマラヤの岩壁をよじ登って山頂を目指すのだ。
高度七千メートルを超えると、酸素濃度は平地の三分の一になるという。
そんな危険なところで困難な岩壁を登ることなど、私たち一般の登山者には考えられないことだが……。
岩壁に魅かれる気持ちはわかるような気がする。
ただ、登ってみたいと思ってもとうてい無理なだけだ。

この本、山野井泰史さんのことを知るのには、うってつけのようだ。

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2010年6月 4日 (金)

【山】【読】沢木耕太郎 「凍」 読了

読みおえたあと、これほど充足感をおぼえる本はひさしぶりのことだ。

Sawaki_tou沢木耕太郎 『凍』  新潮社 2005年

よほどの信頼関係がなければ、ここまで書けないだろうなと思っていたら、文庫版 池澤夏樹さんの解説にこう書いてあった。
(文中の「三人」とは、山野井泰史・妙子夫妻と沢木耕太郎。)

<この三人はどれほどの時間をかけて細部を思い出すという共同作業をしたのだろう? そこでは沢木の人柄がどういう力を発揮したのだろう? この話の最後の方に山野井夫妻が再びギャチュンカンの麓まで行くエピソードがある。「登山経験のまったくない男性」と自称する沢木を伴って、かつて残したゴミを回収するためにベースキャンプまで登る。そういうことができる仲を沢木は山野井夫妻との間に構築した。ただ親密なだけでなく、理解者としての沢木を泰史と妙子は受け入れた。> (『凍』 新潮文庫解説 池澤夏樹)

この本は感動的なドキュメンタリーだった。

いいエピソードがたくさんあるが、次の話は微笑ましい。
ギャチュンカンから奇跡的な生還を遂げて帰国後、夫妻は凍傷にかかった手足の指を日本の病院で切断することになった。
その時の話。
(文中の「父親」は山野井泰史さんの父親。)

<山野井の父親が手術室の外で待っていると、まずストレッチャーに乗せられて山野井が出てきた。さすがに顔は蒼白で、体は小刻みに震えていた。
 ところがそれから一時間ほどして出てきた妙子は、女性の看護師と談笑している。山野井とは違って切ったのは片手の指だけだとしても、その様子は驚くべきもののように思えた。さすがに妙子は慣れている、と父親は妙な感心の仕方をしてしまった。>

<父親は妙子に関してこんな話を聞いたことがあった。マカルーから帰って入院しているとき、同じ病院で小指を詰めた暴力団員が入院していた。あまり痛い、痛いと大騒ぎをするので、看護師が言ったという。
「小指の一本ぐらいでなんです。女性病棟には手足十八本の指を詰めても泣き言を言わない人がいますよ」
 しばらくしてその暴力団員が妙子の病室に菓子折りを持って訪ねてきた、という。>

(本書 第十章 喪失と獲得 P.275)

妙子さん(旧姓 長尾妙子)は、山野井泰史さんと知りあった頃の1991年、8481メートルのマカルーに登頂後、下降の途中で重度の凍傷を負い、その結果、手の指を第二関節から十本、足の指も二本を残して八本すべて失い、しかも鼻の頭まで失っている。
(鼻は移植手術によって一部復元。)

ギャチュンカンでの過酷なビバークによって、さらに残っていた第二関節から残っていた手指も切断したのだ。
泰史さんの父親が「さすがに妙子は慣れている」と感じたのには、そういう背景がある。

山野井夫妻は、このギャチュンカンからの生還(2002年)の後も、徐々にリハビリを続けて、とうとうクライミング(岩登り)を再開し、現在に至っている。
ギャチュンカンから五年後の2007年には、グリーンランドで標高差1300メートルの岸壁に挑戦し、十七日かけて登頂に成功している。

「あきらめない」――そのことの大切さを学んだような気がする。
そして、ふたりの「自由な生き方」に感動した。

池澤夏樹さんがこう書いている。

<……人間の身体の力としてこれは驚嘆すべき偉業である。/だが、それだけならば、この記録にこれほど心動かされることはないだろう。感動するのは、彼らが真の意味で自由であるからだ。……泰史と妙子は自由なのだ。すべてを自分たちだけで決められるように生活を、人生を、設計している。あることをするのに、他人が提示する条件を容れた方がずっと楽という場合でも、苦労を承知で自分たちだけでやる方を選ぶ。それは本当に徹底している。その姿勢をぼくは自由と呼びたい。>

<彼らが確保している自由の中で大事なのは名声からの自由である。つまり名声を求めないこと。そういうものに振り回されないこと。> (文庫版解説 池澤夏樹)

新潮文庫の池澤さんの解説は、それだけでじゅうぶんひとつの読み物のように、おもしろい。
どうせ読むのなら、文庫版をおすすめしたい。

Sawaki_tou_bunko沢木耕太郎 『凍』
 新潮文庫 2008年刊
 366ページ 552円(税別)
 解説 池澤夏樹
 巻頭にギャチュンカン峰周辺の地勢図

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2010年6月 3日 (木)

【山】【読】沢木耕太郎 「凍」 (文庫版)

沢木耕太郎 『凍』 の文庫版(新潮文庫)を、職場の近くのBOOK OFFで手にいれた。
定価の7割ほどの価格で売られており、とてもきれいな状態の本だ。
おそらく一度も読まれることなく売られたのだろう。

Sawaki_tou_bunko沢木耕太郎 『凍』  新潮文庫 2008年刊
 366ページ 552円(税別)

https://amzn.to/4dGxvQL

うれしいことに、巻頭にギャチュンカン付近の地形の略図がつけられている。
ギャチュンカン(山野井さんはギャチュン・カンと表記している)は、ネパールとチベットの国境線上、マカルー、ローツェ、エヴェレスト(チョモランマ)と並ぶ八千メートル峰群の西北に位置する。
その西には、これも8201メートルのチョ・オユーがある。

八千メートル前後の山々がずらりと連なるヒマラヤ山脈の核心部である。

<ヒマラヤ山脈(Himalayan Range、中国語で喜马拉雅山脉)は、アジアの山脈であり、パキスタン・インド・チベット(中華人民共和国領)・ネパール・ブータンの国境付近に位置する。西端はアフガニスタンのヒンドゥークシュ山脈へとつながる。 ヒマーラヤ हिमालय は、サンスクリット語で、hima「雪」+alaya「すみか」から「雪の住みか」の意。エベレスト (8850m) 、K2 (8611m) 、カンチェンジュンガ (8598m) をはじめ、世界でも標高の高い山が数多く属している。> ―Wikipediaより―

この文庫には、さらにうれしいことに、池澤夏樹さんの解説がついている。
まだ本文を読みおえていないので解説は読まないほうがいいのだが、ちらっとみたところ、いかにも池澤さんらしい文章を発見。

<あまりにおもしろい本なので、読後の興奮のままに山野井夫妻のことを書きつらねたが、そのおもしろさを成立させているのはもっぱらノンフィクションを書いてきた作家としての沢木の伎倆(ぎりょう)であり思想である。>
(『凍』 文庫版解説 池澤夏樹)

池澤夏樹さんをしてここまで言わせた、沢木耕太郎という作家の技量に脱帽。

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