カテゴリー「角幡唯介」の13件の記事

2026年3月26日 (木)

【雑】【読】小松由佳さんと角幡唯介さんの対談

懇意にしていただいている、ドキュメンタリー・フォトグラファー 小松由佳さんからのお知らせで知った。

なんと、私が長年愛読している角幡唯介さんとの対談。

『シリアの家族』刊行記念 小松由佳×角幡雄介対談
内なる故郷・原風景を求めて

(WEB-MAGAZINE 集英社 学芸の森)

https://gakugei.shueisha.co.jp/mori/interview/komatsukakuhata/index.html

おふたりの人柄が伝わってくる、心温まる対談だ。

今日は、いいお話を読んだ。

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―上記サイトより―

プロフィール
小松由佳(こまつ・ゆか)
ドキュメンタリー写真家。1982年、秋田県生まれ。2006年、世界第2位の高峰K2(8611m/パキスタン)に日本人女性として初めて登頂し、植村直己冒険賞を受賞。風土に根ざした人間の営みに惹かれ、草原や沙漠を旅しながら写真家を志す。12年からシリア内戦・難民を取材。著書に『人間の土地へ』(20年/集英社インターナショナル)など。25年『シリアの家族』(集英社)で第23回開高健ノンフィクション賞を受賞。日本写真家協会会員。

プロフィール
角幡唯介(かくはた・ゆうすけ)
1976年、北海道生まれ。探検家・作家。『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』で、第8回開高健ノンフィクション賞受賞。『雪男は向こうからやってきた』で第31回新田次郎文学賞、『アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』で第35回講談社ノンフィクション賞、『探検家の日々本本』で第69回毎日出版文化賞書評賞、『極夜行』で第1回ヤフーニュース本屋大賞ノンフィクション本大賞、第45回大佛次郎賞を受賞。現在はグリーンランド最北の村シオラパルクで15頭の犬を飼い、毎年犬橇狩猟漂泊を継続中。

【追記】

そういえば、つい最近、こんな本を図書館でみつけて借りてきた。

奥野武範(取材・構成・文)
『挑む人たち。』 リトルモア 2024.6.6 421ページ

https://amzn.asia/d/0gVjhQ1I

(Amazonより)

未知の領域に踏み出す11人の言葉。
 
探検家、クライマー、葦船航海士、ノンフィクション作家……
それぞれのフィールドで重ねてきた唯一無二の功績と、コロナ禍、そして今目指すもの。
その声を集めた貴重なインタビューの数々。
 
「ほぼ日」で大反響をよんだ連載に後日談やスペシャル対談、ブックガイドが加わりボリュームアップ!
 
- - -
 
・角幡唯介 「極夜は明けて。」
(極地探検家・作家/『極夜行』『書くことの不純』『探検家の事情』『裸の大地』シリーズほか)
 
・平山ユージ 「岩場で学び続ける人。」
(フリークライマー/世界大会で2度も優勝した「世界のヒラヤマ」)
 
・倉岡裕之 「最強の山岳ガイドは九度エベレストに登った。」
(山岳ガイド/エベレスト登頂日本人最多記録)
 
・前田泰治郎 「もうひとりの冒険者。」
(映像カメラマン/三浦雄一郎、関野吉晴、星野道夫ほか名だたる登山家に帯同)
**特別インタビュー「関野吉晴さんに聞く、前田さんのこと」
 
・高野秀行 「幻の怪獣から謎のアフリカ納豆まで。」
(辺境ノンフィクション作家/『イラク水滸伝』『語学の天才まで1億光年』『イスラム飲酒紀行』ほか)
 
・石川仁 「葦船の上の地球史観。」
(葦船探検家/葦船で日本初の外洋航海を実施)
 
・平出和也 「未踏峰を往く者の哲学。」
(アルパインクライマー・山岳カメラマン/登山界の栄誉「ピオレドール賞」3度受賞)
 
《書籍化スペシャル企画》
 
・小林快次(古生物学者)× 吉田勝次(洞窟探検家) 対談 
「大切なのは“信じる気持ち”だ。化石発掘と洞窟探検に共通するものとは?」
 
・荻田泰永さん(北極冒険家・「冒険研究所書店」店主)に聞く
冒険・探検の本 おすすめの8冊
 
- - -
 
読めば、世界が広がる。
「冒険」の面白さへ、あなたを誘う最高の1冊!

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2025年12月30日 (火)

【雑】2025年を振り返る

今年2025年も、残すところあと1日。
昨年はさぼってしまったのだが、1年の振り返りをしてみたい。
おもに、音楽ライブやトークイベントへの参加記録。
手帳の記録が頼りだ。

2025年1月

■1月7日(火) 武蔵野プレイス 「地球永住計画」
 服部文祥さんと角幡唯介さん トークイベント

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■1月17日(金) 千歳烏山 「TUBO」
 MOTEL(須藤もん&対馬照)他 ライブ

■1月18日(土) 狛江 「泉の森会館」
 落語会(高山正樹さん主催)
 「狛江寄席」

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2025年2月

■2月9日(土) 犬山 「珈琲ふう」
 ニシカワ meets フォーク ライブ

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■2月13日(水) 新宿 「シアタートップス」
 劇団椿組公演
「キネマの大地 ~さよならなんて 僕は言わない~」

■2月16日(日) 四ツ谷 「Socket」
 小松由佳さん 報告会(トークイベント)

■2月27日(木) 武蔵野プレイス 「地球永住計画」
 小松由佳さん トークイベント

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2025年3月

■3月20日(木)~23日(日)
 小平図書館友の会 チャリティ古本市

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■3月27日(木)
 自動車免許 高齢者講習受講

■3月29日(土) 千歳烏山 「TUBO」
 西川郷子・よねやまたかこ ライブ

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2025年4月

■4月4日(金) 祐天寺 「FJ's」
 白崎映美(上風 しゃんぷう) ライブ
 白崎映美・西川郷子・猪野陽子

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■4月19日(土) 五反田
 中学時代の同級生2名に会う

■4月27日(日) 元住吉 「キルクス」
 ニシカワ meets フォーク ライブ

2025年5月

■5月16日(金) 武蔵野プレイス 「地球永住計画」
 小松由佳さん他2名 トークイベント

■5月31日(土) 国分寺 「giee」
 MOTEL & スーマー ライブ

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2025年6月

■6月7日(土) 小平市中央図書館 視聴覚室
 小平図書館友の会主催講演会 「宇宙の天気とその周辺」
 情報通信研究機構(NICT) 齊藤慎司さん

■6月8日(日) 目白 「自由学園 明日館」
 上風(しゃんぷう) ライブ
 白崎映美・西川郷子・猪野陽子

■6月23日(月)~25日(水)
 検査入院

2025年7月

■7月18日(金) 柏 「Studio WUU」
 上風(しゃんぷう) ライブ
 白崎映美・西川郷子・猪野陽子
 ゲスト:渡野辺マント

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2025年9月

■9月1日(月)~13日(土)
 入院・手術

■9月26日(金)~30日(火) 北海道(小樽)旅行

■9月28日(日) 小樽 「GOLD STONE」
 山崎ハコさん ライブ
 ゲスト」原田喧太さん

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2025年11月

■11月15日(土) 高円寺 「JIROKICHI」
 上風 ライブ

2025年12月

■12月6日(土) 西新宿 「OM SYSTEM GALERRY」
 宇井眞紀子さん 写真展 (ギャラリートーク)

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■12月7日(日) 高円寺 「稲生座」
 MOTEL他 ライブ

■12月8日(月) 武蔵野プレイス 「地球永住計画」
 吉田敏浩さん トークイベント

■12月20日(土) 早稲田大学 「ワセダギャラリー」
 小松由佳さん 写真展
 トークイベント (ゲスト:安田純平さん)

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■12月21日(日) 鷹の台 「アドバルーン商会」
 岡崎武志さん トークイベント

■12月25日(木) 高円寺 「JIROKICHI」
 木村充揮さん ライブ
 ゲスト:山崎ハコさん

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2025年2月 1日 (土)

【読】2025年1月に読んだ本(読書メーター)

1月は、3冊しか読めなかった。
中村安希さんの2冊は、読み応えがあった。
角幡唯介さんの本にも、のめりこんだ。

1月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:884
ナイス数:62

もてなしとごちそうもてなしとごちそう感想
タイトルとカバーの写真がいい。「おもてなし」ではなく「もてなし」という言葉には、人々が本来持っている来客を喜ばせたい思いが込められている。(「おもてなし」について著者が感じる違和感がP.96にある)世界各地を旅した著者が各地で受けた「もてなし」と、食を通しての人びととの交流がうらやましい。著者が体験した世界中の食べもののカラー写真が満載なのもうれしい。藤原辰史の巻末解説の文章にあるように、見知らぬ土地の見知らぬ人からご飯に招いてもらう自由奔放に見える旅が、著者の<鍛えられた観察力と判断>に支えられている。
読了日:01月02日 著者:中村 安希

地図なき山:日高山脈49日漂泊行地図なき山:日高山脈49日漂泊行感想
年明けから少しずつ読み進め、ようやく読了。その間に「地球永住計画」の角幡さん・服部文祥さん・関野吉晴さんのトークイベントに参加したが、この本のことは話題にのぼらず。日高は北海道出身の私にも馴染み深い山域だが、芦別出身の角幡さんも、この山域の知識は皆無で、あえて情報を遮断してこの地図なし山行に挑んだ。渓谷をつなぎ、渓流釣りで食料を調達しながらの地図なし山行は、じつに興味深く面白かった。角幡さんらしい哲学的な思考が随所に見られる。手書きの絵地図に助けられながら彼の足跡を追う読書体験は私にとっても”旅”だった。
読了日:01月13日 著者:角幡 唯介

愛と憎しみの豚愛と憎しみの豚感想
半月ほどかけてようやく読了。単行本は新本が手に入らず、図書館本で読んだ(のちに古本を入手)。文庫も新本を入手したが、底本をかなり書き直していることがわかった。書き下ろしということだが、豚を追って、これほどの旅をしたのかと、驚く。著者はカメラを持ち歩いていたはずだが、単行本には写真がないのが残念(文庫にはある)。巻末、チェルノブイリ、シベリアの章での著者の体験が、強烈で印象的。こま切れ読みだったため、前半・中盤あたりの内容は、もう、おぼろ。付箋だけは、いっぱい。著者の最近の動向はnoteで知ることができる。
読了日:01月31日 著者:中村 安希

読書メーター

【追記】
『愛と憎しみの豚』の文庫が、大幅に書き直された事情が知りたくて、AI(felo)に訊いてみた。


中村安希の著書「愛と憎しみの豚」の文庫版が大幅に書き直された理由は、主に内容の充実と読者への新たな視点の提供を目的としています。この作品は、豚に対する愛情と嫌悪感の二面性を探求するノンフィクションであり、著者は豚を巡る文化的、宗教的な背景を深く掘り下げています。
内容の充実
文庫版では、初版に比べて大幅な加筆修正が行われており、特に豚に関する新たな研究や視点が追加されています。これにより、読者はより多角的に豚の文化的意義を理解できるようになっています。また、電子特別版では、単行本には収録されていなかった秘蔵写真が20点以上追加されており、視覚的にも楽しめる内容となっています。
読者への新たな視点の提供
著者は、豚が世界中で好かれ、同時に嫌われる理由を探る中で、宗教的な禁忌や文化的な偏見についても考察しています。このようなテーマは、現代の食文化や倫理観に対する問いかけを含んでおり、読者にとっても考えさせられる内容となっています。
このように、「愛と憎しみの豚」の文庫版は、内容の深化と視覚的な要素の追加を通じて、より多くの読者にアプローチするために書き直されたのです。

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2025年1月 8日 (水)

【雑】地球永住計画のトークイベント

昨日(12/7)、武蔵境の武蔵雄プレイスで、関野吉晴さんの「地球永住計画」のトークイベントに参加した。

地球永住計画 公開講演 『現代の冒険者たち』
サバイバル登山家とサバイバル探検家と旧石器時代を旅する探検家がサバイバルについて語り合う
角幡唯介×服部文祥×関野吉晴

【講演者】
角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
服部文祥(サバイバル登山家)
関野吉晴(探検家・医師)

武蔵野プレイス4階 フォーラム

https://sites.google.com/site/chikyueiju/gakuen/boukensha/kakuhatto2025

この三人の読者で、ファンなので、楽しみにしていた。
会場は120人の定員いっぱいで、三人のとりとめのないトークを楽しんでいた様子。

角幡さんが、いちばんたくさん喋っていたが、興味ぶかく面白い話が聴けた。

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会場入り口で、服部文祥さんの新刊が販売されていて、サインをいただけるとのこと。
まだ持っていない本だったので、購入してサインをいただいた。

服部文祥 『今夜も焚火をみつめながら』 モンベルブックス 2024/11/28
https://amzn.to/4gMe9Mp

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角幡さんは、昨年11月『地図なき山 日高山脈49日漂泊行』を上梓。
私はすぐに購入し、1月2日から読み始めて、イベントの日までに読み終えようとがんばってみたが、まだ半分くらいまでしか読んでいない。

角幡唯介 『地図なき山 日高山脈49日漂泊行』 新潮社 2024/11/20
https://amzn.to/4fQsAhp

角幡さんは、今月12日から、またグリーンランドへ渡るそうだ。

角幡さんのツイッター(X)に、こんな投稿があった。

角幡唯介
@kakuhatayusuke
1月4日
明日は冒険研究所書店でイベントです。犬橇で旅をした人物としてはラスムッセンが植村直己を上回る史上最大の巨星でしょう。私も本を読んでは、彼のような旅をしたい、といつも刺激を受けてます(しばしば獲物が見つからず餓死寸前に陥るという旅ですが)。興味のある方はぜひご視聴ください。

このイベントには参加できなかったが、ラスムッセンという人物に興味がわいた。
調べてみると、クヌート・ラスムッセンという人だった。

Wikipediaより
クヌート・ラスムッセン(Knud Johan Victor Rasmussen、1879年6月7日 - 1933年12月21日)はグリーンランドの極地探検家で、人類学者である。「エスキモー学の父」と呼ばれる。北西航路を始めて犬ぞりで横断した。グリーンランドやデンマーク、カナダのイヌイットの間では、よく知られた人物である。

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このラスムッセンについて書かれた本を探したが、日本語に翻訳されたものはみつけられなかった。
角幡さんはたぶん、英文の原書を読んだのだろう。

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2024年12月30日 (月)

【読】角幡唯介さんの新刊『地図なき山』

角幡唯介さんのファンなので、新刊が出るとすぐに買う。

今年11月20日に出た新刊が、これ。

『地図なき山 日高山脈49日漂泊行』
新潮社 2024/11/20 281ページ

https://amzn.to/4iXivSh

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Amazonより

地図がない――それだけで日高の山は「極夜」を超える「魔境」と化した。
グルメサイトや地図アプリの検索結果をなぞるだけの日常で生は満たされるのか。情報に覆われた現代社会に疑問を抱いた著者は、文明の衣を脱ぎ捨て大地と向き合うために、地図を持たずに日高の山に挑む。だが、百戦錬磨の探検家を待ち受けていたのは、想像を超える恐るべき混沌だった。前代未聞の冒険登山ノンフィクション。
<目次>
はじめに――よりよく生きるために私は地図を捨てた
第一章 旅立ちの記
二〇一七年夏の記録 その一
第二章 漂泊論〜地図なし登山への道
第三章 裸の山に震え慄く
二〇一七年夏の記録 その二
第四章 新しい道を見つける
二〇二〇年夏
第五章 巨大な山に登る
二〇二一年夏
第六章 ラストピークをめざす
二〇二二年夏
あとがき

まだ読んでいないが、きっと面白いはず。
地図をいっさい見ず、山に飛び込んで、
自分の五感と経験だけを頼りに登り、歩く。
そんな山行記録が面白くないはずがない。
まして、あの「極夜行」(北極圏をナビに頼らず踏破)を成し遂げた角幡唯介さんだ。

ところで、探検家・医師の関野吉晴さんが主宰する「地球永住計画」というプロジェクトがある。

2025年1月7日、JR中央線武蔵境駅前の武蔵野プレイスで、服部文祥さん(サバイバル登山家)と角幡唯介さん(ノンフィクション作家)を招いて、関野さんとの鼎談がある。私も行く予定だ。


地球永住計画ウェブサイト
https://sites.google.com/site/chikyueiju/

地球永住計画 公式ウェブサイト
.....project to stay alive on earth official website - 角幡唯介・服部文祥

https://sites.google.com/site/chikyueiju/gakuen/boukensha/kakuhatto2025

地球永住計画 公開講演 『現代の冒険者たち』
サバイバル登山家とサバイバル探検家と旧石器時代を旅する探検家がサバイバルについて語り合う
角幡唯介×服部文祥×関野吉晴
【講演者】
角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
服部文祥(サバイバル登山家)
関野吉晴(探検家・医師)
【日時】
◆ 会場講演 2025年1月7日(火) 19時 講演開始
◆ オンデマンド収録配信 2025年1月25日(土) 20時 配信開始
※ 講演時間120分で終了の予定ですが、若干延長されることがあります。
※ 途中入場、途中退席、トイレ休憩など問題ありませんので各自自由に行ってください。
※ オンデマンド収録配信はYoutube配信サービスによる限定収録配信です。
※ 収録配信動画は配信日より3日間視聴可能です。
【会場】
◆ 会場講演
武蔵野プレイス 4階 フォーラム
武蔵野市境南町2-3-18(JR 武蔵境駅 南口スグ)

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2024年7月21日 (日)

再読 服部文祥『北海道犬旅サバイバル』(続)

服部文祥 『北海道犬旅サバイバル』 (みすず書房、2023年9月)
https://amzn.to/4bWQJAG

2024/7/12~7/20 再読
2024/2/18~2/19 初読

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昨夜読み終えた、この本の感想の続き。

■中盤戦■  (続き)
2019年10月17日~30日。
天塩岳ヒュッテ~山小屋芽室岳。193キロ。

山小屋芽室岳のデポは、そもそもヌプン小屋に置く予定だったという。
ヌプン小屋への林道が豪雨で壊れ、デポ設置が丸一日行程になるとの情報を得て、登山口近くにある山小屋芽室岳(ここも無人の避難小屋のひとつ)に変更していた。

ここで、角幡唯介さんの著作『極夜行』に触れている。
<角幡(唯介)君の極夜行は、デポが白熊に荒らされていることが発覚してから、がぜん面白くなっていった。連れている犬まで食べるかという窮地に追い込まれるのだ。/その報告を読んだとき「デポを回収できない事態を想定して食糧計画を立てておけよ」と思い、角幡君にもそう言ったのだが、実際に長期の旅をやってみると、デポを回収できないことを想定したら、デポの意味がないことがわかった。デポが回収できなくても旅が成り立つなら、最初からデポがなくてもいいからだ。>(P.162)

あたりまえと言えば、あたりまえ。
こんなふうにカッコつける服部さんも、私は好きだ。

角幡唯介さんの本は、私もたくさん読んできた。
『極夜行』『極夜行前』も、面白い本だった。

https://amzn.to/3y6GWtZ

https://amzn.to/3W5Uca8

■無人小屋へのデポは、事前に管理者・団体に届けてあるとはいえ、心ない登山者に荒らされる可能性がなくはない。
さいわい、服部さんの山小屋芽室岳のデポは無事だった。
ただ、天塩岳ヒュッテでも食べたスナック菓子のポリンキーが無かった!
<三日くらい前からずっとポリンキーのことを考えていたのだが、蓋を開けて中を見て、スナック菓子が天塩デポのスペシャルメニューだったことを思い出した。自分自身に期待して自分自身に騙された自分自身のばかさ加減にがっくりくる。>(P.164)

このあたりも可笑しいが、がっくりする気持ちはよくわかる。
ここまでが中盤戦の記述。

■後半戦■
2019年10月31日~11月25日。
山小屋芽室岳~幌尻岳~ペテカリ山荘~楽古山荘~襟裳岬~帯広空港。375キロ。

いよいよ、この山旅のフィナーレ、核心部だ。
日高山脈の縦走。といっても、稜線歩きは避けて、主脈西側の沢を辿る。
途中、いくつか尾根を越える。

次のデポ地はペテガリ山荘。
荷物を少しでも軽くするために、山小屋芽室岳にデポの半分を置いていくことにした。
すいぶん悩んだ末の決断。
<そうだ、食料を残しておけば、やばくなったら帰ってきて、仕切り直すこともできる。>(P.168)

この判断が、のちに裏目に出るのだが…。

■ここまで鹿ばかり撃って食料にしてきたが、キタキツネに出会い、撃ち逃す。
<ちょうど引き金を引くときにナツが吠えながらリードを引いた。完全な失中。…/「なにやってんだよ」とリードを引いて小突いた。/運ぶ重量を考えても、肉の旨味を考えても、ここでキツネが獲れたら理想的だった。ナツのせいで取り逃がした、といっても、獲物を見つけたのもナツである。ナツは私が腹を立てている理由がわからないようで困った顔をしている。>(P.171)

ナツの擬人化が面白い。ここまでも、ナツが「どうしたんですか」とか「何してるんですか」という顔をする、といった記述が多く、それが微笑ましい。

戸蔦別岳から幌尻岳へ。積雪の上を”バリズボ”歩行。
ナツの足が切れて出血するも、ナツが気にしているそぶりはない。

■新冠ポロシリ山荘(避難小屋)に二泊して休養。
その後、ナツが行方不明になる。
ナツ失踪のそれまでの最長記録が40分。それをはるかに超えて3時間たってもナツが戻らない。
服部さんは本気でナツの遭難(死亡)まで覚悟し、家族への弁解を考える。
読んでいて、ハラハラする。
<私は「ナツは死んだ」と納得するまで何日かかるのだろう。/もう戻らないとあきらめたとき、私はどこに向かうのか?/そこまで考えて、ふと「私は何のために歩いているのだ?」という自問に行き当たり、ぞわぞわと背筋が泡立つような感じがした。>(P.183)
<…ナツが戻らなかったら、「ナツは死んだ」と自分が納得し、家族に言いわけが立つまでここで待って、そのあととぼとぼと帯広に向かうということだけだ。帰宅後、もし家族が納得しなかったら、ここに家族を連れてくるしかない。/それをすべてやって、決着し、一段落した後、私はもう一度この旅をやり直すだろうか。>(P.183)

結局、ナツは3時間を過ぎた頃、幕営地の服部さんのところに戻ってきた。
さすがにバツが悪いのか、服部さんを遠巻きにしながら、なかなか近くまで来ない。
<チャイを一杯飲んでから立ちあがり、ぐるりとまわり込むようにナツとの距離を縮めていく。ナツは観念しているようだ。一メートルほどまで近づいてから、おもむろに首根っこを掴んで、手荒く持ち上げ、「どんだけ心配したかわかってんのか!」と怒鳴りつけた。/たった三時間の不在なのに、ちょっと涙声になってしまう。>(P.185)

感動的なシーンだ。

この後、面白いエピソードが続き、私にはこの「後半戦」の部分がいちばん楽しめた。

■肛門不調事件
ここまで食べるシーンはあっても、”出す”シーンがなく不満だったが、ここで肛門問題が出来。
旅の始めから、長くアスファルトを歩くと肛門の調子が悪くなり、山に入ると治るというパターンを繰り返していた。
<…肉と米しか食べない長期の冬期サバイバル登山をくり返してきた私は、繊維質の足りない大便をひり出すことが多く、肛門に古傷を抱えていた。その古傷に新冠ポロシリ山荘滞在時の二日ぶりのウンコで、痛みが走った。>(P.188)

山登りをしていた私にもよくわかる、深刻なモンダイだ。

触ってみると、古傷部分が小豆サイズに腫れている感じがするというから、イボ痔になりかけていたのだろう。
それまで、出発時に山仲間が差し入れてくれた抗生物質で、なんとかなだめてきた。
鏡がないので、コンデジ(カメラ)で接写してみたという。その姿を想像すると、笑うに笑えない。

服部さんが考えついた”処方”は、鹿の脂(これは豊富にある)を抽出し、排便前に浣腸するというもの。
問題は二つあり、その一つは、浣腸する注射器がないこと(当然のことだ)。
ポイズンリムーバー(蜂に刺されたときに毒を吸引するためか)を持っていたが、肛門に挿入する管がない。ボールペンの軸で代用する。
もう一つの問題は、鹿の脂の温度。鹿は体温が高く、鹿脂は融解温度が高いそうだ。そのため、人間の体内では、冷めて蠟のように硬くなってしまう。液状のままだと、熱すぎて直腸を火傷してしまいそう。

苦労の末、体内注入に成功。硬い便がスムーズに排出された。鹿の脂は外気温ですぐに固まり、大便は厚めの砂糖衣をまとったカリントウのようになっていたそうだ。その便は、後日、キタキツネが食べた、とも。
微に入り細を穿つリアルな描写に笑ってしまう。

<ズボンもパンツも脱ぎ、傾けて脂を寄せたフライパンから、ポイズンリムーバーで脂を吸い、若いころ複雑な気持ちで眺めた「タンポン挿入法」のイラストと同じ姿勢で、ボールペンの軸を挿入し、ゆっくりとポイズンリムーバーの軸を押した。この瞬間に、もし誰かが小屋に入ってきたら私は言いわけの余地がない変態だ。>(P.192-193)

■上記の”処方”は、デポ地のペテカリ山荘でのこと。
ここで食料不足が明確になってきた。
<デポの整理をすべく、並べてみるとペテカリ山荘のデポは、これまでのデポに比べて内容が貧弱でチャンポンや本格インドカレーのレトルトが入っていなかった。それを見て、デポ設置時「旅も後半になれば、心身ともに研ぎすまされてストイックになっているだろうから、自分を甘やかす必要はない」などと考えていたことを思い出した。/「ふざけんなよ」と過去の自分を毒づいてしまう。>(P.194-195)

ちなみに、このペテカリ山荘の写真が掲載されているが、なるほど、立派な山小屋。服部さんは何度も利用しているという。

肛門は小康状態。
初冬のペテガリ岳を、ナツといっしょに往復。
いよいよ終盤戦。荒れ模様の天気のなか、襟裳岬までの往復と、楽古山荘から楽古岳を越えて帯広空港までの道のりが控えている。外は吹雪。
米の残りがあと10日分ほどになり、一日200グラムに制限する。
山荘の水道の水も止まってしまい、ナツの食料も乏しい。

■ペテカリ山荘から楽古山荘へ。
楽古山荘には残りの地図と飛行機に乗るためのシャツをデポしてあった。
ペテカリ山荘で小屋の備蓄食料に手を出したことで”気持ちのタガが緩み”、楽古山荘でも備蓄食料を食べるつもりまんまんになっていたのだが・・・小屋に食料はなく、ミツカンの麺つゆがひと瓶と、固形燃料の缶が6個あるだけだった。
小屋には薪ストーブがあるので、固形燃料を使う必要はない。
「食いもん置いとけよ」と八つ当たりする。

※ここまでも、ずいぶん長くなってしまったので、さらに続く。

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2024年7月 1日 (月)

【読】2024年6月に読んだ本(読書メーター)

6月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2290
ナイス数:150

三省堂国語辞典から 消えたことば辞典三省堂国語辞典から 消えたことば辞典感想
「新明解国語辞典」(新解)は、よく知っていて、面白いなと思っていたが、その前身に「明解国語辞典」(明国)→「三省堂国語辞典」(三国)という歴史があったとは、知らなかった。「明国」「三国」という略称も、おかしい。いずれも編者の個性(編集方針)が色濃く出ている辞典。そこから消えたことばも、懐かしかったり、時代に密着したものだったり。言葉は時代とともに生きているものだと、あらためて痛感。面白い一冊だった。図書館本。
読了日:06月02日 著者:見坊 行徳,三省堂編修所

もっと悪い妻もっと悪い妻感想
一年ほど前に出た桐野さんの新刊。といっても、次の新刊がもうすぐ出るらしい。新古書店で見かけて、よほど買って読もうかと思ったが、ページ数の割には高かったので、図書館に予約。順番がまわってくるまで、ずいぶん時間がかかった。桐野さんらしく、日常生活に潜む不気味さを抉り出す、よく出来た短編集(雑誌連載)だったが、いまひとつ満足できなかったのは残念。やはり長編で力を発揮する作家なのかもしれない。図書館から借りてきて、あっという間に読み終えた。
読了日:06月02日 著者:桐野 夏生

墜落の夏―日航123便事故全記録 (新潮文庫)墜落の夏―日航123便事故全記録 (新潮文庫)感想
日航機123便墜落事故から1年後に書かれた本。ずいぶん前に読んだかもしれないが、憶えていない。あらためて? 読んでみた。まだ事故調査報告書が出されていない時期(報告書「案」は出ていた)。事故原因と言われていた圧力隔壁破損説に基いて書かれているものの、それが尾翼破壊につながったとされることには、疑問を呈している。520人の死者とその遺族の境遇を(毎日新聞記事1985/9/12を引きながら)詳述していたり、生存者・落合さんへの単独インタビュー、関係者からの聞き取りなど、取材の丁寧さが光る。
読了日:06月09日 著者:吉岡 忍

だからあれほど言ったのに (マガジンハウス新書)だからあれほど言ったのに (マガジンハウス新書)感想
タイトルにも魅かれて読んだ図書館本。内田樹が書いた本(文章)が好きだ。実際に会ったことも話を聞いたこともない人だけれど、”武芸者”らしい?率直な文章が好ましい。何よりも様々な気付きを与えてくれる。雑多な文章が集められた中では、子どもたちを「決して傷つけず『無垢な大人』に育て上げる」ことの大切さ、というテーマに共感。また、村上春樹の創作の秘密を解き明かす「村上春樹が描く『この世ならざるもの』」には思わず膝を打った。「日本国憲法は”空語”」「日本(政府)はアメリカの言いなり」などは、いつもの”内田節”。同感。
読了日:06月10日 著者:内田樹

一日一考 日本の政治 (河出新書)一日一考 日本の政治 (河出新書)感想
うるう年の2月29日を含む1年366日、1日ごとに「日本の政治」を考えるヒントになる短い文章(著名人や無名人)を挙げ、著者による短いコメントを付したもの。1日分が新書の1ページにまとめられているので、ときどき開いて読み続けた。6月18日(連合赤軍事件の公判、永田洋子の死刑判決の日)の項、桐野夏生『夜の谷を行く』から引用された部分。原武史さんと桐野夏生さんの対談を思い出した。天皇・皇室関係が多いのも、原武史さんらしい。引用された文章には、知らなかった人物も多く、刺激を受けた。
読了日:06月13日 著者:原武史

書くことの不純 (単行本)書くことの不純 (単行本)感想
今年1月に出た角幡さんの新刊。元新聞記者の角幡さんの文章は、論理的でしっかりしているのだが、私にはなかなか難しい内容だった。加藤典洋、三島由紀夫、開高健らの作品・文章を引きながら、行為と表現にまつわる彼自身の悩みを縷々、書き綴っている。三島由紀夫『金閣寺』を読み込んでいることに、驚いた。読書家なんだな。角幡さんの登山観・冒険観が出ている部分は興味ぶかく、なかでも「羽生と栗城」の章が面白かった。夢枕獏『神々の山嶺』は私の愛読書なので。
読了日:06月17日 著者:角幡 唯介

ノイエ・ハイマートノイエ・ハイマート感想
池澤さんのファンなので、この新刊を知って図書館から借りてきた。「短編と詩、引用などからなる雑多な構成」は意図的なもの。いかにも池澤さんらしい試みだ。”難民”をテーマに、フィクションでありながらリアリティーがあり、胸に迫る。なかでも、満州からの引揚者(これも難民)を描いた『艱難辛苦の十三個月』と、レバノンからの難民(密航者)を描いた『サン・パピエ』の2編がよかった。池澤さんのいい読者ではないが、過去の作品をあらためて読んでみようと思う。メルマガをまとめた『新世紀へようこそ』(正・続2冊)も読むつもり。
読了日:06月19日 著者:池澤 夏樹

オパールの炎 (単行本)オパールの炎 (単行本)感想
桐野夏生さんの新作。「中ピ連」(中絶禁止法に反対しピル解禁を要求する女性解放連合)の活動で、いっとき有名になった榎美沙子がモデル――ということを知らずに読み始めた。最後に明かされる”執筆者”(40歳のノンフィクションライター)が、主人公・塙玲衣子の関係者を取材して得られた証言を積み重ねて行く構成。桐野さんらしい凝った仕掛けだ。巻末の謝辞にある木内夏生氏は、どうやら榎美沙子の夫だった人物(ネット検索でどういう人物なのかわかる)。実名小説にしなかったのは、本人を含め関係者が存命だからか。面白い小説だった。
読了日:06月27日 著者:桐野 夏生

九十歳。何がめでたい九十歳。何がめでたい感想
上映中で評判になっている映画を、昨日観た。映画が面白かったので、原作を読んでみようと図書館から借りてきた。地元の図書館には6冊収蔵されているのだが、かろうじて1冊、貸し出されていないものがあった。佐藤愛子さんが書いた本は、たぶん初読。軽妙なエッセイ集。今日借りてきて、あっという間に読み終えた。8年前に週刊誌に連載されたものだが、90歳とは思えない元気な様子(今年、100歳を超えている!)。さわやかな読後感。この人の小説も読んでみようかなと思う。
読了日:06月30日 著者:佐藤愛子

読書メーター

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2023年9月 1日 (金)

【読】2023年8月に読んだ本(読書メーター)

2023年7月。
高野秀行さんの『イラク水滸伝』(自腹で購入)を読むのに時間がかかり、たくさん読めなかった。

8月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1825
ナイス数:106

子どもお悩み相談会-作家7人の迷回答 (単行本)子どもお悩み相談会-作家7人の迷回答 (単行本)感想
子ども相談室形式だが、実際の相談ではなく、面白みに欠ける。角田光代、高野秀行、三浦しをん、の三人の「回答」は、味わいがあって、良い。高野さんの「『ありがとう』と言わない民族は、世界的にはたいへん多い」との話。さすが、世界中を訪ね歩いている高野さんの言葉には説得力がある。子ども向けの本なので、さっと読めた。
読了日:08月02日 著者:角田 光代,高野 秀行,髙橋 秀実,津村 記久子,東 直子,町田 康,三浦 しをん

 

旅人の表現術 (集英社文庫)旅人の表現術 (集英社文庫)感想
角幡唯介さんの集英社文庫4冊目。雑誌掲載記事、対談、他者の本の解説文などを集めた雑文集。沢木耕太郎との対談、三浦しをんとの対談が面白かった。あらためて思ったのだが、角幡唯介さんの文章は、けっこう理屈っぽい。けっして嫌いではなく、彼の本は、出るたびに読んでいて、好きな書き手なのだが。
読了日:08月07日 著者:角幡 唯介

 

イラク水滸伝イラク水滸伝感想
分厚くて読み応えがあり、読み終えるまで予想外に時間がかかった。文化人類学者顔負けの、(謎の)イラク巨大湿地帯探検。高野さんらしいアプローチ。読んでいて肩が凝らない楽しさ。水滸伝になぞらえて「ジャーシム宋江」「マフディ盧俊義」「アヤド呉用」などと綽名を付けるあたりも、高野さんらしいウィット。木の舟「タラーデ」、目を瞠るばかりの美しい布「マーシュアラブ(アザール)」の発見は、高野さんならでは。いずれ英語版とアラビア語版を出したいという。すばらしい。図書館へのリクエストを待ちきれず自腹で購入。2200円は安い。
読了日:08月20日 著者:高野 秀行

アジア新聞屋台村 (集英社文庫)アジア新聞屋台村 (集英社文庫)感想
高野さんの著作の落穂拾い。タイトルが絶妙。多少フィクションが混じっているかもしれないが――登場人物はすべて仮名、著者の<自伝的>物語として読んで欲しいとの断り書きあり――高野さんがのめりこんだ奇妙な会社「エイジアン」での多国籍新聞編集の現場は、まさに「アジア新聞屋台村」。女性社長の劉さんを筆頭とする魅力的な人物たちと高野さんとのやりとりが生き生きと描かれている。どことなくクールな筆致、とっつきやすい文章が、いい。2005年-2006年雑誌連載。2006年単行本発行。2009年文庫化。高野さんの青春時代。
読了日:08月24日 著者:高野 秀行

極楽タイ暮らし―「微笑みの国」のとんでもないヒミツ (ワニ文庫)極楽タイ暮らし―「微笑みの国」のとんでもないヒミツ (ワニ文庫)感想
高野秀行本の落穂拾い二冊目。ずっと本棚に眠っていた。高野さんには膨大な著作があって、読むのが追いつかない。買っても読まないままの文庫本が、まだ何冊か。ひとつ前に読んだ『極楽タイ暮らし』にもチラッと出てきたこの本。タイ通を自任する高野さんならではの、タイの人々とその暮らし、考え方が生き生きと描かれた傑作。2000年刊。
読了日:08月28日 著者:高野 秀行

極楽アジア気まぐれ旅行 (ワニ文庫)極楽アジア気まぐれ旅行 (ワニ文庫)感想
これも高野秀行本の落穂拾い。姉妹作『極楽タイ暮らし』よりも、バラエティーに富んでいるぶん、面白かった。『アジア新聞屋台村』に描かれた多国籍新聞社(本書では「アジア屋台村新聞」と表記されている)の正体を知ることもできた。「ニューコム新聞社」といって、いまでも実在している。新聞以外にも多様な事業を営んでいるらしいところも、経営者(高野さんが紹介している台湾人女性)の姿が見えるようで興味深い(ウェブサイトを見ると、創業者のこの女性の名前はなかったが)。https://www.newcom.or.jp/
読了日:08月30日 著者:高野 秀行

読書メーター

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2023年8月 2日 (水)

【読】角幡唯介さんと北極圏探検

所属している「小平図書館友の会」の会員向け交流紙に寄稿する、「おすすめの本」の紹介。
下に転載しておこう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
角幡唯介 『極夜行』

文藝春秋 2018/2/10 333ページ
https://amzn.to/3WtcEei

『裸の大地 第一部 狩りと漂泊』
集英社 2023/3/25 284ページ
https://amzn.to/3WGyUlj

『裸の大地 第二部 犬橇事始』
集英社 2023/7/10 357ページ
https://amzn.to/3ShZJtr

角幡 唯介(かくはた ゆうすけ)
1976年生まれ。ノンフィクション作家・探検家。早稲田大学探検部OB。

余談から――。角幡さんの実家は北海道芦別市でスーパーマーケットを営んでいたという(今は廃業)。私の母の実家があった美瑛町(芦別市から遠くない)に「カクハタ」という店があったことを、母が遺した日記で知り、親しみを感じた。
ここにあげた三冊は、角幡さんの北極圏(グリーンランド)探検(冒険?)の記録。本人は「漂泊」と表現している。野生動物を狩りながらの、行き当たりばったり的な旅だ。もちろん、当初の計画・目標はある。
犬を一匹だけ連れて橇を引いての徒歩旅から、やがて現地のイヌイットに倣って犬橇を使う狩猟の旅へ。その軌跡を追うのが面白い。GPSに頼らない、人力の、命がけといってもいい旅は身震いするほどの緊迫感にあふれている。
『極夜行』は「極夜」(一日中、太陽が出ない日、白夜の正反対)の中の過酷な旅。
『犬橇事始』では、はじめて犬橇に挑戦するも、エスキモー犬の調教の難しさが、これでもか、これでもかと執拗に綴られる。
「裸の大地」は三部作になるという。いつ出るかわからないが三作目が楽しみだ。

ウェブサイト
惑星巡礼 角幡唯介 | 集英社学芸部
https://gakugei.shueisha.co.jp/yomimono/wakuseijunrei/list.html

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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単行本を図書館から借りて読んだが、たぶん、文庫化されたら買ってしまうだろうな。
(『極夜行』は、すでに文庫化されているが)

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2023年7月31日 (月)

【読】沢木耕太郎さんと山崎ハコさん

角幡唯介さんの書くものが好きで、よく読んでいる。

まだ読み始めたばかりの、この本に、沢木耕太郎さんとの対談が掲載されている。

角幡唯介 『旅人の表現術』 集英社文庫 (2020/2/25) 335ページ
https://amzn.to/3WvzVfP

驚いたことに、沢木耕太郎さんが山崎ハコさんのデビュー・アルバムに言及している。

対談の前後の脈略を無視して、その部分だけを下にあげる。

「歩き、読み、書く ノンフィクションの地平」(上掲書 P.74)
 初出:「考える人」 2012年秋号[No.42]
 2012年10月4日刊行(新潮社)

沢木
(前略)
一九七〇年代にデビューした山崎ハコさんという女性歌手がいます。最初のアルバムが素晴らしい出来で、でも二枚目、三枚目はなかなかヒットしない。山崎さんがあるときこう言っていました。「それは当たり前だと気づきました。だって十七歳の全人生が最初の一枚にはこもっていたんです。そのあとの一年、二年をこめたものより一枚目がいいに決まってる。そう思えるようになりました」
(後略)

この、ハコさんの言葉を、沢木さんはどこで聞いたのだろうか。
(「あるときこう言っていました」)
とても気になる。

ネット検索などではみつからない。
沢木さんの対談集かインタビュー集などに載っているのだろうか?
それとも、何かの機会でハコさんと話したのか?

妙に説得力のある、ハコさんの言葉なのだが…。

https://amzn.to/3YcqR0x

 

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